[GMEV] THE MUSIC MAGES 7th STAGE ~10th Anniversary~

11月23日(木・祝)に、FINAL FANTASYシリーズのBGMをエレクトーンで演奏する楽団「THE MUSIC MAGES」(以下、TMM)の第7回目となる演奏会が開催されたので行ってきました。
会場は、タワーホール船堀 大ホール。
16:10に開演し、19:40頃に終演しました。

■TMM設立10周年記念コンサート
と銘打たれていましたが、正確には今年11周年らしいです。
昨年のうちに開催したかったけれど、会場の抽選にことごとく落選し、会場を確保できずに今日まで至ってしまったそうです。
最近、会場の確保が難しくなっているという話をよく小耳に挟むけれど、本当に深刻なんですね、箱無い問題。

それはともかく。
TMMの演奏会は、昨年5月の外伝2以来、およそ1年半ぶりの開催でした。
ナンバリングの演奏会に限ると、2014年12月以来となります。
もうあれから3年近く経つのですか。早いな。

自分は、TMMの過去の演奏会には、第6回とその前の外伝に足を運んだことがあります。
昨年の外伝2は、確か都合が付かなくて行けませんでした。
というわけで、自分にとっては実に3年ぶりのTMMの演奏会でした。

■記念コンサートならではの大ボリューム
演奏会の構成は全3部構成。
第1部は、過去の演奏会で人気の高かった曲+FF14の楽曲を演奏。
人気の高い曲というだけあって、どの曲も聴き応えのあるものばかりでした。
中には「この曲が人気あったの?」と自分にとっては意外に感じたものもありましたが。

第2部と第3部は、今回の演奏会のメインディッシュとなるオールFF9プログラム。
数多あるFF9の楽曲から30曲弱ほど演奏されました。

アンコールも含めると、演奏会にかかった時間は3時間半ほど。
客観的に時間で見ると長いですが、演奏会中はそれほど長く感じませんでした。
気が付いたらあっという間に終演だった、という感じです。
途中で休憩が2回挟まれたので、実質3時間ほどでしたが、なんとなく体感的には2時間超ぐらいな感覚でした。
時間間隔がズレていたおかげで、終演後に外に出て時間確認して、「やっべ、早く帰らないと明日に響く!」とちょっと焦ったりもしましたが。

まぁ、演奏時間が長かったのは、周年記念の演奏会であったことを考慮すると、「ですよねー」とも思いました。
記念演奏会らしく、曲数てんこ盛りな、かなりボリュームたっぷりな演奏会でした。

とはいえ、身体は正直だったらしく、終演後席を立ったときは流石に腰が痛かったです。

■エレクトーンの魅力を生かした編曲
TMMが他のゲーム音楽系の楽団と大きく異なる特徴は、得物がエレクトーンという点だと思います。
エレクトーン1~3台+ゲストボーカルという少人数ながら、ものすごく多彩な音色を出せるのは、エレクトーンの魅力の一つかと。
やろうと思えば、原曲再現も可能だったと思います。
片や電子音のゲーム音楽、片や電子楽器のエレクトーンなので、指と足の動きが追い付ける曲ならば、かなり近いところまで再現できたのではないかと。

が、そこを敢えてしないところがTMMらしいところ。
TMMならではの編曲を聴かせてくれたところは、ライブ感を感じられて良かったです。
また編曲も、原曲を生かしつつ、エレクトーンの持つ表現の幅の広さを引き出すようなもので。
オリジナルのフレーズや展開が入っていたけれど、それが程良い感じで、違和感なくすんなり聴けました。

それと、曲の終わり方も鮮やかだったと思います。
ゲーム音楽はループ系だから終わりのない曲が多いけれど、今回演奏された曲は終わり方まで丁寧に作り込まれていて。
どの曲も、綺麗に上手く締めくくられていました。

■両手両足フル稼働の迫力のある演奏
TMMの武器はエレクトーンなので、演奏は両手だけでなく両足までフル稼働。
その縦横無尽に動いている様は、ある意味圧倒的でした。
両手の10指だけでなく2本の両足も含めた計12本があっちへこっちへ動く様は、見ているだけでも迫力がありました。
特にバトル曲のような激しい曲が凄かったです。
人間ってこんな動きもできるのかぁ、と感心しきりでした。

