[GMCD] 真・女神転生 デビルサマナー サウンド・ファイル

1995年にSSで発売されたRPG「真・女神転生 デビルサマナー」(以下、デビサマ)のOSTとアレンジ盤がセットになったアルバム「真・女神転生 デビルサマナー サウンド・ファイル」を先日入手したので、一通り聴いてみました。
CD2枚組で、1枚目にオリジナル音源、2枚目に「魔界召喚LIVE~悪魔咆哮!~」と銘打たれたアレンジ盤を収録。
1枚目が40曲収録で、再生時間は約70分。
2枚目が8曲収録で、再生時間は約40分。

ちなみに、デビサマは未プレイです。
というか、無印だけでなくデビサマ系統の作品は、「ソウルハッカーズ」も含めて、実は一作もプレイしたことがありません。
真・女神転生のナンバリングタイトルは何作品かプレイしているし、ペルソナシリーズならほぼ全作品プレイしているのですが。
なんというか、こう、「いつかプレイしよう!」という気持ちはあるけれど、機を逃しまくっていたら未プレイのまま現在に至ってしまっていた、みたいな。

そんな自分が何故このOSTを入手したのかと言えば、理由は3つ。
1つ目は、これまで聴いたことのある真・女神転生シリーズのBGMが、どれもわりと好みだったから。
2つ目は、ふらっと立ち寄った中古CDショップで、それほど高値ではなかった本作品が目に留まったから。
3つ目は、「デビルサマナー」という作品の名前と評判は昔から耳にしていて、ゲーム好き&ゲーム音楽好き的にフラグが立ったから。

2つ目に関して言えば、少なくともAmaz〇nの中古価格よりも安値でした。
むしろ、今さっきAmaz〇nで中古価格を見て、「あれ、こんなに高かったっけ?」と驚いているくらいです。

そんなわけで、事前情報まるで無しな状態で本作品を一通り聴いてみました。
率直に言って、自分はこのアルバム好きです。
2枚目のアレンジ曲は、曲によって好き嫌いのバラつきを感じたけれど、1枚目は総じて好みです。
派手さはないけれど、どことなく大人っぽいスマートさや、スタイリッシュな格好良さを感じました。

特に、ドラムやベースの低音隊が奏でるドコドコしたリズムが、すこぶるツボでした。
「シド・デイビス」や「会話・バトル」、「ボスバトル」のような疾走感のある曲は言うに及ばず。
それ以外の「自宅」や「丸瀬不動産」のようなアットホーム(?)な曲でも、「異界ダンジョン1」のような勇ましい曲でも、「スタッフロール」のようなほんのり切ない曲でも、味わいのある低音がとても好きです。
その一方で、低音部分はほとんどないけれど、「タイトル」や「笠置山」、「安全地帯」のような不思議な雰囲気の曲も好みでした。

どの曲も醸し出す空気感がすごくメガテンっぽいので、真・女神転生の曲が好きならば未プレイでもたぶん好きになれるのではないかと。
特に真1の曲が好きな方にオススメです。

個人的には、「異界ダンジョン」の名を持つ曲が、大体どれも好みでした。
曲名からしてダンジョンBGMだと思うけれど、これは飽きずに聴いていられる気がします。
中でも「異界ダンジョン(アストラル界)」の、パンを左右に大きく振られる電子音が印象的でお気に入りです。クセになる面白さを感じました。
また、「ホテル業魔殿」のパイプオルガンもたまりません。
荘厳な雰囲気がいかにも異世界っぽくて、生演奏で聴きたくなります。
あと、意外とツボったのが「中華街」。
曲名に偽りありまくるほどに「中華」っぽさはあまり感じられなかったのですが、この曲のベースとパーカッションの刻みがとても好きです。

そういえば、本作を作業用BGMとして垂れ流しながら聴いていたのですが、突然聴き覚えのある曲が流れたのにはびっくりしました。
「ゲーム未プレイなのに、この曲どこかで聴いたことがあるぞ!? なんで??」と思ったら、「葛葉探偵事務所」でした。
曲名を見て、なるほど納得。ペルソナ2でがっつり聴いたなぁ・・・と、懐かしさを覚えました。
ちなみに、「葛葉探偵事務所」もとても好きです。ペルソナ2で初めて聴いた時から好きです。

2枚目のアレンジバージョンについてですが、これは「魔界召喚LIVE~悪魔咆哮!~」という名前の通り、とてもライブっぽい音源になっています。
ライブを模した作りにしたのか、それとも実際のライブ音源を収録したものかは、わかりませんが。
歓声まで入っていて、ユニークな構成になっています。

