[GMEV] GAME SYMPHONY JAPAN 19th CONCERT ATLUS Special

11月27日(日)に、ゲーム音楽に特化したオーケストラシリーズを展開する「GAME SYMPHONY JAPAN」(以下GSJ)の第19階演奏会「GAME SYMPHONY JAPAN 19th CONCERT ATLUS Special ~ペルソナ20周年記念~」の追加公演が開催されました。
初回公演に引き続き足を運んできたので、ここに感想を記します。
会場は、東京オペラシティ コンサートホール。
開演は17:30、終演は19:55でした。

今年8月に開催された初演が大盛況のうちに幕を閉じ、それを受けた形で開催された本追加公演。
ペルソナシリーズ20周年記念として企画された初演と変わらず、追加公演でも「女神異聞録ペルソナ」から、「ペルソナ2 罪」と「ペルソナ2 罰」、「ペルソナ3」、「ペルソナ4」まで網羅。
さらに、初演ではまだ発売されていなかった「ペルソナ5」の楽曲が、初演時よりも数を増やして披露されました。

ただ、コンサートの尺にはどうしても上限があり、無制限にあれもこれもと演奏するわけにはいきません。
P5の楽曲が増えた分、P3とP4の楽曲が減りました。
初演時は人気の高いP3とP4に比重が偏っていたから、今回の演奏会で楽曲数的には均された感じです。

まぁ、2だけはゲーム自体「罪」と「罰」の2本立てで、しかもそれぞれでBGMが異なるから、今回演奏された楽曲を「ペルソナ2」として一括りで見ると数が多いように感じてしまいますが。
とはいえ、2罪も2罰もどちらも好きな身としては、どんとこい! むしろもっとこい! と言いたい気分でした。

初演時といい、今回の追加公演といい、「女神異聞録ペルソナ」(PS版)からのオールドプレイヤーとしては本当にありがたいことです。
まさか、20年近く前に夢中になってプレイしたゲームの曲を、20年の時を経て、オーケストラと合唱とバンドサウンドという豪華な編成で、生演奏を聴ける日が来ようとは。
人気の高いP3やP4の曲に偏らず、1や2の曲もしっかりがっつり演奏してくれて、本当にもう感謝の念しかありません。

本公演では、東京室内管弦楽団によるオーケストラ+東京混声合唱団によるコーラス+マイネマイネクらによるバンド+ボーカリストの他に、ついに和楽器まで登場。
参加メンバーの非常に多い、大規模な演奏会でした。

ただ、今回の公演はオーケストラよりもバンドサウンドの方が前面に出ていた印象が強く残りました。
オーケストラの音色は、初演時よりも控えめ。
パイプオルガンの音も掻き消されがちでした。
その分ロック色が強く、初演時よりもなんとなく原曲に近づいた感じです。
こういうのも悪くないですが、個人的にはもうちょっとオーケストラの調和に浸りたかったような気がします。
せっかくオーケストラが乗っているので、もっとオケが前に出てきて欲しかったです。

ボーカリストは、川村ゆみさんとLynさんが、初演時に引き続いて登場。
さらに、初演時には別件のため来られなかった平田志穂子さんも登場されました。
P3、P4、P5のボーカリストが一堂に会するという奇跡の瞬間に立ち会った気分です。

そして、ボーカリストの3人とも、歌唱力がものすごかったです。
力強くて、迫力があって、歌声から放たれる圧倒的な力をダイレクトに感じました。

ちなみに、川村さん、平田さん、Lynさんの3人とも、それぞれ担当された作品のイメージカラーのワンポイントを身に付けていたのも印象的でした。
川村さんは青いベルト、平田さんは黄色の髪飾り、Lynさんは赤い模様のワンピースを身に付けてました。
ペルソナシリーズを大事にされているような気がして、さり気ないけれど、ファンとしてはすごく嬉しい気分になりました。

オーラスの前には、アトラスサウンドチームの方々が、前回と同様に5人登壇されました。
ボーカリスト3人とアトラスサウンドチームから一人ずつ、ファンへ向けてのメッセージを語られていましたが、土屋さんのコメントがとても印象深かったです。
初演時に指揮の志村健一氏から「一回だけ、一回だけだから」と登壇を迫られ、「一回だけなら」と承諾したら、今回も引っ張り出されたとか。
また、ある曲について軽く解説を交えつつ「想像以上にガチの演奏だった・・・」と興奮気味に語られてもいました。

この一連のメッセージですが、トップバッターの川村さんが「みなさんとともに、成長してきました!」と仰られたのを皮切りに、後に続いた方々が面白がってそれを口にし、結果的になんだか合言葉のようになっていました。
面白かったので、川村さんGJだと思います。

というわけで、8月初演に引き続いての追加公演でしたが、これはこれで楽しかったです。
初演と比べて少し方向性が変わっていて戸惑うこともままありましたが、やっぱりペルソナシリーズの曲が好きなのか、最終的にはすごく楽しめました。
冒頭からアンコールまで、テンション上がりっぱなしでした。

