[GMEV] ロマンシング サガ オーケストラ祭

2月16日(日)に、「ロマンシング サガ」(以下、ロマサガ)シリーズの楽曲をオーケストラで演奏するコンサート「ロマンシング サガ オーケストラ祭(フェス)」が開催されました。
その昼公演へ行ってきたので、その感想を記そうと思います。

会場は、東京芸術劇場 メインホール。
演奏は、東京ニューシティ管弦楽団。
指揮は、内藤彰氏。
13:30に開演し、15:55頃に終演しました。

■ロマサガの名を冠するものが一挙集結
東京ニューシティ管弦楽団では「ポップス定期演奏会」なるものを、定期的に開催しているようです。
今回の演奏会は、その第5回に相当します。
そのことを、自分は当日、会場の電光掲示板で初めて知りました。
それまで、いつものように単純に「ロマサガのオケコンだひゃっほーい♪」としか考えていませんでした。そうだったのか!

とはいえ、第5回にして、どういう経緯でロマサガに白羽の矢が立ったのかは謎ですが。
ただ、個人的には上手いところを突いたなと思いました。
DQほど手垢が付いておらず、FFほどメジャーではないにしても、さりとてマイナーでもないあたりが。
また、サガシリーズの中でもロマサガに絞ったことで、ターゲットの欲しているものがより明確に絞り込まれたところも、上手いなと思った点です。
2016年に開催された「サガ オーケストラコンサート2016」(以下、サガオケ)のように幅広く網羅したコンサートでは拾い切れなかった隠れた名曲が、今回のコンサートで拾われたように感じました。

ロマサガの銘が打たれているだけあって、今回のプログラムはロマサガオンリー。
だからと言って、ロマサガ1~3だけではありません。
ミンサガ、ロマサガRS、果てはサガステまで完全網羅。
ロマサガの名を冠するタイトルは、ほぼカバーされていたと思います。たぶん。

それにしても、ミンサガ、ロマサガRSはともかく、まさかサガステまで来るとは予想外でした。
サガステもロマサガのれっきとした一員なのだなぁ、としみじみ思い知りました。

ちなみに、自分はロマサガRS未プレイ、サガステ未鑑賞です。
どちらもOSTが発売中なので、曲だけなら今でも入手可能なのですが、どちらも聴いたことがなかったりします。
そのため、ロマサガRSとサガステの曲は、今回のコンサートで初めて耳にしました。

■ゲーム音楽の演奏はプロでも難しいようです
演奏は、とてもプロオケ楽団らしい演奏でした。
なんというか、こう、音のバランスが絶妙というか。ハーモニーがとても綺麗です。
浮いている音がほとんどなく、音色の一つ一つが上手い具合に溶け合って一つの調和を形成しているところが、さすがプロオケ楽団。
耳に入ってくる音色が、とても心地良かったです。

とはいえ、ちょいちょい演奏ミスが発生していました。
”ゲーム音楽だから” なのか ”ロマサガだから” なのかは、判別の難しいところですが、演奏が難しいようです。
クラシック音楽とは勝手が違うのだろうなぁと、演奏する姿を見ながら、なんとなくそんなことが感じられました。

ゲーム音楽特有のピロピロしているところは、主にピアノとピッコロが担当。
自分の席が3階だったのではっきりとは見えませんでしたが、遠目からでも指の動きがすごいことになっているのは見えました。
そして、そういったシーンがあちこちで多発。
やはり、プロでも演奏が難しいようです。

今回のプログラムはロマサガオンリー。
そしてロマサガと言えばバトル曲が有名。
というわけで、金管楽器も全体的にとてもたいへんそうでした。
主に、HP面で。

ロマサガのバトル曲といえば金管楽器の晴れ舞台。金管楽器が主役と言っても過言ではないほどに大活躍。
それが立て続けに組まれているものだから、金管楽器の奏者さんの誰かが酸欠で倒れるのではないかと、ハラハラしたりも。
とりあえず、昼公演は何事もなく終演してなによりです。
というか、よくあんなに息が続くな。プロってすごい。

と、あちこちでプロの奏者さんのすごさを目の当たりにしました。

■サガオケをベースにしつつも、公式初のオケアレンジも多数披露
今回披露された曲のうち、4分の1ほどはサガオケがベースと思われます。
細かいところまでは確認できませんでしたが、なんとなく聴き覚えのあるアレンジがちらほら聴こえてきました。
特にロマサガ1~3は、サガオケの譜面が多用されていたような。

その一方で、今回初めて公式オケ譜面化された曲も多数ありました。
サガオケ以降に発表されたロマサガRSやサガステはもちろんのこと、ロマサガ1~3やミンサガからも初オケ化された曲がありました。
「ついにこの曲もオケ化か……(しみじみ」という曲もあれば、「この曲、まだオケ化されていなかったのか!?」という曲もありました。
意外な曲がオケと相性が良かったり、面白い発見のある面白いラインナップでした。

曲は、各作品から3曲ずつ選出(メドレーは1個=1曲換算)。
開催前はてっきりロマサガ1~3が大半になるかと思っていましたが、意外とロマサガRSやサガステもしっかり演奏されました。
そして、ロマサガ1~3もミンサガも、ロマサガRSも、サガステも、どの作品の曲もしっかりオケアレンジされていて、とても聴き応えがありました。
これまで聴いたことのなかったロマサガRSやサガステの曲に興味を持てたのも、自分にとっては良い収穫でした。
今すごく金欠なのに、危うくOSTを衝動買いしかけたくらいです。
今月はちょっと難しいから、とりあえず欲しいものリストに入れておこう……(いそいそ

■演奏以外の点についての感想も少し
演出は、この手のコンサートにしてはかなり控えめでした。
映像演出はなし。
時折、照明の演出がぽつぽつあったくらいです。

MCは、ガチゲーマータレントの結さんと、作曲家の伊藤賢治氏。
とにかくイトケンさんのトークが面白過ぎでした。
軽妙な語り口で、面白楽しくトークをグイグイ引っ張ってくれました。
あまりにも面白くて、時間がたっぷりあれば、制作秘話を際限なく聞きたくなったくらいです。