とはいえ、ゲーム未プレイ民からすると、原曲がどれかわからないくらいに強いアレンジが加えられている気がします。
曲名も曲の雰囲気も全然違うので、どの曲も、まるで新曲を聴いているような気分になりました。
特に曲の雰囲気。オリジナル版の雰囲気とは違い、現代のバンド風にアレンジされていて、文字通りライブ感たっぷりです。
全く予備知識なく頭から聴いていたから、1枚目から2枚目へ変わった途端に急に雰囲気が変わって、正直驚きました。

あまりの変わりっぷりに、耳に馴染むまで少し時間がかかりました。
何度か聴くと「これって、原曲はアレだったのか」となるのですが、そこに辿り着くまでが結構長かったです。
今にして思えば、1枚目を繰り返し聴いてオリジナルを耳に覚えさせてから、2枚目を聴いた方が良かったかもしれません。

スマート&スタイリッシュな原曲が、この2枚目では全体的にロックテイストに変わっています。
どの曲もライブ感がとても強くて、聴く方のテンションをグッと押し上げてくるノリの良さを感じました。
ライブハウスで盛り上がりたくなる曲ばかりです。
もっとも、スタンディング形式のライブコンサートって、自分は少々苦手だったりするのですが。
# 最近、楽しみ方を感覚的に知って、少しだけ苦手意識が払拭されたけれど。

2枚目のアレンジ盤の中で一番のお気に入りは「魔界彷徨」。
5拍子で奏でられるエキゾチックなドコドコ感が、心底たまりません。
初めて聴いたときから、「あ、これ好きだ」となりました。
ラストの合成音声のような声も含めて、すごく好きです。
1枚目と2枚目を通して聴いても、これが一番好きな曲かもしれません。

というわけで。
真・女神転生のサウンド好きとしては、とても楽しいアルバムでした。
「あ、この曲好きだわ」「あれもいいね」ばかりが揃っていました。
それでいて、デビサマのオリジナル音源とアレンジバージョンが一挙両得で楽しめて、お得感もあります。
ゲーム未プレイでも、初期のメガテンサウンドが好みとマッチした方にはオススメです。おそらく、サウンドだけでも十分楽しめると思います。

[GMCD] DEMON GAZE ORIGINAL SOUNDTRACK

2013年にPS Vita用ソフトとして発売されたDRPG「デモンゲイズ」のOSTを、最近ひょんな拍子に入手して、一通り聴いてみました。
収録曲数は、CD2枚組で全31曲。
再生時間は、トータルで92分ほどです。

ゲームの方は、Global Edition版ではない完全無印版をプレイしたことがあるのですが、途中で詰みました。
ラストダンジョンまではなんとか自力で到達できたのですが、そのダンジョンに何回も挑んでも全滅するを繰り返す始末。
「え? なんで??」と思って攻略サイトを調べてみたら、今のPT編成ではどうやってもクリアできないことが判明。
攻略するためにはあるクラスのキャラの所持スキルがほぼ必須だけど、そのクラスのキャラを全然育てていなくて。
今さら一からキャラを育てる元気も湧かなくて、「あ、これダメだ…」と心が折れました。
そんなわけで、クリアはしていません。むしろ、DRPGに対する苦手意識が強化されたトラウマ作品とも言えます。
たぶん、戦略・戦術を必要とするハクスラ系RPGが、自分には合わないのだと思います。面白さを見出す前に、疲れてしまうみたいです。

ちなみに、「デモンゲイズ2」のGE版はクリアしました。
2は、最終的にLvを上げて物理で叩けばなんとかなったので。
「こんな俺でも、やればできるじゃないか」とDRPGに対する苦手意識を薄めてくれたのは、デモゲ2でした。

そんな個人的にはトラウマゲームでもある「デモンゲイズ」(無印)ですが、BGMの良さはプレイしていたときから気になっていました。
ふとした拍子に耳に入ってくる曲が、妙に格好良いな、と。
ただ、ゲームをプレイしたタイミングが遅過ぎて、OSTの存在を知ったときには既に売り切れ・廃盤。
ゲーム音楽あるあるだし、これまでにも似たような経験を散々していたこともあって、「……まぁ、仕方ないか」とさっくり入手を諦めていました。

そんなある日、ふらっと中古CDショップで物色していたら、このOSTと「デモンゲイズ2」初回限定版の特典CDを発見。
価格的にも手の届かない高さではなかったので、迷わず購入しました。

そんな流れで聴いてみたデモゲのOSTでしたが、聴き込むほどに良さがじんわり浸透してくる作品でした。
最初こそは「あー、そういえば、こんな曲だったような気がする…」という感じの、薄い反応しか湧いてこなかったです。
それが、再生回数を重ねるに従って細かい旋律や表現が耳に留まるようになり、「あ、この曲のこの部分、超絶格好良くないか!?」と前のめり気味に聴くように。
今では、中古とはいえこのOSTに巡り合えた奇跡に感謝しています。
本当に、入手できて良かった……自分をあのタイミングで中古CDショップに向かわせた直観力に感謝。