今回演奏された方々みなさん、本当にすごい器用だと思います。
あまりに器用な動きで、演奏中のエレクトーン奏者の脳波の動きがどうなってるのか、観測してみたい気分になりました。
ほんと、どういう動きしてるのか、めっちゃ気になる。

音色自体は、正直なところ、実際の楽器の生音にはまだまだ及ばないと思いました。
エレキギターやベース、ピアノの音は、かなり実際の音に近かったように感じましたが、弦楽器はまだまだ再現が難しいのでしょうか。
あの深みのある音色には、到達しきれていない感じがしました。
ただ、それはそれと割り切ってしまえば、演奏自体はとても迫力のあるものでした。
最大3台しかエレクトーンはなかったのに、それを感じさせないほど多彩な音色を自在に操っていたのは、純粋に凄かったです。
技術の進歩もすごいけれど、難しいフレーズを弾きこなしていた演奏者の方々もすごかった。

■無料公演とは思えないほどの手の込んだ映像の数々
今回の演奏会で、一際目立ったのは映像の演出でした。
無料の演奏会とは思えないほどに凝った映像が、かなりの曲で流れていました。
特に、FF14のプレイ動画を演出映像として利用していたのは、「なるほど、そうきたか」と興味深かったです。
FF14のプレイ動画って、許諾を取ればそういう使い方もできるのか、と目から鱗でした。

ただ、個人的には「演奏会に映像は不要」派なので、映像はあまり見ていませんでした。ごめんなさい。
映像に目を向けてしまうと聴覚が疎かになって、音に集中できなくなってしまうので、それがイヤなタイプなのです。
そのため、映像をなるべく視界に入れないようにしていたので、あまり細かいところまで見ていませんでした。

ちなみに余談ですが、映像演出自体は否定しません。映像演出があった方が嬉しいという意見の方が多いと思うので。
自分が見なければいいだけの話なので、映像演出はあっても全然構わないと思ってます。

■トラブルもあったけど、むしろご褒美でした
そんな色々てんこ盛りな演奏会でしたが、てんこ盛りな分、ミスもあちこちにありました。
演奏ミスも、3年前の6thよりも多かったような気がしました。
6thがあまりミスがなかったような気がするので、今回は余計に多く感じたのかもしれません。
また、後半になればなるほど、演奏ミスが増えていったようでした。
長丁場だったから、HPが削り取られて疲れが出てきたためでしょうか。

なんとなくちょこちょこと感じたのは、打ち込みのパーカッションと演奏が若干ズレていたところ。
最初と最後は合っていたけれど、中間で時々ズレることがあって、なんだか座りの悪い感じがしました。
運指が追い付かないとかで、打ち込み音源に完全に合わせるのは難しいのでしょうか。

演奏ミス以上にインパクトの大きかったものといえば、機材トラブル。
1曲目からいきなりのトラブルに見舞われて、演奏者さんは相当焦ったのではないかと思います。
なんでも、2台のエレクトーンをMIDIケーブルで繋いで同期させようとしたところ、スレイブ側が正常に動作してくれなかったらしいです。
コネクタの接触不良か、ケーブルが断線しかかっていたのでしょうか。
開場・開演時間がやや押していたのも、機材トラブルが原因ならば、仕方ない気がしました。
ある意味エレクトーンらしいトラブルで、むしろ珍しいものが見れたと思っています。
根が情報系エンジニア気質な上に、昔DTMも齧っていたクチなので、機材トラブルで機器の構造の一端を知ることができて興味津々でした。
「あ、そういうことをやっていたのか」と、合点がいった感じです。
それに、新しいことに挑戦する姿勢は、好ましく感じました。

■感想まとめ
自分にとっては3年ぶりとなるTMMの演奏会でしたが、今回も楽しませていただきました。
エレクトーンという、他ではなかなか聴く機会のない楽器の演奏を、存分に楽しめました。
いつも思うことだけれど、たった1台であらゆる音色を奏でられるところは本当にすごいし、演奏者の方々の器用な弾きっぷりもすごいと思います。
ぜひこのまま、15年、20年と続けていってほしいです。


これより下の追記は、今回のコンサートのセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。

[GMCD] パタポン コンプリートサウンドトラック

PSPのリズムアクションゲーム「パタポン」シリーズのコンプリートOSTが発売されたので、購入して一通り聴いてみました。
CD3枚組で、Remix版も含めて全135曲収録。