それにしても、トークの雰囲気がイトケンさんと植松さんでとても似ていて、師弟っぽいなぁと微笑ましく感じました。
師弟って、そういうところも似るものなのでしょうか。

■感想まとめ
サガオンリーではなくロマサガオンリーのプログラムでしたが、感想を一言で表すなら、「楽しかった」です。すこぶる楽しかったです。
冒頭から曲が進むにつれて徐々に熱が溜まっていって、最後の最後で一気に最高潮に達したような、そんな楽しさを感じました。
開催前は「ロマサガRSとサガステは未履修なんだよなぁ……」と不安に思っていましたが、全くの杞憂でした。知らなくても十分に楽しめました。

今回はロマサガオンリーでしたが、GB版サガシリーズも好きな身としては、またサガオケのようなサガシリーズ全体のオケコンを開催してほしいです。
来年あたりどうでしょうか。来年の2021年で、前回のサガオケから5年経ちますし。


というわけで。
これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと印象に残った曲の感想になります。

[GMEV] Sole Sinfonica オーケストラコンサート

2月1日(土)に、FINAL FANTASY Xの楽曲をオーケストラで演奏するアマチュア楽団「Sole Sinfonica」(以下、ソレシン)のコンサートが開催されたので、行ってきました。
会場は、かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール。
14:00に開演し、16:15頃に終演しました(お見送り曲除く)。

■FF10好きによるFF10好きのためのFF10オンリープログラム
ソレシンの存在を知ったのは、確かTwitterからでした。
奏者募集されていた準備段階の頃だったと思うのですが、フォロワーさんのRTに目が留まったのがキッカケです。
FF10はゲームも楽曲もとても好きな作品なので、ソレシンの動向もずっと気になっていました。
そのため、チケット配布が開始されるや、すぐに予約。
そして本日、喜び勇んで会場へと足を運んだ次第です。

FF10の企画オケと言うと、自分の知っている限りでは、2015年12月の「Meteor Symphonic Orchestra」(通称、メシオケ)以来になります。
とはいえ、ソレシンはメシオケとは別の団体らしく、構成や編曲が全く異なるものでした。

そもそも、メシオケから早くも5年ほどの月日が経過しているので、改めてまたFF10オンリーの演奏会が開催されること自体が、とても嬉しかったです。
会場内のステージ上にも観客席にもFF10好きが揃っていて、思う存分どっぷりとFF10に浸かれるなんて、率直に言って最高でした。むはー。

プログラムは、全2部構成。
途中休憩を挟みつつ、FF10のストーリー進行に沿った構成になっていました。
前半にあたる第1部では、OPから結婚式イベントまで。
後半にあたる第2部では、極北以降のクライマックスからラストバトル、そしてEDまで、一気に描かれました。

第1部にはバラエティ豊かな曲が並び、ティーダたちの足跡をたどるような空気感。
時には穏やかに、時にはユーモラスに、そして要所要所で白熱したバトルやイベントがあったりと、緩急の付いた構成でした。
一方で第2部は、最初から最後まで畳みかけるような怒涛の展開が続き、息を吐く暇がないほどの迫力と緊張感に満たされていました。
第2部冒頭からクライマックスで、その勢いを失うことなく一気に駆け抜けて、あっという間に過ぎていった感じがします。

なお、ソレシンの演奏会はFF10オンリープログラムでしたが、全曲演奏ではありません。
が、シナリオを語る上で外せない重要な曲や人気の高い曲は、一通り網羅。
個人的には、選曲に不満はありません。
むしろ、あんな難曲やこんな難曲まで演奏してくれて、感動と感謝しかないです。

そもそも、FF10は曲数が多いから、全曲演奏とか時間的にも体力的にも無理ゲーです。
……とか言ってると、そのうち全曲演奏会を開催しかねないところが、ゲーム音楽界隈の怖いところだったりしますが。

■多少ミスが目立ったものの、それをカバーする情熱的な演奏
演奏が始まってから終わるまでずっと、ステージ上から「この演奏会を、絶対に成功させてみせよう」という気迫をひしひしと感じました。
FF10好きが揃っていて、FF10の楽曲を演奏するだけに、その意気込みたるや、すごい熱量となって迸っていました。
その情熱が音に込められていたからか、奏でられた演奏はどれも熱いものでした。
現地でしか味わえないこの熱さ、たまりません。
テンション最高潮のところで綺麗なハーモニーが決まると、もう最高です。

とはいえ、演奏自体は手放しで上手いとは言い難く。
高音や弱音でヘロったり、音がやや外れていたりと、そこそこミスが目立ちました。
特に、金管楽器の音色が不安定になりがちだったように思います。

また、曲によってムラ完成度にムラがあったように感じました。
ちょっとしたミスを連発していたかと思えば、ものすごい難曲の演奏を見事に成功させていたり。
限られたリソースを、「これだけは外せない」という重要な曲に、より厚く割り当てたからでしょうか。
FF10の楽曲って素人目にも難しい曲が多いように思うので、まぁそうなるよな…と納得できるような気がします。

ただ、なんだかんだ言いつつも、最終的には強いカタルシスを感じました。
第2部後半の怒涛の展開を見事に成功させた点は、諸手を挙げて称えたいです。
集中力的にも体力的にも辛くなる終盤でありながら、それを感じさせない熱演。
鬼気迫る演奏に、鑑賞しているこちらも、思わず手に汗を握っていました。
これも、FF10愛があるからこそ成し得た業でしょうか。

そんなFF10愛溢れる情熱的な音を、丁寧にコントロールされていた指揮もすごいと思いました。
出すところはきちんと出して、抑えるところはしっかり抑える。
その指示の匙加減が的確で、音を上手く整えられていました。

■名曲のフレーズをあちこちに散りばめた編曲の妙
編曲の方向性は、基本的には原曲重視。
ただ、多少強めのアレンジも、ちらほら見受けられました。

編曲面で特に印象に残ったのは、「ザナルカンドにて」と「素敵だね」のフレーズをあちこちで耳にした点。
このフレーズ、さっきも聴いたが、また出てきたか、と思うシーンが、何回もありました。

とはいえ、どちらも名曲中の名曲なので、何回出てきても飽きるということはなかったです。
手を変え品を変え、様々なバリエーションで提示されたからでしょうか。

また、「ザナルカンドにて」はティーダを、「素敵だね」はユウナを連想させる曲であることも、良い方向に作用したように思います。
FF10で描かれる物語の中心人物である2人を描く上で、この2曲は外せませんし。
むしろ、2人の想いの交錯がはっきりと見えて、興味深くもありました。

