[GMEV] GAME SYMPHONY JAPAN 26th&27th CONCERT ATLUS Special

10月28日(土)に、GAME SYMPHONY JAPAN(以下、GSJ)の第26回(昼公演)と第27回(夜公演)の演奏会「ATLUS Special ~ペルソナ20周年記念~」が開催されたので、両方とも行ってきました。
会場は、東京オペラシティ コンサートホール。
昼公演は開演13:30で終演15:45頃、夜公演は開演18:30で終演20:30頃でした。

■ペルソナ生誕20周年記念演奏会、ついにFINAL
昨年2016年8月に始まった、GSJのペルソナ楽曲のオーケストラコンサート。
熱い要望に応えるかのように、その後再演に次ぐ再演により、2016年だけで計3回(18th, 19th, 21st)開催されました。
自分は18thと19thに足を運びましたが、どちらの公演もペルソナシリーズへの愛に包まれた、素晴らしい演奏会でした。

そして、今回、ついに最終公演。
第一作の「女神異聞録ペルソナ」が発売されてから、もう20周年ではなく21周年に突入しているのですが、急遽開催されました。
オーケストラコンサートとしては、結構急な開催発表だったような気がします。
よく土曜日のオペラシティ丸一日確保できたなぁ、と思います。

■最終公演に相応しい、密度の高いセットリスト
20周年記念コンサートの最終公演ということもあってか、内容盛り沢山。

昼公演は、これまでのコンサート総決算+αと言わんばかりの内容でした。
18th, 19th, 21stで演奏してきた楽曲を、全部ぶち込んできた感じです。
それに加えて新しくオケで披露された曲もあったりして、事前公開されたセットリストを見たとき、サービス精神旺盛過ぎるだろ!嬉しいけどっ!と思いました。

また選曲も、過去公演と同様に、とても良いところを突いてきていて。
「女神異聞録ペルソナ」からのナンバリングタイトル全作プレイしている身としては、セットリストだけで白米3杯行けるぐらい。
なんかもう鮮やかに良いトコ取りなセットリストでした。
これ、満足しないわけないです。

18thの時から思っていましたけれど、P3以降の楽曲だけでなく、女神異聞録や2罪/罰も網羅的に演奏してくれて、本当にいくら感謝してもし足りません。
女神異聞録発売から20年の時を経て、まさか女神異聞録や2罪/罰の曲をオーケストラで聴ける日が来るなんて、ゲームプレイしていた過去の自分に教えてあげたいくらいです。

一方、夜公演はP5オンリー。
今年3月20日に日本橋三越の三越劇場で開催されたPREMIUM CONCERTを拡張して、フルサイズにしたような感じでしょうか。
PREMIUM CONCERTへは行かなかったので正確なところはわかりませんが、セットリストを見る限りではそんな気がします。

今回のP5演奏会では、PREMIUM CONCERTでは演奏されなかった楽曲も多数追加。
最も大きな違いは、パレス曲を全曲演奏した点でしょうか。
なんだかんだで、ゲームをプレイしていると長時間聴くことになる曲だし、思い出の多い曲でもあるので、そこは単純に「すごいな、全部やっちゃうんだ」と驚嘆しました。

■休憩なしの2時間ぶっ続け演奏
セットリストが公開された時点で、演奏曲数が過去のどの演奏会よりも多いことは分かっていました。
しかし、開演から終演までにかかる時間は、ほぼこれまでと同じ。
「これ、どうやって演奏するんだろう、超短縮バージョンで立て続けに演奏していくのかな?」と、当日まで思っていました。

が、蓋を開けたら、なんと休憩なし。しかも、昼・夜両方とも。
休憩なしのオーケストラコンサートってクラシック音楽でも稀にあるけれど(ベートーヴェンの第九とか)、その多くは全体で約90分程度の若干短い演奏会ばかり。
今回のように2時間たっぷりとぶっ続けというのは、珍しいケースではないかと思います。
休憩時間を削ってまで演奏に注ぎ込むとは、恐るべしGSJ。
それだけに、密度がより一層濃く感じられたような気がします。

とはいえ、途中、休憩という名のゲストトークが10分ほど差し込まれました。
が、作品のファンや原曲のファンにとっては、ゲストトークの時点で休憩じゃないというジレンマが発生。
思わず「なにその休憩(仮)みたいなの」と心の中でツッコミを入れていました。
まぁ、一日2公演もやるし、ステージに立っている方々も人間なのだから限界はあるし、そりゃ少しぐらい休憩が必要ですよね。
それでも、休憩(ほぼ)なしで2時間×2公演分を演奏されるなんて、演奏された方々、コーラスの方々、何よりゲストトークまで含めてほぼ出ずっぱりだった指揮の志村健一氏、本当にお疲れさまでした。
おかげで、とても濃密な時間を楽しく過ごせました。