今年はペルソナシリーズ20周年ということで、12月の再追加公演も含めて計3回もオーケストラコンサートが開催されるわけですが、○周年記念にこだわらなくとも、今後も年に1回のペースで定期的に開催してほしいです。
ペルソナライブは頻繁に開催されているけれど、個人的にはバンドサウンドのライブ形式より、座ってじっくりゆったり聴けるホールコンサートの方が好みなので。
ぜひ今後も、第4回、第5回と続けていかれることを期待しています。


これより下の追記は、本演奏会のセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。
再追加公演や発売されたばかりのP5のネタバレを含むかもしれませんので、ご注意ください。

[GMEV] サガオケ! SaGaオーケストラ コンサート 2016

11月23日(水・祝)に、サガシリーズの公式オーケストラコンサート「サガオケ! SaGaオーケストラ コンサート 2016」(以下サガオケ)の東京公演が開催されました。
昼と夜の2回公演だったのですが、そのうち夜公演に行ってきました。
会場は、渋谷のBunkamuraオーチャードホール。
19:00に開演し、21:40頃に終演しました。

GBから始まり、SFC、PS、PS2、スマホ、そしてPS Vitaへと進化を遂げてきたサガシリーズ。
その初の公式オーケストラコンサートが開催されるということで、喜び勇んでチケットを取りました。

ちなみに、自分のサガプレイ歴は次のような感じです。

# これより下は、基本的に「サ・ガ」の中黒を省略。()内は略称。
■エンディングまでクリア:
魔界塔士サガ、サガ2秘宝伝説、サガ3時空の覇者[完結編]、ロマンシングサガ2(ロマサガ2)、サガフロンティア2(サガフロ2)、ロマンシングサガ-ミンストレルソング-(ミンサガ)、WSC版魔界塔士サガ、リメイク版サガ2、リメイク版サガ3

■終盤まで頑張ったが挫折:
ロマンシングサガ(ロマサガ1)、ロマンシングサガ3(ロマサガ3)

■序盤で挫折:
サガフロンティア(サガフロ1)

■未プレイ:
アンリミテッド:サガ(アンサガ)、エンペラーズサガ(エンサガ)、インペリアルサガ(インサガ)

■近日発売予定のため未プレイ:
サガ スカーレットグレイス(サガスカ)

・・・サガシリーズって、もうこんなに多数リリースされていたのか。
そんなわけで、比較的新しいサガ作品ほど未プレイのものが多いです。
が、OSTはサガ全曲集~アンサガまでならば一通り所持しているので、BGMは最低でも一回は聴いているはずです。たぶん。
ゲームもOSTもリリース済みだけどどちらも未着手なのは、インサガだけでしょうか。

大体そんな感じのサガファンなので、往年のサガから最新のサガまで幅広くフルオケで演奏すると聞いたら、居ても立っても居られませんでした。
絶対に演奏会に行きたかったので、公式先行抽選では倍率の低そうな夜公演を選択して応募。
で、無事に夜公演のチケットをゲットできた次第です。

今回のコンサートは、半年ほど前に発売された「サガオケ! The Orchestral SaGa -Legend of Music-」がベース。
今回演奏された曲のうち、およそ3分の2が「サガオケ!」収録曲でした。
残りの約3分の1は、「サガオケ!」未収録で本コンサートツアーで初披露となる曲。
未収録曲も、「サガオケ!」収録曲に負けず劣らずの奏者泣かせだけど素晴らしい曲でした。

特にサガ3メドレーは必聴。
世間的な評価の低いサガ3だけど個人的にはサガ3も大好きな人間なので、多少の色眼鏡がかかっているかもしれませんが、めちゃくちゃ格好良かったです。
コンサート会場なので大人しくしていましたが、これが自宅だったらあまりの格好良さにジタバタと悶えていたと思います。
滅多に生演奏されないサガ3をたっぷり聴けた時点で、俺得確定でした。

逆に「サガオケ!」に収録されていても、今回演奏されなかった曲もあります。
そこは残念に思いつつも、尺の都合やプログラムの流れから仕方ないかなと思いもしました。

曲のアレンジは、概ね「サガオケ!」に収録されているものの通りです。
一部、明確にアレンジされているとわかる曲もありましたが、大半がそのままです。
未収録曲も、方向性としては「サガオケ!」と同質だと思います。

全体的には「サガオケ!」同様にバトル曲が多め。
全体の半分以上がバトル曲なのではないかと思います。
それくらい、これでもかと言わんばかりにバトル曲揃いです。
コンサートの終盤になると「やめてっ! 金管楽器のLPはもう1よっ!」と本気で思ってしまうようなこともしばしばありました。

そんな奏者のHP・LPをガリガリ削るセットリストに、奏者は力強く立ち向かってくれました。
特に、バトル曲のような激しい曲が多めなので、金管楽器が八面六臂の大活躍をしていました。
それと、アクセントの打楽器、主旋律も伴奏もこなす弦楽器、縁の下の力持ち的な木管楽器と、どの楽器も曲を彩る良い演奏をされていたと思います。
難しい曲ばかりだったと思いますが、本当に、奏者のみなさんお疲れさまでした。
おかげで、聴いている方は耳が幸せでした。