全体的な曲調は、バンドサウンドとオーケストラの中間みたいな、いかにもなゲーム音楽。
こう言っては何ですが、純粋に”ゲーム音楽”している感じです。
熱いバトル曲や荘厳なダンジョン曲、穏やかなノクターン調の曲もあれば切ないバラード調の曲もあるという、シチュエーションに合わせたような様々な曲が揃っています。
ただ、あくまでもBGM用途だからか、メロディラインが明確で形のはっきりしている曲が多いものの、尖った部分はあまりなく、すごくBGMに徹している感じです。
そのためか、耳に馴染むまで少々時間がかかりました。

とはいえ、だからこそ、ゲーム音楽好きとして心に刺さったような気がします。
全体的に漂うのは、すっきりした明るい格好良さ。
上手い言葉が見つからないのですが、爽やかな後味とキレの良さを感じました。
その爽やかさのためか、どの曲も抵抗感なくスッを耳に入ってきます。
そして、普通に格好良いです。うん、普通に格好良い(大事なry

曲は、ゲーム収録音源をまるっとそのまま収録してるわけではなさそうです。
数年前のOSTではスタンダードだったフェードアウトで曲を終わらせる形ではなく、曲として完結するようにコーダ(結尾部)が付いています。
確か、ゲーム収録音源はコーダはなく、そのままループする形だったかと。
とすれば、このOSTのために、コーダの部分を書き下ろされたのでしょうか。
OST版の方が曲として完結しているため、なんとなく聴きやすくなっているような気がします。

デモンゲイズシリーズのBGMの最大の特徴は、VOCALOIDのIAが多用されている点でしょうか。
OSTの約半分で使用されているのではないか、というくらい、あちこちでIAの歌声を聴きます。
自分はVOCALOIDの歌声にそれほど強い抵抗を感じないタイプ(ただし、使われ方次第)なのであまり気にならなかったのですが、ゲーム発売当時、この多用っぷりには賛否両論あった模様。
確かに、VOCALOIDとはいえ、かなり際立って機械的な歌声です。
おそらく、デモンをイメージして、わざとあまり調教していないのではないかと思うのですが。
ただ、VOCALOIDの歌声が苦手な方は注意した方が良いかもしれません。

個人的に最も気に入った曲は「王のエデン」。
こういう重厚で荘厳な曲に弱いのです。
コーラスとオルガンの組み合わせとか、格好良くならないわけがないです。うっすら聴こえるドラムの刻みもすごく良いです。
というか、この曲が流れるダンジョンまで辿り着いて「ずっと聴いていたいくらい曲はめっちゃ好みなのに、先進めないのはなんでだー! でも、この曲のためにOST欲しいー!!」といろいろな意味でジタバタしていたので、この曲はいろいろ思い入れが深いです。
ようやくこの曲をエンドレスで聴けて、たいへん満足しています。

次点で、「機械仕掛けの罠」。
主旋律が好みというのもあるのですが、ベースの動きがすごく昔のゲーム音楽っぽくて、そこはかとない懐かしさを覚えました。
すごくパキパキした音がピョコピョコ上下動しているあたりが、なんだかとても懐かしいです。
FCやGBの頃のベース音って、こういう8ビートや16ビートでピコピコした動きをしていたような印象が強くて、その頃を思い出しました。
ちなみに、この曲を聴いていてふっと脳裏に浮かんだゲームはウィザードリィでした。
いやまぁ、ウィズも実はさほどプレイしたことがないのですが、何故かふっと記憶の引き出しから出てきたのがウィズでした。なんでだ。

なお、同じことを「瞳の宿命」でも感じました。
低音でもぞもぞ動いてるピョコピョコ感、すごく好きです。

「未踏の魔城」もすこぶる好みです。
ほぼ純粋なオケ調で、重みと厚みの感じられる勇壮な音の響きが好みド直球でした。
こんなん、惚れないわけがないです。端的に言えば、格好良いです。
これと「王のエデン」は、生オケで聴きたいです。どこかの楽団で演奏してくれないかな(いつもの他力本願

確か戦闘曲だったと思うのですが、「愛を知らない天使」と「青き狩人」もすこぶる格好良いです。
戦闘曲らしい熱さの溢れる曲です。これ、たぎるなぁ。
「愛を知らない天使」のエレギとIAの掛け合いとか、「青き狩人」のIAと弦とエレギが交互に主旋律を奏でるところとか、格好良いの塊です。
あと、リズム隊(ドラムやベース)がとても良い仕事をしています。なんかツボりました。
ところで、「愛を知らない天使」のイントロは、ゲーム収録版にはなかった(イントロ無しで、すぐに曲本編に突入していた)ような気がするのですが……記憶違いかな?

