[GMCD] GOD EATER 3 ORIGINAL SOUNDTRACK

PS4/Steam/Switch用アクションゲーム「ゴッドイーター3」のサントラが2023年2月に配信限定で解禁されたので、iTunesで購入して一通り聴いてみました。
収録曲数は全20曲。再生時間はトータルで約49分。

本作は、ゴッドイーターシリーズ13周年記念の日に、過去シリーズ作品のサントラともども一挙解禁されたうちの1つになります。配信が解禁されるまで、確か3のサントラはPS4版の初回限定版特典にしか存在しなかったと思います。

自分があまりにもドンくさくて大半のアクションゲームは楽しさよりも苦痛が勝ってしまうという理由によりゲーム自体のプレイは諦めていたものの、サントラの発売は心待ちにしていました。過去作の曲は何かの拍子に耳にして一目惚れし、サントラを即購入。ものすごくヘビロテしたほど好きです。めっちゃ格好良いのです。
そんなシリーズの最新作がGE3なのだから、過去作同様にいつかサントラが発売されるに違いない、これまでのサントラがとても良かったから発売されたら買うと、GE3発売当初から決意を胸に抱いて待ち続けていました。
それから、気が付けば早4年以上。
待ちました。待ち続けました。めちゃくちゃ待たされました。まさか、こんなに待たされるとは思いませんでした。
なんで出ないGE3のサントラはよ出してくれ! と、バンナム本社のある方角に向かって何度念を送ったことか。
それがようやく、ようやく発売されました。ようやく聴けました。嬉しいです。
この際だから配信限定でも構いません。とにかく何らかの形でリリースしてくださったことに感謝します。

とまあ、一日千秋の想いがようやく実った本作ですが、収録曲数はかなり少ないです。ゲーム未プレイなので確かではありませんが、おそらく、というか十中八九、全曲ではありません。
そもそも、収録曲数と曲名からすると、PS4初回限定版特典のサントラと同一の内容ではないかと思います。
既に初回限定版のサントラを所持している方は、購入する前によく確認することをオススメします。

(たぶん)全曲ではない点は残念ですが、ただ収録されている曲はどれもとても良いものばかりです。
選りすぐりだからこその良曲揃いなのかもしれませんが、ほぼ全曲、自分好みでした。どの曲を切り出しても、耳が幸せです。やはりGEシリーズの曲はキレッキレで格好良いです。
20曲50分弱だけのサントラですが、一部楽曲だけでも聴けて良かったです。

曲の雰囲気は、過去のシリーズ作品によく似ています。オーケストラを主軸に、曲によっては電子音によるロックやテクノっぽさで、別の曲ではコーラス付きのエキゾチックっぽさで味付けされています。
とにかく壮大でドラマティックでキラキラしていて身悶えするほど格好良いです。どの曲も良曲なので、もはや格好良いしか感想が出てこないくらい格好良いです。聴いていて気持ちの良い格好良さしかありません。
これまでのGEシリーズの楽曲が好きな方なら、高確率で心に刺さると思います。自分は一撃でぶっ刺さりました。これだよこれ。なんでこれまでサントラ出なかったんだ、勿体ないやろがい。

ゲーム未プレイなのでどの曲がどのシーンで流れるのかは分かりませんが、収録曲にはいずれも終曲部があります。2ループしてフェードアウトする形式ではなく、1ループして曲としてちゃんと終わる形式です。イベントムービー用BGMばかりなのでしょうか?
そのためなのか、一曲あたりの尺は、近年のフルプライス作品にしてはどれも短いです。大半が1分半~3分ほど。ループ系はありません。
その点は、物足りなさを感じました。もっとたっぷり聴きたいと思える曲が多かったので、収録曲の少なさも相まって飢えが強まった気もします。
いやでも、まあ、欲張るのは良くないですね。こうして4年越しに聴けただけでも満足です。そういうことにしておこう。うん。

iTunesでDL購入したデータには作曲者の情報が入っていなかったので、作曲者が誰かははっきりしませんが、作風からするとおそらく椎名豪さんだと思います。ものすごく椎名さんらしさが出ています。これが椎名さんの曲でなかったらそれはそれで逆にすごいと思えるくらい、椎名さんの曲です。
そういう意味では、椎名豪さんの作風が好きな方にもオススメです。

どれも格好良い曲しかないのですが、その中でも個人的に一番刺さった曲は「破壊の主」。
90秒ほどのとても短い曲なのですが、他の曲とは少しテイストが違っていて、妙に印象に残りました。オケやロックの音色が濃い中で、この曲はとりわけ異国情緒が強いのです。
クセのある早口ボーカル、金管楽器の唸り、地の底から湧いてくるようなドラムの重低音、良いところで挿入される甲高いパーカッションと、どこを切り取っても好きしかありませんでした。この曲、ものすごく好みのタイプです。

