[GMEV] オディオーケストラ 演奏会

12月14日(土)に、SFC時代のRPG「LIVE A LIVE」(以下、LAL)の楽曲をオーケストラで演奏するアマチュア楽団「オディオーケストラ」(以下、オディオケ)のコンサートが開催されたので、行ってきました。
会場は、習志野文化ホール。
17:00に開演し、20:20頃に終演しました(お見送り曲除く)。

■期待で胸いっぱいのLALオンリープログラム、満を持しての開催
自分がLALを知ったのは、まず曲からでした。
学生時代に「LALの曲が良い」という噂をあちこちで耳にしたのが、そもそものキッカケ。
当時、ゲーム音楽のOSTを(主にオークションで)貪るように買い集めていたこともあって、ゲームの内容も知らずにOSTを入手しました。
で、OSTを聴いてみたら、曲によって曲調にバラつきがあって統一感がないものの、曲自体はどれもすこぶる自分好み。
その後、気になってゲームもプレイし、どうして曲調にバラつきがあったのか納得すると同時に、より一層LALが好きになったのでした。

ちなみに、一番好きなシナリオは隠しシナリオである中世編。オルステッド大好きマンです。
もちろん、ハルマゲドンEDまでクリアしました。

そんなLALオンリーのオーケストラコンサートが開催されると聞きつけて以降、数ヶ月前から今回の演奏会をずっと楽しみにしていました。
OSTから入った身としては、逃すという選択肢は最初からありませんでした。
LALオンリープログラムなんて、想像しただけでワクワクして胸熱状態。
LALのあんな曲やこんな曲、きっと企画オケならではの、ここでしか生演奏で聴けないレア曲もあるに違いない、と、考えるだけで期待一杯になりました。

■LALを演奏するためだけに結成された豪華布陣
そんな名作であり名曲揃いのLALを演奏するために結集した奏者は、総勢100名以上(コーラス隊含む)。
ものすごい大規模です。
演奏希望者を募って100名以上集結って、すごくないですか? すごいですよね。
しかも、ほぼ全員LAL好きですよ。100名以上の奏者が、ほぼ全員LAL好きなのですよ。
その事実だけで、早くも胸が熱くなりました。

しかも、指揮を含めた奏者が、とても豪華です。
アマチュア(セミプロ含む)のゲーム音楽界隈では、超有名な方々ばかりです。
パンフレットに記載されていた方々を、お名前だけ紹介すると:

指揮:志村健一氏
演奏:オディオーケストラ(アマチュア奏者で結成された今回限りの楽団)
ゲスト奏者:
 ・大澤久氏(チェロ)
 ・井川緋奈氏(パイプオルガン)
 ・ファミ箏(和楽器)
 ・Chor Crystal Mana(コーラス、以下CCM)

なにこの、俺得な布陣。
指揮が志村さんという時点で「フアッ!」となり、チェロ奏者として大澤さんも参加されると知った時点で「なん…だと……!?」と驚愕の嵐。
志村さんの指揮で大澤さんのチェロが聴けるなんて、そうそうない組み合わせです。
どちらも音楽面でとても尊敬している方々だけど、音楽活動のスコープが被ることはほぼなく。
それだけに、この奇跡のような組み合わせが実現したことが、とても嬉しかったです。
そして、それを知った時点で、今回の演奏会に行くことが確定しました。
これは這ってでも行くしかないと、固く決意した瞬間でした。

そんなファン垂涎のコンビに加えて、ファミ箏さんとCCMさんまで参戦。
なにこの、俺得な布陣(大事なことなのでry
右も左も俺得要素しかなくて、LALオンリーという点も含めて、俺得の嵐でした。

他にも、他の楽団で「あ、この奏者さんすげー!」とか「この編曲者さん好きー!」と思っていた方々まで参加されていて。
首都圏のゲーム音楽老舗奏者・関係者の総力を結集して開かれた演奏会でした。
本当に、豪華過ぎる。
10年代最後の月という節目に、このような演奏会が開催されたことに、心の底からの感謝しか出てきません。

■全3部構成で、LALの楽曲をほぼ全曲演奏
演奏された楽曲は、LALのOST(復刻版ではない方)に収録されたもののほぼ全て。
OSTにはあるものの、今回のプログラムで確認できなかった曲は、「生贄の宴」だけでした。
まぁ、あれは、曲というよりSEやジングルに近いですし。
どこに入れるかで悩んだ末の決断だったのでしょう。

それらの楽曲が、全3部で構成。
第1部と第2部は、最初から選択可能なシナリオごとに楽曲をまとめ、1曲のメドレー形式で演奏されました。
プログラム上は分離していましたが、明確に区切りはなくて、実質メドレー状態でした。

第3部は、隠しシナリオの中世編、そして最終編で構成。
こちらはメドレー形式というよりは、シーンごとに曲が散りばめられていました。
なお、第3部は事前MCから、曲間の拍手無しを要請されました。
ゲーム中の内容が内容だけに、その気持ちはとてもよく解るので、それに反対する気持ちは全く起こりませんでした。
むしろ、中世編と最終編は没入感を高めたまま一気に聴きたい気持ちの方が勝っていたので、願ったり叶ったりです。

実際、第3部は曲間の拍手が一切ありませんでした。
事前要請が効いていたのもあるのでしょうが、拍手を忘れるほど演奏に引き込まれていたのも、少なからずあったように思います。

なお、中世編大好き、オルステッド大好きマンなので、第3部は最初から最後まで涙が止まりませんでした。
演奏によって思い出を刺激されたからか、心の中でずっと「オルステッド……オルステッドが……」と号泣していました。

■LAL好きによるLAL愛溢れる、渾身の演奏
演奏の技術面でのレベルは、全体的に高かったです。
100名以上もの奏者全員のレベルが、平均的に高いように感じました。
100名以上もいたらレベルにバラつきが出そうなものですが、ここまで全体的に高いレベルの演奏をに仕上げた点は、手放しに称賛に価すると思います。すごいです。

確かに、音が不安定になったり、運指を上手くいかなかったりなど、細かいミスはちらほらありました。
が、アマチュア楽団であり無料の演奏会であることを考慮すると、どれも許容範囲内です。大した問題にはなりません。

ゲーム音楽は熱く勢いのある曲が多いので、勢いだけで乗り切ろうとする場面も、これまで何度か見てきました。
今回は、それが少なくて、丁寧にまとめられていたように感じました。
もちろん、戦闘曲のような熱くたぎる曲は勢いも重要なので、そこはそれですが。
それでも、「大好きなLALを、精一杯良いものにしよう」という心意気が感じられて、それが実際に演奏に現れていたように感じました。