この2曲の戦闘曲と「瞳の宿命」の3曲をメドレーにして、架空言語(いわゆるハナモゲラ語)だった歌詞を日本語に戻したものが、「闇を束ねし者」です。
セットリストの位置的に、おそらくラストバトル曲でしょうか。
ゲームプレイ時はラストバトルまで到達できなかったので、ゲーム内でこの曲は聴けていません。
そのため、各戦闘曲の歌詞はハナモゲラ語がデフォルトだと認識していました。
が、実は日本語歌詞があったことにまず驚きました。
逆に、ハナモゲラ語でIAに歌わせたことの方が、すごいことのように思います。あのハナモゲラ語、どこから出てきたのだろう。「闇を束ねし者」の日本語歌詞のアナグラムが、各戦闘曲の歌詞なのかな?
とまぁ、真っ先に歌詞に驚いたのですが、格好良い曲が3曲もメドレーになっているので、曲自体もとても格好良いです。
というか、格好良さの塊のような3曲が揃って、熱く格好良くならないわけがありません。
ラストバトル(だと思う)に相応しい熱さたっぷりの曲になっています。

ついでに、この場を借りて、デモゲ1のOSTと同時に入手したデモゲ2の特典CDについても軽く感想を記します。

デモンゲイズ2の特典CD「BEST SELECTION DEMONGAZE MUSIC」には、文字通りデモンゲイズ1と2のBGMを一部セレクトして収録されています。
デモンゲイズ2の歌曲である「マグナスタリカ」3バージョンと、「スタリカ」のOP用短縮バージョンも入っています。

この「マグナスタリカ」の「序」と「急」が、すこぶる格好良いです。
ゲームプレイ時に「なにこれ超格好良いんだけど! サントラは!? サントラはないのか!!?」とクリア直後にOSTを探すキッカケになった曲であり、「初回限定」の四文字で表された高い壁を前に挫折を味わった曲でもあります。
まさか、ここでまた会えるなんて……巡り合わせって不思議なものだな。

そして、やはり2曲とも、今改めて聴いてみてもすごく格好良いです。
ゴシックぽさの漂う重量感のある女性ボーカル曲です。色で表すなら、焦茶色。
2曲とも90秒程度と短いながらも、その短い尺の中に格好良さが凝縮されています。
特に、低音がたまりません。
存在するならば、フルバージョンが聴きたい曲でもあります。フルになるとどうなるのか、すごく気になります。

というわけで。
ゲームプレイ以来久しぶりに聴いた「デモンゲイズ」のBGMでしたが、聴き込めば聴き込むほど格好良さに痺れるOSTでした。
純粋にゲーム音楽っぽさがあるので、ゲームプレイした上で聴いた方が楽しめると思います。
が、主旋律がはっきりしている分、曲として独り立ちしているので、ゲーム未プレイでも意外といけるかもしれません。
オケサウンドとロックサウンド、両方とも好きな方にはオススメです。

[GMCD] WILD ARMS the Vth Vanguard ORIGINAL SCORE Vol.1/Vol.2

2006年にPS2で発売されたRPG「ワイルドアームズ ザ フィフスヴァンガード」(以下、WA5)のOST「WILD ARMS the Vth Vanguard ORIGINAL SCORE Vol.1」と同名の「Vol.2」を同時に入手したので、まとめて一通り聴いてみました。
収録曲数は、Vol.1がCD3枚組で54曲、Vol.2もCD3枚組で51曲。
再生時間は、Vol.1が約2時間40分、Vol.2が約2時間55分。
2巻合わせると5時間30分を超えるほどの大ボリュームです。
なぜ2巻に分けられているのかは、一通り聴き終わった今でも謎ですが。

なお、WA5は未プレイです。
WAシリーズのゲームは2, 3, WA:Fのみプレイ済み。OSTは1~4とWA:F、ミリメモを所持しています。
シリーズ作品を全く知らないわけではないけれど、濃いファンというほどでもない、といったところです。

そんな自分がこのOSTに手を出したのは、WAシリーズのBGMが全体的に好きだから。
中でも、WA:FのOSTは一番聴き込んでいます。
一番最初にプレイしたWAシリーズ作品がWA:Fであり、初めて触れたWA:FのBGMの良さに惚れ込み、クリア直後にOSTを買いに走った記憶があります。
なるけみちこさんの曲を意識して聴くようになったのも、WA:Fからでした。

そのなるけみちこさんですが、WA5には一切参加されていません。
確かWA4制作途中に体調不良で倒れられて、WA5開発中もそれが継続していたのではなかったかと。
そのため、WA5のメインコンポーザーは、WA4でなるけさんに代わって途中から参加された甲田雅人さん。
そして、もう一人、Element Gardenの上松範康さんも参加されています。