加えて、他の曲との混ざり方がとても自然で、違和感がほぼ全くなかった点も良かったです。
”混ぜるな自然”という言葉が、鑑賞しながら度々頭の片隅を過るくらい、自然な混ざり方でした。
思わず「あれ、原曲にもこのフレーズが入っていたような気がする」と錯覚を覚えたほどです。
それくらい自然な混ざり具合でした。編曲者さん、GJ。

■演奏内容以外のあれこれについて
演奏会で入場して真っ先に目にするがパンフレット。
ソレシンのパンフレットは、シンプルながらもとても美しいものでした。
1枚の厚手の用紙を三つ折りにしただけのものでしたが、内容は充実。
曲の解説や奏者紹介など、必要十分な要素が簡潔かつ綺麗にまとめられていて、好感を持ちました。
内容盛り沢山のパンフレットも好きだけど、こういうシンプルなパンフレットも良いなぁ。
着席してから開演するまでの時間で、ざっと一通り目を通せるのが、大きな利点かと。

プログラムの紹介が、FF10の舞台であるスピラの地図を使って描かれていたのも、とても分かりやすかったです。
今演奏している曲が流れるとき、ティーダたち一行がどこにいるかが一目瞭然。
FF10をクリアして久しく、ストーリーの大半を忘れかけている自分にとって、記憶を掘り起こす最適な手掛かりになりました。

話は変わって、電子チケットについて。
電力と電波がないと使えないというリスクはあるものの、ほぼ常に持ち歩いているスマホで完結する点は便利だと感じました。
メリット・デメリットとリスクを考慮した上であれば、十分にアリではないかと。
半券という物理が手元に残る紙チケットも、それはそれで変わらず魅力的なのですが。

ただ、今回の「SORES.jp」の電子チケットを会場で初めて開いたとき、何も表示されない妙な空白には不安を覚えました。
電子チケットと言えばQRコードが表示されるものしか経験がなかったので、それが余計に不安を煽ったような気がします。
実際は空白状態が正常で、空白に何らかの模様を描くと承認済みになる電子チケットだったようです。
バーコードリーダーが必要ない点は大きなメリットですが、欲を言えば空白が正常である旨の表記が欲しかったです。
……と言っておけば、いずれ改修されるかな。

■感想まとめ
久しぶりのFF10オンリープログラムだったソレシンの演奏会。
多少の演奏ミスが目立ったものの、全体を通して見ればとても大きな満足感の得られたものでした。
FF10の曲をこれでもかと言わんばかりにたっぷり聴けたのも、好感の一つです。
今後も活動を続けられるかどうかはわかりませんが、もしまた演奏会開催の機会があれば、また足を運んでみたいと思います。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと印象に残った曲の感想になります。

[GMEV] オディオーケストラ 演奏会

12月14日(土)に、SFC時代のRPG「LIVE A LIVE」(以下、LAL)の楽曲をオーケストラで演奏するアマチュア楽団「オディオーケストラ」(以下、オディオケ)のコンサートが開催されたので、行ってきました。
会場は、習志野文化ホール。
17:00に開演し、20:20頃に終演しました(お見送り曲除く)。

■期待で胸いっぱいのLALオンリープログラム、満を持しての開催
自分がLALを知ったのは、まず曲からでした。
学生時代に「LALの曲が良い」という噂をあちこちで耳にしたのが、そもそものキッカケ。
当時、ゲーム音楽のOSTを(主にオークションで)貪るように買い集めていたこともあって、ゲームの内容も知らずにOSTを入手しました。
で、OSTを聴いてみたら、曲によって曲調にバラつきがあって統一感がないものの、曲自体はどれもすこぶる自分好み。
その後、気になってゲームもプレイし、どうして曲調にバラつきがあったのか納得すると同時に、より一層LALが好きになったのでした。

ちなみに、一番好きなシナリオは隠しシナリオである中世編。オルステッド大好きマンです。
もちろん、ハルマゲドンEDまでクリアしました。

そんなLALオンリーのオーケストラコンサートが開催されると聞きつけて以降、数ヶ月前から今回の演奏会をずっと楽しみにしていました。
OSTから入った身としては、逃すという選択肢は最初からありませんでした。
LALオンリープログラムなんて、想像しただけでワクワクして胸熱状態。
LALのあんな曲やこんな曲、きっと企画オケならではの、ここでしか生演奏で聴けないレア曲もあるに違いない、と、考えるだけで期待一杯になりました。

■LALを演奏するためだけに結成された豪華布陣
そんな名作であり名曲揃いのLALを演奏するために結集した奏者は、総勢100名以上(コーラス隊含む)。
ものすごい大規模です。
演奏希望者を募って100名以上集結って、すごくないですか? すごいですよね。
しかも、ほぼ全員LAL好きですよ。100名以上の奏者が、ほぼ全員LAL好きなのですよ。
その事実だけで、早くも胸が熱くなりました。

しかも、指揮を含めた奏者が、とても豪華です。
アマチュア(セミプロ含む)のゲーム音楽界隈では、超有名な方々ばかりです。
パンフレットに記載されていた方々を、お名前だけ紹介すると:

指揮:志村健一氏
演奏:オディオーケストラ(アマチュア奏者で結成された今回限りの楽団)
ゲスト奏者:
 ・大澤久氏(チェロ)
 ・井川緋奈氏(パイプオルガン)
 ・ファミ箏(和楽器)
 ・Chor Crystal Mana(コーラス、以下CCM)

なにこの、俺得な布陣。
指揮が志村さんという時点で「フアッ!」となり、チェロ奏者として大澤さんも参加されると知った時点で「なん…だと……!?」と驚愕の嵐。
志村さんの指揮で大澤さんのチェロが聴けるなんて、そうそうない組み合わせです。
どちらも音楽面でとても尊敬している方々だけど、音楽活動のスコープが被ることはほぼなく。
それだけに、この奇跡のような組み合わせが実現したことが、とても嬉しかったです。
そして、それを知った時点で、今回の演奏会に行くことが確定しました。
これは這ってでも行くしかないと、固く決意した瞬間でした。

そんなファン垂涎のコンビに加えて、ファミ箏さんとCCMさんまで参戦。
なにこの、俺得な布陣(大事なことなのでry
右も左も俺得要素しかなくて、LALオンリーという点も含めて、俺得の嵐でした。

他にも、他の楽団で「あ、この奏者さんすげー!」とか「この編曲者さん好きー!」と思っていた方々まで参加されていて。
首都圏のゲーム音楽老舗奏者・関係者の総力を結集して開かれた演奏会でした。
本当に、豪華過ぎる。
10年代最後の月という節目に、このような演奏会が開催されたことに、心の底からの感謝しか出てきません。