■ペルソナサウンドらしさを残しつつ昇華させた壮大なオーケストラサウンド
編成は、東京室内管弦楽団+東京混声合唱団+マイネマイネク(バンド)+ボーカリスト(小宮知子さん、川村ゆみさん、平田志穂子さん、Lynさん)+ドラム、キーボード、ピアノという、そうそうたる面々が揃いました。
これまでのペルソナオケコンの中で、最も豪華な顔ぶれではないかというぐらいです。

その豪華さそのままに、演奏も編曲も、オーケストラらしい壮大さに溢れた見事なものでした。
過去のペルソナオケコンだけでなく、他のGSJのコンサートと同様に、相変わらずのハイクオリティです。
原曲の雰囲気を損なうことなく、それでいてオーケストラらしさも十二分に発揮。
オーケストラの生音の迫力、音の洪水を直接我が身に受けて、終始圧倒されっぱなしでした。
ペルソナのオケコン参加は今回で3回目になるのに、今回も感動の坩堝に落とされました。

特に、昼公演が素晴らしかったです。
女神異聞録からP5までの良いトコ取りした選曲の時点で神回決定事案なのに、それを上手くオーケストラ用に編曲、さらに圧巻の演奏で見事に昇華された時点で、言葉が出てこないくらいの歓喜に満たされた気分になりました。
感動しかないし、すごいとしか言いようがないし、なんだよこれもうなんだよっ!
ペルソナシリーズ、好きでい続けていて良かった。

夜公演は、昼公演よりもバンド色、電子音が強いように感じられました。
管弦楽器の音がエレギやベース、ドラムの音に掻き消されていることが多くて、せっかく管弦楽器が揃っているのに勿体ないなぁ、と思ったこともしばしば。
座席位置の問題かもしれませんが。

■照明の演出はやり方次第か?
照明についても、一言。

照明の演出は使い方次第かな、という感じがしました。
昼公演はステージを斜め横から見下ろす位置だったので、ほとんど気にならなかったです。
が、夜公演はステージ正面のバルコニー席で、真正面から強い照明を食らう位置だったため、その度に照明がすごく気になりました。
照明が眩しくて、そちらに気を取られてしまい、音に集中できなかったことがしばしば。
できれば、照明を正面から客席に向けるような演出は避けてほしいなぁ、と思いました。

もっとも、自分が片頭痛持ちで、それに由来する光過敏なところがあるから、余計に気になっただけかもしれませんが。

■感想まとめ
今回で20周年記念演奏会のFINALということでしたが、最終公演に相応しい素晴らしい演奏だったと思います。
今回のコンサートに行けて良かったと心底思いましたし、ものすごく満足しました。
その一方で、これでしばらくコンサートがないのかと思うと非常に寂しいです。
ぜひ、25周年を迎えた暁には、再演していただきたいです。

それと、今回の演奏会も円盤化してほしいです。特に、昼公演。


これより下の追記は、今回のコンサートのセットリストと、印象に残った曲(楽章)ごとの感想になります。
過去にも何度か足を運んでいるので、過去公演の感想(18th, 19th)と被りそうな部分はなるべく避けて、簡潔に記します。

[GMEV] 星の調べ×テンプルナイツ交響楽団 Extra stage 交響曲FFT

9月24日(日)に、企画・星の調べ(以下、ほしらべ)、主催・テンプルナイツ交響楽団(以下、Tオケ)によるオーケストラコンサート「交響曲FFT」が開催されたので行ってきました。
会場は、パルテノン多摩 大ホール。
開演は15:30、終演は18:50頃でした。

■あの「交響曲FFT」が再び
今回の演奏会は、かつて「交響曲FFT」を作成・演奏したオーケストラ楽団ほしらべの譜面を、その志を受け継ぎ結成されたTオケが演奏するという形で開催されました。
これだけでも、「交響曲FFT」という重要アイテムがほしらべからTオケに継承されたようで、胸が熱くなります。

2009年に開催されたほしらべの第二回演奏会開催の際には、立川まで足を運びました。
自分がゲーム音楽の演奏会に行くようになり始めた初期の頃のことで、そのためか特に強く印象の残っている演奏会の一つです。
躍動感と迫力のある演奏、ただでさえ魅力的な曲ばかりなのにさらに磨かれて輝きを増していた曲の数々、そして大好きなFFTの曲を生演奏で聴けるという感動により、ほしらべ第二回演奏会は自分の中で今でもレジェンド枠に収まっています。

