[GMEV] テイルズ オブ オーケストラコンサート 2018

10月6日(土)に、「テイルズ オブ」シリーズの公式オーケストラコンサート「テイルズ オブ オーケストラコンサート 2018」(以下、テイオケ)が開催されたので、行ってきました。
会場は、パシフィコ横浜 国立大ホール。
14:00に開演し、16:15頃に終演しました。

指揮は、栗田博文氏。
演奏は、東京フィルハーモニー交響楽団。
合唱は、Brazz~鳥の吟遊詩人たち~。

なお、今回の感想は少々辛口になると思うので、嫌な予感がした方はバックしてください。

■4年前の記念コンサート以来のアラカルトな構成
2015年の初回以来、今回で4回目となる「テイルズ オブ」シリーズのオーケストラコンサート。
4回目にして初めて、休日(土曜日)に開催されました。
過去3回とも平日開催で、行くなら仕事を調整して年休取得しないといけなかったけれど、今回は気が楽でした。

2016年と2017年の2回は、TOZ(アニメ版TOZ)やTOBにフォーカスした楽曲が演奏されましたが、今回は初回公演に似たアラカルトな構成になりました。
TOZの楽曲は好きだけどアニメ版TOZは途中リタイアし、TOBはコンサート開催当時未プレイだったこともあって、結局2016と2017は行かなかったので、初回公演ぶりの参加になります。
ちなみに、行かなかった2016と2017も、後日発売されたコンサートCDは買って聴きました。

今回のプログラムは、メインに今年10周年を迎えるTOVを据えつつ、他のシリーズ作品も広く浅く取り入れた構成。
初回公演以来の再演曲もあったけれど、多くは今回初披露曲でした。
マザーシップタイトルではない作品からの選曲もあって、なんとなく変化球の多かった印象があります。
その変化球な曲はどれも原曲知らない/覚えていなかったけれど、今回聴いてどれもとても格好良くて、「こんな曲もあったのか」という新発見を感じて楽しかったです。
良曲ならばマイナーな作品の曲を取り入れていくのもアリだと思うし、むしろ度を超えない程度にドンドンやって欲しいとも思いました。

なお、TOVと同じく発売10周年記念のTOS-R、TOH、発売15周年記念のTOSは、あまり出番がありませんでした。
1曲も演奏されなかったという事態には、さすがにならなかったけれど、TOVに比べると扱いがイマイチな感じがしました。
もっとも、1作品でアニバーサリーイベント開催できてしまうくらいTOVは人気が高いから、仕方ない気もしますが。
ちなみに、個人的にもTOVは「テイルズ オブ」シリーズの中で1, 2を争うくらい好きな作品で、今回演奏会の目当てもTOVだったので、プログラムには特に問題ありませんでした。

■オケらしい格好良さを追求した編曲
全体的に、オケの持つ表現力で原曲の格好良さを引き出すようなアレンジでした。
原曲をそのままオーケストラに落とし込むのではなくて、原曲の味を生かしつつ、オケならではのエッセンスを追加したような感じです。
原曲重視というほど原曲そのままではないけれど、原曲破壊というほど原曲の面影がないわけでもない。
原曲の格好良さはそのままに、オケらしい豊かな音色を響き合わせて壮大にさせたような。
そんな絶妙な匙加減で、「ガチでオーケストラ用に譜面を起こすとこうなるのか」というプロの本気を見た気がします。

過去のオケコンで演奏されたことのある曲も数曲ありましたが、それらは少し改訂されていたような気がします。
主にイントロ部分が変わっていたような・・・記憶違いかな。

■ゲーム音楽コンサートではお馴染みの栗田氏+東京フィルによる安定した演奏
演奏は、流石は栗田博文氏+東京フィル、と言わんばかりの、安定感と安心感のある演奏でした。
ゲーム音楽は演奏されることを想定していない曲が多く、実際に演奏しようとすると高難易度になりがちで、今回も聴いた感触としては鬼畜譜面としか思えない曲が多数。
しかし、そんな高難易度の曲も、見事に弾きこなしていました。
あの栗田氏と東京フィルならではの安心感、本当に半端ないです。

今回のコンサートに限りませんが、栗田氏も東京フィルも、実に様々なゲーム音楽を演奏されているのが、本当にすごいです。
ゲーム音楽のコンサートはまだまだ成長途上なので、演奏される曲の多くが初演です。
毎回、ほとんど予備知識のないまま、書き起こされた譜面とデモ(とゲームの解説?)から曲を解釈して、見事に昇華してみせるのが、プロとはいえすごいことだと思います。
コンサートの度に、いつも感心します。

■オーケストラに造詣の深い人を監修に入れてほしいと痛感
演奏自体はとても素晴らしいものだっただけに、スピーカー出力が強めだったことがとても残念でした。
自分の座席位置が、直線距離にすると指揮台よりもスピーカーの方が近かったためかもしれませんが、楽器から出る音がスピーカーから出る音にかき消されてしまっていました。
ヴァイオリンやホルンの音が、演奏者の位置ではなく、他の楽器とまとめてスピーカーから聴こえてくるのです。
そのため音が平面的に聴こえて、臨場感が木っ端みじん。
CD音源を爆音で聴いているような気分です。
チケット代を考えるとちょっと割に合わない気がしました。

特に第1部は、その感覚が終始抜けませんでした。
生演奏、特にオーケストラの場合は、立体感のある音の響きも重要なのに、この点は本当に残念。

残念と言えば、今回初めて導入されたペンライトも、正直いらないと感じました。
自分はペンライト買わなかったし使わなかったのですが、近くの人のペンライトの眩しさに集中力を削がれて、めちゃくちゃ邪魔でした。
バトル曲のような熱い曲、ノリノリになれる曲限定ならまだしも、ほぼ全曲ペンライト使用。
バラードにペンライトとか、本当にもう、意味がわかりません。
誰だよ、ペンライト導入しようって言い出した人&それを承認した人。
オーケストラコンサートは音の響きの調和とそれが醸し出す空気感や世界観を楽しみに来てるんだ、ノリノリになるために来てるんじゃない。
多くのオーケストラコンサートで、開演中の携帯電話やスマートフォンの使用が禁止され、避難誘導灯が消灯される、その理由を深く考えて直してもらいたいです。