冒頭1曲目が弱音から入ったのですが、それがとても綺麗に出ていたのが、演奏技術力の高さを証明する最たるものかと。
すごく綺麗な澄んだ音色から始まったので、開演早々に「これは、勝った…!」と内心でガッツポーズを決めていました。
いったいお前は何と勝負しているんだ、というツッコミはナシの方向で。

表現力もすごかったです。
戦闘曲の熱さや格好良さだけでなく、LALテーマ曲やキャラクターテーマの前向きさ、哀愁漂う曲の切なさや悲壮感、それらがゲームシーンに合わせて豊かに表現されていました。
特に第3部。音に込められた登場人物たちの心情や葛藤が、旋律の中からすごく感じ取れました。
でも、きっと、自分が受け取って認識できたものは、奏者が音に込めた想いの数割程度なのだろうなぁ、と思うと、もどかしくもありました。自分の感受性の鈍さが憎い。
「こういう想いを込めた」みたいな演奏裏話、ぜひとも聴いてみたいものです。

そして、アマチュア楽団ならではの熱いゲーム愛。LAL愛。
今回も、ひしひしと伝わってきました。
奏者全員がLAL好きであるが故に、その「好き」の塊がとても大きくて強くて。
それが全速力でぶつかってくるものだから、自分の中にあるLAL好きの心も、あっさり煽られてテンションダダ上がり。
自分もLAL好きである時点で、抵抗するだけ無駄でした。
むしろ、煽られることが心地良く感じたほどです。
この強い情熱、最高です、たまりません。

本当に、最後まで情熱的で素晴らしい演奏でした。

■編曲者の個性が光ったアレンジ
次にアレンジについて。

今回の演奏会では、複数人の編曲者さんが参加。
曲によって編曲者の個性が見られて、面白かったです。
原曲をそのままストレートにオーケストレーションしたものがあった一方で、独自解釈を込めて大胆にアレンジされた変化球もあって。
旋律の端々に編曲者の想いが透けて見えて、どれも興味深かったです。
「原曲をオケアレンジするとこうなるのか!」とか「これは面白いアレンジ!」とか、展開に込められた想いを紐解くのが楽しくもありました。
様々なアレンジがあったためか、「次はどう来るのだろう」とワクワクが止まらなくて、最後まで飽きることはなく鑑賞できました。

パンフレットには、各曲の解説が細かく丁寧に記載されており、鑑賞する際に一助となりました。
この曲がゲーム中のどういうシーンで流れるのか、とか、何をイメージして編曲したのか、とか、丁寧で読み応えがありました。
LALをプレイしたのが随分昔のことで、プレイ時の記憶の半分ほどが抜け落ちている自分にとっては、この詳細さは助かりました。
また、開演までに一通りパンフレットに目を通していたから、鑑賞しながら曲解説を思い出して、頭の中でゲームシーンを思い描きやすかったです。
シーンを思い描くというか、登場人物たちが勝手に動き始めたくらい、イメージしやすかったです。
とても分かりやすい曲解説でした。

また、鑑賞後にパンフレットを読み直すことで、「あ、あれってそういうことだったのか」と後から気付くこともしばしばありました。
そういう意味では、1冊で2度美味しいパンフレットとも言えます。

そういえば、パンフレットの曲解説からもLAL愛が感じられました。
LALクリア済み民からすると、曲解説は「わーかーるー!」の連発で。
すごくニヤニヤさせられました。
奏者もスタッフさんも観客も、みなLAL好きだからこそできたことだと思います。

■今回の演奏会で特に印象的だったこと
今回の演奏会の奏者・スタッフさんが一丸となって込めた、LALへの情熱や愛。
それを最も濃く表現されていたのが、指揮の志村さんだったように感じました。
ゲーム音楽の演奏会界隈で精力的に活動されていて、リトルジャックオーケストラやGAME SYMPHONY JAPANなどで何度もお見掛けしていましたが、今回もそれらに負けず劣らずの熱くエネルギッシュな指揮でした。
魂をこれでもかと言わんばかりに込められた指揮は、その背中からでも分かるくらい鬼気迫る迫力があって。
指揮法とか全くのド素人ながら、その気迫に圧倒されました。

それでいて、とても楽しそうに指揮されていたのも印象的でした。
奏者のみなさん全員が、非常に真剣かつ楽しそうだったのですが、志村さんからは特に強くそれを感じました。
志村さんの指揮、以前からとても好きなのですが、その迫力と楽しさ、そして何より「ゲーム音楽大好き」という雰囲気が同居しているのが、魅力の一つなのかも。

あと、一番分かりやすくはっちゃけてたのも、志村さんだったような気がします。
本当に熱く楽しそうに指揮されていて、鑑賞しているこちらもそれに絆されまくりです。

■演奏以外のあれこれ
演奏以外のあれこれについての感想も少々。

アンコール1曲目の後に、LALのディレクターの時田貴司さんが登壇されました。
指揮の志村さんがインタビュアーとなって、当時の開発秘話をいくつか披露されていました。
具体的な内容は、本編の演奏で頭をパーンとやられた影響であまり覚えていないのですが、ユーモラスで面白かった印象だけは残りました。
あと、「今の子たちはROMとか知らないでしょ?」と仰られていましたが、LALのファン層的には知っている方が多いと思います。

それと、このインタビューの最中、志村さんがヘトヘトっぷりが、妙に記憶に残りました。
いやまぁ、3時間指揮し続けてクライマックスを迎えたばかりなので、ヘトヘトなのも当然なのですが。
それでいて、時田さんを前にしたときに、3時間に及ぶ演奏会をまとめ上げたすごい指揮者から、憧れの制作者を前にして少しキョドるヲタクに一変していたところには、親近感が沸きました。
「あ、自分たちと同じゲーム好きなんだ」と認識した瞬間だったので。

残念だった点についても1点。

今回の演奏会、とても素晴らしかったのですが、それだけに空席が目立ったのは残念というか、勿体ないと感じました。
同日に公式が川崎でオケコンを開催していたので、その影響も少なからずあったと思います。
川崎から津田沼までハシゴするには、時間的にも体力的にも厳しい状況だったので、フルで楽しむにはどちらへ行くか選択を迫られました。
自分は結局LALを選んでオディオケに行きましたが、正直裏のオクトラも捨て難くて、かなり悩みました。
昨今、漏れ聞こえてくるホール確保の困難さを考えると、いろいろ事情があるのは理解できるのですが。
でも、演奏会の被りは勿体ないし、鑑賞する側としては悔しい想いをするので、可能な限り同日被りは避けて欲しいなぁと思います。
とはいえ、難しいよなぁ……これだけゲーム音楽のコンサートが増えると。