また、ゲーム音楽の演奏会自体がまだまだ数が少なく、その数少ない中でも特定の1作品だけをがっつり演奏するというものは、当時珍しかったと記憶しています。
今は公式オケコンや有志オケなどがあちこちで企画・開催されるようになり、それほど珍しいことではなくなりましたが、当時は本当に珍しかったものです。
この10年の間に、ゲーム音楽界隈も随分賑わってきたなぁ、とほしらべ第二回演奏会当時を振り返る度にしみじみそんなことを思い浮かべたりもします。
ゲーム音楽の演奏会が月に一回あったかどうかという程度だったのに、それが今では月数回どころか同日同時間帯にブッキングするくらいにまで成長するとは、想像していませんでした。

それくらい記憶に深く刻み込まれたほしらべの「交響曲FFT」ですが、2011年の東日本大震災の影響を多大に受けて第三回演奏会が中止になって以来、活動休止。
それがひどく残念で、いつか復活されることをひたすらに待ち望んでいました。
そして気が付けば、第二回演奏会から8年の月日が経過。

今回、ついにTオケとのコラボという形でほしらべの「交響曲FFT」が復活するということで、これはもう行くしかない! 行く以外の選択肢ないだろ! とばかりに、速攻でチケットゲットしました。

■「交響曲FFT」をベースに、今回用にブラッシュアップ
「交響曲FFT」という名前の通り、プログラムはオール・FINAL FANTASY TACTICS。
右を向いても左を向いても、とにかくFFTしかありません。
FFT好きにはたまらない演奏会です。

Tオケの第一回演奏会でも「交響曲FFT」の譜面が演奏されましたが、今回は演奏曲数がぐっと増えてグレードアップ。
OST収録曲から60曲以上、さらにOST未収録でサウンドテストで聴けた曲まで演奏されました。
OST収録曲の全てが演奏されたわけではありませんが、OSTの8割以上をカバー。
そのためか、Tオケ第一回演奏会のときよりもずっと、ほしらべの演奏会に近い形になっていました。

とはいえ、ほしらべ第二回演奏会のときとは、曲順が異なっていました。
今回の演奏会のために、さらにブラッシュアップされた結果ではないかと思います。
曲順がストーリーに沿っていた点は変わりませんが、ほしらべ第二回演奏会のときよりも流れがスムーズになっていたように感じられました。

ほしらべ第二回演奏会の記憶はもう随分薄くなってしまっているのですが、編曲もより一層洗練されていたような気がします。
曲の繋ぎとか、展開とか、盛り上げ方とか、よりドラマティックになっていたような印象を受けました。

それにしても、星の調べとテンプルナイツ交響楽団という限りなく近い志を持つ楽団同士が協力し合ってコンサートを開催するの、なんだか良いですね。
同じ目的のために共闘し合う感じがRPGっぽくて、ゲーム好きとしてはすごく胸が熱くなります。
また、こんなにも素晴らしいスコアをシェアし合うのも、良い雰囲気だなぁと思います。
大人の事情とか様々な問題があると思いますが、可能な範囲でスコアをシェアし合えれば、より多くの人が気軽にゲーム音楽を演奏して楽しむことができるようになるのではないかと。
こういうシェアし合う文化が広まらないかな、と密かに願っていたりもします。
編曲のハードルって結構高いと思うし、良いスコアを数回披露したっきり眠らせてしまうのは勿体ないと思うのです。

■原曲重視8割、がっつりアレンジ2割
アレンジは、それなりに入っていました。
といっても、原曲を多分に残したまま、それをよりオーケストラ映えするように拡張させたようなアレンジです。
1つの曲を2ループ以上演奏する場合、1ループ目は原曲を忠実に再現し、2ループ目以降でより壮大かつゲームのシーンをイメージしやすいようなアレンジを加えていたような、そんな感じです。

その中でも、イベント曲やキャラクターテーマ曲は、特にダイナミックなアレンジだったように思います。
鑑賞していて「うわ、そうきたか!」と驚かされたこともしばしば。
ゲームをプレイしたのはもう二十年近く前のことなので、エンディング以外のゲームの内容はかなり忘れてしまっているのですが、今回の演奏を聴きながら「そういえば、そんなシーンもあったような」と朧げな記憶が呼び起されたほどです。

ちなみに、エンディングだけは今でも結構しっかり覚えています。
あれは、忘れたくても忘れられません。
日曜日のめっちゃ爽やかな快晴の朝にエンディングまで到達して、その日一日めっちゃどんよりした気分で過ごしたのは、今でも良い思い出です。

■FFTとオケの相性の良さが半端ない
オーケストラによる生演奏を久しぶりに聴いて改めて感じましたが、やはりFFTの曲とオケの相性は抜群でした。
弦楽器も管楽器も打楽器も、全部曲と相性が良い。
チャイムの連打なんて、これぞFFTの音楽だと言わんばかりの迫力でゾクゾクしました。