ただ、東京フィルらしからぬ細かいミスが目立ったような気もします。
あちこちで音が外れていたり、一発で目的の音が出なかったり、音の調和が微妙にずれていたり、など。
金管楽器は音を外すと目立ってしまうことを差し引いても、ミスが多過ぎたような。
奏者泣かせの難曲・鬼畜曲の連続だし、昼公演の疲れとか、いろいろ影響していたのかもしれません。

曲間には何度かゲストトークが挟み込まれていました。
ゲストとして登壇されたのは、植松伸夫氏、伊藤賢治氏、藤岡千尋氏、笹井隆司氏。
激しくシリアスな演奏曲とは打って変わった、和気あいあいとしたトークでした。

イトケンさんは2回登場されていたのですが、どちらも話足りない様子でした。
確かにトークに割かれた時間が短くて、正直もっと色々なトークが聞きたかったです。
もし次回があるのならば、いっそ開場~開演の間に河津秋敏氏とゲストを交えた徒然プレトークを企画するのはどうでしょうか。
開場前後に観客が一気に押し寄せて混乱する懸念が考えられるけれど。。

トーク内容の詳細は、ファミ通.comの記事に掲載されているので、そちらを参照ということで。
ちなみに、河津秋敏氏は司会アシスタントとして出ずっぱりでした。
というか、河津さんが司会とか、なにやってんすか河津さん!

今回の演奏会を通して一つ残念な点があるとすれば、パンフレットがなかったこと。
よく考えれば、セットリストを知らずに曲を鑑賞してほしいという暗黙のメッセージとも受け取れますが。
実態は、開催告知自体が結構ギリギリだったことを考えると、ひょっとして準備期間が足りなかったのでしょうか。
なお、セットリストは終演後に公開されていました。
そして、セットリストをカメラに収めようと、撮影待機列が形成されていました。

待機列といえば、オーチャードホール2階ホールに飾られた小林智美氏の原画にも撮影待機列ができていた模様です。
自分は待機列ができる直前に撮影を済ませていたので、現場を確認していないのですが。

そんなわけで、サガシリーズ初の公式オーケストラコンサートでしたが、サガシリーズ好き、サガの音楽好きにはたまらないものでした。
終演直後は感動で「良かった、格好良かったよ・・・」ばかりが頭の中をグルグルしていたのですが、時間が経つに連れて感情が整理されてきたのか、演奏中の感動がじわじわと増幅されてきています。
そんな中で「サガオケ!」を聴き直しているものだから、もう一回生オケで聴きたい欲求にすら駆られています。
大阪公演、確かにちょっと考えちゃうなぁ・・・交通費の問題もあるし、他の予定とダブルブッキングするから、難しいけれど。

「サガオケ!」収録曲も素晴らしかったけれど、未収録の曲も素晴らしかったので、ぜひとも円盤化してほしいです。
映像化でなく音源のみで良いので、ぜひ!


これより下の追記は、本演奏会のセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。
すごくネタバレなので、12月開催予定の大阪公演に行かれる方はご注意ください。

[GMCD] PERSORA -THE GOLDEN BEST 3- / -THE GOLDEN BEST 4-

ペルソナシリーズの楽曲を収録した「PERSORA」シリーズの第3弾、第4弾が発売されたので、まとめてゲットしました。
収録曲数は、3が14曲、4が16曲。
再生時間は、3が約57分、4が約55分。

元ネタは、アトラス公式動画「ペルソナストーカー倶楽部」の1コーナー「ペル空耳劇場」。
歌詞のこの部分が日本語でこう聞こえる、というのを面白楽しく紹介する名物コーナーです。
ボーカル入りの曲が多く、そしてその歌詞の多くが日本語ではないというペルソナシリーズならではのこの企画。
これが秀逸かつ面白くて、毎回配信される度に「ペル空耳劇場」だけは欠かさず見てます。
# 他のコーナーは、そのときの時間的余裕と気分で見たり見なかったり。

ペルソナのボーカル曲が好きな方には、ぜひ公式動画で見てほしいところです。
そして、みんなペル空耳の呪いにかかればいいと思います(ゲス顔

第1弾、第2弾と同様に、本作には「ペル空耳劇場」で使用された楽曲がフルバージョンで再録。
空耳された部分だけ抜粋して収録とか、そういうことはありません。
「ペル空耳劇場」をご覧の方はご存知かと思いますが、フルボッコにされたP4Dの「Dance!」もLong Verで収録されています。
さらに、ペルソナストーカー倶楽部用に制作された楽曲やOST未収録曲も、ボーナストラックとして収録されています。

収録曲の大半は、ボーカル曲の多いP3とP4(スピンオフ含む)の曲ですが、そうでない曲もあります。
PSPリメイク版の1の曲や2の曲も、少数ながら収録されています。

今回、P2の名曲「聖槍騎士団」も収録されているのですが、ちょっとエフェクトが強めにかかっている気がします。
なんだか音が若干歪んでいるっぽいような。聴いていると軽く眩暈がします。
空耳を聴こえやすくするために加工したのかもしれませんが、個人的には原曲の方がオススメです。