そんなわけで、次回は音響監修サイドに、オケに関する造詣の深い人を立ててほしいところ。
本当に、せっかくの素晴らしい演奏が勿体ないです。

■その他、細かいところで気になったところ
演奏自体と関係ないところで、ちょっと引っかかった点について。

今回、スペシャルシートを購入して鑑賞に臨んだのですが、ゲーム音楽のコンサートではよく見られるように、今回も全席指定にもかかわらず入場烈が長くなりました。
入場が始まってしまえば列はスムーズに進んだのですが、自分が入場する直前に、関係者受付口でチケットを受け取った人がスタッフの誘導に従ってスペシャルシート入場列に割り込み。
それを目の前でやられて、わりとイラッとしました。
バンナムかワーナーか他の会社の関係者かわかりませんが、お前らはどっち向いてビジネスしてるんだ、と思いました。
これが初めての公式オケコンなら「関係者用の裏口用意するの忘れてたのかな?」とも思えるところですが、さすがに4回目なのでそんな言い訳は通用しないかと。
ほんと、そーゆーところだぞ!

■感想まとめ
そんなわけで、演奏自体は素晴らしかったのに、それを台無しにする周辺のアレコレの影響で、終演後ももやもやの抜けない演奏会になってしまいました。
これならCDで聴いた方が、わだかまりなくすっきり楽しめたような気がします。
来年も開催されるかわかりませんが、今年と同じようなら、参加するか少し考えたいと思います。
とりあえず、ペンライトはやめてほしい。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと、印象に残った曲ごとの感想になります。

[GMEV] NieR:Orchestra Concert 12018

9月17日(月・祝)に、スクウェア・エニックスのニーアシリーズ公式オーケストラコンサート「NieR:Orchestra Concert 12018」が開催されたので、昼公演に行ってきました。
会場は、パシフィコ横浜 大ホール。
13:30頃に開演し、16:15頃に終演しました。

指揮は、大井剛史氏。
演奏は、神奈川フィルハーモニー管弦楽団。
合唱は、東京アートアカデミーシンガーズ。

■8年越しで叶った念願の公式オーケストラコンサート
ニーアシリーズの最初の作品である「NieR Replicant」と「NieR Gestalt」が発売されたのが2010年のこと。
それから8年の月日を経て、念願の公式オーケストラコンサートが開催されました。

自分のニーア歴は、まず「NieR Gestalt&Replicant」のOSTからでした。
「曲が良い」という評判を耳にしてゲームよりも先にOSTを購入、噂に違わぬ神曲揃いでどっぷりハマりました。
それが、OST発売直後の2010年5月のこと。
ゲームの方は、OST1を買ってからずっと後の2016年に、レプリカントのDエンドまでクリアしています。

オートマタは発売日に購入してプレイし、Eエンドまでクリアしています。
オートマタのOSTも発売日にゲットして、やはりどっぷりハマりました。

そんなわけで、曲に限って言えば、ニーアとの付き合いは8年以上になります。
その間、いくつかのアレンジアルバム発売や、バンド形式のコンサートなどがありました。
それらの実績を重ねて、ついに満を持しての公式オーケストラコンサート開催です。

まぁ、ニーアの実績を考えると、遅かれ早かれ開催されていたと思います。
だって、曲、めちゃくちゃ良いですもん。

ニーアの公式コンサートは毎回チケット争奪戦が超激戦なので、今回チケットゲットできるか心配でした。
が、スクエニ先行抽選で昼公演を無事ゲット。
座席位置は2階の中ほどだったけれど、あのホールに入れただけで満足です。

ちなみに、何かと”公式”オーケストラコンサートと「公式」を強調しているのは、有志によるオーケストラコンサートが一足先に開催されていたから。
昨年開催された有志オケコンもとても素晴らしいものだったのは、良い思い出です。

■オケアレンジアルバムが先か、コンサート開催が先か
演奏された譜面は、先日発売されたばかりの「Orchestral Arrangement Album」とほぼ同じだったと思います。
あらかじめ「Orchestral Arrangement Album」を軽く予習してからコンサートに臨んだのですが、旋律を覚えるほど聴き込んでいなかったので、自信はありませんが。
かろうじて印象に残っていたフレーズや展開がそのままだったので、たぶんほとんどアルバムのままだったのではないかと。

今回の演奏会自体、オケアレンジアルバムを発売するからコンサートを開催したような、コンサートを開催するからオケアレンジアルバムを制作したような、卵が先か鶏が先か状態なので、譜面がそのままなのは予想通り。
むしろ、あのアルバムの生演奏が聴きたかったので、願ったり叶ったりでした。

今回の演奏会では、そのアルバムの全曲が演奏されました。
1曲も漏れることなく全曲演奏してくれたのが、すごく嬉しかったです。
なお、「Special Disc」収録曲の演奏はありませんでした。こちらも予想通りなので、まぁ、そりゃそうだよな、という感じ。

譜面も同じなら、演奏順もほぼアルバム収録順でした。
違っていたのは、第1部レプリカントパートの「カイネ」と「全テヲ破壊スル黒キ巨人」の配置。
「カイネ」は第1部のトリ、「全テヲ破壊スル黒キ巨人」はアンコールで演奏されました。
第2部オートマタパートの曲順は、アルバムと同じです。

というわけで、曲そのものに関して、ここであーだこーだは言いません。
後日、アルバムの感想をこのブログに投下する予定なので、そちらを参照してください。
というか、アルバム聴いた方が早いです。むしろ聴いてください。

■生音の凄まじい破壊力
曲自体はほぼアルバムのままでしたが、生演奏は破壊力が違いました。
音の臨場感、立体的な響きの波状攻撃が半端なかったです。
アルバムを聴いていたときは「ほぉ」というくらいの感動が、演奏会では「ふおぉぉぉぉ!」とか「はわわわぁぁぁぁ!」とか数倍にも増幅されて襲い掛かってきました。
上手く言葉にできないのですが、とにかく込み上げてくるものの大きさがとんでもなかったです。
今回のコンサート、ホールで聴けて本当に良かったです。
生音ヤバい。ヤバい生音。

また、「カイネ」ではエミ・エヴァンスさんが、「Weight of the World」ではジュニーク・ニコールさんが、サプライズゲストとして登場。
生歌を披露してくださりました。
これがまた、めちゃくちゃ良かったです。
オーケストラとコーラスの生演奏でもすごかったのに、そこに歌声が加わったことで圧倒感が増しました。
これは、感動するしかない。感動しかありません。