観客マナーについては、今回も目に余る行為が自分の周辺で多発していたのですが、最近諦めの方が増しつつあります。
演奏中にパンフを音を立ててペラペラめくったり、時々ではなく終始手でリズムを取ったり、視覚や聴覚に入ると気になって仕方ない行為が今回も多く見られましたが、なんかもういいや、目くじら立てるのも疲れた、というのが正直な気分です。
ただ、何度も演奏中にいきなり目薬をさす人がいたのは、さすがに抑えきれない苛立ちを感じました。曲間にやれよ。同行者の方、楽団所属なら注意したれよ。
# 会話内容から、どこの楽団に所属している方かわかってしまいました……こんな流れで知りたくなかった……。
# あと、その楽団が次回演奏する曲目もあっさりポロリされていましたが、それ公開情報でしたっけ……。

さらについでに、残念と言えば残念だったけれど、仕方なかった点についても。

演奏された曲はどれも素晴らしいし、よく練られた構成で文句の付け所がないのですが、欲を言えば「忘れられた翼」(「届かぬ翼」のオケアレンジ)が聴きたかったです。
これまでもあちこちで何度か聴いているのですが、せっかくのオーケストラだったので。
それに、良い曲は何回でも、ここぞとばかりに生演奏で聴きたくなるのが、人の性というものです。
というわけで、もし再演がある際には、「忘れられた翼」をアンコールで演奏してほしいです。

■感想まとめ
4年前に打診があって(時田さん・談)から、ようやく開催まで至った、LALオンリーのオーケストラコンサート。
演奏も編曲も、LAL愛に溢れた、とても熱くて素敵で素晴らしい演奏会でした。
LALの奥深さと、自分の中のLAL好きの心を、今回の演奏会で再認識できたような気がします。
3時間半という長丁場にもかかわらず最後までやり切った奏者の方々、また長きに渡り企画から開催まで携わってこられたスタッフの方々に、最大限の「お疲れ様でした」と「ありがとうございました」を伝えたいです。本当に、ありがとうございました。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと印象に残った曲の感想になります。

[GMEV] ピコピコ―ラス 第2回演奏会

11月30日(土)に、ゲーム音楽専門のアマチュア合唱団「ピコピコ―ラス」の第2回演奏会「GAME MUSIC TRAVELER」が開催されたので、行ってきました。
会場は、すみだトリフォニーホール 小ホール。
13:30に開演し、15:10頃に終演しました。

■行こうかどうしようか悩みに悩んだ末の参加決意
2017年に開催された第1回演奏会から2年半の年月を経て、ついに第2回演奏会が開催されました。
第1回は別件と被ったために行けなかったので、自分にとっては初のピコピコ―ラス単独演奏会参加となりました。

実は今回も、開催日ギリギリまで行こうかどうしようか迷っていました。
理由はいたって単純。多忙のため、です。
10月下旬から11月いっぱいまで何かとイベントが満載で、数ヶ月前からGoogleカレンダーを眺めては「これは、死ねるレベル……」と戦々恐々としていたくらいです。
ゲーム音楽のコンサートは言うに及ばず、平日にどうしても行きたいイベントがあったり、うっかり新潟まで日帰り遠征したり、プライベートでいろいろあったりで、ここ1ヶ月ほどロクに休息を取れていません。自覚症状があるくらい、かなりヘロヘロです。
そうなることは数ヶ月前から分かっていたので、ピコピコ―ラスの第2回演奏会に行こうかどうしようか、直前まですごく悩みました。
しかし、逃すには惜しい楽曲が1つプログラムにあったので、結局「そいやー!」と一念発起して予約を入れて、今に至ります。

ちなみに、「逃すには惜しい楽曲」とは、アルトネリコの「EXEC_RIG=VEDA/.」のことです。
アルトネリコのヒュムノスはどれも良曲・神曲揃いなのに、あまり演奏される機会がないので、今を逃すと次いつ聴けるか分かりません。
アルトネリコの曲が披露されると知ってからずっと、自分の心の中では、

いつ行くの、今でしょ!
→ でも、HPヤバいのは明らかだし…
→ あの!念願の!アルトネリコだよ!
→ そうは言っても、疲労で倒れたら本末転倒だろ…
→ やってみれば、いくらでもどうにでもなるよ!
→ やってみて、どうにもならなかったらどうするんだよ…
→ だったら逃すのか!? 勿体ないぞ!!
→ だから悩んでるんじゃないか…
→ 悩むくらいなら、行ってから悩め! 行くなら今だろ!!
(以下、エンドレスループ)

という葛藤が、あったとかなかったとか。

結果的には、行って良かったです。正解でした。満足しました。すっきりしました。
後回しにした疲労は、次の週末でどうにかします。
まずは、今回の演奏会の感想を書きたいから、一気に書いてしまいます。

■ごちゃ混ぜ感満載のプログラム
今回の演奏会、プログラムのごちゃ混ぜ感が半端ないです。
FC時代の作品からごく最近の作品まで、古今東西、和洋折衷、実に様々な作品の楽曲が披露されました。
本編後の団長挨拶によると、メンバーから歌いたい楽曲を募ったら、今回のようなごちゃ混ぜ感満載なプログラムになったそうです。
その挨拶を聞いて、さもありなん、と納得しました。まぁ、よほどのことがない限り、そうなりますよね。

でも、1点だけ、どうしてもツッコミを入れたい曲があります。
誰ですか、BGMのない「FC ゴルフ」を挙げたのは?w

そんなわけで、様々な作品の曲が揃った分、原曲の知らない曲もたくさんありました。
知っている曲と知らない曲の割合は、大体50:50くらいでしょうか。
我ながら、いろいろなゲーム音楽を聞いている方だとは思うのですが、世の中には自分の知らないゲーム音楽がまだまだたくさんあるのだなぁと、身の引き締まる思いがしました。

知らない楽曲については、どれもとても格好良くて、一発で歌いたくなるのが分かったくらいでした。
今回のプログラムに採用されたのも、心底納得です。

そんな自分の知らなかった格好良い曲に出会えた場であったことも、今回の演奏会の満足感に繋がる一助となりました。
世の中にはまだまだ知らない良い作品がたくさんあることを知り、こういう演奏会を通じてその「知らない作品」を知っていくのも、自分としてはとても楽しいです。ひゃほーい。

■統一感のない楽曲を線で結んだ1本のストーリー
プログラムだけを見ると、とんでもなくごちゃ混ぜ感満載な今回の演奏会。
それ故に、プログラムに並ぶ楽曲たちも、単独では”そこにある”だけの宙ぶらりん状態でした。
そこに颯爽と登場した、1本のストーリー。
それがまるで魔法のように、曲と曲を綺麗に繋ぎ合わせていき、良い感じの流れを作り出していました。
あの流れ、本当に見事でした。