そんなわけで、「ペル空耳劇場」を知らなければ、ペルソナシリーズのボーカル曲のベスト盤という様相です。
空耳を気にしなければ、アップテンポでノリが良くオシャレな曲ばかりで、とても良質なアルバム。
ペルソナシリーズの曲の良さを凝縮したような、わりと本気のベスト盤です。
ペルソナシリーズの曲は気になっているけれど、これからOSTを集めるのはちょっと・・・という方の入門編として、最適かもしれません。

その一方で、空耳を認識してしまうと、途端に気持ちが撃沈するアルバムでもあります。
ペル空耳の呪いが、本当に強過ぎです。

ただ、「ペル空耳劇場」のおかげで、これまでスルーしてきた曲に愛着が湧くようになったような気もするのです。
そういう意味では、結果オーライかもしれません。
ペル空耳の呪いに負けた気分になるので、あんまり認めたくないけれど。

ブックレットには、どこの部分がどのような空耳として聞こえるか、日向悠二氏のかわいいイラストや動画のスナップショットとともに説明が付けられています。
その点は、第1弾、第2弾よりもわかりやすく工夫されているように思いました。
でも、やっぱり公式動画を見るのが一番わかりやすいです。
というか、公式動画を見て大笑いした後にこのアルバムを聴いて撃沈してほしいです。

ボーナストラックやライブ音源版も収録されていたりしますが、収録曲のほとんどがOSTの再録です。
そのため、既にOSTを一通り持っている方は注意が必要です。
ボーナストラック目当てに買うか、持ってない音源のために買うか、お布施する気持ちで買うか、どれかでないと損した気分になるかもしれません。

ちなみに自分の購入動機は、お布施です。
アトラスの音楽班を応援したい気持ちがあるし、悔しいけど「ペル空耳劇場」は面白いし。

また、それほど多くはないけれど、第1, 2弾でも収録されていた曲が、再度収録されていることもあります。
「ペル空耳劇場」で、過去に空耳が発掘された曲の別のところから新たに発見されたりしているので、そこのところは番組の都合上、仕方ありません。

そのボーナストラックですが、P4GのOST未収録曲「Like a dream come true (シャガールVer.)」が、結構良い感じです。
改めて聴いてみると、なんでOSTに収録されなかったのか不思議です。
あくまで喫茶店のBGM用にアレンジしただけだから、という理由でOSTに収録されなかったそうですが、それが勿体ないと感じるくらい。

タイミングの問題でしょうか、P5の曲は収録されていません。
ペルソナストーカー倶楽部の「ペル空耳劇場」でもまだ登場していない(2016年11月中旬時点)から、今後が楽しみな大型新人、というところでしょうか。
もし第5弾が発売される頃には、P5の曲がターゲットにされているかもしれません。

そんなわけで、ベスト盤としても空耳で撃沈する気持ち的にも、色々な意味で楽しめたアルバムでした。
次回も発売されたら、きっと買ってしまうような気がします。

[GMEV] MUSICエンジン 第一回演奏会

11月12日に、ゲーム音楽の管弦楽団「MUSICエンジン」の第一回演奏会が開催されたので、行ってきました。
会場は、三鷹市芸術文化センター 風のホール。
14:00に開演し、15:45頃に終演しました。

今回のプログラムは、オール・エストポリス伝記II(以下、エストII)。
一般的にはマイナーかもしれないけれど、一時はそのOSTに5桁のプレミア価格が付いていた(その後、2006年にI, II, よみがえる伝説のBGMを網羅したOSTが発売されたら落ち着いた)という、知る人ぞ知るゲームタイトルです。
ゲーム自体も、一部でとても評判の高いタイトルです。

と力説してみたはいいものの、自分自身のエストIIへの思い入れは、正直あるようなないような?
なんとも複雑な経緯があったりします。

エストポリス伝記はIもIIもゲーム雑誌に掲載されていた記事から存在は知っていましたし、いい感じに厨二心をくすぐられてプレイしてみたいと興味を魅かれたゲームでした。
が、当時ゲーム禁止の実家住まいだったので、プレイすることは叶わず。
抑圧された結果、雑誌記事ばかりをひたすら読み込みまくってこじらせた、という過去があったりなかったり。

で、その後幸いにしてゲーム自体をプレイする機会に恵まれたのですが、実は途中で挫折しました。
Iはクリアしたのですが、IIは途中で止めてしまった覚えがあります。

それと同じ頃にBGMの評判を耳にしていたので、曲だけでも聴いてみたいと思いはしたものの、OSTの価格が高騰していてとても手の出せる金額ではありませんでした。
しばらく悶々とする日々が続いていたのですが、2006年についに再販盤が発売されて購入。
そのため、OSTで曲は一通り耳にしたことがあります。

が、曲自体はそれほど強く印象に残らなくて。
「うん、普通にゲーム音楽だ」とさらっと聴き流してスルーしてしまいました。

そんな体たらくなのに、今回の演奏会に足を運ぼうと思った理由は・・・何なんでしょう?
自分でもよくわかりませんが、曲に対する評価の高さが気になったことと、実家住まいのときに妙な方向へこじらせたことが、たぶん影響したのではないかと。
気が付いたら、チケットを確保していました。