演奏自体は、正直なところ手放しに上手いとは言えません。
音が外れたり、音のバランスが悪かったり、スピードにズレがあって座りが悪かったりと、不安に感じることもしばしばありました。
テンポの速い曲は、勢いで押し切ろうとしていたようにも見えました。
でも、そのような欠点は全てFFTに対する愛情でカバーされていて、良い演奏をしようという一生懸命さや熱意がすごく伝わってきました。
拍の取り難そうな曲は、絶対に外してなるものかという意気込みが感じられましたし。
その熱い想いにあてられたからか、内心で「がんばれ! がんばれ!!」と応援できたし、難しいフレーズを乗り切った時には心の中で拍手を送っていました。

で、最終的にはほっこりして楽しかった印象しか残っていません。

ゲーム音楽はそもそも演奏することを前提に作られた曲ではないので、演奏の難しい曲が多いです。
その点に関しては、FFTも例外ではありません。
そんな難曲を相手に、アマチュアの演奏者さんやスタッフさんたちが心血を注いで作り上げた演奏の数々。
そして、ゲーム音楽をオーケストラの生演奏で聴けるという点が加わって、終始興奮の坩堝にありました。
FFT+オケって、本当に良いものです。

オケ隊の中で最も輝いていたのは、パーカッションだったと思います。
その中でもチャイム、ティンパニ、シロフォンはすごかったです。
チャイムはFFTを演奏する上で美味しいパートですが、その期待を裏切らない見事な響きでした。
また、ティンパニとシロフォンは、腕の動きがアマチュアの域を超えている箇所が何回もあって、そこからも気迫のようなものが伝わってきました。
なんというか、「俺の(私の)音を聴けーっ!」みたいな。

そういう点で言えば、金管楽器もそういう箇所がいくつもありました。
戦闘曲のような激しい曲の金管楽器は、とても格好良かったです。
音が綺麗に真っ直ぐ鳴り響いたときは、内心「おぉー!」と拍手喝采でした。

余談ですが、チャイムの連打聴いてたら、なんだか教会でFFTの曲を聴きたくなりました。
FFTと教会って、相性良さそう。

■スペシャルゲストとパンフレット、他諸々について
オーラスの前に、スペシャルゲストとして作曲家の崎元仁さんが登壇されました。
崎元さんは国際フォーラムの方へ行かれているかと思っていたので、これは嬉しいサプライズ。

崎元さんの話は、ほんの数分程度でした。
ほしらべ第二回演奏会のときに岩田匡治さんとともに登壇されたときは、結構長く話をされていたと思うので、それに比べると今回はあっさりめ。
話の内容は、

・交響曲FFTは演奏される度に奏者が増えて成長している
・作曲していた当時は、演奏されるなんて想像していなかった
・こうして演奏されることで音楽として形を成していく

というようなことを仰っていたと思います。

崎元さんに限りませんが、ゲーム音楽の作曲家の方々(特に旧スクウェアに所属されていた方)ってフットワークが軽いですよね。
作曲者と同じ空間で生の演奏が聴けるって、すこぶる貴重な体験だと思うのです。良い時代に生まれたなぁ。

話は変わって、パンフレットについても少々。
今回のパンフレットも、ものすごく凝ったものになっていました。
Tオケ第一回、第二回のパンフレットもすごかったですが、今回はさらに輪をかけてすごいものになっていました。
フルカラーで美麗なイラストと手の込んだドット絵盛り沢山って、どこまでサービス精神旺盛なんですか。いいぞ、もっとやれ。
とりあえず、今回のパンフレットも永久保存版にさせていただきます。

パンフレットだけでなく、他にも会場ロビーに展示があったりして、まさにFFT尽くし。
ホール内も外も、満遍なくFFTへの愛に溢れた演奏会でした。

■感想まとめ
一人のFFT好きとしては、とても楽しかった演奏会でした。
演奏自体はまだまだ伸びしろがあると思いますが、それを補って余りある情熱にずっと煽られ続けたような気がします。
荘厳な「Bland Logo~Title Back」から始まり、緩急をつけた演奏がラストバトルに向けて徐々にヒートアップ、そして「Staff Credit」の高らかなファンファーレでフィナーレを迎える流れが、とても心地良かったです。
ほしらべとTオケのコラボを今回で終わらせることなく、今後もぜひ継続的に「交響曲FFT」を演奏し続けていってほしいです。


これより下の追記は、今回のコンサートのセットリストと、印象に残ったメドレーごとの感想になります。

[GMEV] 吟遊詩人組合 2nd Concert

9月10日(日)に吟遊詩人組合<トルバドール・ユニオン>の第2回コンサートが開催されたので、行ってきました。
会場は、新宿区の角筈区民ホール。
開演は14:00で、終演は15:30頃でした。