ストーリーの概要は、ざっくり次のような感じでした:
--
ある1本のゲームだけをやり込み、そのゲームしか知らなかった少年の耳に、どこからともなく届いた天の声。
その声に導かれるように物置を探ったところ、出てきたのはレトロなゲーム機。
一思いに電源ボタンを押した次の瞬間、少年はゲームの世界に足を踏み入れていた。
様々なゲームの世界を渡り歩くうちに、少年は、世の中にはたくさんのゲームが存在し、ゲームの数だけ自由と感動があることを知る。
--
共通項のまるでない楽曲を、このストーリーで綺麗にまとめられていたのは、本当にすごいです。
パンフレットによると「正気を300発殴ってから考えたシナリオ」らしいですが、300発でこれが出てきたのがすごいです。
普通なら、そもそも最初からまとめようと思わないのではないかと。
それくらい、まとめる気力をごっそり削がれそうなプログラムなのに、それをまとめあげた手腕に、全力の拍手を送りたいです。

ちなみに、「ある1本のゲーム」は「アルトネリコ」、「レトロなゲーム機」は「ディスクシステム」でした。

ストーリーはとても素敵だったのですが、ストーリーと構成上明かされたそれらを掛け合わせたところ、わずかに意識に引っかかったことが1点だけあります。
1曲目で登場したアルトネリコが、見かたによっては軽くディスられていること。
ストーリーの結末が見える頃になって「ん? これって、アルトネが噛ませ犬的立ち位置になっていないか??」と、アルトネリコシリーズの世界観が大好きな身としては、若干アルトネリコを否定されているような気もしました。
まぁ、ストーリーが真に言わんとしていることも理解できたので、それほど強い不満ではありませんが。
でも、責任取ってアルトネ/サジュコンオンリーの演奏会を開催していただけると、自分的にはとても嬉しいです(ニッコリ
もし開催されると知ったならば、這ってでも行きます。

■小編成ながらも、心地良い歌声
今回の演奏会でステージに上られたメンバーは、総勢15人前後。
小ホールのステージに1列で並んで、ギリギリ収まるくらいの人数でした。
決して多くはありません。合唱団としては、むしろ少ない方かもしれません。

けれど、一人一人の歌声がしっかり出ていたので、声が小さいということは感じませんでした。
自分は中央よりやや後方の席で鑑賞していたのですが、そこまで歌声がちゃんと届いていました。
慎重に和音を合わせて調和を取ろうとされていたし、少しでも良いものにしようという意欲も、後方席まで伝わってきました。

そして、ゲーム音楽に対する情熱を、やはり強く感じました。
一生懸命かつ楽しそうに歌われている姿を見て、鑑賞しているだけのこちらも思わず笑みがこぼれました。
ホール内が、とても心地良い響きと空気感に満たされていたように思います。

時々、ソプラノさんのハイトーンが不安定かつ尖りがちだったり、歌声に若干のバラつきが見えたり、お世辞にも完璧とは言い切れないところもありましたが。
とはいえ、そこはアマチュアの無料演奏会であることを加味すると、許容範囲内ではないかと。

縁の下の力持ちになりがちな男声パートも、女声パートに比べてメンバー数が少ないながらも、歌声がしっかりはっきり聴こえました。
しかも、男声パートが重要な役割を担うシーンが多々ありつつも、それらを丁寧にこなされていて、とても格好良かったです。

欲を言えば、もうちょっと声量が欲しかったです。
歌声ははっきり聴こえてきたのですが、迫力がもうちょっと欲しい気がしました。
構成人数に対して、ホールがやや広かったのかもしれませんが。
もっとも、響きはとても綺麗だったので、全体の満足感からすれば些末なことです。

■歌声による表現の可能性
以前、Chor Crystal Mana(CCM)の演奏会でも似たようなことを感じましたが、歌声から表現の可能性の大きさをひしひしと感じました。
コーラスって、主役になれる機会がなかなかありませんが、歌声による表現の幅ってすごく広いと思うのです。
日常会話と同じような匙加減で、柔らかさや硬さ、優しさや切なさ、そういった人から表出される喜怒哀楽を、ストレートに表現できるのが「歌声」ではないかと。
そういうコーラスならではの表現力が、とても興味深いし面白いと感じました。
今回は特に、あまり伴奏に頼らず、なるべく歌声だけで再現・表現するスタイルだったから、より一層それを強く感じられたのかもしれません。

他に、楽器アンサンブルとは異なる点がいくつか見られたのも、興味深かったです。
まず、こまめに休憩が入った点。
ほぼずっと休みなく歌い続けているので、こまめな休憩は必須ですよね。
それと、全体的な尺が他のアンサンブル演奏会に比べて短めだったのも、コーラスだからこそかと。
2時間も歌い続けていたら酸欠で倒れそうですし、そんなハラハラを抱えながら鑑賞するのは避けたいので、今回くらいの尺が適度だったと思います。

余談ですが、登壇されたメンバーが、ファミコンカセット柄のTシャツで揃えていたのも、個人的にはツボでした。
なにあれ欲しい。部屋着にしたい。

■感想まとめ
足を運ぶ決意に至るまで散々悩んだ演奏会でしたが、結果的には行って良かったです。
知らなかったゲームの良楽曲をたくさん知ることができたし、綺麗に描かれたストーリー仕立てが面白かったし、美しい歌声に存分に浸ることができて、満足しました。
これからも、第三回、そしてその先へと、長く続いていくことを期待しています。

できれば、アルトネ/サジュコンのオンリー演奏会を開催していただけると、なお嬉しいです(まだ言うか


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと印象に残った曲の感想になります。

[GMEV] JAGMO キャサリン・フルボディ Symphonic Concert

11月24日(日)に、ゲーム音楽プロオーケストラ「JAGMO」による「キャサリン・フルボディ」(以下、キャサリンFB)のコンサートが開催されたので、行ってきました。
会場は、すみだトリフォニーホール 大ホール。
14:05に開演し、16:45頃に終演しました。

フルプライスの有料チケット制なので、全体的に辛口な感想になります。
この時点でイヤな予感がした方は、おそらく回れ右した方が無難かと思います。

■まさかのキャサリン単独オーケストラコンサート
というわけで。
まさかのキャサリン単独オケコンです。
本当に、まさかです。
まさか過ぎて、初めて開催の一報を耳にした時は、何かの誤報かと一瞬思ったくらいです。

アラカルト形式のコンサートの1パートを担当するのならば分かるのですが、いきなり単独コンサート。
意外性が天元突破しました。

JAGMOの公演ターゲットが、時々突拍子もない方向へ飛んでいくことは知っていました。
ファンの母数が多いわりにあまり演奏される機会のない穴場を突いてくることは、過去の演奏会情報からも明らかです。
が、今回は少々明後日の方向に行き過ぎた気がします。

JAGMOの近年の演奏会を見てみると:

・東方Project ⇒ わかる。
・UNDERTALE ⇒ わかる(反響が想定以上だったけれど)
・幻想水滸伝 ⇒ わかる。
・キャサリンFB ⇒ どうしてそこへ行った!?