■全3部構成で、LALの楽曲をほぼ全曲演奏
演奏された楽曲は、LALのOST(復刻版ではない方)に収録されたもののほぼ全て。
OSTにはあるものの、今回のプログラムで確認できなかった曲は、「生贄の宴」だけでした。
まぁ、あれは、曲というよりSEやジングルに近いですし。
どこに入れるかで悩んだ末の決断だったのでしょう。

それらの楽曲が、全3部で構成。
第1部と第2部は、最初から選択可能なシナリオごとに楽曲をまとめ、1曲のメドレー形式で演奏されました。
プログラム上は分離していましたが、明確に区切りはなくて、実質メドレー状態でした。

第3部は、隠しシナリオの中世編、そして最終編で構成。
こちらはメドレー形式というよりは、シーンごとに曲が散りばめられていました。
なお、第3部は事前MCから、曲間の拍手無しを要請されました。
ゲーム中の内容が内容だけに、その気持ちはとてもよく解るので、それに反対する気持ちは全く起こりませんでした。
むしろ、中世編と最終編は没入感を高めたまま一気に聴きたい気持ちの方が勝っていたので、願ったり叶ったりです。

実際、第3部は曲間の拍手が一切ありませんでした。
事前要請が効いていたのもあるのでしょうが、拍手を忘れるほど演奏に引き込まれていたのも、少なからずあったように思います。

なお、中世編大好き、オルステッド大好きマンなので、第3部は最初から最後まで涙が止まりませんでした。
演奏によって思い出を刺激されたからか、心の中でずっと「オルステッド……オルステッドが……」と号泣していました。

■LAL好きによるLAL愛溢れる、渾身の演奏
演奏の技術面でのレベルは、全体的に高かったです。
100名以上もの奏者全員のレベルが、平均的に高いように感じました。
100名以上もいたらレベルにバラつきが出そうなものですが、ここまで全体的に高いレベルの演奏をに仕上げた点は、手放しに称賛に価すると思います。すごいです。

確かに、音が不安定になったり、運指を上手くいかなかったりなど、細かいミスはちらほらありました。
が、アマチュア楽団であり無料の演奏会であることを考慮すると、どれも許容範囲内です。大した問題にはなりません。

ゲーム音楽は熱く勢いのある曲が多いので、勢いだけで乗り切ろうとする場面も、これまで何度か見てきました。
今回は、それが少なくて、丁寧にまとめられていたように感じました。
もちろん、戦闘曲のような熱くたぎる曲は勢いも重要なので、そこはそれですが。
それでも、「大好きなLALを、精一杯良いものにしよう」という心意気が感じられて、それが実際に演奏に現れていたように感じました。

冒頭1曲目が弱音から入ったのですが、それがとても綺麗に出ていたのが、演奏技術力の高さを証明する最たるものかと。
すごく綺麗な澄んだ音色から始まったので、開演早々に「これは、勝った…!」と内心でガッツポーズを決めていました。
いったいお前は何と勝負しているんだ、というツッコミはナシの方向で。

表現力もすごかったです。
戦闘曲の熱さや格好良さだけでなく、LALテーマ曲やキャラクターテーマの前向きさ、哀愁漂う曲の切なさや悲壮感、それらがゲームシーンに合わせて豊かに表現されていました。
特に第3部。音に込められた登場人物たちの心情や葛藤が、旋律の中からすごく感じ取れました。
でも、きっと、自分が受け取って認識できたものは、奏者が音に込めた想いの数割程度なのだろうなぁ、と思うと、もどかしくもありました。自分の感受性の鈍さが憎い。
「こういう想いを込めた」みたいな演奏裏話、ぜひとも聴いてみたいものです。

そして、アマチュア楽団ならではの熱いゲーム愛。LAL愛。
今回も、ひしひしと伝わってきました。
奏者全員がLAL好きであるが故に、その「好き」の塊がとても大きくて強くて。
それが全速力でぶつかってくるものだから、自分の中にあるLAL好きの心も、あっさり煽られてテンションダダ上がり。
自分もLAL好きである時点で、抵抗するだけ無駄でした。
むしろ、煽られることが心地良く感じたほどです。
この強い情熱、最高です、たまりません。

本当に、最後まで情熱的で素晴らしい演奏でした。

■編曲者の個性が光ったアレンジ
次にアレンジについて。

今回の演奏会では、複数人の編曲者さんが参加。
曲によって編曲者の個性が見られて、面白かったです。
原曲をそのままストレートにオーケストレーションしたものがあった一方で、独自解釈を込めて大胆にアレンジされた変化球もあって。
旋律の端々に編曲者の想いが透けて見えて、どれも興味深かったです。
「原曲をオケアレンジするとこうなるのか!」とか「これは面白いアレンジ!」とか、展開に込められた想いを紐解くのが楽しくもありました。
様々なアレンジがあったためか、「次はどう来るのだろう」とワクワクが止まらなくて、最後まで飽きることはなく鑑賞できました。

パンフレットには、各曲の解説が細かく丁寧に記載されており、鑑賞する際に一助となりました。
この曲がゲーム中のどういうシーンで流れるのか、とか、何をイメージして編曲したのか、とか、丁寧で読み応えがありました。
LALをプレイしたのが随分昔のことで、プレイ時の記憶の半分ほどが抜け落ちている自分にとっては、この詳細さは助かりました。
また、開演までに一通りパンフレットに目を通していたから、鑑賞しながら曲解説を思い出して、頭の中でゲームシーンを思い描きやすかったです。
シーンを思い描くというか、登場人物たちが勝手に動き始めたくらい、イメージしやすかったです。
とても分かりやすい曲解説でした。

また、鑑賞後にパンフレットを読み直すことで、「あ、あれってそういうことだったのか」と後から気付くこともしばしばありました。
そういう意味では、1冊で2度美味しいパンフレットとも言えます。

そういえば、パンフレットの曲解説からもLAL愛が感じられました。
LALクリア済み民からすると、曲解説は「わーかーるー!」の連発で。
すごくニヤニヤさせられました。
奏者もスタッフさんも観客も、みなLAL好きだからこそできたことだと思います。