今回の演奏会を機に予習を兼ねて改めてOSTを聴き直したのですが、じっくり聴いてみると結構良い曲が多いことに気付きました。
特にバトル曲が総じて格好良くて、「なんだこれ、なんで俺スルーしちゃったんだろう」と不思議に思ったくらい。
今回の演奏会がなかったら、エストIIの曲を聴き直すことはなかっただろうし、格好良いバトル曲に気付くこともなかったかもしれないと考えると、良いキッカケを与えてくれたMUSICエンジンに感謝したい気持ちがあります。

とはいえ、ゲームは中途半端、曲に対してそれほど強い思い入れもない、単にこじらせただけの自分が演奏会に足を運んだところでついていけるかどうか、開演前までは不安しかありませんでした。
あまりに不安が強かったので、少しでも楽しむことができればそれでいいか、と思い込むことで、気持ちを演奏会へ強引に向かわせたような気がします。
そんな事情もあって、当初はブログに感想を投下するつもりもありませんでした。

それが一転して、こうして感想を書きたいと思えたのは、ひとえに演奏が素晴らしかったから。
なんというか、むちゃくちゃ格好良くて、本当に楽しかったのです。
予習として原曲を一通り聴き込んでいたものの、ゲーム内容についての知識はほぼ皆無の自分でしたが、まさかこんなに楽しめるとは思っていませんでした。
ついていけるか不安とか、期待してないとか、散々なことを思っていた半日前の自分を殴りたい気分です。

楽器構成は管弦楽。
といっても管楽器はフルート・オーボエ・トランペットのみと少なめ。
他は、弦楽器4種とエレキギター、打楽器(ピアノ、ドラムセット含む)。
総勢20人ほどの中規模な構成でした。

編曲の程度は、かなりの原曲重視。
いや、「重視」というよりも「忠実」と言った方が正しいかもしれません。
楽器演奏に落とし込む上で必要なアレンジがあったり、数ループ演奏する曲はちょこっと展開に工夫を入れるなど、所々に強いアレンジが見られたものの、それはごくわずか。
全体の9割はほぼ原曲再現だったと思います。
それでいて、生演奏という強みを生かして緩急やメリハリを明確に付けることで、原曲よりもよりドラマティックになっていた印象を受けました。
もしエストIIがPS4あたりに移植されて音源が生録になったら、きっとこうなるんじゃないかな、という感じの編曲でした。

それほど原曲に忠実だったので、原曲との違和感はほぼありません。
違和感の入り込む余地がないくらいの再現度でした。

あまりに原曲に忠実だったので、開演してすぐの頃は不安が更に強くなったのですが、2曲目あたりであっさり解消されました。
ゲームを知らなくても十分に曲を楽しめるくらい、演奏が素晴らしかったし、曲も素晴らしかったです。
むしろ、ゲームを知らないからこそ、純粋に曲を楽しめたかもしれません。
感覚的には、絵や物語の付いていないクラシック音楽を聴いているときと似た感じです。
「なんかこの曲、聴いてて気持ちいいなぁ」とか「なにこの曲、超たぎる!」とか、完全にゲームと切り離して、音を鑑賞していました。
それを許容できるくらい、一つ一つの曲が曲として独り立ちできていた、ということかもしれません。

それと、曲名がわかりやすく想像しやすいのも、置いてけぼりを食らわずに済んだ要因だったかも。
「大地」⇒フィールド曲かな、「バトル#X」⇒どう見てもバトル曲です、「洞窟」「迷宮」⇒汎用ダンジョン曲かな、「蒼海」⇒海上に出たときの曲?、「未来へ」⇒曲順的にエンディングかな、などなど、RPG好きにとってはとてもわかりやすい。
曲の雰囲気だけでなく曲名からも容易にあれこれ想像できて、自分の中でイメージを補完できたのも、純粋に楽しめた一因でした。

演奏は、どの曲も音の響きや流れが綺麗で格好良くて、ひたすら聴き惚れていました。
全体的に、演奏技術力がハイレベル。
トランペットは主に高音域で限界に挑戦して失敗していたことが多かったように感じましたが、でもここぞというところではしっかりと音を支えていて、些細なミスが気にならなくなるぐらい格好良かったです。

まぁ、演奏技術力が高いのは、演奏者一覧を見て納得でしたが。
別の楽団(Melodies of Crystalなど)で活躍されている方が何人か登壇されていて、そりゃ演奏上手いわけだとしみじみ実感。
誰が参加されているとか前情報無しにパンフレットの演奏者一覧を見たので、「え、え、何この豪華なメンバー」と軽く混乱したりもしましたが。

話は変わって、開演前のプレトークについて。
当初、エストIIのBGMを担当された塩生康範氏だけが登壇される予定だったところ、開催前日に急遽、ディレクターの宮田正英氏、開発元のネバーランドカンパニーに所属されていたサウンドの中島亨生氏の登壇も決定。
3人でエストシリーズの開発裏話をされていました。