いわゆる「なるけ節」が本作にはほぼ全くないので、これまでのWAシリーズとはなんとなく雰囲気が異なっているような印象を抱きました。
ぶっちゃけてしまうと、WAっぽくないです。
なんかこう、渡り鳥たちが世界各地を渡り歩く風情というか旅情感というか冒険心というかノスタルジックさというか、そういう要素が少し弱い感じがしました。
あの言葉ではなんとも表し難い独特な雰囲気が「なるけ節」だったのかと、今更ながらに実感しています。
「いなくなってみて初めて分かる」というヤツです。

ただ、WAっぽさを求めなければ、曲自体はすこぶる好みでした。ものすごく良曲が揃っています。
特に、上松さんがとても良い仕事をされていて。
作業用BGMとして垂れ流しながら聴いていて、「やっば、この曲、超絶格好良い……」が連発。
耳と心にグサグサ刺さってくる曲がとても多かったです。

上松さんの曲は、壮大な曲調と熱くたぎる展開のものが多くて、中二心を良い感じにくすぐってきます。
曲の雰囲気としては、「FINAL FANTASY ブレイブエクスヴィアス」(以下、FFBE)にかなり近いです。
「Terrible - monster Attacking Crew!」のループに入る直前の展開が、特にそれっぽかったです。
まぁ、よくよく考えてみたらFFBEの楽曲も上松さんが手掛けられているので、それはそうだろうと納得なのですが。
きっと、FFBEの楽曲が好きで、WAっぽさを強く求めていない方であれば、同じようにグサグサ刺さるのではないかと。

とはいえ、過去のWAシリーズの楽曲を意識されている様子も、曲の端々から窺えます。
口笛とか、ティンホイッスルとか、アコースティックギターとか、カスタネットとか。
曲順と曲名的にOPムービーかタイトル曲っぽい「the Vth Vanguard」が、まさにそれ。
また、「明日への道は、君の後に続く」のようなバンドセッションぽい躍動感に満ちた曲からも、過去作リスペクトを感じました。

それと、ほんの一部楽曲では、過去のWAシリーズ曲が使用されています。
と言っても、WA2の「どんなときでも、ひとりじゃない」と「バトル・ナイトブレイザー」の2曲の特殊アレンジだけですが。

全体的にはオーケストラ調の楽曲が多め。時々ロックだったりテクノだったりもします。
オケ調のゲーム音楽が好きな身としては、「これ、生演奏で聴きたくなるヤツ!」と地団駄を踏みたくなるほどに、どれもとても格好良いです。
「超えていくのは昨日の自分」、「天路歴程」、「世界の広さを知ってなお…」、「切り札、それさえも前哨」あたりは、オケで聴きたいと強く感じました。
このあたりの楽曲を演奏するコンサートが行ける範囲内であったら、全力で行く調整をします。ええ、それはもう全力で。

数々の良曲の中で、最も印象に強く残った曲は「嘆きの大地を渡りゆく」。
ティンホイッスル(かな?)とカスタネットが織り成すノスタルジックさ、そしてその後に続く壮大なオーケストラの調べに、胸が詰まる思いがしました。
切なさもありつつ前向きさも感じるような、そんな寂静感。
初めて聴いたときから、「あ、これ好き」と直感で思いました。

ノスタルジックと言えば、「憎しみに踊るMuzzle」もすごく印象的でした。
アコギとカスタネットとハンドクラップ(?)があまりにも格好良くて、聴く度に思わず身体でリズムを刻んでしまいます。
そんなリズム隊に合わせて切なげに奏でられる主旋律も、心底たまりません。
なにこれ、すごく格好良い。一発で惚れるヤツだ。

少し変わった曲としては、「Emergency Sign」が妙に耳に残りました。
バックでウィーンウィーンと唸ってる電子音が、すごく印象的で。
それがどうやら自分の変なツボにハマったみたいで、なんとなく好きです。

同じく変わり種ですが、「学究の徒なればこそ」も耳に残りやすい曲です。
終始チャコポコ鳴っているマリンバっぽい音色と、ベースなどの低音との掛け合いが、なんだかとてもツボでした。
曲から醸し出される不思議な雰囲気も、自分の好みにハマりました。

いかにもバトル曲っぽい曲の中では、慟哭系オケテクノトランスな「ペルセフォネ IPCC_3927(:Battle)」に自分のツボを強く押されました。
スタイリッシュでとても格好良い曲です。
こういう曲調に一時期ドハマりしていた影響のためか、自分はオケテクノやオケトランスにも弱いです。

他にも、想定以上にたくさんの良曲が揃っていました。
特にこれという強い理由もなく、単にWAシリーズのOSTだからという理由だけで入手したものだったけれど、これは良い買い物でした。