ちなみに、「パタポン」シリーズは一応多少なりともプレイしたことがあります。
無印は、ストーリー進行上必須のアイテムがどうやっても入手できなくなって、途中で挫折。
そのリベンジを兼ねた2は、エンディングまでプレイしました。
3は、エンディングまでプレイしたかどうかは覚えていませんが、確かプレイしたような気がします。多分。

そんな感じで、もう随分と前のことなので、もはや記憶が曖昧です。
どんなストーリーだったのかまでは、正直覚えていません。
ただ、SEとフィールドのBGMのインパクトがかなり強かったので、その点だけは記憶に強烈に刻まれています。

そんな体たらくなので、本当にゲーム内で使用された曲が完全網羅されているのかどうか、その真偽のほどはわかりません。
ジングルのような短い曲に関しては、このOSTを聴いて「こんな曲あったのか」と思ったくらいです。

なんとなく勢いでOSTをゲットしたものの、封を切って聴き始めるまではそれほど期待していませんでした。
フィールド曲の印象は確かに強いけれど、それほど強い思い入れもなかったので。
が、実際に聴いてみたら、期待が良い方向に裏切られました。

ゲームをプレイしていると何度も聴くことになるフィールド曲は、懐かしさと同時に、バリエーションの豊かさに驚きを感じました。
ゲームの特性上、曲のベースの部分はどの曲もほぼ同じ。
テンポやリズムはもちろん、曲の展開も似たり寄ったりです。
それでいて、伴奏部分でしっかりバリエーションを持たせているところが凄いです。
パタポン(黒塗り一つ目のあの生物)たちの声などに多少の相違はあるものの、基本的にはほぼ同じなのに、よくこれだけのアレンジをしたものだと、感心しきりでした。

それでいて、飽きない点も凄いです。
似たような曲が続いているにも関わらず、全然飽きません。
いくらでも聴いていられる、不思議な魅力があります。
そういえば、ゲームプレイ時もひたすら似たような曲を聴いていたけれど、ちっとも飽きなかったなぁ。
今更ながら、作曲された方の凄さを実感しています。

一部のイベント曲(と思われるもの)を除くと、どの曲もテンポの良いリズミカルな曲です。
聴いていると自然と指や身体が動いて、無意識のうちにリズムを刻んでいることもしばしば。
とにかく聴いていて楽しいです。
こんなに気分がハイになるゲーム音楽も珍しいかも。

あと、パタポンたちの声がとても良いです。
「パタポン」といえばこの声だよなぁ、としみじみ感じます。
ドンチャカした賑やかさが気持ち良いというか、聴いていると活気が出てくるというか。
メンタル下降気味のときに聴くと、元気をもらえる気がします。
あの声は本当に良い仕事してます。パタパタパタポン。

余談ですが、思っていた以上にパタポンたちの声にバリエーションがあって、そこも驚きました。
OST用に加工したものとかもあるのかな。にしては、違和感皆無だな。

フィールド曲といえば、「ギョロッチのテーマ」を聴くと、今年2017年のGWに開催された「Jスタ音楽祭」(GAME SYMPHONY JAPAN 23rd CONCERT)が脳裏に甦ります。
「ギョロッチのテーマ」をオーケストラで生演奏したのですが、そのインパクトがあまりにも強くて。
コーラスとパーカッションによる曲の再現率が半端なかったのです。
秋頃にPlayStation Storeで映像配信していましたが、あれは何度も聴きたくなります。
今でも、映像作品として定期的に見たくなる演奏の一つです。
また配信されないかなぁ

そんなわけで。
思っていた以上に中毒性の高い曲が収録されているので、「パタポン」プレイヤーはもちろんのこと、リズミカルで楽しい曲が好きな方にもオススメです。
垂れ流していると気分がフィーバーして、なんとなく元気が出てくる気がします。ポンパタポンパタウッヒョゥ。

[GMCD] 大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟- 劇伴音樂大全集

3DS用のアドベンチャーゲーム「大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-」のOSTをゲットしたので、一通り聴いてみました。
CD2枚組で、全49曲収録。
再生時間は、トータルで2時間5分ほど。

ちなみに、大逆転裁判シリーズは、1も2もクリア済みです。
「大逆転裁判」の1のOSTも所持しています。
むしろ、公式サイトで耳にした「大逆転裁判」の1の曲に惚れてOSTを購入し、その曲の良さに魅かれてゲームをプレイしたクチです。