■ゲーム音楽主体だけど、ジャンルを問わず幅広い楽曲を披露
吟遊詩人組合は、ゲーム音楽の他にアニメや映画、ミュージカル、クラシック音楽など、ジャンルの垣根を取り払って、様々な楽曲の合唱を行う団体だそうです。
そのため、このエントリのカテゴリをどうしようか迷ったのですが、自分がゲーム音楽目当てで今回足を運んだ事情もあるので、とりあえずゲーム音楽イベントとして括ります。

そんなわけで、今回披露された楽曲のうち半分ほどはゲーム音楽でしたが、残りはアニメや映画など実に多彩。
ゲーム音楽はある程度明るい(と思っている)自分ですが、その他のジャンルについてはまるっきり疎いので、開演前まではその点が不安要素でした。
ゲーム音楽以外、箸にも棒にも掛からないぐらいついていけなかったらどうしよう、と。

が、いざ始まってみたら、そんな自分でもなんとなく聴き覚えのある曲が多数。
聴き覚えのないアニメや映画の曲も、綺麗で楽しそうなコーラスに乗せられて、魅了されていました。
どの曲も、思っていた以上に楽しめました。

ただ、逆に言えば、ゲーム音楽を知らない方にとっては、ちょっと厳しいプログラムだったかもしれません。
FF5の「ピアノのおけいこ」なんて、ネタを知っていないと、ただの拙い演奏でしかないわけだし。

■ゲーム音楽主体にしては歌詞付きの曲多め
今回披露された合唱曲は、歌詞の付いたものが多かったです。
ゲーム音楽というと歌詞の付いていない曲の方が圧倒的に多いので、それらを合唱で表現するとなると、いい感じに「ラー」とかで済ませるしかないというイメージがありました。
が、今回のコンサートでは、ゲーム音楽であっても元々歌詞のある曲が多く選曲されていたような気がします。
今回披露された曲のうち、原曲で歌詞のないものは、FFメドレーぐらいだったような。
あえて、そういう選曲をされたのでしょうか。

歌詞のある楽曲が多かったため、英語・日本語・ドイツ語など実際にある言語から、ヒュムノス語やモンハン語のようなゲーム内言語まで、幅広く網羅することになっていましたが。
しかし、それらを違和感なく歌声に乗せることができていて、そこはとても感心しました。特にヒュムノス語。
すごく練習を重ねて、習得していったのだろうなぁ、きっと。

■オペラ歌手の指導による綺麗な響きのハーモニー
編成は、コーラス(ソプラノ、アルト、テノール、バス)とピアノというシンプルさ。
コーラスもそれほど大所帯ではなく、総勢16人という規模。
学校のクラス単位の合唱コンクールの半分弱ぐらいでしょうか。
ややこじんまりとした印象を受けました。

しかし、その分少数精鋭、一人一人の歌声の響きが美しかったです。
トレーナーとして専門家がついていたからでしょうか、発声が素人とは違って聴こえました。
声がすごく伸びて、そして澄み渡っているような、そんな感じ。
各パートのバランスも良かったし、とても美しいハーモニーでした。

欲を言えば、曲によっては声量がもうちょっと欲しかったかな、とも感じました。
歌いやすい曲と歌いにくい曲があったようで、前者は結構十分な声量があったのに対して、後者は若干物足りなさも感じられたので。
でも、まぁ、ゲーム音楽という特性上、難しいのかな。

■手作り感満載のアットホームな空気感
会場は、キャパ200人ぐらいという小規模のホール。
その上、観客のうち結構な割合が関係者っぽかったので、全体的にアットホームな空気感を感じました。
MCも、唐突にネタをぶち込んできたりするなど、どことなーく緩い感じで。
また、スタッフさんのちょっと慣れていない列捌きなど、そこかしこに手作り感もあって、ほんのりとほんわかした気分になったりもしました。
なんというか、あれだ、文化祭の出し物みたいな雰囲気というか。

アットホームな雰囲気はそれはそれで良いと思います。個人的には、わりと好きな雰囲気です。
ただ、一点あえて苦言を呈すなら、終演後に登壇された方と観客の方の歓談の輪がロビーのあちこちでできていて、ホールから出る道を塞がれていたところ。
アンケート書き終わってホールから出ようとしたら人の輪が目の前にできていて、それをぶっちぎって横切れるほどの度胸もなくて、出るに出られないという困った事態になりました。
せっかくなので、あともうちょっと最後まで配慮してほしかったなぁ、と思いました。