というわけで。
ゲーム本体の発売から4年以上の月日を経て、デジタル配信オンリーではありますがようやく通常入手できるようになったGE3のサントラ。期待通りにめちゃくちゃ良曲揃いでした。何故これまでサントラがリリースされなかったのか不思議に思えるくらい、格好良い曲ばかりです。
過去のGEシリーズの曲が好きな方はもちろんのこと、GEシリーズをプレイしたことがない方、ゲームの内容を全く知らない方でも、オーケストラテイストの壮大なゲーム音楽が好きな方ならば十分楽しめると思います。自分もゲームミリしらですが、過去作のサントラ同様にすこぶる堪能できました。

ただ、やはり一部楽曲のみというのは少々物足りないので、ぜひいつか全曲収録の完全版サントラを発売してほしいです。20曲聴けただけでもめちゃくちゃ嬉しいのですが、20曲だけでは足りないので、可能であればいつかお願いします。本気でお願いします。

[GMEV] KINGDOM HEARTS Concert -Second Breath-

アクションRPG「KINGDOM HEARTS」(以下、KH)シリーズの吹奏楽コンサート東京公演が、3月18日(土)と19日(日)の2日間に4公演開催されました。そのうち初日18日の昼公演に行ってきたので、その感想を記します。
会場は、Bunkamuraオーチャードホール。
12:30に開演し、14:50頃に終演しました。

指揮は、和田薫氏。
演奏は、シエナ・ウィンド・オーケストラ。
MCは、KHシリーズのメイン作曲者である下村陽子さん、でした。

■2016年以来2回目のKH吹奏楽演奏会
KH20周年を記念して開催された本演奏会。
正直、吹奏楽の演奏会がまた開催されるとは思っていませんでした。
2016年に開催された「First Breath」がとても特別感の強いものだったので、これはもうしばらくないだろうな、という印象が強かったのです。なので、「Second Breath」開催の報せを聞いた時は心底驚きました。オーケストラではなく吹奏楽で来たか、と。
そして、チケット争奪戦に突撃して、無事ゲットした次第です。

「しばらくないな」と感じていたものの、実は「First Breath」からもう7年も経っていたことにも驚きました。つい先日のように感じていましたが、そうか、あれからもう7年も経つのか。

■KH3をメインに、敗者復活も踏まえた名曲プログラム
演奏会全体は、全2部(+アンコール)という構成。
第1部は、明るくて軽めの小手調べ的な曲。
そして第2部は、ここからが本番と言わんばかりの、緩急に富んだ重めで迫力ある曲が並びました。

今回の演奏会のプログラムは、前回まだ発売されていなかったKH3の曲がやや多め。それ以外のシリーズ作品の曲は均等に1, 2曲ずつチョイスされていたと思います。

なお、アレンジは1曲目の「光」以外、全て今回の吹奏楽用に新規に作成したそうです。確かに「First Breath」にはなかった曲ばかりでした。
ちなみに「光」は、「First Breath」のアンコールで演奏されたものの、演奏会当日に発売された同名のアルバムには未収録だった曲です。ということは、公式の吹奏楽版の「光」も「First Breath」以来ということになります。懐かしいような耳馴染みなような不思議な感覚を覚えたのは、そのためか。

■安定のシエナ、信頼のシエナ
演奏については、もう申し分ありません。右も左も素晴らしい演奏でした。さすがシエナさん。
ゲーム音楽特有の鬼畜フレーズやへんちくりんな拍子を、よくあんなに難しさをあまり感じさせることなくサラッと奏でられるなと、本当に感動しました。プロってすごい。

特に印象的だったのは、パーカッションの迫力。
シロフォン連打やスネアドラムの軽快な刻み、ティンパニやバスドラムの重低音が原曲よりも前面に押し出されていて、なんだかとても気持ち良かったです。一糸乱れぬリズム感、半端ないです。パーカッションのみなさん、リズムゲームとても上手そう。
パーカッションだけでなく、木管や金管の演奏もどれも素敵で見事な響きでした。そこから繰り出される音が、身体に直接ビリビリ響いてくるのもたまらない感覚でした。あれは現地ならでは体感でした。やはり生演奏はいいものです。

■原曲を重視しつつ、吹奏楽ならではの味付けを加えた編曲
前述の通り、最初の1曲を除く全曲が今回のために新しく吹奏楽用に編曲されたわけですが、方向性は概ね「First Breath」から変わっていないと思います。原曲を重視して吹奏楽に落とし込みつつ、吹奏楽らしさを出すエッセンスを追加したような、そんな感じです。
原曲になるべく近付けているものもありましたが、ほんのり独自アレンジのある曲もあったような気がします。編曲者によって味わいが異なり、それも楽しみの一つでした。

編曲者によって多少の違いはあったものの、共通していたのは「吹奏楽の生演奏という手法で原曲の良さを引き出す」を重視していたところでしょうか。
原曲はあくまでもゲームを引き立たせる演出の一つという脇役的な立場でしたが、演奏会では堂々たる主役。映像やシナリオなど他の演出要素とのバランスから抑え気味だった原曲の良さを、ここぞとばかりに引っ張り出そうとしているように感じられました。
特に第2部に多かったのですが、「この曲、こんなに格好良かったっけ!??」ということが結構ありました。めちゃくちゃ格好良い編曲、素晴らしかったです。