「Weight of the World」は、ニコールさんが英語の歌詞を歌い上げつつ、バックで流れる映像は日本語歌詞という組み合わせでした。
一度に両方楽しめて、お得な感じがしました。

欲を言えば、個人的には「Weight of the World」のサビの部分、主旋律を金管楽器と弦楽器が交互に奏でるところが好きなので、そこもいつか生演奏で聴いてみたいです。
「Weight of the World」は非常に好きな曲なので、1回の演奏会で2パターン演奏しても良いくらいです。大歓喜で聴きます。

あと、さらに個人的な感想を言えば、今回の演奏会で気付いたことなのですが、自分はオートマタよりレプリカントの方が好みかもしれません。
ゲームプレイのしやすさは断然オートマタに軍配が上がるのですが、曲やシナリオはレプリカントの方が好きかも。
今回の演奏会では、レプリカントの方が感情の昂ぶりが強かったような気がします。
もっとも、思い出補正が強くかかっている可能性があるので、改めて聴き直したら評価が変わるかもしれませんが。

■曲間の泣ける朗読劇
演奏会中、曲間に時々朗読劇が挟まれました。

第1部レプリカントパートは、門脇舞以さん演じるエミール登場。
レプリカントで描かれた旅路を回想する、切ない物語でした。
第1部トリの直前で入ったエミールの慟哭は、思わず号泣してしまいそうになったくらい。
声優さんって、すごい。

なお、朗読劇の内容からするに、ゲシュタルトではなくレプリカントがベースっぽかったです。
日本では、レプリカントの方が圧倒的に認知度高いからでしょうか。

第2部オートマタパートは、石川由衣さん演じる2B登場。
こちらもオートマタで描かれた戦いの数々を回想するような、切ない物語でした。
ニーアって、本当に切なくて容赦ない物語が多くて罪深い、と思わされるような内容でした。

そういえば、この朗読劇、シナリオは誰が考えられたのだろう。
やはりヨコオタロウさんでしょうか?

朗読劇ではありませんが、開演前、休憩中、終演後にカゲアナがありました。
開演前はエミール、休憩中は2B、終演後は2Bとエミールの掛け合いが楽しめました。
休憩中の2Bのアナウンスはあっさりしていて、「以上」で終わっても終わったように感じられなくて、そこがまた2Bらしいと思いました。

それよりも、終演後カゲアナの2Bとエミールが可愛すぎた件について。
エミールが物販案内の後「スクエニの偉い人にそう言えって言われた!(誇らしげ)」とか。
その後の、2B「(やや優しい声色で)終わり?」→エミール「終わりです!」とか。
なにこれ、可愛過ぎかよ。ただでさえ感動で感情が平静ではなかったのに、最後の最後にこれとか鼻血吹くかと思いました。
正直、このカゲアナのためだけに、円盤買ってもいいと思ったくらい、可愛過ぎました。

円盤と言えば、今回の演奏会の模様を収めた円盤が、近いうちに出るのではないかと思います。
ニコ生配信の無い昼公演なのにカメラが何台も入っていたし、デカいクレーンまで投入していたので。

■程良い情報量の映像演出
今回の演奏会も、公式オケコンらしく、映像がたっぷりとありました。
といっても、インスピレーションを刺激するような、静止画を組み合わせて動画に仕立てたような、抽象的なものがほとんどでした。
プレイ動画的なものは、なかったわけではないけれど、数が少なかったです。
個人的には抽象的で情報量の少ない映像の方が、視覚に過剰なリソースを割いて聴覚が疎かになるのを避けられるので、都合が良かったりします。
そういう点では、今回の演奏会の映像はとても程良い感じでした。

特に印象に残った映像は「夏ノ雪」と「顕現シタ異物」。
現在の東京(?)のビル群の風景をスライド表示しただけのものなのに、グサグサと胸に突き刺さってくるようでした。
ただのビル群なのに、それだけで泣けてくる不思議。だけど、ニーアならば仕方ありません。もう条件反射です。
ニーアと東京タワーの組み合わせはDoDの新宿エンドしか出てきませんし、原点だから仕方ないです。

それと、「イニシエノウタ」か「光ノ風吹ク丘」か忘れてしまったのですが、くすんだ青空をひたすら映した映像も印象的でした。
彩度の低い色褪せたグラフィックが、ニーアらしいというか。

風景やゲーム内スチルだけでなく、テキストを表示するタイプの映像も、結構あったように思います。
その中でも「終ワリノ音」の映像で描かれたポッド042とポッド153の会話が、とても感動的でした。
ポッドの会話が男前過ぎて泣けました。ポッドさん、めっちゃ格好良い。

映像と言えば、曲名にサブタイトルが付いていたのも特徴かと。
「光ノ風吹ク丘」に「打ち捨てられた、未来風景」と付けられていたのが、言い得て妙で上手いなぁと思いました。
実際、「打ち捨てられた、未来風景」なんてあり得ないと言い切れないところが、またツボでした。

他にもとても良い映像がたくさんあったので、円盤化されたら映像にも注目してほしいです。

■その他、印象に残った雑多なこと
物販、予想していたこととはいえ、エグかったです。
8:30頃に待機列に並んだのですが、終わってみたら11:00過ぎ。
ついでだからとパンフレット以外にもいろいろ購入したのですが、正直パンフレット以外は事後通販でもいいかというくらいの優先度だったので、パンフレット専用レジが欲しかったです。
と思ったら、後でホール内でパンフレットのみの販売口があったことを知ったのですが、それならそうと早く言ってほしかったです。

他のイベントでも思うのですが、物販ってどうにかスムーズにできないものなのでしょうか。
先着〇名分に限り事前注文を受け付けて、注文番号に合わせたセットをあらかじめ組んでおいて、当日それを手渡すだけにする、とか。
搬入とか手間になるから、たいへんなのかな。
あと、レジの計算が電卓なのが古いというか。
バーコード読み取りにすればミス軽減も時間短縮も図れるのではないかとも思いました。