エストポリス伝記は、そもそもPC98で制作されていた作品だったとのこと。
宮田氏が独立して間もなく、4, 5人で集まってRPG作りたいという話になり、PC98でプロトタイプを開発して売り込みを行っていたそうです。
そうしたところ、開発が正式に決まったときに「SFCで出さないか」という話になって、SFC用のゲームとして開発された、という経緯を語られていました。
ちなみに、プロトタイプ版は音楽も含めて全部破棄されたそうです。

曲制作にあたって、宮田氏から塩生氏へ渡されたBGMに関する仕様書がひどいものだったそうで。
「街」とか「村」とかしか書かれていなくて、「これは仕様書じゃない、曲リストだ!」とクレームを入れたという話をされていました。
エンディング曲に至っては「泣ける曲」としか指定されていなかったとか。それはひどいw

その他にも、昔のゲーム開発現場あるある的な、赤裸々な裏話を楽しそうに披露されていました。
結構濃い話も多くて、理解が追い付かない部分もありましたが、興味深く面白い話でした。

というわけで。
エストIIの曲の良さが十二分に引き出された今回の演奏会。
感想を端的に言えば、どの曲もめちゃくちゃ格好良かったです。
すっごく、格好良かったです。
本当に、格好良かったです。
大事なことなので、何度でも言えます。めちゃくちゃ格好良かっt(以下エンドレス

開演前はゲーム知らないからと不安に思っていましたけれど、まさかこんなに心を鷲掴みにされるとは思いもしませんでした。
個人的には、ものすごく満足しましたし、満足以上のものをもらった演奏会でした。
世の中には、自分の知らない良い曲・良い演奏が、まだまだたくさんあるんだなぁ。
「ゲーム知らないから」の一言で切り捨てるのは勿体ないということを、今回の演奏会を通じてしみじみ実感しました。

第二回演奏会の日程は既に決まっているそうです。
2017年4月1日に開催予定で、演奏曲目は「ルドラの秘宝」他、とのこと。
アンケート用紙に「MUSICエンジンで聴きたい曲」を記入する欄があったので「ルドラの秘宝」を含むいくつかのゲームタイトルを書き込んだら、早速1つ叶いそうです。
あとは、スケジュールを死守せねば。


これより下の追記部分は、今回の演奏会のセットリストと曲ごとの感想になります。
本文書く前に追記部分を先に書いたら、なんだか「格好良い」を連呼する感想になってしまいました。
読み直して「語彙力とは・・・」と思わずにはいられませんでしたが、でも格好良かったのだから仕方ないじゃないか、と開き直ることにしました(←今ココ

[GMCD] 30周年記念盤 ゼルダの伝説 ゲーム音楽集

「ゼルダの伝説」誕生30周年を記念して発売されたアルバム「0周年記念盤 ゼルダの伝説 ゲーム音楽集」をゲット。
CD2枚組で、全93曲収録。
再生時間は、トータルで約2時間40分です。

ゼルダの伝説シリーズについては、自分かなりのにわかです。
まともにプレイしたのは「夢をみる島」ぐらいで、それ以外のシリーズ作品はクリアどころか、ほとんど触れたことがありません。
そのため、実は思い入れはあまりなかったりします。

それなのに、なぜ30周年記念盤を買ったのかと問われれば、回答は「30周年記念盤だから」。

ゼルダの伝説のメインテーマ(「ゼルダの伝説」の「タイトルBGM」や「地上BGM」の曲)だけは、コンサートで演奏されたものを鑑賞する機会が度々あったので、なんとなく知っていました。
聴く度に「この曲、格好良いなぁ」と思っていました。
でも、これまで聴いたことのあるものはほぼどれも演奏用に編曲されたものばかりで、そういえば原曲をちゃんとマトモに聴いたことはありませんでした。
唯一しっかりプレイした「夢をみる島」で、メインテーマを聴いたような気がする程度。
一度くらいはきちんと原曲を聴いておきたいなぁ、と常々思いつつも、メインテーマだけのためにOSTをどれか一つ買うのはいくらなんでもチャレンジャー過ぎるだろうと躊躇っていました。
そもそも、各シリーズ作品に必ずメインテーマが入っているのかどうかもわからなかったし。

ちなみに、ゲームをプレイしてBGMを聴くという選択肢は、自分の中にはありませんでした。
初めてプレイしたゼルダの伝説シリーズの「夢をみる島」が自分には難し過ぎて、正直もうコリゴリです。
先入観や思い込みの類だと思うけれど、「俺はゼルダがプレイできない」という想いが強過ぎて、プレイする気力が湧きません。
プレイしても、クリアできる気がしません。
「夢をみる島」も、終盤何度も頑張っても先に進めなくなって、友人に代わりにプレイしてもらったくらいだし。

そんなところで30周年記念盤が発売されると知り、これは原曲を聴く良いチャンスだ! とばかりに飛びつきました。
これなら、メインテーマが必ず入っているに違いないと信じて。

実際、一通り聴いてみたところ、メインテーマが一曲どころか、かなりの頻度で入っていました。
エンディングやスタッフロールで使われているケースが多いのかな。
ピコピコ音からフルオーケストラまで色々なパターンのメインテーマがこのアルバム1つで聴けて、耳が幸せでした。
やっぱり格好良いよね、ゼルダのメインテーマは。何回聴いても惚れ惚れします。