■作曲者ご本人によるほんわかMC
本公演のMCは、原曲の作曲者である下村陽子さんが担当。
大体2曲に1回の割合でMCとして登場されていました。
大好きな曲を手掛けられた作曲家自らがMCをされる演奏会に居合わせるって、よく考えたら実はすごく贅沢じゃないですか? ゲストではなくMCとして登壇されるんですよ? 恵まれた時代に生まれたなぁ……。

MCの間は、初めてのMCに噛み噛みながらも必死の下村さんを、客席が時折拍手で応えながらほわわ~んと見守時間でした。下村さん、どう表現すればいいのか上手い言葉が見つからないけれど、とても可愛らしかったです。演奏会後に頭を撫でたくなる可愛さでした。

なお、プログラム中に下村さんがピアノ演奏で参加される曲が、1曲だけありました。
ご本人が謙遜されていたように確かにピアニストで生計を立てている方に比べたら拙いかもしれませんが、それでも十分上手でした。少なくとも、ピアノ全然弾けない身からすれば「ちゃんと弾けてるじゃん!」と思いました。

■演奏会自体は素敵だったのですが……
物販がエグかったです。
演奏そのものとは関係のない話なのですが、物販がエグかったです。

自分が会場に到着した時刻は、開城前事前物販中の10:40。11:30開場予定の50分ほど前です。その時点で入場待機列に並び、入場後に物販列に流れ、パンフレット1冊のみ購入した時点で12:25。開演の5分前でした。
ちなみに、後ろにはまだまだ長蛇の列ができていましたし、終演後も物販が人でごった返していました。あれ、夜公演までに全部捌けたのかな?

特典のオルゴール引き換え口もすごい長蛇の列になっていました。

現場に接客されていたスタッフさんたちは、みな対応がとても丁寧で親切でした。彼らは何も悪くないです。
ただ、運営の中心にいる方々は、もうちょっとやり方を考えた方が良いと思います。事前物販で階段を上へ下へと大移動することになり、それで体力を奪われてヘトヘトに疲れてしまい、演奏に集中できなくなるときも時々ありました。
まあ、人手不足が根本原因のような気もするので、いかんともしがたいところがあるのかもしれませんが。

■感想まとめ
まさかのKH吹奏楽2回目の開催に驚きつつも、吹奏楽の生演奏ならではの迫力と繊細さてんこ盛りで、とても楽しかったです。前回の再演ではなく、吹奏楽では初アレンジの曲でプログラムの大半が占められていた点も好感を持てました。
KHの吹奏楽コンサートはまたしばらくないと思いますが、25周年記念かKH4がリリースされた頃に3回目を開催してほしいです。吹奏楽だからこそできるKHの響きを、また聴いてみたいです。
あと、東京公演でも大阪公演でも良いので、演奏会音源を何らかの形で販売してほしいです。何度でも聴きたい曲がいくつもあったので、何度でも繰り返し聴き倒したいです。


これより下の追記は、本公演のプログラムと、印象に残った曲ごとの感想になります。

[ゲームRev] パラノマサイト FILE 23 本所七不思議

2023年3月にスクウェア・エニックスからリリースされたホラーミステリーADV「パラノマサイト FILE 23 本所七不思議」のSwitch版をクリアしました。
プレイ時間は、正確なところは不明ですが、おそらく15時間くらいかと。

本作はネタバレを踏むと一気に面白味が減ってしまうタイプのゲームなので、本稿では公式サイトで公開されている情報以上のものはバラさないように感想を綴りたいと思います。
そういう制約を設けるとものすごく感想を書くのが難しい作品なのですが、まあ、出来る限り努力します。

■スクエニ発のテキストADV、しかもロープライス、そして面白い
2023年2月のニンテンドーダイレクトで初めて情報が公開された本作。
初報の時点で意外性の塊のような作品だったため、一撃で心をガッと鷲掴みにされました。

意外性その1、スクエニが制作したADVであること。
スクエニといえばRPGの印象がとても強いので、昨年の「春ゆきてレトロチカ」に続いて再びADVを制作したということに驚きました。レトロチカで築いたADV系開発ラインに今後も本腰を入れていく、という意思表明なのでしょうか。それはそれで、ADV好きとしてはたいへん嬉しいです。急かされることの少ないADVは、RPGと同様に大好物なので。

意外性その2、スクエニという大手ゲーム会社がロープライスで提供したこと。
初めて公式サイトで価格を確認した時、あまりの低価格っぷりに思わず二度見しました。手の込んだフルプライス作品しかリリースしない印象の強いスクエニから2,000円未満とは、一体どういうことなのか、と。いくら近年のスクエニがミドルプライス作品もリリースしているとはいえ、それをさらに下回る価格帯の作品を出してきたことに驚きました。

ただ、ロープライスは万一自分に合わなくても傷が浅くて済むので、ぶっちゃけ手を出しやすかったりします。それと、ボリュームが概ね10時間ほどなので、クリアした時の達成感を容易に得られる点も自分にとってはメリットです。