感が拭えません。
いくらアトラス作品とはいえ、キャサリンのファン数、大ホールで単独コンサートできるほど多くないぞ?
実際、1階席のみの開放でしたが、それでも席の埋まり具合は5割に達していたかどうか、という空きっぷりでした。

とはいえ、俺自身は、開催の一報を耳にした時に嬉しく思ったことを覚えています。
キャサリン好きだし。パズルアクションパートのBGMがものすごく好きで、無印もFBも初回限定版買ったくらいだし。
この機会を逃したら、この先きっと生演奏で聴けるチャンスはないに違いない…という強迫観念に駆られてチケット取りました。

チケット購入の際の一抹の懸念点は、自分とJAGMOの相性の悪さ。
個人的に、JAGMOの演奏と運営姿勢が、なんとなく肌に合わないのです。
前身の頃はともかく、JAGMOになって以降は型に嵌ったような面白みに欠ける演奏と、ビジネス寄りの押し付けを強く感じるようになり。
法人としてやっていく以上は営利が必須要素なのも理解できるのですが、なんかこう、「応援したい」とは思えなくて。
また、チケットがフルプライスと決して安くないこともあって、自然と足が遠のいていました。
今回は「キャサリン」単独の演奏会を開催すると聞きつけて、「それならば、仕方ないな(喜)」とチケット代を拠出した次第です。

あと、こうして感想を書くのも、実は当初予定していませんでした。
想定以上に演奏と編曲が良かったことから「感想書きたい!」という欲求が急激に湧いてきて、今こうして書いています。

■ジャズ色満載のムーディーな演奏と編曲
「キャサリン」のゲームをプレイした方なら既知だと思いますが、シナリオがとてもアダルトテイストな作品です。
コンシューマー機のタイトルなので直接的な表現こそありませんが、かなり際どいシーンのある大人向け。
そして、作中のアドベンチャーパートにおける重要な舞台が、バーです。
そのバーの雰囲気に合わせるように、今回演奏された曲は、全体的にジャズが強めでした。

アトラス作品でジャズというと「ペルソナ5」(P5)を思い出しますが、それよりもジャズ色が強かった印象です。
ジャズといえばサックスだろ!というくらい、ジャズとは切っても切れない縁で結ばれているサックスはもちろんのこと。
エレキギター、エレキベースにドラムというバンドサウンドも大活躍していました。

それと、ピアノも大活躍。
連弾のピアノデュオがとても格好良くて、印象に強く残りました。

管楽器(金管、木管ともに)も、しばしば前面に出てきていたように思います。
その一方で、意外と目立たなかったのが弦楽器。
常であれば主旋律を担当することの多い1stヴァイオリンでさえ、比較的、伴奏を担当することが多かったような気がします。

ジャズテイストが強めということもあってか、とにかくサックスとベースが格好良かったです。
「今のアドリブ、格好良いな!」とか「この低音、痺れるな!」とか、心にグサグサ刺さった音色は大抵その2つの楽器のものでした。

演奏が格好良ければ、編曲も良く出来ていました。
特に、組曲形式の「Symphonic Catherine: Full Body」と「管弦楽とジャズバンドのための組曲」が、構成といいアレンジといい素晴らしかったです。
前者の第3楽章では各ヒロインの性格を、後者では各ヒロインルートの流れを、短い尺の中に綺麗に落とし込まれていて。
スクリーンに投影されていた映像との相乗効果もあって、とても上手いと思いました。
よくこんなに綺麗にまとめたなぁ。これはすごい。

実は、無印もFBも1周しかプレイしていなくて、全EDどころか各キャラのルートも見ていなかったりします。
無印は独身ルート、FBはKルートしかプレイしていません。
そのため、他のキャラのルートがどんな展開になるのか、演奏会前まで全く知りませんでした。

そんな片手落ちな自分でも、十分容易に理解できる構成になっていて、すごかったです。
各ルートが、音と映像で非常に分かりやすくコンパクトに、かつドラマティックにまとめられていました。
全ルートを知らない自分でも強いカタルシスを覚えて、ものすごく楽しめました。
よくあんなに綺麗にまとめきったなぁ。編曲された方と映像を作られた方を、手放しで褒め称えたいです。

演奏については、ちょいちょい派手なミスがあった点は、少々気になりました。
あと、スピーカーの使用も、音の奥行きがなくなり平たくなってしまうので、可能な限り避けてほしかったです。特に前半。
後半はジャズ色がより強くなって「そういうものだ」と割り切れたからか、単に耳が慣れたからか、スピーカーの音量が下げられたからか、あまり気にならなくなりましたが。

と、気になるところはちょこちょこあったのですが、最終的に演奏から得られた高揚感がそれらを帳消しにするほど強かったので、全体的には満足しました。
演奏と編曲に関しては、ですが。

■綺麗に、かつ的確にまとめられた映像(ただしネタバレ満載)
話は変わって、スクリーンに投影された映像について。

ゲームのイベントシーンやプレイ動画が、ほぼずっと曲に合わせてスクリーンに投影されていました。
演奏許諾だけでなく、映像使用の許諾まで取っているとは、さすが法人格。やることが違います。
アマチュアの有志オケでは、映像使用許諾の取得までは難しいだろうし。いくらファンによるコンサートであっても、許諾を取らずにゲーム画面の映像を流すのは、無料・有料を問わず、さすがに一発アウトと思われ。
こういう凝ったことを技術的な面だけでなく法的にも可能なのが法人格の強みですし、それをいかんなく発揮されていたように思います。さすがです。

演奏と映像は綺麗に補完関係を成立させていて、良い感じに曲への解釈を深めるサポートになっていました。
今演奏されているメドレーが、ゲームのどういうイメージに基づいたものなのかを、映像で補足。
構成の妙なのか、短いながらもポイントが押さえられていて、非常に分かりやすいものでした。
全ヒロインのルートをプレイしていない自分にとっては、とてもありがたかったです。

情報量もそれほど多くなく、演奏の邪魔という感じはしませんでした。
まぁ、うっかり演奏そっちのけで映像に集中してしまうことも、無きにしも非ずでしたが。

映像による各ヒロインルートの補足が丁寧な分だけ、ネタバレも満載でした。
「このヒロインって、こういうストーリー展開になるのか……EDすげーな」と、ネタバレを2回ほど食らいました。
まぁ、これに関しては単独コンサートの時点で織り込み済みだったので、ネタバレされても不満とかは感じませんでしたが。
むしろ、この機会に知らなかったヒロインのルートを生演奏付きで楽しめた点で、得をした気分です。