■今回の演奏会で特に印象的だったこと
今回の演奏会の奏者・スタッフさんが一丸となって込めた、LALへの情熱や愛。
それを最も濃く表現されていたのが、指揮の志村さんだったように感じました。
ゲーム音楽の演奏会界隈で精力的に活動されていて、リトルジャックオーケストラやGAME SYMPHONY JAPANなどで何度もお見掛けしていましたが、今回もそれらに負けず劣らずの熱くエネルギッシュな指揮でした。
魂をこれでもかと言わんばかりに込められた指揮は、その背中からでも分かるくらい鬼気迫る迫力があって。
指揮法とか全くのド素人ながら、その気迫に圧倒されました。

それでいて、とても楽しそうに指揮されていたのも印象的でした。
奏者のみなさん全員が、非常に真剣かつ楽しそうだったのですが、志村さんからは特に強くそれを感じました。
志村さんの指揮、以前からとても好きなのですが、その迫力と楽しさ、そして何より「ゲーム音楽大好き」という雰囲気が同居しているのが、魅力の一つなのかも。

あと、一番分かりやすくはっちゃけてたのも、志村さんだったような気がします。
本当に熱く楽しそうに指揮されていて、鑑賞しているこちらもそれに絆されまくりです。

■演奏以外のあれこれ
演奏以外のあれこれについての感想も少々。

アンコール1曲目の後に、LALのディレクターの時田貴司さんが登壇されました。
指揮の志村さんがインタビュアーとなって、当時の開発秘話をいくつか披露されていました。
具体的な内容は、本編の演奏で頭をパーンとやられた影響であまり覚えていないのですが、ユーモラスで面白かった印象だけは残りました。
あと、「今の子たちはROMとか知らないでしょ?」と仰られていましたが、LALのファン層的には知っている方が多いと思います。

それと、このインタビューの最中、志村さんがヘトヘトっぷりが、妙に記憶に残りました。
いやまぁ、3時間指揮し続けてクライマックスを迎えたばかりなので、ヘトヘトなのも当然なのですが。
それでいて、時田さんを前にしたときに、3時間に及ぶ演奏会をまとめ上げたすごい指揮者から、憧れの制作者を前にして少しキョドるヲタクに一変していたところには、親近感が沸きました。
「あ、自分たちと同じゲーム好きなんだ」と認識した瞬間だったので。

残念だった点についても1点。

今回の演奏会、とても素晴らしかったのですが、それだけに空席が目立ったのは残念というか、勿体ないと感じました。
同日に公式が川崎でオケコンを開催していたので、その影響も少なからずあったと思います。
川崎から津田沼までハシゴするには、時間的にも体力的にも厳しい状況だったので、フルで楽しむにはどちらへ行くか選択を迫られました。
自分は結局LALを選んでオディオケに行きましたが、正直裏のオクトラも捨て難くて、かなり悩みました。
昨今、漏れ聞こえてくるホール確保の困難さを考えると、いろいろ事情があるのは理解できるのですが。
でも、演奏会の被りは勿体ないし、鑑賞する側としては悔しい想いをするので、可能な限り同日被りは避けて欲しいなぁと思います。
とはいえ、難しいよなぁ……これだけゲーム音楽のコンサートが増えると。

観客マナーについては、今回も目に余る行為が自分の周辺で多発していたのですが、最近諦めの方が増しつつあります。
演奏中にパンフを音を立ててペラペラめくったり、時々ではなく終始手でリズムを取ったり、視覚や聴覚に入ると気になって仕方ない行為が今回も多く見られましたが、なんかもういいや、目くじら立てるのも疲れた、というのが正直な気分です。
ただ、何度も演奏中にいきなり目薬をさす人がいたのは、さすがに抑えきれない苛立ちを感じました。曲間にやれよ。同行者の方、楽団所属なら注意したれよ。
# 会話内容から、どこの楽団に所属している方かわかってしまいました……こんな流れで知りたくなかった……。
# あと、その楽団が次回演奏する曲目もあっさりポロリされていましたが、それ公開情報でしたっけ……。

さらについでに、残念と言えば残念だったけれど、仕方なかった点についても。

演奏された曲はどれも素晴らしいし、よく練られた構成で文句の付け所がないのですが、欲を言えば「忘れられた翼」(「届かぬ翼」のオケアレンジ)が聴きたかったです。
これまでもあちこちで何度か聴いているのですが、せっかくのオーケストラだったので。
それに、良い曲は何回でも、ここぞとばかりに生演奏で聴きたくなるのが、人の性というものです。
というわけで、もし再演がある際には、「忘れられた翼」をアンコールで演奏してほしいです。

■感想まとめ
4年前に打診があって(時田さん・談)から、ようやく開催まで至った、LALオンリーのオーケストラコンサート。
演奏も編曲も、LAL愛に溢れた、とても熱くて素敵で素晴らしい演奏会でした。
LALの奥深さと、自分の中のLAL好きの心を、今回の演奏会で再認識できたような気がします。
3時間半という長丁場にもかかわらず最後までやり切った奏者の方々、また長きに渡り企画から開催まで携わってこられたスタッフの方々に、最大限の「お疲れ様でした」と「ありがとうございました」を伝えたいです。本当に、ありがとうございました。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと印象に残った曲の感想になります。

[GMEV] ピコピコ―ラス 第2回演奏会

11月30日(土)に、ゲーム音楽専門のアマチュア合唱団「ピコピコ―ラス」の第2回演奏会「GAME MUSIC TRAVELER」が開催されたので、行ってきました。
会場は、すみだトリフォニーホール 小ホール。
13:30に開演し、15:10頃に終演しました。

■行こうかどうしようか悩みに悩んだ末の参加決意
2017年に開催された第1回演奏会から2年半の年月を経て、ついに第2回演奏会が開催されました。
第1回は別件と被ったために行けなかったので、自分にとっては初のピコピコ―ラス単独演奏会参加となりました。

実は今回も、開催日ギリギリまで行こうかどうしようか迷っていました。
理由はいたって単純。多忙のため、です。
10月下旬から11月いっぱいまで何かとイベントが満載で、数ヶ月前からGoogleカレンダーを眺めては「これは、死ねるレベル……」と戦々恐々としていたくらいです。
ゲーム音楽のコンサートは言うに及ばず、平日にどうしても行きたいイベントがあったり、うっかり新潟まで日帰り遠征したり、プライベートでいろいろあったりで、ここ1ヶ月ほどロクに休息を取れていません。自覚症状があるくらい、かなりヘロヘロです。
そうなることは数ヶ月前から分かっていたので、ピコピコ―ラスの第2回演奏会に行こうかどうしようか、直前まですごく悩みました。
しかし、逃すには惜しい楽曲が1つプログラムにあったので、結局「そいやー!」と一念発起して予約を入れて、今に至ります。