パシフィコ横浜には久しぶりに足を運んだのですが、こんなにステージの見難い席配置だったっけ?と思ったくらい、ステージが見えませんでした。
2階席だったのでステージを見下ろす形だったのですが、前方の席の人の頭で指揮台付近が隠れてしまい、そのへんだけ全然見えませんでした。
そのため、本編の前後に指揮台付近で岡部啓一氏や門脇さん、石川さんが登場されても全然見えなかったのは、少々残念でした。
「今日は、演奏を聴きに来たんだ」と自分に言い聞かせて心を静めましたが、パシフィコ横浜は早急に改善してほしいです。

あとは、もう、演奏が破壊的にめちゃくちゃ良かったとしか言いようがないです。
「魔王」は涙腺崩壊してもなお涙無くしては聴けないし、「カイネ」は弱さと強さと優しが渾然一体となった問答無用の名曲だし、「追悼」の荘厳さはまるで宗教音楽だし。
生演奏の迫力、半端なかったです。

■感想まとめ
ニーアの初公式オケコンでしたが、生演奏の凄さを問答無用で実感させられた、とても迫力のある素晴らしい演奏会でした。
曲の良さとゲームの良さに加え、オーケストラと合唱の生演奏ならではの良さが存分に発揮されて、感情を揺さぶられまくりました。
その感情の揺さぶられ方が思い出の一つになるくらい、とても楽しいオーケストラコンサートでした。
ぜひ、10周年記念となる2020年にも開催してほしいです。
いっそ、2019年、2020年と、毎年開催してほしいです。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムになります。
先述の通り、アレンジがほぼOchestral Arrangementと同じだったので、今回は曲ごとの感想を割愛します。

[GMEV] Froschritter Orchestra Symphonnic Concert

9月16日(日)に、「クロノ・トリガー」の楽曲をオーケストラで演奏するために結成された有志の楽団「Froschritter Orchestra」(フロッシュリッターオーケストラ、以下、風呂桶)の演奏会が開催されたので、行ってきました。
会場は、大田区民ホール・アプリコ 大ホール。
14:30に開演し、17:10頃に終演しました。

■クロノ・トリガー好きによるクロノ・トリガー好きのためのクロノ・トリガー演奏会
「クロノ・トリガー」がSFCで発売されたのは1995年のこと。
あれから23年の時を経て、「クロノ・トリガー」オンリーの演奏会が、有志の手によって実現しました。
自分の知る限りでは、「クロノ・トリガー」オンリーは、昨年のリトルジャックオーケストラの定演ぐらい。
アラカルト的な演奏会では数多の楽団で何度も取り上げられているほどの人気を誇るものの、オンリー演奏会はあまり例がありません。

クロノ・トリガーは、SFC版クリア済みです。
発売当初は敬遠していたのですが(実は昔から鳥山明氏の絵のタッチが少々苦手で、「クロノ・トリガー」でも無意識の拒否反応が強かった)、「ゲームプレイ中はステータス画面以外でキャラ絵をほとんど目にしないから。面白いからやってみ?っていうか、やれ」と友人に説得されて渋々プレイし始めたらものすごく面白くて、気が付いたらエンディングコンプしてOSTまでゲットしてました。
そんなわけで、「クロノ・トリガー」はゲームも音楽もとても好きなので、今回の演奏会を逃す手はありませんでした。

とはいえ、某RPGの10周年記念イベントと丸被りしたと分かったときには、「風呂桶の後、急ぎ移動すれば夜公演にはギリ間に合うか・・・しかし、体力持つかな・・・?」と迷いもしました。
が、裏の方はチケットゲットできなかった(カスリもしなかった)ので、むしろ綺麗さっぱり心置きなく風呂桶に行くことができました。

演奏会が終わった今にして思えば、風呂桶一本に絞って正解だったと思います。

演奏会、めっちゃ良かったのです。
めちゃくちゃ良かったのです。
大事なことだから、何度でも言いますよ。
半端ない余韻に、帰路どころから帰宅してからもしばらく揺さぶられ続けたぐらい良かったのです。
こんな余韻どっぷりな状態で別イベントに直行なんて、そもそも気持ちの切り替えが無理ゲーレベルです。

もう、本っ当に良かった。
「クロノ・トリガー」が好きで良かったと心底思ったくらい、良かったです。

■素晴らしくて素敵で格好良くて感動的な演奏
大事なこととはいえ、さっきから「良かった」しか言ってないような気がするので、もうちょっと冷静になって感想を書きます。
よし、少し落ち着け俺。

まず、演奏がものすごく上手でした。
初っ端からアンコールまで、徹頭徹尾でハイレベルでした。
最初の一曲や休憩明けの一曲がヘロヘロになることは、有志による企画オケではよくあることなのですが、今回それがありませんでした。
最初から最後まで非常に高い完成度を維持し続けて、見事に走り切りました。
その点は、有志による企画オケとは思えないほどのクオリティの高さでした。
自分がこれまでに鑑賞したことのある企画オケの中でも、最高レベルだと思います。

その上、演奏者全員が「クロノ・トリガー」好きのため、ステージ上から発せられる熱量が膨大でした。
「クロノ・トリガーが好きだ!」オーラが全開で、「この演奏会を絶対に成功させてみせる!」という意気込みをひしひしを感じました。
その熱量に同調するかのように、自分の中の「クロノ・トリガー」熱が再燃していくのを感じました。
最終的には、興奮のあまり、冷静に鑑賞なんてできなくなったくらいです。

確かに、途中音が外れたり、出番ではないところでうっかり音が出てしまったりと、有志オケらしいミスもありました。
が、そんな些細なミスがどうでもよくなるくらい、その他の演奏が素晴らしかったし、素敵だったし、格好良くて感動的でした。

■ゲームの内容に沿って、ほぼ全曲演奏
演奏会全体の曲構成は、ゲームのシナリオに沿った形で為されていました。
現代のガルディア王国千年祭に始まり、中世から未来、原始、古代まで、時空を超えた険しくも勇敢な旅路が、2時間半に凝縮されて描かれました。

正確に言えば、ゲームのシナリオに沿ってOST収録曲を散りばめた、という感じです。
物語を描く上で重要なキーとなる曲は、本編中に2回登場することもありましたが、ほとんどは1回だけ。
その分、OSTに収録された曲はほぼ網羅的に演奏されました。
その徹底っぷりからもまた「クロノ・トリガー」に対する情熱を感じられて、好印象です。