原点たる「ゼルダの伝説」の「タイトルBGM」や「地上BGM」としてのメインテーマを、ようやくしっかりがっちり聴けたのも、満足した点の一つです。
ようやく、念願のメインテーマの原曲を手に入れた気分。
ピコピコ音のメインテーマからして、身震いするほど格好良いです。

他にも、結構「お!」と思えるような曲が多かったです。
個人的な好みの影響もあるのかもしれませんが、アルバム後半に比較的好みの曲が多かった気がします。
特に「風のタクト」「トワイライトプリンセス」「神々のトライフォース2」あたりに魅かれる曲が多かったです。

各作品ごとに色が少し異なるのも面白かったです。
「ムジュラの仮面」はオリエンタルというかエキゾチックな感じだし。
「風のタクト」はどことなく牧歌的だったり民族音楽職が強かったり。
「トワイライトプリンセス」と「スカイウォードソード」はド直球に壮大なオーケストラだったので、オケ好きとしては否が応でもたぎりました。

スカウォで思い出したけど、あの逆再生のギミックに初めて気付いた人すごいなぁ。
「スカイウォードソード」の「女神の詩(メインテーマ)」も収録されていたのでじっくり聴いてみたのですが、それでも全然わかりません。
これ、逆再生のギミックを知らずに聴いてたら、絶対に気付かない自信ならあります。

収録されている曲は、さすがに全作品の全曲ではありません。
各作品からの選りすぐりが収録されています。
ただし、リメイク版および派生作品(「ゼルダ無双」など)の曲は収録されていないっぽいので、そこは注意が必要です。

「ゼルダの伝説」の直系作品は一通り揃っていると思いますが、ただ作品によって収録曲数に結構な偏りがあります。
どういう基準で選曲されたのかはわかりませんが、昨年発売されたマリオの記念盤よりもかなり偏りが大きいです。
多いと1作品で15曲も収録されていますが、少ないと1作品で3曲のみのものも。
ゼルダシリーズはどれも等しく思い入れが強くない分、自分としてはそこが気になることはほぼなかったのですが、人によっては「この作品好きなのに、曲数少ない・・・orz」ということになるかもしれません。
そのため、ゼルダの伝説シリーズの特定の作品への思い入れの強い方は、事前にセットリストを確認しておくことをオススメします。

そんなわけで。
ゼルダの伝説シリーズのベスト盤的なアルバムでしたが、シリーズ作品の曲をほとんど知らないけれど興味はあった身としては、これ1枚でお手軽に堪能出来て満足しました。
何より、メインテーマの原曲を聴けた時点で、非常に満足しました。
これからゼルダの伝説シリーズの曲を全曲聴くのはさすがに色々ムリがあると思うので、自分のように曲に興味はあるけれど、今からOST買い揃えるとか全作品プレイするとかムリ、という方にはオススメです。

[ゲームRev] ペルソナ5

PS3/PS4で発売されたRPG「ペルソナ5」(以下、P5)のPS4版をクリアしました。
クリア時点でのプレイ時間は、約133時間。
クリア時のLvは85前後。
難易度は、最初だけEASYで始めたものの、最初のパレス(ダンジョン)の途中でSAFETYに変更しました。
分かっていたことだけど、アトラスのEASYはEASYじゃないです。

前作のP4(無印)の発売から8年。
ナンバリングタイトルの新作が、ようやく発売されました。
ペルソナシリーズを「女神異聞録ペルソナ」から全作品プレイしている身としては、この8年が長かった・・・という感じでも、実はなく。
P4のスピンオフ作品やTVアニメ、P3の劇場版など、この8年の間に様々な動きがあったからでしょうか。
気が付いたら、あっという間に8年経っていた気分です。
2(罰)と3(無印)の間の6年は、随分と長く感じたものなのですが。

シナリオのベースは「ピカレスク・ロマン」。
法の及ばない社会悪に対して、ペルソナ能力を得た高校生が立ち向かっていく、というストーリーでした。
そこに、シリーズ通して描かれている「ジュブナイル」が絡んでいます。

ネタバレ回避のため公式サイトで明かされている以上のことは避けますが、悪を倒すところは爽快であるとともに、耳の痛いところも多々ありました。
特に後半は、結構心にグサグサ来ました。
過去のシリーズ作品でもグサグサ来る台詞はあったけれど、今回はそれ以上の剛速球で来ます。
今回の舞台が架空の街ではなく東京都内というリアルな設定だったから、より一層リアルに感じられたのかもしれません。

ただ、終盤はちょっと率直過ぎて若干説教臭くも感じました。
「がんばれ」「逃げるな」という言葉は、軽く精神病んでいた期間があった身としては、安易に連呼してほしくないというか。
プレイしながら自分に言われているような気が段々してきて、自分が精神的に追い詰められているような気分になり、軽く病み再発しかけてました。
いや、うん、場合によっては逃げることも必要だと思うよ?