というか、あれだけ公式がネタバレ厳禁をうたっていたのに、今回の単独コンサートでOK出たことが意外でした。
単独だからこそOKが出たのかもしれませんが。

■演奏以外で気になったアレコレ
ここからは、少し苦言みたいな話が2点ほど並びます。

まず1点目。
特に前半でよくあったのですが、マイクが細かい音まで拾ってスピーカーで流すのは、正直どうかと思いました。
特に譜面を捲る音。
耳障りなほど大きく音を拾って流していたのは、首を捻らざるを得ません。
音響さん、もうちょっとちゃんと仕事してほしかったです。
前半の途中で「これはヒドい」と気付いたのか、それ以降なくなりましたが。

2点目。
本編終了後やアンコール後、演奏と編曲の素晴らしさに気分が高揚して「わぁ! すっげーっ!!」と懸命に拍手していたときのこと。
指揮者がさらに拍手のボルテージを上げようと煽るサインを何度もされているのを見て、逆に「わー、すごーい(棒」と気分が急激に萎えるのを感じました。
管楽器を演奏しているメンバーへの拍手を盛り上げたいという意図は理解できたのですが、その時点での拍手は何も指揮者だけに向けたつもりのものではなく。
自分の中では、指揮者も含めた管弦楽団全員、そしてスタッフさんにも向けたもののつもりでした。
それに、拍手は演奏会に対する客からの評価のはず。
それを煽るとか……そういうとこだぞJAGMO。
# JAGMOの性格ではなく、指揮者個人の個性なのかもしれませんが。

■感想まとめ
そんなこんなで、多少の引っ掛かりはありつつも、全体的にはすこぶる満足した演奏会でした。
こうして感想を書きたいと思わせられたほどの素晴らしさと情熱を、演奏の中から感じました。
ステージ上で素敵な演奏を披露して下さった方々だけでなく、編曲の方やスタッフさんも含めて、貴重な機会をありがとうございました。
今後、キャサリンFBの単独コンサートはなかなか開催されないと思うので、この感動を思い出として大切に保管したいです。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと印象に残った曲ごとの感想になります。

[GMEV] シンフォニック・ゲーマーズ4 ―愛すべきこの世界のために―

11月10日(日)に、NHK主催のゲーム音楽コンサート「シンフォニック・ゲーマーズ4 ―愛すべきこの世界のために―」の公開収録が開催されました。
運良く招待ハガキをゲットできたので、喜び勇んで行ってきました。
会場は、NHKホール。
17:00に開演し、予定より30分押しの19:40頃に終演しました。

■2016年以来毎年企画されているNHKの恒例ゲーム音楽企画
このコンサートは、「NHK音楽祭2019」の一環の公演になります。
2016年に「シンフォニック・ゲーマーズ」の第一回が企画され、それ以降、毎年開催。
そして、今回で4回目となります。

「シンフォニック・ゲーマーズ」は、TVOAを主目的としつつも収録時は客を入れるという公開収録形式。
事前申込に当選した人のみ、公録に無料で参加できるという招待制でした。
自分は、初回に当選したっきり、第2弾、第3弾はあえなく落選。
そのため、今回は2016年の初回以来3年ぶりの当選&参加になります。

座席は完全ランダム。
初回は1階席のかなり前方でしたが、今回は2階席のやや右より奥の方。
スピーカーがとても近いところでした。
もっとも、スピーカーは一部楽曲を除いてほぼ使われていませんでしたが。
ゲーム音楽のコンサート(特に公式オケ)でありがちな、スピーカーをガンガン使うということはなく、ちゃんと楽器の音がステージ上から聴こえていました。
さすが自前でホールを持ち数々のコンサートを企画・開催しているNHKです。ちゃんと解っている感を感じました。

■ファミリー層向けからゲーマー向けまで、幅広いタイトル取り揃え
今年の企画テーマは「アイ」。
プログラムを見る限りでは「愛」という意味合いが最も強いと思いましたが、曲名に「I」を含むものがあったりもしたので、あえてのカタカナ表記です。
「ゲーム愛」といった作品に対するリアルな愛情はもとより、ゲーム内で「愛」が重要な要素であるタイトルであったりも。
いずれにせよ、「アイってそういう意味だったのか」と演奏を聴きながら、様々な「アイ」の形や在り方に気付くことが多かったです。

というか、「アイ」云々についても巧みなテーマ設定でしたが、選曲がとても上手いと感じました。
上手いというか、よりターゲット層を広げてきたというか。
「ポケモン」やレトロゲームのような、世代を超えて愛されるファミリー層向けのタイトルは分かります。
その上で、「イースII&III」や「大神」、「ファイアーエムブレム覚醒」のような、ややゲーマー好みのタイトルまで取り入れて来たことには、正直驚きを禁じ得ませんでした。
告知ページを見たときに、「今回これやるの!? あれもやっちゃうの!??」と、ゲーム音楽好きとして驚きばかり。
NHKだから国民的に広く知られているタイトルしか取り扱わないと思っていたけれど、実はスタッフさんにゲーム好きが多いのでしょうか。
なんとなく、NHKへの親近感が強くなったような気がします。

それでも、比較的新しいタイトルが多かった印象。
00年代の作品に重心が寄っていた、といったところでしょうか。
新し過ぎでもないけれど、古過ぎでもない、という感じです。
まぁ、FC時代のタイトルをメドレーにした曲もあったので、全てが比較的新しいかと言えばそうでもなかったですが。

■東京フィルによる演奏の安定感と表現力の素晴らしさ
今回の管弦楽の演奏は、東京フィルハーモニー管弦楽団が担当。
数々のゲーム音楽の演奏会をこなし、演奏の安定感と表現の豊かさに定評のある東京フィルという時点で、開催前から期待が高まっていました。
東京フィルの演奏、好きなんですよね。
難しい譜面でも見事に弾きこなす技術力を有し、奏でられる音色は豊かな表情を見せてくれるし。
プロ楽団でありながらも、ただ譜面通りに演奏するだけでなく、観客の心情も汲み取ってくれる何かを、いつも演奏から感じました。
その実績がある分、信頼できて、安心できるのです。
そして、そんな期待に劣らぬ、むしろ期待以上の素晴らしい演奏を披露してくださり、終演時は全力で拍手しました。
安定感が半端ないです。表現力も半端なかったです。
もう本当に、すごく良かったです。めちゃくちゃ格好良かったです。

指揮は、佐々木新平氏。
佐々木氏の指揮も、丁寧にまとめられていて良かったです。
音色がなんとなく若々しくフレッシュな感じがしたのは、佐々木氏の指揮だからでしょうか。
原曲が電子音であることを踏まえたかのような、くっきりはっきりしたスタイリッシュな音色だった印象です。