今回の演奏会のプログラムになかった曲は、SFC版においてゲーム未収録だった曲と、「ファンファーレ」のようなジングル曲。
SFC版OST収録の64曲中、56曲(アンコール含む)演奏されたので、ほぼ全曲と言えると思います。
なお、ジングルに関しては、パンフレットに記載されていないだけで、曲の中にしれっと紛れていたような気がするので、実際に演奏された曲はもうちょっと多いです。

というわけで、隠れた名曲「歌う山」は、今回演奏されませんでした。
その点は個人的には少々残念なところですが、まぁ、(SFC版では)ゲーム未収録なので仕方ありません。
次回、また演奏会があれば、アンコールでも良いのでぜひ演奏してほしいです。
風呂桶の「歌う山」を聴いてみたいので、期待しています。

■音で描く壮大な物語
編曲は、原曲+αな感じでした。
原曲を軸にしつつ、より物語性を際立たせたような感じというか。
ゲームを盛り上げるただのるBGMではなく、音で「クロノ・トリガー」の物語を描くような感じです。
そのため、適度にアレンジが加わっていました。
曲によっては、原曲破壊レベルに近かったりもしました。

そのアレンジ具合が、上述のリトルジャックオーケストラの「クロノ・トリガー」オンリー定演との大きな違いかも。
リトルジャックは原曲を忠実に再現する方針でしたが、こちらの風呂桶は物語を描く上で必要なアレンジを追加。
そこで差別化が図られたように感じました。

原曲再現と原曲破壊、どちらが良いとかありません。好みの問題だと思います。
ちなみに、自分は雑食なので、原曲再現でもアレンジが入っても、どちらも美味しくモグモグします。
原曲破壊は解釈が異なると悲劇的ですが、ピタッとハマると沼なので、そういう意味では当たり外れが大きく挑戦的な試みと思っています。
また、原曲にアレンジが入ると編曲者さんの想いや解釈が見えてくるので、「ほー、編曲者さんはこういう解釈なのか!」とか「お、そういう捉え方もあるのか!」とか、自分には見えなかった新しい発見を教えてくれるので、それはそれで面白みがあって好物です。

アレンジの強度は、序盤はわりと原曲に忠実な感じでしたが、曲が進むにつれて増加。
中世の山場とラストバトルは、特にアレンジが強かったです。
というか、どちらも大澤久氏のアレンジなのですが、大澤氏のアレンジはいつも考察要素がものすごく深くて、想像力をいい感じに刺激されるのが、なんかこう、好きなんです。
ゲームで描かれなかった部分まで描いてくれる面白さは、感覚的には2次創作の同人誌で深い解釈の物語に出会ったときに感じる面白さに近いです。
今回も、演奏の迫力も相まってとても楽しめました。

他の方のアレンジも、感情を大きく揺さぶる”何か”が感じられて、それが心地良かったです。
違和感は全くなくて、ストンと心に入り込んできてガーッと揺さぶられた気がします。
未来も、原始も、古代も、どの時代の曲もそれぞれにドラマが感じられて、演奏中はずっとハラハラとドキドキとワクワクと、あとはたぎる思いでいっぱいでした。

■随所で大活躍のコーラス隊とパーカス隊
今回の演奏会で、様々なシーンで大活躍していたのは、コーラス隊だったと思います。
合唱だけでなく、ガヤの声や「ハッ!」のような掛け声、ハンドクラップまで、場を盛り上げるためにあちこちで活躍していました。
最初のメドレーの時点で「どこまで多芸なの!?」と思ったくらいの活躍っぷり。
このコーラス隊なくして、今回の演奏会の盛り上がりはなかったのではないでしょうか・・・は、言い過ぎかな。

それと、コーラス隊と同様になくてはならない存在だったのが、パーカッション。
原始時代の曲で一躍脚光を浴び、それ以降は最後までずっと存在感が半端なかったです。
コンガやボンゴがあちこちで使われていて、強い印象を残していくのが、見事というか鮮やかでした。

パーカスに限らず全てのパートに共通して言えることですが、一生懸命なのはもちろんのこと、それでいて楽しそうだったのも印象的でした。
本当に「クロノ・トリガー」が好きな人たちが集まっているんだなぁ、と、演奏会中ずっと感じました。

■可能な限りのペーパーレス化
今回の風呂桶の演奏会は、無料の電子チケット配布による予約制(+座席自由)という方式が取られました。
電子チケット自体は別の楽団でも試行されているので初めての経験ではないのですが、意外と入場はスムーズでした。
QRコードの認識に多少もたつきがあるものの、紙チケットの場合に発生するチケットの公演名・日時などの確認は機械が自動判定してくれるので、体感的には紙チケットとあまり変わらなかったです。
一度もたつくと滞留時間が長くなる点は今後の技術進歩で解消されるでしょうし、今後、もっと電子チケットが普及しそうです。
気になるのは、紙チケットの紛失リスクと、電子チケット紛失(メールを紛失して電子チケットまで辿り着けなくなった、など)リスク、どちらが高いか、というところくらいでしょうか。

あと、電子チケットが普及すると、特殊デザインの紙チケットがなくなるのは、それはそれで寂しいような気もします。
特別なものは物理で持っていたい心理のアレです。

電子化と言えば、アンケートも完全ペーパーレスでした。
紙のアンケート用紙はなく、あるのはQRコードを大きく印刷した紙一枚のみ。
紙のアンケート用紙にQRコードを併記したパターンはよく見かけますが、紙全廃は初めての経験かもしれません。

そのうち、パンフレットも物理ではなくデジタルで配布されるようになって、スマホやタブレットで見る時代になるのかな。
とも考えたりしましたが、そうなるとマナー上開演中見られなくなるから、パンフレットはまだしばらく物理で残りそう。

■感想まとめ
正直、まだ感想を言い足りてない気がしますが、うまく言葉にならなくて「良かった」「すごかった」しか出てこないような予感もするので、この辺で一旦〆ます。
風呂桶の演奏会、ものすごく良かったです。すごかったです。
ほぼ「クロノ・トリガー」好きしかいない空間で、上質な「クロノ・トリガー」の曲を目いっぱい楽しむことができて、めちゃくちゃ幸せでした。
幸せと感動で、終演してからしばらく身体の震えが止まらなかったくらいです。
半端ない熱量に当てられて、半端ない疲労感がありますが、それが心地良い疲労感で、それ以上に興奮と幸福が勝っています。
とても良い演奏を堪能しました。
演奏者の方々、スタッフの方々へ、素晴らしい演奏会をありがとうございました。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと、印象に残った曲ごとの感想になります。