というわけで。
WA5のOSTは、WAらしさを求めると肩透かしを食らうかもしれませんが、曲自体はとても格好良いものばかりで、個人的にはすこぶる満足しました。
きっとゲームプレイ済みの方が楽しめると思いますが、楽曲の自己主張がそこそこ強いので、ゲーム未プレイでも十分聴けるかと。
FFBEの楽曲を手掛けられている上松さんの作風が好みであれば、聴いて損はないと思います。

[GMCD] KINGDOM HEARTS Orchestra -World of Tres- Album

スクウェア・エニックス社のA・RPG「KINGDOM HEARTS」シリーズ(以下、KH)のオーケストラコンサートツアーの会場限定アルバム「KINGDOM HEARTS Orchestra -World of Tres- Album」をようやく入手できたので、早速一通り聴いてみました。
収録曲数は、全11曲。
再生時間は、トータルでおよそ74分になります。

KHオーケストラコンサートには、12月27日(金)にパシフィコ横浜 国立大ホールで開催された最終日昼公演に行ってきました。
行けたのはいいものの、前半の途中で持病の発作(不整脈?)が起こってあまり演奏に集中できず。
集中できないなりにも耳に刺さってくる演奏はとても素晴らしくて(特に後半)、「ぐ、心臓の違和感が収まらn…あ、今の演奏めっちゃ格好良い…ちょま、マジ苦し…お、この展開、超胸あt…くっそ、やば、早く終わってくれ…あ、やっぱ終わらないで」と、胸を押さえながら1人で密かにバトってました。
そんな状態だったので、演奏を隅から隅まで集中して聴くことはできず、しかし、そんな状態でも時折意識を持っていかれるくらい演奏と編曲が素晴らしくて。
それだけに、終演時にはとても悔しい想いをしました。
その想いの丈を、代わりにこのアルバムにぶつけようと思います。
そして、健康管理はいざという局面のために超重要ということを、今回身に染みて実感しました。うん、気を付けよう。

本作は、KHオケコンのワールドツアー「World of Tres」で演奏された楽曲の一部を収録したものになります。
演奏された楽曲の全てではありません。一部です。
演奏会では披露されたものの、本作には収録されていない楽曲がいくつかあります。
と言っても、未収録楽曲は、前半のタイトル別メドレーのうちストーリー上それほど重要ではないタイトルのものと、後半の宇多田ヒカルさんの歌曲とED曲くらいでしょうか。
個人的には、特に何度も聴きたかった楽曲が一通り収録されているので、一部楽曲の抜けがあっても特に強い不満はないです。
むしろ、CDの容量限界ギリギリまで、みっちり詰め込んでくれたことに感謝しています。
「あと10秒削って!」とか「ここは削れない!」とか、裏でものすごい調整という名の攻防があったんだろうなぁ、きっと。

なお、このアルバムはツアー初日から物販のラインナップに入っていたものなので、コンサート音源ではないと思います。
とはいえ、音に奥行きが感じられるから、スタジオ収録でもない気がします。
スタジオ収録のオーケストラアレンジアルバムにはない、音の広がりを強いです。
どこかのホールを借りて収録したのでしょうか。

そのため、聴くときはヘッドホン使用推奨です。
うちの安価なスピーカーでもはっきりと分かるくらい音に奥行きがあるのですが、ヘッドホンで聴くとより一層臨場感が増します。
まるで、ホールで鑑賞しているような気分を味わえます。

アルバムの感想を一言で表すなら、「買えて良かった!」です。
コンサートで披露された演奏や編曲は当然そのまま収録されているのですが、それに加えて感動までもがそっくりそのまま収録されたようなアルバムになっています。
コンサート会場で味わった演奏や編曲だけでなく、感動まで何度も堪能できるのが、本当に素晴らしいです。
これ、「World of Tres」で感動を味わった方にとっては、必携アイテムではなかろうかと。
それ思えるくらい、とても良いアルバムに仕上がっています。

逆に言うと、「World of Tres」のどの公演にも参加されなかった方にとっては、解りにくいアルバムかもしれません。
本作とパンフレット、映像演出の三位一体で、最大限の効力を発揮する構成になっているので。
記憶の呼び起こし装置的な位置付けでもあるので、本作単体だけでは感動を得難い可能性があります。
……あぁ、だから本作は”会場限定販売”なのか。

2年前に同様の主旨で発売された「KINGDOM HEARTS Orchestra -World Tour- Album」との楽曲被りは、厳密に言えばありません。
World Tour版に収録されている楽曲のフレーズが、本作収録のメドレーの一部に組み込まれていることはあっても、編曲までまるっと同じということはないです。
「Dearly Beloved」はKH3版に合わせてリアレンジ、「Destati」もメドレーの重要な場面で的確に埋め込まれています。
また、「The Other Promise」(Roxas)や「Vector to the Heavens」(Musique pour la tristesse de Xion)などの名曲も、良い感じにリアレンジされてメドレーに入っています。