■感想まとめ
そんなわけで、ゲーム音楽以外の様々なジャンルの楽曲とも出会えて、ほっこり楽しいコンサートでした。
美しい歌声には、とても癒されました。
ゲーム音楽主体とはいえジャンル問わずな選曲の分、ゲーム音楽好きであってもターゲットにハマらないかもしれませんが、1曲でもピンときたものがあれば足を運んでみるのもアリかと。
思わぬ出会いがあるかもしれません。


これより下の追記は、今回のコンサートのセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。

[GMEV] Foursomeジョイントコンサート

8月26日(土)に、ピアニスト4人によるゲーム音楽の演奏会「Foursomeジョイントコンサート」が開催されたので行ってきました。
会場は、大泉学園ゆめりあホール。
開演は18:00、終演は19:50頃でした。

■ゲーム音楽好きピアニストの共演
ゲーム音楽が好きという4人のピアニスト(いずみさん、かなもえさん、小鳥遊さん、凛音さん)による、ピアノオンリーの合同演奏会、という形式でした。
ゲーム音楽のピアノコンサート自体は公式・非公式を問わず時々開催されており、自分も何度か行ったことがありますが、企業抜きの有志によるピアノオンリーのコンサートというのは珍しいのではないかと。
その物珍しさと、セットリストのツボっぷりに興味を引かれて、今回足を運んでみた次第です。

また、今回のようにソリストが数人集って1つのコンサートを企画するというのは、面白い試みでした。
1人で1つのコンサートを企画するのは壁が高過ぎると思いますが、今回のように数人が集まったことで演奏会開催の壁がやや下がったのではないかと。
「1台でオーケストラ」と言われるピアノを操るとどうしても1人になりがちなピアニストならではの、ユニークな企画でした。
こういうジョイント形式のコンサート、もっと広まっても良いと思うのです。

■好きな曲を好きなように
1部は、ピアニストが一人ずつ、それぞれ好きな曲を演奏するという形で進行。
一人あたりおよそ10分の持ち時間が与えられ、その中で各々の好きな曲を演奏されたのではないかと思います。
いずれも公式から発表されているピアノソロの譜面(Piano Collections、あるいはPIANO OPERA)で演奏されました。

ジョイントコンサートだったからか、セットリストからも演奏からもピアニストの個性が如実に見えて、面白かったです。
セットリストで言えば、「FF9が好きなのかな」とか「ニーアが好きなのかな」とか、曲の好みが垣間見えたり。
演奏で言えば、原曲に忠実だったり、少しニュアンスが加えられていたり。
演奏に使用されたピアノは同じでも、ピアニストごとに様々な調べが奏でられていて、その点が興味深かったです。

2部は、4人ともが好きと思われる「ブレイブリーデフォルト」オンリー。
4人のピアニストによる、2台のピアノの連弾で演奏されました。
これが、なんかもう、すごかったです。
2台のピアノで4人のピアニストによる、最大40指による同時発音の迫力たるや。
とにかく音圧がすごくて、事情により抱え持っていたバッグの中身が共鳴して震えるのがわかるほどでした。
「1台でオーケストラ」って伊達じゃなかなったです。まさに本領発揮。

そんな同時発音数なのに和音に狂いがなくて、綺麗な響きだった点も印象に残りました。
4人同時に演奏すると音をぴったり合わせるのが難しそうですが、息ぴったりな見事な演奏でした。

BDFFはPiano Collectionsの類が発表されていないため、2部で演奏された曲は今回の演奏会のために独自にアレンジされたものでした。
一部「こんなフレーズ、あったっけ?」という部分もありましたが、概ね原曲(「ルクセンダルク大紀行」、「ルクセンダルク小紀行」含む)に準拠。
BDFFの曲も大好きなので、どの曲もたぎりながら鑑賞していました。

■アットホームな雰囲気と、それに甘んじない演奏
大泉学園ゆめりあホールは小さなホールで、キャパシティ170名ほど。
そのうちの7~8割ほどの座席が埋まっていました。
比率的関係者が多かったのでしょうか、会場の雰囲気はすこぶるアットホーム。
開演前や休憩中などには、あちこちで挨拶や会話が飛び交っていました。

その一方で、自分のような門外漢のソロにとっては、そのアットホームさに若干の居心地の悪さも感じたり。
時々Twitterで「ゲーム音楽の演奏会は内輪受けみたいなところがあって壁を感じる」というような呟きを見かけますが、「なるほど、こういうことか」と実感しました。
まぁ、こればかりは仕方ない、と割り切ってもいますが。