[GMEV] リトルジャックオーケストラ 第15回定期演奏会

8月26日(日)に、ゲーム音楽をオーケストラで演奏する楽団「リトルジャックオーケストラ」(以下、LJO)の第15回定期演奏会が開催されたので、行ってきました。
会場は、みなとみらいホール(大ホール)。
13:00に開演し、16:00頃に終演しました。

■オールFF7プログラム
LJOの定演に足を運ぶのは、今回で確か7回目?くらいになります。
2010年の第7回定演から可能な限り通い続けて、気が付けばもう第15回。
以前はオムニバス形式に1回の演奏会で複数のゲームタイトルの曲を演奏していましたが、ここ数回は1つのゲームタイトルに絞って演奏するスタイルで演奏会が開催されています。
今回も、そのスタイルが踏襲されました。

今回演奏されたゲームタイトルは「FINAL FANTASY VII」。
オールFF7プログラムです(開演前のロビーコンサートを除く)。
ここまでガッツリFF7の曲を聴いたのは今年のBRA★BRA FF以来、その前は2014年のGAME SYMPHONY JAPAN(GSJ)の2nd Concert以来になります。
「片翼の天使」や「ルーファウス歓迎式典」などの有名曲を単品で聴く機会は度々ありましたが、今回のようにFF7をメインに据えたプログラムは久しぶりでした。
シリーズ屈指の人気を誇るわりには、ここまがっつりどっぷりFF7な演奏会というのは珍しいような。
そんなFF7に目を付けてくるあたりに、LJOの気概を感じました。

なお、今回演奏されたものは、GSJと同じく「交響組曲『FINAL FANTASY VII』」と銘打たれたプログラムでしたが、中身は全然違います。
LJOが独自に”交響組曲”としてアレンジした譜面でした。

■オープニングからエンディングまで、ゲームに沿った構成
オールFF7プログラムということで、曲はゲームの内容に沿うように構成されていました。
「オープニング~爆破ミッション」から「スタッフロール」までを、およそ2時間30分に凝縮。
FF7をプレイしたことのある人ならば、演奏からそのシナリオを追体験できる形になっていました。

とはいえ、2時間30分という尺の制限があるため、流石にFF7の全てをまるっと網羅とはいかなかったようです。
全曲演奏ではないですし、主にニブルヘイムあたりが抜けている気がしました。
それでも、主要なイベントのかなりの部分がカバーされていたため、個人的には大満足です。
おかげで、演奏を聴きながら「あんなイベントあったなぁ」とか「あの展開には驚いたなぁ」などとプレイ当時のことを思い出して、すごく懐かしい気分に浸れました。
自分がプレイしてからもう20年近く経つのか、早いなぁ。

FF7をプレイしたことがない人でも、パンフレットに原曲が流れるシーンの解説が記載されていたので、想像しやすかったのではないかと思います。
パンフレットの解説は丁寧かつ読みやすく書かれていて、とても好感が持てました。
OPからEDまで演奏する関係上、ネタバレ満載でしたが、もう発売から20年ほど経過する作品なので問題ないと思います。

■全3部構成で描かれたFF7の物語
第1部は、OPからミッドガルの外に出るまで。
序盤のミッドガル内でかかる曲が多かったためか、チャカポコした電子音っぽい軽快な音が印象に強く残りました。

第2部は、コスモキャニオンからラストダンジョン手前まで。
様々なイベントを辿るだけに、勇ましい曲、不穏な曲、明るい曲、切ない曲など、様々な曲が演奏されました。
世界各地を巡るからか、信念と世界の存亡をかけた争いが描かれるからか、ドラムなどのずっしりした低音が印象的でした。

第3部は、ラストダンジョンからラストバトル、EDまで。
第1部と第2部の集大成、といった趣きでした。神がかっていました。
ジェノバ戦やラスボス戦が描かれるだけに激しい曲の連続でしたが、それを見事に音で描き切っていたと思います。

■アマチュアのレベルを凌駕している演奏
演奏は、めちゃくちゃ上手かったです。
こんなにハイレベルなのに無料のコンサートで良いんですか?と確認を取りたくなったほどに、めちゃくちゃ上手かったです。
大人の事情で演奏会が無料なのは重々承知しているつもりですが、それでもカンパしたくなるくらいに上手いです。
アマチュアの楽団としては、もはや別格です。
どれだけ練習したら、アマチュア楽団でこんな高レベルの演奏ができるのか、不思議に思います。
いやもう、なんというか、すごいとしか言いようがないくらい、すごいです。

確かに、音を外すなどの明確な演奏ミスが、多少はありました。
が、それが些末なことに思えるくらい、他がほぼ完璧でした。

その上、ゲームとゲーム音楽好きが集まったアマチュア楽団として、原作ゲームへの情熱も十分に感じられました。
ただ演奏するだけではない、原作リスペクトが常に演奏の中にあって。
本当にもう、どんだけ完璧なのかと、脱帽するしかないレベルです。
演奏技術力が高くて、ゲームとその音楽への情熱も十二分なんて、どれだけ鉄壁なんですか。
そんなん、惚れるしかないじゃないですか。

■原曲を忠実に再現した編曲
編曲は、かなり原曲に忠実。
むしろ、よくここまで原曲を忠実に再現したものだ、と心底感心したくらい忠実でした。

原曲はSC-88proで作曲した、というインタビュー記事をどこかで読んだことがありますが、SC-88proの音質はまだまだ生音には程遠かった覚えがあります。
原曲を聴いても、FF6以前よりは音色が豊かですが、それでも電子音っぽさがかなり残っています。
それを、オーケストラという生音で、なるべく忠実に違和感なく再現できていたのが、本当にすごかったです。
よくそこまで原曲に寄せたと、感心しきりです。

その寄せっぷりからは、FF7の曲を単純にオーケストラで壮大に演奏するのではなくて、FF7の良さや原曲の良さを、なるべくそのまま、ありのままを伝えたい、というような意気込みを感じました。
そのあたりからも原作リスペクトが感じられて、本当にFF7が好きなんだなぁ、と一層強い好感を抱きました。
みんな、FF7好き過ぎでしょう。自分も好きです。