■格好良い編曲×格好良い演奏=格好良さの塊
編曲も、とても良い感じでした。
FCメドレー以外は原曲重視で、違和感はほぼありませんでした。
原曲の良さを重視しつつ、さらにオケによって曲の良さを際立たせるような、そんな編曲でした。
また、曲の繋ぎも、ブツ切り状態にならずに、とてもスムーズ。
流れるようにスッと、次の曲へと移行していきました。

曲数も程よい感じ。長くもなく短くもなく。
ほんのり「もうちょっと聴きたい!」と思わせられる程度の、ちょうど良いボリューム感でした。

構成は、1つのタイトルごとに起承転結を付けて、簡潔にまとめられていました。
そのためか、どのタイトルもとてもドラマティック。
盛り上がるところの熱くたぎる展開は、本当にもうたまりませんでした。

そんな素晴らしい演奏と編曲が上手く融合したからでしょうか、全体的にものすごいパワーを感じました。
ゲーマー魂を激しく揺さぶる格好良さがステージ上で爆発していて、格好良さしかありません。格好良さの塊です。
知っているタイトルでも知らないタイトルでも、心を鷲掴みにされました。
すごく良かったです。すごく楽しかったです。すごく面白かったです。

特に、第2部後半の2タイトルは、自分の周囲で鼻をすする方や嗚咽を堪える方が続出していました。
自分も、FE覚醒ではポロっと涙が流れたのですが。
でも、感動したのが俺だけではなかったという点で、勝手に周囲の方々に親近感を抱いていたり。
感動するところは一緒なんだなぁ。なんかいいな、こういうの。

■ゲストが豪華過ぎる件について
演奏以外の点についても少し。

今回の「シンフォニック・ゲーマーズ」のMCは、声優の青木瑠璃子さんと、塩澤大輔アナウンサー。
もはや恒例のお2人です。しかも、どちらもガチゲーマーです。会話の内容が、完全にゲーマーのそれです。
また、ゲストMCとして、よゐこの有野晋哉さんも登壇。
基本的に、このお三方が司会進行をされていました。

この司会進行のトークが、非常に面白かったです。
笑いあり、懐かしみあり、「そこまで言っていいのか!?」という驚きありという、たいへん盛り沢山な内容。
演奏会なのにトークの尺も結構長かったのですが、全く飽きることがありませんでした。
むしろ、もっといろいろ話を聞いてみたいと思ったくらいです。

トーク内容がガチゲーマー目線で、分かりみを強く感じました。
語られる内容がどれも、ゲーム好きならば共感しやすいものばかりで。
そして、ゲーマーが揃ってゲーム話を始めると、話が発展しまくって止まらなくなるという。
その気持ち、とても良く分かります。分かります(重要なのでry

ゲストと言えば、「大神」では歌手の平原綾香さんと、和楽器ユニット「HIDExHIDE」のお2人も参加されていました。
確かに「大神」では和楽器は外せないけれど、なんという豪華な共演。
しかも、素晴らしい歌声と演奏を披露して下さって、感動しかありませんでした。
これ、無料で良いんですか?

さらに、「ファイアーエムブレム覚醒」では、東京音楽大学の方々によるコーラスまで付いて。
東京音大の協力のもと、明確な歌詞の無いコーラスを解析して、極力原曲に近付けたというスゴ技まで見せてくれました。
すごく豪華で、すごく贅沢。
これ、本当に無料で良いんですか!?

軽く困惑を覚えるほどに、いろいろと豪華で贅沢で素晴らし過ぎて、もう感無量です。
なんだこれ、最高です。最高に感動しました。

そうそう、トークと言えば、平原さんがご自身で暴露されていましたが、うっかりすると時間を忘れて没頭するくらいの廃ゲーマーなのだとか。
そのため、なるべくゲームからは距離を置いて自制されているとのこと。
それが、とても意外に感じられました。あまりゲーム好きに見えなかったので。
でも、同じゲーマーとして、自制する姿勢はとても正しいと思います。自制、大事。

それと、塩澤アナの強烈な「ときめきメモリアル」推しが変わっていないところも、ほっこりしました。
いつもの塩澤アナだ、と、妙な安心感を抱きました。
そのまま、ときメモ最推しの塩澤アナでいてください、お願いします。

■照明の演出がとてもTV撮影っぽい
最後に、照明の演出について。
なんかすごく、こう、TV番組の演出っぽさを感じました。
ビームライトがグルグル回るところとかは、咄嗟に「なんかTVで見たことある!」と思いました。

まぁ、容赦なく客席にも正面から照明を当ててくるところは、光過敏・視覚過敏の性質を持つ身としては辛くもありました。
が、そもそもの主目的が番組収録だし、無料招待制だし、演奏がとにかく素晴らしかったので、不満というほどの不満にはなりませんでした。
むしろ、威力ありまくる演奏が、全ての不満を虚空の彼方へ吹き飛ばしてくれました。

収録と言えば、第1部の一部アナウンスの活舌の悪さ故に、第2部早々に撮り直しがあったのも、収録らしいアクシデントでした。
なるほど、TV収録ってこうやってるのか。普段見慣れないから、とても目新しく感じました。

■感想まとめ
数年ぶりの「シンフォニック・ゲーマーズ」の公開収録でしたが、前回以上に楽しかったです。面白かったです。
もう全力で「ありがとうございました!」を言いたいくらい、たいへん満足しました。
ものすごく楽しかったです。本当に、ありがとうございました。


なお、TVOAは、2019年12月31日 0時15分~(12月30日 24:15~)に、BSプレミアムで予定されているそうです。
まさかの大晦日です。びっくり。
とはいえ、BSプレミアムは自宅では見られないので、誰か見られる人を探さねばと思案しています。
大神とFE覚醒を、また聴きたい・・・誰か、周りにいないかな・・・。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと印象に残った曲の感想になります。

[GMEV] CHRONO CROSS 20th Anniversary Tour 2019 東京公演

11月3日(日・祝)に、スクウェア(現スクウェア・エニックス)が発売したRPG「クロノ・クロス」の20周年を祝うライブコンサート「CHRONO CROSS 20th Anniversary Tour 2019」の東京公演が開催されたので、行ってきました。
会場は、豊洲PIT。
開演予定時刻の18:00から20分ほど後ろ倒しの18:20に始まり、20:45頃に終演しました。

なお、今回の記事は、おそらくものすごく漠然としたものになると思います。
公式がセットリストや演出について、現時点ではあまり公にしてほしくなさそうなので、詳細は省略します。
どの曲を演奏したとか、あの曲の演出がこうだったとか、極力書きません。
ただ、どうしても言いたいことがあるので、それについてだけでも、記録として書き留めておこうと思います。

■どうしても、言っておきたいこと
”どうしても言いたいこと”というのは、ただ一言だけです。

ものすっごく楽しかった! めちゃくちゃ楽しかった!!