意外性その3、携帯アプリ「探偵・癸生川凌介事件譚」シリーズを手掛けられた石山貴也氏が本作のディレクターを担当されたことを前面に押し出してきたこと。
あの名前の読めない探偵のシリーズを手掛けられた方が今スクエニに在籍されていることにまず驚きましたが、今そのシリーズを強力にプッシュしてきたことにも驚きました。

なお、癸生川シリーズは第1作目しかプレイしたことがありません。ずっと興味はあったのですが、サービス終了ギリギリまでPHS(ウィルコム)ユーザーだったためプレイできる端末がなくて、なんだかんだで結局今までプレイできていません。
唯一プレイした第1作目が面白かったから他のシリーズ作品も常々気になっていたし、Switchに移植されたものも時間があればやりたいと「ほしいものリスト」に放り込んであるし、と思っていたところで本作の発表です。しかも、自分の好みにクリーンヒットしそうなホラーとミステリーのテキストADV。そりゃ興味を引かれないわけがありませんでした。

ちなみに、長年名前の読めなかった探偵の名前は、つい先日Twitterで教えてもらってようやく覚えました。あの時教えてくださった方、ありがとうございます。

意外性その4、本作の舞台が墨田区本所であること。
本所って、あの本所だよね? 山手線のやや外側の隅田川沿いにあるあの一角だよね? マイナーじゃね? と思ったりしました。
ただ、仕事で数年ほど本所に通っていた程度には、実は無縁でない土地だったりします。多少なりとも縁のある土地が舞台だと、途端に親近感が湧く現象が発動しました。琴線にピーンと触れるってものです。

そんなわけで、興味を引かれる要素だらけだし、購入を躊躇う要因もなかったので、ニンダイ終了後には即予約していました。パクッと食らいついていました。
で、リリース日から少しずつプレイしてみたのですが、これがめちゃくちゃ面白かったです。直感通り、自分の好み直撃でした。正直こんなに面白いとは思っていなかったので、かなり驚きました。ロープライス帯の作品とは思えない力作です。これで2,000円未満って、プレイヤーとしては非常にお買い得だけど、制作側は大丈夫なのか? 利益ちゃんと出てる??

■怖さより面白さの勝る濁流のような群像劇
本作は、とにかく物語が面白かったです。
詳細は控えますが、物語の力にグイグイ引き込まれました。
序盤は「ほーん」という感じで冷静に操作感と世界観の把握に努めていたけれど、操作感に慣れてきたあたりで物語が大きく転換。濁流の如くうねるように転がっていく中盤以降は、先が気になって仕方ありませんでした。これは仕事してる場合じゃないと、平日に何度思ったことか。
なんというか、こう、序盤に「?」とスルーしたシーンや台詞が、後になって「……あ、あれはそういうことだったのか!」を連発してくるタイプの物語です。そういう理由もあって、本作はネタバレに触れる前にプレイしてほしい作品です。

また、「本所七不思議」という実際に存在する逸話がモチーフであること、墨田区がスタッフロールにクレジットされるほど全面協力している上に実在する地名がポンポン出てくることも、良い感じに上手く料理されています。それらが紡ぎ出すリアリティが、また強烈です。ついうっかり聖地巡礼したくなります。
とはいえ、作中に登場する地名が現在違う名前に変わっている場所もあるので、聖地巡礼するなら下調べしないと「作中のここは、今のどこ?」と迷いそうですが。

公式のジャンルが「ホラーミステリーADV」であり、PVで「呪い合い」が強調されている通り、本作にはホラー的な展開があります。グロ表現もあります。ただし、あまりにグロいものは、絵で見せるのではなくテキストで突きつけてきます。CERO審査はD判定だけど、テキストだからこそのD判定であって、絵で描写していたらおそらくZ判定だと思います。それくらいのグロさです。
まあ、確かにテキスト描写は容赦ないけれど、絵で具体的に見せてこない分、表現は幾分マイルドです。情景を鮮明に想像しなければなんとかなります。たぶん。

なお、ホラーゲームでおなじみの驚かせ演出も、多少あります。
が、それほど多くはありません。
とはいえ、たまに不意打ちで出てくるから余計にビックリするかもしれませんが。

物語を彩る登場人物たちはとても個性的。
最初はクセが強過ぎてなかなか感情移入できない人物もいましたが、その多くは人柄や事情が判明すると好感を持てるようになりました。もちろん、逆にヘイトを集めまくる人物もいます。その好悪のバランスがとても良い感じでした。

本作は群像劇なので、登場人物がとても多いです。誰が何をやった人なのか、随時把握する必要はあります。
が、プレイしていれば自然と覚えられるようになっているので、現状把握にはあまり苦労しませんでした。いざとなればTips的な情報まとめページがあるので、「こいつ、誰だっけ?」となってもそこでいつでも確認できます。
むしろ、Tipsに記載された情報にヒントが隠されていたりするので、まとめページは地味に重要な存在でした。

数多くの登場人物の中では、津詰警部と襟尾刑事のコンビが一番好きです。変化球満載の会話がとても小気味良くて、次はどうくるのかが毎回楽しみでした。また、全体的に重く沈みがちな物語が重くなり過ぎないようにする、一種の浮き輪のような会話に和まされました。あのやり取りがなかったら、ちょっとしんどいです。
次点で櫂さん。物事を見抜く鋭さがあるかと思えば、子供っぽい突拍子の無さもあって、そのギャップになんだか癒されました。