ちなみに、「逃すには惜しい楽曲」とは、アルトネリコの「EXEC_RIG=VEDA/.」のことです。
アルトネリコのヒュムノスはどれも良曲・神曲揃いなのに、あまり演奏される機会がないので、今を逃すと次いつ聴けるか分かりません。
アルトネリコの曲が披露されると知ってからずっと、自分の心の中では、

いつ行くの、今でしょ!
→ でも、HPヤバいのは明らかだし…
→ あの!念願の!アルトネリコだよ!
→ そうは言っても、疲労で倒れたら本末転倒だろ…
→ やってみれば、いくらでもどうにでもなるよ!
→ やってみて、どうにもならなかったらどうするんだよ…
→ だったら逃すのか!? 勿体ないぞ!!
→ だから悩んでるんじゃないか…
→ 悩むくらいなら、行ってから悩め! 行くなら今だろ!!
(以下、エンドレスループ)

という葛藤が、あったとかなかったとか。

結果的には、行って良かったです。正解でした。満足しました。すっきりしました。
後回しにした疲労は、次の週末でどうにかします。
まずは、今回の演奏会の感想を書きたいから、一気に書いてしまいます。

■ごちゃ混ぜ感満載のプログラム
今回の演奏会、プログラムのごちゃ混ぜ感が半端ないです。
FC時代の作品からごく最近の作品まで、古今東西、和洋折衷、実に様々な作品の楽曲が披露されました。
本編後の団長挨拶によると、メンバーから歌いたい楽曲を募ったら、今回のようなごちゃ混ぜ感満載なプログラムになったそうです。
その挨拶を聞いて、さもありなん、と納得しました。まぁ、よほどのことがない限り、そうなりますよね。

でも、1点だけ、どうしてもツッコミを入れたい曲があります。
誰ですか、BGMのない「FC ゴルフ」を挙げたのは?w

そんなわけで、様々な作品の曲が揃った分、原曲の知らない曲もたくさんありました。
知っている曲と知らない曲の割合は、大体50:50くらいでしょうか。
我ながら、いろいろなゲーム音楽を聞いている方だとは思うのですが、世の中には自分の知らないゲーム音楽がまだまだたくさんあるのだなぁと、身の引き締まる思いがしました。

知らない楽曲については、どれもとても格好良くて、一発で歌いたくなるのが分かったくらいでした。
今回のプログラムに採用されたのも、心底納得です。

そんな自分の知らなかった格好良い曲に出会えた場であったことも、今回の演奏会の満足感に繋がる一助となりました。
世の中にはまだまだ知らない良い作品がたくさんあることを知り、こういう演奏会を通じてその「知らない作品」を知っていくのも、自分としてはとても楽しいです。ひゃほーい。

■統一感のない楽曲を線で結んだ1本のストーリー
プログラムだけを見ると、とんでもなくごちゃ混ぜ感満載な今回の演奏会。
それ故に、プログラムに並ぶ楽曲たちも、単独では”そこにある”だけの宙ぶらりん状態でした。
そこに颯爽と登場した、1本のストーリー。
それがまるで魔法のように、曲と曲を綺麗に繋ぎ合わせていき、良い感じの流れを作り出していました。
あの流れ、本当に見事でした。

ストーリーの概要は、ざっくり次のような感じでした:
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ある1本のゲームだけをやり込み、そのゲームしか知らなかった少年の耳に、どこからともなく届いた天の声。
その声に導かれるように物置を探ったところ、出てきたのはレトロなゲーム機。
一思いに電源ボタンを押した次の瞬間、少年はゲームの世界に足を踏み入れていた。
様々なゲームの世界を渡り歩くうちに、少年は、世の中にはたくさんのゲームが存在し、ゲームの数だけ自由と感動があることを知る。
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共通項のまるでない楽曲を、このストーリーで綺麗にまとめられていたのは、本当にすごいです。
パンフレットによると「正気を300発殴ってから考えたシナリオ」らしいですが、300発でこれが出てきたのがすごいです。
普通なら、そもそも最初からまとめようと思わないのではないかと。
それくらい、まとめる気力をごっそり削がれそうなプログラムなのに、それをまとめあげた手腕に、全力の拍手を送りたいです。

ちなみに、「ある1本のゲーム」は「アルトネリコ」、「レトロなゲーム機」は「ディスクシステム」でした。

ストーリーはとても素敵だったのですが、ストーリーと構成上明かされたそれらを掛け合わせたところ、わずかに意識に引っかかったことが1点だけあります。
1曲目で登場したアルトネリコが、見かたによっては軽くディスられていること。
ストーリーの結末が見える頃になって「ん? これって、アルトネが噛ませ犬的立ち位置になっていないか??」と、アルトネリコシリーズの世界観が大好きな身としては、若干アルトネリコを否定されているような気もしました。
まぁ、ストーリーが真に言わんとしていることも理解できたので、それほど強い不満ではありませんが。
でも、責任取ってアルトネ/サジュコンオンリーの演奏会を開催していただけると、自分的にはとても嬉しいです(ニッコリ
もし開催されると知ったならば、這ってでも行きます。

■小編成ながらも、心地良い歌声
今回の演奏会でステージに上られたメンバーは、総勢15人前後。
小ホールのステージに1列で並んで、ギリギリ収まるくらいの人数でした。
決して多くはありません。合唱団としては、むしろ少ない方かもしれません。

けれど、一人一人の歌声がしっかり出ていたので、声が小さいということは感じませんでした。
自分は中央よりやや後方の席で鑑賞していたのですが、そこまで歌声がちゃんと届いていました。
慎重に和音を合わせて調和を取ろうとされていたし、少しでも良いものにしようという意欲も、後方席まで伝わってきました。

そして、ゲーム音楽に対する情熱を、やはり強く感じました。
一生懸命かつ楽しそうに歌われている姿を見て、鑑賞しているだけのこちらも思わず笑みがこぼれました。
ホール内が、とても心地良い響きと空気感に満たされていたように思います。