ただ、そんな居心地の悪さも、いざ演奏が始まったら一瞬にして吹き飛ばされました。
アットホームな雰囲気に甘んじない、とても真摯で真面目な演奏。
心の底から曲が好きで、曲に対して敬意を払い、真正面から向かい合っているような、そんな感じです。
一球入魂ならぬ一挙手入魂。
演奏する姿勢から、とても熱い気迫を感じました。

しかも、4人のピアニスト全員が、そんな感じの熱い演奏をされていて。
多少の個性はありつつも、根っこの部分では皆同じ気持ちなんだなぁ、としみじみ感じ入っていました。
とても気持ちのいい熱さでした。

■演奏技術は流石の一言
演奏された曲は、どれも素人目には難しそうなものばかり。
公式譜面はCDで聴いていたときから「これ、熟練者じゃないと弾きこなせないんじゃないか?」と思っていました。
そんな譜面を鮮やかに弾きこなしていて、熟練者の技の凄さを実感。
腕も指も乱れ撃ち状態で、音色を聴くだけでもすごいし、演奏する姿を目で見てもすごいと思いました。
しかも、女性の華奢な身体から、どうやってあんなに力強い音が出せるのか、不思議にも感じました。
正直、感嘆のため息しか出てきません。ピアニストってすごい。

途中、多少トチっていたところも無きにしも非ずでしたが、そこはそれ。
全体的にとても完成度の高い演奏でした。

■パンフレットのコメントがわかり過ぎる件について
演奏から少し離れますが、パンフレットの演奏者コメントについて。
4人のピアニストの方それぞれのコメントが記載されていましたが、どのコメントも納得しながら読みました。
同じゲーム音楽好きとして思わず肯いてしまうようなコメントばかりで、「ここに同志がいた!」と勝手に親近感を抱いたほど。
特に、凛音さんのコメントの最初の3行がまさにその通りという感じで。
「ゲーム音楽を理解してくれる人が周りにいない」という気持ち、すごくよく分かります。
分かり過ぎたあまり、理解されなかったときの苦しさと、同じ同士に出会えたときの嬉しさを思い出して、涙が出そうになりました。

他の方々のコメントも、ゲーム音楽好きの多くが一度は通る道がコメントに溢れていて。
「ですよねー」とか「あ、はい」とか、納得感満載でした。
そのコメントからして、ガチのゲーム音楽好きなんだなぁ、と感じられたほどです。

■個人的な平謝り案件
と、ここまで感想をぶちまけてきましたが、一点謝罪したいことが。
第1部の最中にお腹壊して途中退室したことが、本当に申し訳なかったです。
演奏者やスタッフの方々だけでなく、座席の周囲の方々にも。
一生の不覚です。本当にすみません。

途中退室によりちゃんと演奏を聴けなかった部分が出てしまったので、今回の演奏会の感想の投下はどうしようと、帰路の間ずっと迷っていました。
さんざん迷った挙句、聴けた演奏はどの曲もすごく良かったし、せめて聴けた演奏についてだけでも感想を書いておきたいし、演奏者の方々を少しでも応援したいという欲求が勝ったため、こうして感想を吐き出しています。
とはいえ、聴けなかった部分があるのでどうしても中途半端な感想になってしまうのですが・・・なんかもう、本当にすみませんでした。

熱い時期に演奏会に行ってホール内の空調でお腹を壊すという経験は、今回で2回目。
さすがに何度も繰り返すわけにはいかないので、何か対策を立てないと。
と、Twitterに投稿したらいくつかコツを教えてもらえたので、次からはそれを実践してみようかと思います。

■感想まとめ
感想を一言で言うならば、「ピアノすげー!」です。
1部も楽しかったのですが、何よりも2部がすごかったです。
4人によるピアノ連弾により原曲とは一味違った迫力と表現力があって、とても新鮮で楽しかったです。
ピアノの音色も好きで、ゲーム音楽も好きな自分にとっては、たまらない演奏会でした。
今回の演奏会で大好きな曲を素晴らしいピアノ演奏で届けてくれて、ピアニストの4方だけでなく、スタッフの方々にも、感謝の気持ちを送りたいです。
ぜひ、2回、3回と続けていってほしいです。


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。

[GMEV] リトルジャックオーケストラ 第14回定期演奏会

8月20日(日)に、ゲーム音楽専門のアマチュアオーケストラ楽団「リトルジャックオーケストラ」(以下、LJO)の第14回定期演奏会が開催されたので行ってきました。
会場は、横浜みなとみらいホールの大ホール。
開演は13:30、終演は16:00でした。

■LJOにとって7年ぶりのクロノ・トリガー
今回のLJOの定期演奏会は、クロノ・トリガーオンリー。
ロビコンやアンコールを除き、最初から最後までクロノ・トリガー一色でした。