■増援、現る。
今回の演奏会では、コーラス隊としてChor Crystal Mana(CCM)とChor Gnosina(CG)の方々も参加。
LJOの音色に、華を添えていました。
LJOの音色から浮くこともなく沈むこともなく、上手い塩梅で融合。
出番はそれほど多くはありませんでしたが、ここぞとばかりに入るコーラスで厳かさと華やかさが増したように感じました。
コーラスめっちゃ良かったコーラス。

特にFF7は「片翼の天使」があるので、コーラスが入ると凄みが増します。
楽器演奏だけの「片翼の天使」も好きですが、コーラスがあることで臨場感が増大するというか、より原曲らしさが強くなるというか。
今回の演奏会は、これまでよりも原曲に対するこだわりを強く感じたので、「片翼の天使」のコーラスは外せないポイントだったのでしょうか。

■最近気になる鑑賞マナーについて
ここ最近のゲーム音楽の演奏会における個人的な悩みの一つに、鑑賞マナーの悪さがありました。
ゲーム音楽の演奏会が広く認知されつつあることはゲーム音楽好きとして嬉しいことなのですが、鑑賞マナーについては少々思うところがあったのです。
ホール内での飲物や開演前の写真撮影は百歩譲って良しとしても(良くはないけど)、指揮者が手を下ろす前に拍手したり、演奏中にビニール袋やパンフレットで何回も大きな音を立てたり会話したり、そういったことがここ最近特に多くなっていて、密かにストレスを感じていました。
マナーについてあまりうるさく言うとクラシカルスタイルの演奏会への壁が高くなるかもしれないから、なるべく控えるようにしていましたが、「鑑賞マナーが悪いな」と思う機会が増えていたのは確かです。

それが、今回の演奏会では、マナーの悪さを感じることがほぼありませんでした。
少なくとも自分の周りでは、そういう目に余る行為はなかったです。

特に、フライング拍手が一切なかったことには、軽く感動を覚えました。
ちゃんと最後の余韻までしっかり堪能できて、本当に良かったです。
演奏も素晴らしかったけれど、鑑賞する側も素晴らしかったです。
久しぶりに、演奏をストレスなく心から楽しめたような気がします。

■感想まとめ
あまりに素晴らしい演奏会だったので褒めることしかしていませんが、それくらい素晴らしい演奏会でした。
素晴らしい演奏を堪能できて、FF7の曲の良さを再認識して、さらにFF7というゲームの良さも再認識できて、良いことづくめしかありません。
今回の演奏会に行けて、本当に良かったです。
演奏会を開催してくださったLJOの方々や、賛助で参加してくださったCCM・CGの方々に、心の底から感謝の意を伝えたいです。

次回のLJOの演奏会は2019年8月18日(日)で、場所は今回と同じく横浜みなとみらいホールだそうです。
演奏曲目は現時点ではまだ決まっていないようですが、来年は第1回定演開催から15周年という節目の年のようなので、ぜひ聴きに行きたいです。
よーし、まずは、チケット争奪戦からだ!


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと、印象に残った曲ごとの感想になります。

[GMEV] Game Addict's Music Ensemble RPG Concert

8月18日(土)に、ゲーム音楽を専門に演奏するアマチュア吹奏楽団「Game Addict's Music Ensemble」(以下、GAMEバンド)の演奏会「RPG Concert トレジャーアドベンチャー」が開催されたので、行ってきました。
会場は、ルネこだいら 大ホール。
13:30に開演し、15:30頃に終演しました。

■コンサートとスマホの融合という新しい試み
GAMEバンドの演奏会には、回数なんてもはや覚えていないレベルで足を運んでいます。
自分が初めてアマチュアのゲーム音楽専門楽団の存在を知ったキッカケの楽団であり、いろんな意味でカルチャーショックを受けた楽団でもあるので、その分思い入れが強いです。
えぇ、いろんな意味で(大事なことなのでry

そんなGAMEバンドの演奏会は、他の楽団にはないような新しい挑戦を積極的に取り入れる傾向があります。
演奏者が全員コスプレして登場するのは当たり前(今回は第2部のみ)。
演劇(結構しっかりした推理モノ)が展開されたり、アイドル(女装)のライブが始まったりと、過去に数々のユニークな試みがありました。
うん、本当にいろいろありました。今思い返すと懐かしいものから、思い出してはいけないものまで、本当にいろいろと。

そして、今回の試みは「スマホの活用」。
スマホでWebアプリ(ゲーム)を進めつつ、その進行に合わせて演奏を楽しむ、という試みです。
そのため、今回の演奏会は、スマホ片手に鑑賞するという前代未聞のスタイルになりました。

これまで、GAMEバンドに限らずいくつものゲーム音楽の演奏会へ行ってきましたが、演奏開始時に「冒険に参加される方は、スマホでゲーム画面を開いてください」みたいなことを言われたのは初めてです。
スマホの電源をお切りください、ではなく、スマホでゲーム画面を開いてください、です。
撮影・録音や音による周りへの迷惑を防止するためにスマホの利用を固く禁ずる演奏会は星の数ほどあれど、その真逆を行くスマホ使用推奨は、とても斬新でした。
営利が目的ではないアマチュア楽団ならではの試みというか、だからこそできた挑戦というか。
その挑戦的な姿勢、とても好感が持てます。いいぞもっとやれ。

■演奏と寸劇とスマホ操作のサンドイッチ
今回の演奏会は、全体を通してストーリー仕立てです。
話の展開はすこぶる王道。
サブタイトルの「トレジャーアドベンチャー」の言葉通り、冒険への旅立ちがあり、仲間と出会い、宝を求めて海を越えて、強敵と戦う。
そんな、ゲーム好きなら誰もが一度は通ったであろうと思われるストーリーです。
目新しさはないものの、王道ゆえに誰もが抵抗感なくすんなり入り込める内容でした。
そもそも、ストーリー仕立ての演奏会が珍しいので、話の内容に斬新さがなくても十分斬新です。

そのようなストーリーが、寸劇と演奏によって繰り広げられました。
観客がスマホでゲームでキャラメイクすると、寸劇でオープニングと旅立ちのシナリオが展開され、その寸劇を表現した演奏が続きます。
そして、その後もスマホ操作、寸劇、演奏を繰り返して、物語が進行していきました。