■多少頭は使うけれど、難解過ぎるほどではない適度なミステリー要素
ジャンル表記にあるもう一つの要素、ミステリー。
画面内を探索したり、多少の推理力と記憶力を問われたりはします。が、それほど難しくはありません。ちゃんと状況を整理してあらゆる可能性を検討すれば、自ずと見えてくるものばかりです。
シーンによってはミスるとゲームオーバーになってしまうこともあります。が、その後解決へのヒントがもらえるという親切設計。しかも、そのヒントは繰り返し間違え続けるとより直接的なものへと変わっていきます。なんという至れり尽くせり。
加えて、ゲームオーバーになった場合は原因となった選択肢の直前から再開されるので、ストレスなく気楽にゲームオーバーになれます。ヒント不足で選択肢に長時間悩むくらいだったら、ゲームオーバーになった方が手っ取り早いくらいです。

自分の場合、終盤の一ヶ所だけどうやっても先に進めなくなったところがあり、そこだけはネットでヒントを得てどうにか解決しました。それともう一ヶ所、探索画面で闇雲にコントローラーをこねくり回している最中に偶然発見したフラグのおかげで先に進めたこともありました。ま、運も実力のうちです。
それ以外は、そんなに迷うことなく自力でサクサク進められました。

本作では、物語がある程度進むと、ストーリーチャート機能が開放されます。
誰の物語がどこまで進んだか、どのチャプターが未完了なのか、が一目で分かる機能です。また、ストーリーチャートから任意のチャプターをやり直すこともできます。やり直し時はチャプターの冒頭からでなく、途中(選択肢表示時や探索開始時)から開始できます。これがとても便利でした。
ただ、そうは言ってもテキスト量が半端ないので、可能ならばメッセージの高速スキップ機能が欲しかったなぁ、と多少思ったりもしました。特に中盤以降、何かとページ送りでボタン連打する機会が多かったので。

■昭和後期という時代へのこだわりを感じるグラフィックと音楽
物語の舞台が昭和後期のため、グラフィックや音楽などの演出面も徹底的に昭和後期にこだわっていました。

まず画面、とにかく昭和臭がすごいです。
演出とかフォントとか、まるで昭和のドラマを見ているようでした。毛筆体のドデカい文字がドンッ!ババンッ!!と表示されたり、大仰なSEがガンガン鳴り響いて盛り上げたり。なんかすごく昭和っぽかったです。
とはいえ、昭和のドラマは幼少期に再放送くらいでしか見たことないので、あくまでも自分のイメージする昭和のドラマと比較した感想ですが。お昼過ぎに再放送していた2時間サスペンスドラマとか、地上波で放送された昭和の映画とか、その辺の記憶しかありません。

あと、キャラクターのグラフィックにも良い意味で古臭さを感じました。輪郭線の太さが、その典型です。昔の解像度の低いアニメがそんな感じだったっけなぁ、と懐かしく思いました。
加えて、各登場人物の髪型や服装も、時代に合わせられたデザインで好印象です。自分の親世代が青春を謳歌していた頃がおそらく昭和後期で、その頃の写真が大体こんな感じのファッションでした。

さらに、画面全体が薄暗くて彩度が低くて暖色強めな色味であるところとか、画面の四隅が歪んでいるところとかにも、すごく昭和後期を感じました。というか、完全にブラウン管テレビでした。芸が細かい。

画面だけでなく、音楽にも昭和を感じさせられました。
なんというか、曲によってはほんのり歌謡曲っぽさがあるというか。アコースティックな音色が満載です。
しかも、音源の多くが打ち込みではなく、実際に演奏されたもののような気がします。スクエニ楽曲のオーケストレーションでおなじみの亀岡夏海さんも本作に参加されているようだったので、おそらくそういうことではないかと。

ただ、グラフィックにしても音楽にしても、ゴリゴリにとにかく昭和ァッ!という感じではなく、ちゃんと令和を生きる人にも耐えられるようにバランスが取られています。
プレイ開始直後こそ多少抵抗感がありましたが、1時間もしないうちに慣れました。
いや、慣れるというよりは、物語に没頭して演出の古臭さが気にならなくなった、と言った方が正確でしょうか。

ちなみに、全体的に音楽が良かったので、なるべく早めにサントラ買います(諸事情でまだ買えていない)。
呪詛絡みでよく流れるおどろおどろしい曲がなんだかとてもツボだったので、あれをいつでも好きなタイミングで聴きたいです。

■ロープライスとは思えないほど満足度の高い作品
本作「パラノマサイト」の感想を一言で表すなら「すごい」です。
物語の面白さ、演出の妙、その他ここでは言えないアレとかソレとか、いろいろ非常に上手く出来ていてすごいです。一つ一つは「どこかで見たな、これ」と思ったりもしましたが、それらを組み合わせて「本所七不思議」というエッセンスを加えた結果、なんともユニークなすごい作品になっていました。スクエニの底力がすごいです。とても面白かったです。