・・・・・・あ、二言になってしまった。

まず、演奏者の皆さんがすごく楽しそうなのが印象的でした。
一流のミュージシャンが勢揃いして、ただ上手く演奏するだけでなく、時には踊ったり飛び跳ねたり。
ただ楽器だけで演奏するのではなく、全身で音楽を満喫しているように見えました。
その様は、今この場でステージ上で「クロノ・クロス」の曲を演奏できる喜びに満ち溢れていて。
ステージ上から放出される情熱や熱意、そういったエネルギーは凄まじいものでした。

それと同時に、観客も楽しませようと全力で煽ってきていました。
「みんなで楽しもうよ!」と、ステージから繰り広げられる演奏が全てを物語っていました。
一曲目からそんな全力の喜びがあって、煽られて。
音色に含まれるとてつもなくエネルギッシュな情熱に絆されたかのように、気が付いたら最初から全力で楽しんでいました。

情熱をこれでもかっ!と言わんばかりに詰め込まれた演奏を、ポンポン立て続けに観客席に投じられいて、あちこちで観客のテンションが大爆発。
その一方で、観客からの熱烈なレスポンスで、演奏者の方々もノリノリになったり。
演奏者と観客の相互作用が上手い具合に働いて、会場内の空気感や一体感がとても心地良かったです。

とにかく楽しそうでした。とにかく楽しかったです。
最高に、満足でした。

■ライブならではの、自由な楽しみ方
自分はどちらかと言えば、オーケストラコンサートのように座ってじっくり聴く方が好みのタイプです。
オールスタンディングのライブハウス形式は、どちらかと言えば苦手でした。
過去の経験上、ライブはどう楽しめばいいのかよく分からないし、もみくちゃにされることもよくあるし、何より2時間+α立ちっ放しなので疲れるし。
今回も、ライブコンサート開催の一報を耳にして「・・・スタンディングのライブか、ダメ元でプレミアムチケット申し込んで、取れなかったらいいや」ぐらいの、あまり乗り気になれないライブコンサートでした。

いざ会場に着いてみても、不安しかありませんでした。
楽しめるだろうか、体力は持つのだろうか、後悔しないだろうか、と。
入場時や開演までの時間は、そんな不安でいっぱいでした。

が、いざ始まってみたら、それらは全くの杞憂でした。
気が付いたら、自然と音の流れに身を任せている自分がいて、それがすごく心地良かったです。
こういう音楽の楽しみ方もあるのかと、新鮮な気持ちになりました。

人によって楽しみ方が様々だったのも、印象的でした。
手拍子は言うに及ばず、演奏者の方々と一緒に飛び跳ねたり、腕を突きあげたり。
曲間もしくは曲の雰囲気次第では、歓声を上げるのも自由。
その一方で、じっと演奏に聴き入っている方もいたり。
近隣の方々に迷惑をかけない程度であれば、楽しみ方は自由。
ライブコンサートならではの、自由な楽しみ方がそこにはありました。

自分は専ら手拍子で参加。リズムに乗って、精一杯手拍子しまくりました。
これが、すこぶる楽しかったです。
こういう楽しみ方もアリだな、と実感しました。

自由でありながらも、会場内の一体感は半端なかったです。
自由に、自分のスタイルで演奏を楽しむ、という点は、会場内にいたほぼ全員の共通項だったように思いました。

ただ、待機時間も含めて終始立ちっ放しなので、HPはある程度必須です。
プレミアムチケットの特典引換のために少し早め(15:30ちょっと過ぎ)に会場に到着したのですが、それから終演までほぼ立ちっ放し。
終演後の帰宅途中、さすがに足が限界に近かったのか、膝のあたりにすごく違和感がありました。
そして、翌日は筋肉痛です。体力の無さを痛感しています(いまここ

■何でもアリ感満載の多国籍音楽
編曲の方向性は、何でもアリ。強いて言うなら、多国籍音楽。
多種多様な音楽で奏でられる演奏は、実に多彩でした。
クラシック音楽でお馴染みの楽器から、エレキギターやドラムなどのロック系、アイリッシュ音楽特有の楽器や和楽器まで。
個人的には、アコーディオンとティンホイッスル、パーカッションの音色が、特に印象的でした。

エレキギターの音色はあまり得意ではない(場合によってはすごく苦手)なのですが、今回はそれを一切感じませんでした。
むしろ、格好良いとさえ思いました。
これは良いエレキギターでした。すごくたぎりました。

編曲の方向性は、「ゼノギアス」で言うところの「CREID」のようなもの。
「CREID」が好きな方なら、かなりの高確率でハマると思います。
俺はむしろ、これが聴きたかった!という想いで、胸が一杯になりました。
本当に、これが聴きたかった・・・!!

■演出についてもネタバレにならない程度に軽く
演出も、いろいろ工夫が凝らされていて楽しかったです。

公式から事前に告知をされているランダムペンライトを使った演出。
公式から細かい条件が提示されていて、始まる前は「何をどうすれば良いんだろう・・・」という不安ばかりでした。
予習する気力があまり湧かなくて、順番をほぼ確認していない特攻状態だったことも、不安を増長させていた要因の一つでした。
が、結果的にあまり心配する必要はありませんでした。
その曲が始まる前に、ちゃんと練習があります。
また、それほど難しい動きでもないです。
もっと厳密にやらなければならないのかと身構えていましたが、実際にやってみたらゆるーい感じで、気軽に楽しめました。
ちなみに、自分のランダムペンライトは白でした。

スクリーンを使った映像演出もありました。とても良かったです。
本編ラストは、演奏も相まって、ブワッと感極まって泣きそうになりました。
それを含めて、とても良かったです。楽しかったです。

■最後に、一つ要望が
今回のコンサートの譜面、とても自分の好みでした。すごくツボです。
なので、その譜面を使ってアルバムを制作してほしいです。
ライブ音源でも、改めてスタジオ収録しても良いです。
ライブ映像を収録した円盤でも、構いません。
喉から手が出るほど欲しいです。
多少値が張っても欲しいと思える、魅力的な音楽ばかりでした。
ぜひとも、ご検討をお願いしたいです

■感想まとめ
というわけで。
あまり中身に触れずに感想を書き記してみましたが、めちゃくちゃ楽しかったことが少しでも伝われば満足です。
ものすごく良かったです。楽しかったです。大満足です。

今回のライブコンサートで楽しみ方を覚えたら、スタンディングのライブもいいものだなと思えるようになりました。
今後、気になるコンサートがあれば、前向きに足を運んでみようかなと考えています。
それくらい、影響の受けた良いライブコンサートでした。
本当に、本当に、ありがとうございました。