時々、ソプラノさんのハイトーンが不安定かつ尖りがちだったり、歌声に若干のバラつきが見えたり、お世辞にも完璧とは言い切れないところもありましたが。
とはいえ、そこはアマチュアの無料演奏会であることを加味すると、許容範囲内ではないかと。

縁の下の力持ちになりがちな男声パートも、女声パートに比べてメンバー数が少ないながらも、歌声がしっかりはっきり聴こえました。
しかも、男声パートが重要な役割を担うシーンが多々ありつつも、それらを丁寧にこなされていて、とても格好良かったです。

欲を言えば、もうちょっと声量が欲しかったです。
歌声ははっきり聴こえてきたのですが、迫力がもうちょっと欲しい気がしました。
構成人数に対して、ホールがやや広かったのかもしれませんが。
もっとも、響きはとても綺麗だったので、全体の満足感からすれば些末なことです。

■歌声による表現の可能性
以前、Chor Crystal Mana(CCM)の演奏会でも似たようなことを感じましたが、歌声から表現の可能性の大きさをひしひしと感じました。
コーラスって、主役になれる機会がなかなかありませんが、歌声による表現の幅ってすごく広いと思うのです。
日常会話と同じような匙加減で、柔らかさや硬さ、優しさや切なさ、そういった人から表出される喜怒哀楽を、ストレートに表現できるのが「歌声」ではないかと。
そういうコーラスならではの表現力が、とても興味深いし面白いと感じました。
今回は特に、あまり伴奏に頼らず、なるべく歌声だけで再現・表現するスタイルだったから、より一層それを強く感じられたのかもしれません。

他に、楽器アンサンブルとは異なる点がいくつか見られたのも、興味深かったです。
まず、こまめに休憩が入った点。
ほぼずっと休みなく歌い続けているので、こまめな休憩は必須ですよね。
それと、全体的な尺が他のアンサンブル演奏会に比べて短めだったのも、コーラスだからこそかと。
2時間も歌い続けていたら酸欠で倒れそうですし、そんなハラハラを抱えながら鑑賞するのは避けたいので、今回くらいの尺が適度だったと思います。

余談ですが、登壇されたメンバーが、ファミコンカセット柄のTシャツで揃えていたのも、個人的にはツボでした。
なにあれ欲しい。部屋着にしたい。

■感想まとめ
足を運ぶ決意に至るまで散々悩んだ演奏会でしたが、結果的には行って良かったです。
知らなかったゲームの良楽曲をたくさん知ることができたし、綺麗に描かれたストーリー仕立てが面白かったし、美しい歌声に存分に浸ることができて、満足しました。
これからも、第三回、そしてその先へと、長く続いていくことを期待しています。

できれば、アルトネ/サジュコンのオンリー演奏会を開催していただけると、なお嬉しいです(まだ言うか


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと印象に残った曲の感想になります。

[GMEV] JAGMO キャサリン・フルボディ Symphonic Concert

11月24日(日)に、ゲーム音楽プロオーケストラ「JAGMO」による「キャサリン・フルボディ」(以下、キャサリンFB)のコンサートが開催されたので、行ってきました。
会場は、すみだトリフォニーホール 大ホール。
14:05に開演し、16:45頃に終演しました。

フルプライスの有料チケット制なので、全体的に辛口な感想になります。
この時点でイヤな予感がした方は、おそらく回れ右した方が無難かと思います。

■まさかのキャサリン単独オーケストラコンサート
というわけで。
まさかのキャサリン単独オケコンです。
本当に、まさかです。
まさか過ぎて、初めて開催の一報を耳にした時は、何かの誤報かと一瞬思ったくらいです。

アラカルト形式のコンサートの1パートを担当するのならば分かるのですが、いきなり単独コンサート。
意外性が天元突破しました。

JAGMOの公演ターゲットが、時々突拍子もない方向へ飛んでいくことは知っていました。
ファンの母数が多いわりにあまり演奏される機会のない穴場を突いてくることは、過去の演奏会情報からも明らかです。
が、今回は少々明後日の方向に行き過ぎた気がします。

JAGMOの近年の演奏会を見てみると:

・東方Project ⇒ わかる。
・UNDERTALE ⇒ わかる(反響が想定以上だったけれど)
・幻想水滸伝 ⇒ わかる。
・キャサリンFB ⇒ どうしてそこへ行った!?

感が拭えません。
いくらアトラス作品とはいえ、キャサリンのファン数、大ホールで単独コンサートできるほど多くないぞ?
実際、1階席のみの開放でしたが、それでも席の埋まり具合は5割に達していたかどうか、という空きっぷりでした。

とはいえ、俺自身は、開催の一報を耳にした時に嬉しく思ったことを覚えています。
キャサリン好きだし。パズルアクションパートのBGMがものすごく好きで、無印もFBも初回限定版買ったくらいだし。
この機会を逃したら、この先きっと生演奏で聴けるチャンスはないに違いない…という強迫観念に駆られてチケット取りました。

チケット購入の際の一抹の懸念点は、自分とJAGMOの相性の悪さ。
個人的に、JAGMOの演奏と運営姿勢が、なんとなく肌に合わないのです。
前身の頃はともかく、JAGMOになって以降は型に嵌ったような面白みに欠ける演奏と、ビジネス寄りの押し付けを強く感じるようになり。
法人としてやっていく以上は営利が必須要素なのも理解できるのですが、なんかこう、「応援したい」とは思えなくて。
また、チケットがフルプライスと決して安くないこともあって、自然と足が遠のいていました。
今回は「キャサリン」単独の演奏会を開催すると聞きつけて、「それならば、仕方ないな(喜)」とチケット代を拠出した次第です。

あと、こうして感想を書くのも、実は当初予定していませんでした。
想定以上に演奏と編曲が良かったことから「感想書きたい!」という欲求が急激に湧いてきて、今こうして書いています。

■ジャズ色満載のムーディーな演奏と編曲
「キャサリン」のゲームをプレイした方なら既知だと思いますが、シナリオがとてもアダルトテイストな作品です。
コンシューマー機のタイトルなので直接的な表現こそありませんが、かなり際どいシーンのある大人向け。
そして、作中のアドベンチャーパートにおける重要な舞台が、バーです。
そのバーの雰囲気に合わせるように、今回演奏された曲は、全体的にジャズが強めでした。

アトラス作品でジャズというと「ペルソナ5」(P5)を思い出しますが、それよりもジャズ色が強かった印象です。
ジャズといえばサックスだろ!というくらい、ジャズとは切っても切れない縁で結ばれているサックスはもちろんのこと。
エレキギター、エレキベースにドラムというバンドサウンドも大活躍していました。