かなりやり切った感の強い作品なので続編は難しいような気がしますが、もし続編が制作されたらそちらもプレイしてみたいです。似たシステムで、似た雰囲気の、全く別の地区を舞台にした、全く別の物語を見てみたいです。

[GMCD] FINAL FANTASY Series ACOUSTIC ARRANGEMENTS

スクウェア・エニックスの「ACOUSTIC ARRANGEMENTS」シリーズ(以下、アコアレ)の新作が先日リリースされたので、早速一通り聴いてみました。
聴いたのはiTunesのDL版。収録曲数は15曲で、再生時間はトータルで62分ほどになります。

今回のアコアレは、王道にFFナンバリングタイトルオンリー。
ありそうでなかったFFシリーズ縛りです。FF7R縛りはあったけれど、FFシリーズ縛りは初です。
そして、収録曲数から察することができるかもしれませんが、1~15の各ナンバリングタイトルからほぼ平等に1曲ずつ(8のみ2曲のメドレー)選ばれています。
さらに、1曲あたりの尺も平等。概ね3分30秒~5分ほどで揃っています。
古のFF好きも新しきFF好きも、等しく楽しめるように配慮されています。偏りのなさがある意味潔いです。人気のあるなしに関係なく、どのタイトルも平等に扱うその姿勢が素晴らしい。

とはいえ、FF1の「オープニング・テーマ」はいわゆるFFメインテーマなので、1固有の曲ではありませんが。まあ、そこはそれ。
「FF縛りならメインテーマかプレリュードはないと」という同調圧力と、ナンバリングタイトルから1曲ずつという制約を両立させる、苦肉の策だったのではないかと思っています。
あと、きっと中の人がどうしても演奏したかったんだろうな、という気もしています。分かりますその気持ち。
ちなみに、プレリュードはありません。

今回選ばれた曲はいずれも、過去のアコアレ収録曲との被りはありません。全て新規アレンジ曲です。
アコアレ第1弾でFF4, 5, 6から1曲ずつチョイスされていましたが、それらとは別の曲が今回新たにアレンジされています。
また、FF7からは「ゴールドソーサー」という、FF7Rではまだ描かれていないけれど人気のある曲が選ばれています。これは上手いところを突いてきたなぁ、と思いました。絶妙なセレクトです。

それでいて、どのナンバリングも納得の人気曲が揃っています。
タイトル別人気投票をしたらどれもベスト3圏内に入ってくるのではないか、という曲ばかりです。
事実、先日発売されたばかりの「シアトリズム ファイナルバーライン」に、今回収録された曲のほとんどが採用されています。
FF14の「終焉の戦い」だけはシアトリズムFBLにありませんでしたが……比較的最近の曲っぽいから、シアトリズムに間に合わなかったのでしょう。きっとおそらく、うん。

「ACOUSTIC ARRANGEMENTS」という名前の通り、演奏は全てアコースティックな楽器による小規模アンサンブル。電気楽器や打ち込み音源は一切使用されていません。
編成は、曲によって異なります。大体どの曲からもヴァイオリンの音色は聴こえるけれど、他の楽器は曲によってあったりなかったり。ピアノのエンカウント率が比較的高く、次いでアコースティックギターやフルート、チェロなどの音が聴こえます。

一曲当たりの参加人数(=楽器の本数)は2~6人くらい。非常に小規模です。
ですが、小規模とは思えないほどの迫力があります。アコアレ名物の超絶技巧が相変わらずすごいです。神々による本気の戯れというか、素人が真似したら火傷だけでは済まないレベルの演奏です。指の動きどうなってんの? プロの本気がマジですごい(語彙力喪失
録音された音源でこれだけの迫力があるのだから、生演奏だったらもっと迫力を感じられるんだろうなぁ……聴いてみたいなぁ……(ちら

ちなみに、編成については公式ページに掲載されているので、参考にすると面白いです。
音だけでは聴き分けられなくても、この曲ってこんな編成だったのかー、というのが分かります。

アレンジはそこそこ強めです。スクエニからこれまで発売されてきたアレンジアルバムの中でも、かなり強めの方だと思います。アドリブも多いです。
そのため、原曲絶対至上主義は手を出さない方が無難かもしれません。
けれど、多少なりともアレンジOKであれば、ぜひとも聴いてほしいです。
神々によってもたらされる圧倒的な音の洪水は、浴びていてすごく気持ちが良いです。シンプルだけど厚みのある響きと熱くて巧みな演奏が、聴く者を問答無用で捻じ伏せてきます。それがまたテンションをグッと押し上げてくるので、何回聴いても飽きません。プロの本気がガチですごい。

本作収録曲で個人的に最もツボったのは、FF6の「死闘」。
正直どの曲も甲乙付け難いくらい素晴らしかったのですが、強いて挙げるならこの曲。何よりもアレンジに好感を抱きました。
この曲の公式アレンジはこれまで何パターンも聴いてきたけれど、過去一番というくらい解釈が深い気がしました。ゲーム知ってる感が半端ないです。なんというか、仕事として編曲しただけでなく、作品が好きでたまらなくて編曲したという印象も強く抱きました。
特にケフカの扱いが巧みでした。曲の端々にケフカの影がちらほら見え隠れしている点がたまりません。3:12でケフカの笑い声がヴァイオリンで再現されていたのには、心底驚きました。マジかー。