LJOにとってクロノ・トリガーの演奏は、2010年の第7回定期演奏会以来7年振りだそうです。
熱いリクエストが多かったことから、今回は第7回定演のとき以来の再演を決定したとのこと。
ただ、第7回定演は自分も足を運びましたが、そのときとはセットリストが結構変わっていました。
第7回定演時の名残も残っているけれど、第7回をベースに正統進化させたような感じです。
第7回定演ではクロノ・トリガー以外の楽曲も演奏していたけれど、今回は尺の全てをクロノ・トリガーに注ぎ込めた分、より深みのあるクロノ・トリガーになっていたと思います。
クロノ・トリガーのゲームや楽曲を、深くじっくりと丁寧に演奏されました。
クロノ・トリガーのゲームも楽曲も好きな身としては、たまらないひと時でした。

ちなみに、自分が初めて参加したLJOの演奏会は、第7回定演でした。

■メインストーリーに沿って奏でられる名曲の数々
曲の構成はメインストーリーに沿ったもの。
クロノの目覚めから、中世、未来、原始、古代と旅をし、そして星を食らう災厄であるラヴォスとの決戦まで、ほぼ完全に再現されていました。
自分がクロノ・トリガーをプレイしたのはSFCの頃なので、もう20年ほど前のことになるのですが、その構成のおかげで「あんなイベントがあったなぁ」とか「あのシーン切なかった」と当時の思い出に容易に浸れました。
そんな感じに、ゲームをプレイしたことのある方であれば、曲を聴きながら容易に追体験できたのではないかと。

演奏に使える時間には限りがあるので、全曲演奏ではありませんでした。
しかし、名曲と呼ばれる曲は、一通り網羅されていたと思います。
その上で、あの壮大なストーリーを曲で再現されていて、凄かったです。

また、各メドレーにはテーマのようなものがあって、それを踏まえつつも聴き応えのある展開になっていたのも素晴らしかったです。
あるメドレーは未来編、またあるメドレーではカエルと魔王の決戦、別のメドレーではサラの立場と苦悩と願い、実に様々なシーンと登場人物たちの想いが込められていました。
それらがとても抒情的に、盛り上がりのある展開で描かれていて、全てが聴きどころと言っても過言ではないレベル。
ものすごく練られた構成で、ぐぅの音も出ないくらいです。

全曲演奏ではなく、またメインストーリーに特化した構成だったため、演奏されなかった曲ももちろんありました。
キャラクターのテーマ曲は、ほとんど演奏されませんでした。
ただ、なくても組曲として綺麗に成立していたので、文句なんて全くありません。

■原曲に近い形で、より壮大に
編曲は全体的に、原曲を丁寧にオーケストラに落とし込んだ感じ。
オーケストラや曲の展開に合わせたアレンジはあったものの、かなり原曲を大事にしている印象を受けました。
オーケストラで演奏する上で無理のないような、それでいて原曲を損なうことのないような編曲で。
クセがあまりなくて、とても聴きやすかったです。

それでいて、重要なシーンではこれでもかと言わんばかりに壮大にアレンジされていました。
それがまた、すごく自分好みのアレンジだったので、もう興奮が止まりませんでした。
また、曲と曲の繋ぎの部分は鮮やかで、確実にレベルアップしている様を感じました。
最初から最後まで、とても良い編曲でした。

■LJOの本気が爆発していた演奏
曲の構成、編曲がほぼ完璧であれば、それに応えるような演奏も素晴らしかったです。
最初から最後まで、アンコールまでもが、渾身の熱い演奏ばかりで。
バトル曲はもちろんのこと、明るい曲や荘厳な曲、しっとりした曲も、どの曲も聴き惚れました。
時々思いっきり音を外していたこともあったけれど、そんなことがどうでもよくなるほどの情熱的な演奏。
クロノ・トリガーが楽曲も含めて大好きだという想いが、十二分に演奏に込められていたようでした。
ステージ上から放出される熱量が半端なかったです。

その圧倒的なパワーにより精神的に捻じ伏せられていたからか、曲が終わる度に深呼吸をしていました。
あまりの音の強さに演奏中は無意識のうちに呼吸を忘れていたことが多くて、耳だけでなく全身で音を感じていたような気がします。
それくらい、演奏に魅了されました。圧巻の演奏でした。

■感想まとめ
曲の構成、編曲、演奏と、全方位に全力で隙のない圧倒的な演奏会でした。
なにもかも凄かったです。どこを取っても凄かったです。
あまりに凄いものを目の当たりにすると、語彙力が吹っ飛ぶということを実感したくらい、凄かったです。
もう、最初から最後まで楽しくて興奮しまくって、非常に満足しました。
月並みですが、ものすごく良い演奏会でした。
これは、本当に行けて良かったです。


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、メドレーごとの感想になります。