全体がストーリー仕立ての構成になっていたことにより、原曲の知らない曲があっても、演奏会で繰り広げられたシナリオのBGMとして楽しむことができたのは面白かったです。
複数のゲームの曲で構成したオムニバス形式だと、どうしても原曲の知らない曲がいくつか出てきてしまいます。
曲や演奏によっては原曲を知らなくても十分楽しめるものもありますが、やはり原曲を知っていた方が楽しめるのもまた真実なわけで。
しかし、オムニバス形式の場合、演奏される全ての曲を知っているなんてことは、そうそうありません。
今回の演奏会の手法は、その不利な点をカバーする1つの解決策ではないかと。

ただ、寸劇にやや大きく時間が割り当てられていて、逆にそれ分だけ実質演奏時間が短くなっていたのは、欠点かもしれません。
状況説明が必要になるから、それなりに尺を取ってしまうのは仕方ないとはいえ、そのへんのバランスが今後の課題かと。

ちなみに、シナリオは王道だし、寸劇は楽団員さんが演じているので棒読み(でも、素人にしては結構演技派)でしたが、ちょいちょい入るギャグや台詞回しの妙が素晴らしくて面白かったです。
言葉の操り方がとても上手くて、鑑賞しながら台本作成された方すごいなと思いました。
「棚上げのソフィ」が妙にツボに入りました。
それと、第1部で司会兼主人公(?)の腰にぶら下がっているもの話が進むに連れて増えていったのも、良い演出でした。
旅立ち(ポケモンメドレー)が終わったらピカチュウがいて、砂漠を抜けたらサボテンダーがいて、ほんと芸が細かいな!
そういうところ、大好きです。

■肝心の演奏について
で、肝心要の演奏についてですが、「うん、まぁ安定していたかな」というのが率直なところ。
音の調和が乱れることが多々あったのは、アマチュア楽団の無料演奏会という点を考慮すれば「こんなもんかな」とも思います。
めっちゃ上手いわけではありませんし、完璧な演奏からは程遠いです。
ただ、大きくコケることもなく、曲としてちゃんと成立していました。

音が外れたり出だしが揃わなかったりはよくありましたが、音のバランスはとても良かったです。
金管やドラムが出しゃばることはなく、木管とちょうど良いバランスが保たれていました。
鑑賞していて演奏に不安を感じることがなかったのは、この上手く保たれたバランスのおかげかもしれません。

その一方で、音がこじんまりとしている感じがしました。
木管のボリュームに合わせたためか、ホールの大きさに対して音があまり出ていなかったためか、後方の座席にいたからか、なんかこう、手のひらサイズな感じというか。
曲にもよるので全部が全部そうとは言えないのですが、もっとガッと来て欲しいところで音があまり飛んでこなくて、少々もどかしさを感じました。

■ムリ・ムダの少ない、分かりやすく聴きやすいアレンジ
次に編曲についてですが、今回の演奏会は編曲がとても良かったです。
ムリとムダを削って、限られた尺の中にコンパクトかつ丁寧にまとめられていました。
原曲を可能な限り残しつつ、吹奏楽で表現できる形に、良い感じに落とし込まれていたように思います。
そのためか、知っている曲でも抵抗感なくすんなり聴けました。
むしろ、「そうそう、これ! これだよ!」と思うことも多かったです。

特に、メドレーの編曲が素晴らしかったです。
メドレーになると、曲が無理矢理ぶつ切りにされて詰め込まれるケースが少なくないのですが、今回のメドレーはそういう切り替えがあまりありませんでした。
確かに曲の切り替えはサッと行われているのですが、その繋ぎに違和感がなくて、とてもスムーズ。
それでいて選曲も構成も絶妙でした。
そんなところも、聴きやすさを実現する要素の1つになっていました。

■最近、ゲーム音楽の演奏会でちょいちょい話題になる例の件について
演奏そのものの話から少し外れて、それ以外のことについて。

最近、ゲーム音楽の演奏会でしばしば話題になる現象があります。
それは、「内輪受け」。
楽団関係者および常連のみに通じるネタや空気感が強くて、ご新規さんがそこに壁を感じてしまい気軽に足を運べなくなってしまうものです。
今回の演奏会でも、そんな空気感を感じることがしばしばありました。
ステージから、ではなく、観客席側から、ですが。

演奏会そのものは、誰でも気軽に楽しめるような作りになっていたと思います。
それほど強い内輪受け要素を感じることはありませんでした。
むしろ、観客席側から内輪な空気感を強く感じました。
輪の中にいればアットホームで居心地が良いかもしれませんが、その外にいると居心地の悪さを感じたかもしれません。

特に強く感じたのは休憩時間。
周りのあちこちから「〇〇さんが・・・」や「△△さんのソロが・・・」と、会話の中で楽器名ではなく個人名がポロポロ出てくるのが耳に入ってきて、楽団とそれほど強い接点のない自分はここに居てはいけないのではないかという気分になりました。

自分は、楽団員に友人がいる点では輪の境界で、コンサートに毎回足を運んでいる常連という点では中かもしれませんが、楽団に所属したことがない点では外とも言えます。
そんな自分ですらやや疎外感があったので、楽団と何も繋がりのない人にとってはもっと強く壁を感じたかもしれません。
今回のホールで空席がやや目立ったのは、そのあたりも影響しているような気がしました。

内輪受けに関してはメリットもデメリットも考えられるので、楽団のポリシー次第だと思います。
そのあたりも含めて、今後どうしていくかを考える時期なのかもとも感じました。

ちなみに、今回の演奏会ではGAMEバンドの世代交代をそこはかとなく感じました。
メンバーの入れ替わりはこれまでもあったと思いますが、それをより強く感じたというか。
設立から10年以上経過して演奏者の方々の状況も変わってきていると思うので、世代交代していかないといけないですよね。

■感想まとめ
最後に思わずちょっとキツいことも書き連ねてしまいましたが、演奏会自体はとても楽しかったです。
演奏にはまだ改善の余地があるものの、アレンジはこれまで以上に洗練されていて素晴らしかったです。
スマホの活用や、全体を通してストーリー仕立てにした点など、他の演奏会にはないユニークな試みも興味深かったです。
その試みを、ぜひ次回へと繋げていってほしいです。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと、印象に残った曲ごとの感想になります。