次点がFF9の「独りじゃない」。
ヴァイオリンとピアノだけの編成なのに、それを感じさせない音の圧力がすごいです。2人だけだからこその息ピッタリ感がそれを実現させているのか……これで2人だけとか、嘘やろ!?
中盤のテンションが上がるところでドンッという打音が小さく何度も入っているのは、足で床を叩いてる音でしょうか。勢いのあまり叩いた音をたまたまマイクが拾っていて、それをそのまま残したっぽい雰囲気を感じます。臨場感があって、これはこれで面白いです。

反則的に良かったのは、FF10の「ザナルカンドにて」。
バンドネオンっていう時点で、もう心を射抜かれないはずがありません。FF10でこの曲が流れるシーンを知っていると、バンドネオンの古色蒼然とした音色にものすごく納得します。郷愁と寂寥感が半端ないです。これはもう、楽器のチョイスの勝利です。勝てる気がしない。

というわけで。
アコースティック楽器の超絶技巧で描かれた「アコアレ」シリーズの最新作でしたが、過去作同様に今作もたいへん満足した一枚でした。アレンジを少しでも許容できるFFシリーズの曲好きの方には、有無を言わせず押し付けたくなる作品です。プロってすごい。
アコアレシリーズはこれからも続いていってほしいので、気が早いけれど続編を期待しています。あわよくば演奏会などを開催してもらえると、より一層喜びます。主に自分が。

[GMEV] コスモスカイオーケストラ 第10回定期演奏会

3月4日(土)に、ゲーム・アニメ・ドラマの劇伴を演奏するアマチュアのオーケストラ団体「コスモスカイオーケストラ」の第10回定期演奏会が開催されたので、行ってきました。
会場は、埼玉県川口市の川口総合文化センターリリア メインホール。
17:00に開演して、19:50頃に終演しました。

指揮は田中亮さん。コーラスはChor Gnosinaさん。MCは吉田純也さん。
いつものメンバーで安定の顔ぶれでした。

■気が付けば5年ぶりのコスモスカイ
2010年の第3回定期演奏会以来、時間と会場までの距離に都合が付けばなるべく足を運んでいたコスモスカイの演奏会も、今回で7回目になりました。
自分は、2018年のアンサンブルコンサートVol.2以来の鑑賞になるので、5年ぶりとなります。もう5年も経っていたのか……と思うと感慨深いです。

今回は、ゲーム系ニュースサイトにも取り上げられたためか、全席指定の無料チケットが即完売。自分もギリギリで座席を確保していました。
3Fまである座席はほぼ満員状態。とてもたくさんの方が来場されていました。
この社会情勢下、それだけ多くの人が待ち望んでいたということの証左でしょうか。
アマチュア楽団による有観客演奏会の本格的な再開の先駆けのように感じられて、普段はやや苦痛な入場待機列ですら愛おしく感じられるほどでした。
本演奏会の冒頭の演奏曲目ではないけれど、ようやく夜が明けて光が見えてきたなあ……しみじみ。

■ゲーム音楽5割、それ以外の曲5割
今回のプログラムは、ゲーム音楽がいつもよりやや少なめで、それ以外の曲がやや多めという選曲でした。割合としては、ゲーム音楽半分、それ以外が半分、といったところです。
また、ゲーム音楽のうち、さらにその半分以上は「原神-Genshin-」が占めていました。プレコンサートもアンコールも「原神-Genshin-」の色が濃かったです。

実は今回、コスモスカイの演奏会に行こうかどうしようか、ギリギリまで迷っていました。事前に公開されていた演奏曲目が、あまり自分に馴染みのない曲ばかりだったためです。
アニメもドラマもあまり見ないし、今回の演奏会でメインに取り上げられた「原神-Genshin-」も未プレイです。スマホゲームかつオープンワールドという自分と相性の良くない要素のコンビなので、なるべく近寄らないようにしているくらいです。曲の良さは風の噂で耳にしていたので少々気になっていましたが、たぶん一曲も聴いたことがありません。他の楽団で演奏されて耳にしたことがあるかも、程度の接触率です。
それでもチケットを取ったのは、「『天穂のサクナヒメ』があったから」と「コスモスカイさんの演奏会だから」。コスモスカイの演奏によるサクナヒメを聴いてみたかったのです。
サクナヒメ以外で原曲を知っていたのは、他に「NieR」シリーズくらいでした。

そんな状態だったので、開演までしっかり楽しめるかどうか、かなり不安でした。
パンフレットに掲載されていたプログラムを見たら、サクナヒメとNieRは第1部で早々に演奏され、第2部以降はガチのミリしら。「これは俺、体調を優先して途中退席コースじゃね?」とすらふんわりと考えていました。

そんな不安を抱えたまま開演。
結論から言えば、最後までめっちゃ楽しめました。
いやほんとに、予想外に楽しかったです。良い意味で裏切られました。知っている曲はもちろんのこと、知らない曲も知らないなりに刺激的で楽しめました。