主人公は、過去作品と同様に男子高校生。
P3, P4のような高校生生活をエンジョイできるのかと思ったら、実際にはそんなエンジョイ気分にはあまりならなかったです。
主人公の立ち位置が、冒頭からかなり辛いというか切ないというか、なんかこう「うわぁ・・・」という感じで。
それが常に影を落としていて、明るいはずのイベントシーンでも心の底から楽しめない空気感を感じました。
と言っても悪い意味ではなく、それも今作の特徴の一つでもあるし、過去作との差別化という意味でも良いさじ加減だったと思います。

PTメンバーは、高校生+猫1匹。
これまでの作品以上に、強烈な個性を持ったメンバーでした。
個人的には、双葉が一番好きなキャラです。
あまり詳細には語れないけれど、思わぬ方向からツボを突かれて、気が付いたらお気に入りのキャラになっていました。
あと、モルガナ(猫)も好きです。仕草がかわいい。

逆に最後まで苦手意識が抜けなかったのが、竜司。
主人公の相棒的キャラなのに言動があまりに迂闊過ぎて、プレイしながら頭を抱えることがしばしばありました。

コープ相手のキャラは、わりとどのキャラも好感が持てました。
正直なところ、メインシナリオよりもコープのシナリオの方が面白かったです。
メインシナリオの社会悪ほど大きくはないけれど、コープ相手が真っ当な道を歩もうとすると、それを阻む小悪党がいて。
それがまた、結構身近にいそうな小悪党ばかりで。
だからこそコープ相手を応援したくなる気分になったし、排除できたらスカッとするし。
最後、ほろりとするシナリオばかりで、良くできていたと思います。

コープは、P3, P4のコミュに比べると、ランクが上がりやすかったような気がしました。
ペルソナシリーズは1周目クリアするのに100時間を超えるのが普通だけれど、そうそう何周もプレイできるほどの時間的な余裕がなかったので、最初からコープに関してだけは攻略サイトに頼ってプレイしていたのですが、それでもサクサク上がっていったような。
その代わりに人間パラメータがなかなか上がらなくて、「まだ上がらないのかよ!」とかなり焦らされました。
そんな中、攻略サイトのおかげで、なんとか1周目で人間パラメータは全MAX。
コープは、1つだけランク9までしか上げられなかったけれど、それ以外はMAXまで達成できました。

コープ以外の大人(モブ含む)が大体クズばかりで、クズい人がちょっと多過ぎる気もしました。
主人公たちの真っ直ぐさとの対比のためにクズさを誇張表現していたと思うのですが、あまりに多過ぎてちょっと食傷気味になりました。

ただ、ラスボスを倒すところの演出は感動して、軽く泣きかけました。
普段クズいところもあるけれど、まだまだ捨てたもんじゃないよね。

システムは、P3, P4をベースに発展させたような感じです。
P3, P4をプレイしたことがあるなら、あまり迷うことはないかと。
ただ、敵からペルソナを入手する方法が、原則として敵の弱点を突いてダウンさせた上で交渉するか、瀕死に追い込んで奪い取るかのどちらかになって、少々面倒くさくなっています。
うっかりすると、ダウンや瀕死にさせる前に一撃で倒してしまうこともしばしば。
また、交渉が復活してくれたのは嬉しいけれど、意外と面倒くさかったです。

攻撃属性は、P4よりも銃撃や念動、核熱などが増えていて、やや複雑になっています。
バステのかかっている状態で特定の属性魔法を与えるとダメージが大きくなったり、これまでよりも戦術が問われる形になっていました。

個人的には、バトルはもうちょっとシンプルな方が良かったです。
P4ぐらいに簡潔なものが理想かも。

敵とのエンカウントは、シンボルエンカウント方式。
背後を突くと、先制攻撃になるところはこれまでと同じです。
さらに、今回は「カバー」という、物陰に隠れて敵を急襲するシステムも導入。
事前情報で見たときはアクション性が高そうで難しそうな印象を受けていましたが、実際にプレイしてみたらそれほどでもなかったです。
俺のようなアクション下手でも、あまり苦労はしませんでした。

画面デザインは、赤・白・黒を基調にした大人っぽい感じ。
オシャレなところはP3, P4と同様です。
ただ、UIがちょっと無秩序にごちゃごちゃしていて、何がどこに書いてあるのか咄嗟にわからなくて探すこともしばしばありました。
2つ目のダンジョン攻略あたりで慣れてきたけれど、それまでは少し苦労しました。
確かにオシャレではあるけれど、もうちょっと見やすいUIにして欲しかったかも。

BGMは、これまでのクールな雰囲気とはちょっと方向性が異なり、なんとなく熱い曲が多かったように感じました。
ジャズっぽいというかムーディーというか、なんとなく大人な雰囲気。
ところで、OSTの発売はいつでしょうか・・・発売されるよね?

そんなわけで、8年ぶりのペルソナシリーズの完全新作。
いくつか新しい機能が加わっていたり、これまでとは異なる空気感のシナリオだったりと、挑戦的な点もありつつも、相変わらずの面白さでした。
不満がないわけではないけれど、話が進むにつれて先が気になって、終盤は休日を利用して一気にプレイしていました。
シナリオの雰囲気がどちらかと言えばP4よりもP3に近いので、P3が好きな人にはオススメかもしれません。