そして、何よりも異なるのが、World Tour版発売時にまだ完成していなかったKH3の楽曲が、本作の半分以上を占めている点。
前半はKH3を除くシリーズ作品をタイトル別にメドレーにしたもの、後半はKH3オンリーという構成になっています。
KH3で熱狂と涙の渦にのまれた方なら、特に後半は胸にグサグサ刺さるかもしれません。

各メドレーの構成意図や編曲の方向性などはコンサートのパンフレットに詳しく掲載されているので、可能であればそちらも合わせて目を通しておくと、より楽しめるかもしれません。
本来であれば、さらにコンサートでスクリーンに投影されていた映像も合わせるのが最も理解が深まると思うのですが、映像はさすがに望み薄なので。
特に後半は、どのメドレーがどこのワールドを表現しているのか、誰との戦いをイメージしているのかが、映像だと一目瞭然だったので。

本作の収録曲の中で、個人的に一番「これはっ!」と思ったのは「Overture to the Decisive Battle」。
文字通り、KH3の最終決戦の曲なのですが、ひたすらに構成が上手いと思いました。
特に、「Roxas」から「Musique pour la tristesse de Xion」の流れが鳥肌モノ。
その流れは反則だろ、泣くしかないだろ! と思わずにはいられないほどの感動を覚えました。
また、決戦曲だけどずっとひたすら熱さが続くわけではなく、ほどよく緩急の付いた展開なのも好印象。
コンサートでもこの曲が一番印象に残ったので、本作でこの曲を何度も聴けることがとても嬉しいです。

次点で「Music from KINGDOM HEARTS II」。
まさか、ここで「Hollow Bastion」を聴けるとは思わなかったので、不意打ちを食らった分、より強く印象に残ったようです。

似たような理由で、「Music from 358/2 Days」も好きです。
「Musique pour la tristesse de Xion」が名曲過ぎて、涙腺崩壊しました。
この曲は、コンサートで流れた映像が、観客を全力で号泣させに来ているとしか思えないくらいの素晴らしさで。
このメドレーを聴くとその映像と味わった感動が脳裏に甦ってきて、何回でも泣けそうです。

「Symphonic Suite: The Worlds of Tres IV -A Pirate's Tale-」も良い編曲&演奏でした。
KH3の「パイレーツ・オブ・カリビアン」ワールドの曲は、ゲームプレイ時にも「このBGM良いな」と思っていましたが、オーケストラの演奏でより格好良さが引き立っているように感じました。
ただでさえ熱かった曲が、さらに熱くなっています。これは良い編曲&演奏。

他にも「この曲も良い」「あれも素晴らしい」が揃っているので、とても良いアルバムを入手できたなと感じています。
KH3プレイ済みの方には、特にオススメです。
本稿執筆時点ではコンサート会場限定販売なのですが、在庫が余っていればそのうちこっそりとスクエニ公式オンラインショップに入る気がします。
前作「World Tour」版がそうだったので。

というわけで。
コンサートの楽曲を限界まで詰め込んだ本作でしたが、感動までも収録されたかのようで、コンサートの時に堪能した感動を追体験できる良いアルバムでした。
コンサートで感動された方には、特にオススメです。
会場限定販売という大きな壁がありますが、KHシリーズ好き、KH3好きの方には聴いてほしいアルバムだと思いました。


そういえば、KH3のOST発売を今か今かと待っているのですが、なかなか出ませんね。
何か大人の事情が絡んでいるのでしょうか?

[GMCD] LOST SPHEAR Original Soundtrack

2016年に発売されたRPG「LOST SPHEAR」のOSTを入手して、一通り聴いてみました。
CD2枚組で、収録曲数は全50曲。
再生時間は、トータルでおよそ2時間弱です。

例によって例の如く、ゲームは未プレイです。
スクウェア・エニックスの開発スタジオ「Tokyo RPG Factory」の第1弾「いけにえと雪のセツナ」、第3弾「鬼ノ哭ク邦」は最後までプレイしたのですが、真ん中の第2弾である「LOST SPHEAR」は未プレイだったりします。
ずっと気にはなっているのですが、プレイするタイミングを逃しまくっていたら、ズルズルとプレイしないまま今に至っています。
でも、曲は気になったので、OSTは買いました。ゲーム音楽好きあるある発動です。

曲が気になった理由は、「いけにえと雪のセツナ」の曲が気に入ったから。
「LOST SPHEAR」のBGMも「いけにえと雪のセツナ」から引き続き三好智己さんが担当されているので、たぶん自分の好きな感じの曲なのだろうなぁと思っていました。
実際に聴いてみたらその通りで、むしろ「いけにえと雪のセツナ」よりも好みにドストライク。
よりストレートに一点突破されたくらいにパワーアップしていました。
なにこれ、超好みじゃないか。