それと、ピアノも大活躍。
連弾のピアノデュオがとても格好良くて、印象に強く残りました。

管楽器(金管、木管ともに)も、しばしば前面に出てきていたように思います。
その一方で、意外と目立たなかったのが弦楽器。
常であれば主旋律を担当することの多い1stヴァイオリンでさえ、比較的、伴奏を担当することが多かったような気がします。

ジャズテイストが強めということもあってか、とにかくサックスとベースが格好良かったです。
「今のアドリブ、格好良いな!」とか「この低音、痺れるな!」とか、心にグサグサ刺さった音色は大抵その2つの楽器のものでした。

演奏が格好良ければ、編曲も良く出来ていました。
特に、組曲形式の「Symphonic Catherine: Full Body」と「管弦楽とジャズバンドのための組曲」が、構成といいアレンジといい素晴らしかったです。
前者の第3楽章では各ヒロインの性格を、後者では各ヒロインルートの流れを、短い尺の中に綺麗に落とし込まれていて。
スクリーンに投影されていた映像との相乗効果もあって、とても上手いと思いました。
よくこんなに綺麗にまとめたなぁ。これはすごい。

実は、無印もFBも1周しかプレイしていなくて、全EDどころか各キャラのルートも見ていなかったりします。
無印は独身ルート、FBはKルートしかプレイしていません。
そのため、他のキャラのルートがどんな展開になるのか、演奏会前まで全く知りませんでした。

そんな片手落ちな自分でも、十分容易に理解できる構成になっていて、すごかったです。
各ルートが、音と映像で非常に分かりやすくコンパクトに、かつドラマティックにまとめられていました。
全ルートを知らない自分でも強いカタルシスを覚えて、ものすごく楽しめました。
よくあんなに綺麗にまとめきったなぁ。編曲された方と映像を作られた方を、手放しで褒め称えたいです。

演奏については、ちょいちょい派手なミスがあった点は、少々気になりました。
あと、スピーカーの使用も、音の奥行きがなくなり平たくなってしまうので、可能な限り避けてほしかったです。特に前半。
後半はジャズ色がより強くなって「そういうものだ」と割り切れたからか、単に耳が慣れたからか、スピーカーの音量が下げられたからか、あまり気にならなくなりましたが。

と、気になるところはちょこちょこあったのですが、最終的に演奏から得られた高揚感がそれらを帳消しにするほど強かったので、全体的には満足しました。
演奏と編曲に関しては、ですが。

■綺麗に、かつ的確にまとめられた映像(ただしネタバレ満載)
話は変わって、スクリーンに投影された映像について。

ゲームのイベントシーンやプレイ動画が、ほぼずっと曲に合わせてスクリーンに投影されていました。
演奏許諾だけでなく、映像使用の許諾まで取っているとは、さすが法人格。やることが違います。
アマチュアの有志オケでは、映像使用許諾の取得までは難しいだろうし。いくらファンによるコンサートであっても、許諾を取らずにゲーム画面の映像を流すのは、無料・有料を問わず、さすがに一発アウトと思われ。
こういう凝ったことを技術的な面だけでなく法的にも可能なのが法人格の強みですし、それをいかんなく発揮されていたように思います。さすがです。

演奏と映像は綺麗に補完関係を成立させていて、良い感じに曲への解釈を深めるサポートになっていました。
今演奏されているメドレーが、ゲームのどういうイメージに基づいたものなのかを、映像で補足。
構成の妙なのか、短いながらもポイントが押さえられていて、非常に分かりやすいものでした。
全ヒロインのルートをプレイしていない自分にとっては、とてもありがたかったです。

情報量もそれほど多くなく、演奏の邪魔という感じはしませんでした。
まぁ、うっかり演奏そっちのけで映像に集中してしまうことも、無きにしも非ずでしたが。

映像による各ヒロインルートの補足が丁寧な分だけ、ネタバレも満載でした。
「このヒロインって、こういうストーリー展開になるのか……EDすげーな」と、ネタバレを2回ほど食らいました。
まぁ、これに関しては単独コンサートの時点で織り込み済みだったので、ネタバレされても不満とかは感じませんでしたが。
むしろ、この機会に知らなかったヒロインのルートを生演奏付きで楽しめた点で、得をした気分です。

というか、あれだけ公式がネタバレ厳禁をうたっていたのに、今回の単独コンサートでOK出たことが意外でした。
単独だからこそOKが出たのかもしれませんが。

■演奏以外で気になったアレコレ
ここからは、少し苦言みたいな話が2点ほど並びます。

まず1点目。
特に前半でよくあったのですが、マイクが細かい音まで拾ってスピーカーで流すのは、正直どうかと思いました。
特に譜面を捲る音。
耳障りなほど大きく音を拾って流していたのは、首を捻らざるを得ません。
音響さん、もうちょっとちゃんと仕事してほしかったです。
前半の途中で「これはヒドい」と気付いたのか、それ以降なくなりましたが。

2点目。
本編終了後やアンコール後、演奏と編曲の素晴らしさに気分が高揚して「わぁ! すっげーっ!!」と懸命に拍手していたときのこと。
指揮者がさらに拍手のボルテージを上げようと煽るサインを何度もされているのを見て、逆に「わー、すごーい(棒」と気分が急激に萎えるのを感じました。
管楽器を演奏しているメンバーへの拍手を盛り上げたいという意図は理解できたのですが、その時点での拍手は何も指揮者だけに向けたつもりのものではなく。
自分の中では、指揮者も含めた管弦楽団全員、そしてスタッフさんにも向けたもののつもりでした。
それに、拍手は演奏会に対する客からの評価のはず。
それを煽るとか……そういうとこだぞJAGMO。
# JAGMOの性格ではなく、指揮者個人の個性なのかもしれませんが。

■感想まとめ
そんなこんなで、多少の引っ掛かりはありつつも、全体的にはすこぶる満足した演奏会でした。
こうして感想を書きたいと思わせられたほどの素晴らしさと情熱を、演奏の中から感じました。
ステージ上で素敵な演奏を披露して下さった方々だけでなく、編曲の方やスタッフさんも含めて、貴重な機会をありがとうございました。
今後、キャサリンFBの単独コンサートはなかなか開催されないと思うので、この感動を思い出として大切に保管したいです。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと印象に残った曲ごとの感想になります。