■原曲知ってる曲も知らない曲も等しく楽しめました
本編の全体構成は、全3部。
第1部はゲーム音楽アラカルト。1曲あたり5~10分程度のオムニバス形式です。自分の聴きたかった曲は全てここに詰まっていました。
第2部は劇伴パート。吉田純也さんの一人芝居による物語が軸となって、様々な曲を繋ぐ構成になっていました。
第3部は「エヴァンゲリオン」を前座とした「原神-Genshin-」。MCで解説がありましたが、「原神」を開発した会社は当初「エヴァ」を目標にしたアニメ会社を目指していたとか。

個人的に一番楽しんだのは、意外にも第2部。
知っている曲の多かった第1部も、普通に良曲揃いだった第3部も良かったのですが、ほとんど知らない曲だったけれど演出の光る第2部がとても面白かったです。
おそらく、原曲を知らないからこそ先入観なく聴けたのが、逆に良い方向へ作用していたような気がします。ほぼ一人芝居状態の吉田純也さんの演技力も素晴らしくて、ナビゲーター役にぴったりでした。それもあって、演奏と寸劇、どちらも飽きずに素直に楽しめました。
寸劇自体は奇のてらったものではなく、最初からオチの見える王道物語でした。が、ゲーム音楽は好きだけどアニメ・ドラマまで網羅していなくて置いてけぼりを食らうであろう人々の心を、良い感じにくすぐってくる内容でした。少なくとも、自分は寸劇で描かれた物語にもワクワクしました。その点も良かったです。

あと、第2部で演奏された曲が、大体どれも格好良かったのも印象的でした。
演奏会に取り上げられるということは誰かが非常に好きな曲ということで、つまりそれくらい良曲なわけです。ハズレなんてありません。実際に今回聴いてみて、選ばれた理由がなんとなく理解できました。これは演奏したくなるわ。
ほぼどの曲も初めて聴きましたが、「あ、これ好き」とか「今のところ、もう一回聴いてみたい」とかが連発しました。一回しか聴けないのが、正直もどかしいです。

ちなみに、寸劇は座席の配置位置の都合によりほとんど見えませんでした。
ただ、吉田さんの台詞だけで大体どんなことをやっているのか想像できたので、台詞だけでもなんだかとても面白かったです。

■丁寧な演奏と大胆な編曲
演奏は、アマチュアの楽団とは思えないほど上手いです。
多少は音が不安定になったりすることもありましたが(特に第1部)、大きく気になるほどではありません。これでアマチュア楽団とか、凄すぎませんか!?
過去のどの演奏会でも上手いと感じましたが、今回は社会の情勢が情勢なのでおそらく勝手が違ったと思います。そんな中でも過去の演奏会と同じクオリティを保てていることに、楽団員さんの気合と情熱をひしひしと感じました。
きっと今回の演奏会のために、制約の多い苦しい状態の中でもなんとか練習を積み重ねて、いろいろ工夫をしてきたのだろうなぁ……本当に頭が下がります。

唯一、これまでの演奏会となんとなく違うなぁと思った点は、丁寧な演奏に一点集中していたところ。勢いでガーッと押し通すダイナミックさよりも先に、オーケストラで重要なハーモニーを優先しているように感じました。
コスモスカイの編成はオーケストラ(管弦楽、打楽器)がベースではありますが、そこに電子楽器等を使用したバンドサウンドも混ざるという特徴があります。過去の演奏会ではバンドサウンドが最前面に躍り出て爆音で押し流す傾向がちょこちょこあったのですが、今回はわりと控えめ。オーケストラにフィーチャーしたような演奏でした。
おかげで、とても聴きやすかったです。弦楽器も打楽器もよく聴こえて、素晴らしいハーモニーでした。

編曲の強さは、今回よくわかりません。
原曲を知っていたサクナヒメとNieRに限って言えば、かなり強めでした。
他楽団の演奏との差別化を図ったのでしょうか。随分尖った編曲でした。
まあ、編曲のコンセプトが分かると「あ~、なるほど」と納得できましたが。

原曲を知らない曲に関しては、どれほど編曲されていたのかは不明です。
原曲知らずに聴いた限りでは、あまり違和感のようなものはありませんでした。気に入った曲に関しては、原曲と聴き比べてみたくもなりました。

■演奏を披露できる喜びが端々から感じられました
コロナ禍が始まって以降では初のコスモスカイオーケストラの演奏会でしたが、知らない曲ばかりでも観客を飽きさせない趣向が盛り込まれていて、とても楽しいひとときを過ごせました。やまり生音は良いものです。
演奏を披露できる喜びがステージ上からもパンフレットからもひしひしと感じられて、そこからもエネルギーのお裾分けをいただいた気がします。ほっこりしました。

次回公演が既に決まっており、今年秋ごろにアンサンブルコンサート、来年夏~秋のどこかで定期演奏会が開催されるそうです。演奏される曲目次第ですが、都合が合えばまた行ってみたいと思います。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと、印象に残った曲ごとの感想になります。