「いけにえと雪のセツナ」は、ピアノをメインとしたシンプルでしっとりした曲調という印象が残っています。
それに対して、「LOST SPHEAR」の方は、ピアノがメインという点は変わっていませんが、それを取り巻く伴奏のオーケストラが華やかになっています。
その華やかさの分だけ、曲単体で自立できるほどに自己主張も強いです。
ゲーム未プレイでも、十分に聴けるほどです。
そういう点で言えば、おそらく「LOST SPHEAR」の方が聴きやすくて入り込みやすいかもしれません。

曲の雰囲気は、落ち着きのある、しっとりとした、繊細で儚さの漂う感じです。
ガラス細工のよう、と言えば良いでしょうか。
輪郭は明確なのに、強い力を加えるとあっさり壊れてしまいそうな、そんな空気感が全曲に渡って漂っています。

それを醸し出しているのが、ピアノとオーケストラ。
この2つの調和が、とても良い感じです。
ピアノの澄んだ旋律と、それを支えるオーケストラのどっしりとした調べが合わさり、とても気持ち良い響きが生み出されています。
耳当たりが良くて、意識にすっと入ってくる感じがします。
俺、このサントラ、たぶん、かなりツボかも。音色や音の響きが、すごく好みです。

とはいえ、突出して「これ、めちゃくちゃ好きっ!」と強い印象を残していく曲も、あまりなかったりします。
全体的に良曲で、捨て曲らしきものがほぼありませんが、等しく良曲だからこそどれも似たような曲に聴こえてしまいました。
ほぼ全曲、ピアノ+オーケストラ調の似た雰囲気で統一されているのも、その一因かもしれませんが。

強いてあげるならば、戦闘曲のような激しい曲は「おっ!」と思いました。
なんというか、普通に格好良いオケバトル曲です。
戦闘曲っぽいので当然のように激しさはあるものの、どこか洗練された高潔さも感じます。
前向きな熱さの感じる曲なのですが、ガチャガチャしていなくて、どことなく整っているというか。
要するに、綺麗です。旋律とか調和とかが。

本作の一番のお気に入りは「The twilight of sphear」。
ピアノとオケに加わった、力強いコーラスと鐘(チューブラーベル?)の音が印象的な曲です。
これが、めちゃくちゃ格好良いです。
格好良さの典型のような曲ですが、すこぶる格好良いです。

似たような理由で「The end of myth」も好きです。
これも、とても熱い曲です。
ピアノ+オケ+コーラスによる最終決戦のような曲で、ゲーム未プレイですが手に汗握る熱さと不退転の決意を感じました。
珍しく、ピアノよりもオーケストラが目立っています。特に、金管楽器が大活躍です。
その一方で、後ろで薄くひたすら流れているピアノのアルベジオが、密かに人間業を超えるような動きをしている気がします。
集中して聴かないと聴き逃しそうなくらい薄いのですが、なんか凄いことになっているので、聴いた際にはそちらにも耳を傾けてほしい一曲です。

上記2曲は、リピート再生しているうちに生演奏で聴きたくなりました。これ絶対にたぎるに違いない。
というか、「LOST SPHEAR」の曲が全体的に生オケに向いていると思うので、ぜひとも生音で聴いてみたいです。
どこかの楽団で「LOST SPHEAR」を拾ってくれないかなぁ。
時々、ピアノがとんでもない動きをしているから、難しいかもしれないけど……。

そういえば、最後の2曲「Originator」と「Devisive fight」だけは、軽く濁った電子音が入っていて若干異質です。
とはいえ、電子音はアクセント程度に軽く入るくらいなので、「ちょっと雰囲気違うな」とは思ったものの邪魔には感じませんでした。
これはこれで面白く思えましたし、曲自体は他と変わらず格好良いです。
それにしても、この2曲は収録位置から察するに、クリア後要素で流れるBGMなのでしょうか。むぅ、気になる。

ちなみに、本作の最後の方には、ジングルも数曲収録されています。
昔のOSTってジングルまで収録してくれるものが多かったけれど、最近あまり見なくなったなぁ……と、軽く懐かしさを覚えました。

というわけで。
ゲームは未プレイの「LOST SPHEAR」のOSTでしたが、思っていた以上に自分のツボにハマった曲でした。
ハマったが故にゲーム本編が気になって、プレイしたい欲求がふつふつと沸き起こりつつあるくらいです。
すごく良曲揃いなので、個人的にはもっと評価されて良いOSTだと思います。
特に、ピアノ&オケ調の儚さのある曲が好みな方、「いけにえと雪のセツナ」の曲が好きな方にはオススメです。