そんな曲から入った身なので、今回の2のOSTも楽しみにしていました。
ゲームの2をクリアする前にはOSTをゲットしていたのですが、せっかくだからクリアしてから聴こうと思い、今まで取っておきました。
先日、ようやく2までクリアしたので、ついにOSTを紐解いた次第です。

結果的には、この判断は正解だったんじゃないかと、OSTを聴きながら思いました。
ある曲について、メロディとタイトルが合体すると、盛大なネタバレになっていたので。
メロディだけ、もしくはタイトルだけならばたぶん問題ないけれど、両方揃うと危険です。
なので、これからゲームを始めようと考えている方は、OSTをゲームを中盤まで進めた後に聴いた方が無難かもしれません。

収録曲は、「大逆転裁判2」で追加された楽曲+試作曲です。
2で使用された1の曲は未収録のため、もし網羅的に曲を聴きたいならば、1のOSTも別途購入する必要があります。

試作曲は、思っていたよりも数多く収録されています。
ボーナストラックのレベルではありません。
試作曲とはいえ、どの曲も採用版にかなり近い形なので、作曲の変遷を見ているようで面白かったです。

そういえば、「怒りの独唱」が、試作段階では単純なインストルメンタル曲だったのですが、あの曲はどの段階で男声アカペラにしようって話になったののでしょうか。
ゲームプレイ中に聴いたときも妙に耳に残った曲だったので、ちょっと気になりました。

曲自体は、1のOSTと同様に、個人的はツボな曲が多かったです。
全体的にはオーケストラ調。
バロックっぽい重厚さや神秘性のある曲や、ノスタルジックさの溢れる曲が多いです。
時々、少しだけ和風っぽさが入りますが、1の曲に比べるとやや少ない気がします。

収録曲の後半は、ゲーム後半で流れる曲が揃っているためか、すごく熱くて格好良い曲が多いです。
個人的になイチオシは、「大いなる帰還」と「復活の検事」。
どちらも主旋律は同じですが、そもそもその旋律が好みなのだと思います。
あと、「推理大戦・舞台裏(相棒編)」や「相棒 ~ The game is afoot!」もお気に入りです。
ゲーム終盤のあの共同推理が印象的だったこともあってか、曲も思い入れが強いようです。
で、やっぱり「大追求 ~成歩堂龍ノ介の覺悟」が熱いです。すごくたぎります。
重要な局面でかかるBGMなだけあって、熱さが半端ないです。

「大逆転裁判」は1も2も揃って良曲揃いだったことを、改めて認識させてくれたOSTでした。
ゲームをプレイして印象に残った曲があるなら、買って損はないと思います。
オケ調の曲が好みな方は、ゲーム未プレイでもオススメです。

[TV] BORDER 贖罪

2017/11/05(日) 00:10:12 | カテゴリ:TV
10月29日(日)にOAされたSPドラマ「BORDER 贖罪」がものすごく印象的で語りたくなってきたので、当ブログのメインジャンルとは畑違いですが、思い立ってこれを書いています。
下手に溜め込むと、こじらせ→食欲不振→体調不良の三段コンボを食らうのを、過去に何度か経験していることので、もういっそ吐き出してしまおうかと。
言いたいこと、書きたいことを書き殴っているので、まとまりのあるものにはならないと思います。
感想とか考察とか色々なものが入り混じった、なんだかわけのわからないものになる見込みです。
なので、「へー、そーなんだー」ぐらいの軽い気持ちで読んでいただけると幸いです。

あと、アホみたいにものすごく長くなると思います。

※本エントリには、「BORDER 贖罪」だけでなく、連続TVドラマ版「BORDER」のネタバレも含みます。
※ネタバレOKな方のみ、この先にお進みください。


■近年稀に見るドハマりっぷりをしたドラマの続編
自分は普段、TVドラマどころか、TV自体あまり見ません。
朝のニュース番組は時計代わりに垂れ流していますが、日常的に見るのはそれくらい。
根が典型的なゲーヲタ気質なので、他に見るとしたらアニメを月1~2本程度。
TV見るくらいならゲームに時間を費やしたい、と考えてるようなタイプです。

そんな自分が、偶然目にして一気に引き込まれたTVドラマが、2014年春にOAされた「BORDER」でした。
本当に奇跡みたいな偶然で、あの偶然がなかったらきっと今の今まで見ることがなかったのではないかと思うくらい。
とりあえず1話分(確か第3話)見たら結構面白くて、次はどんな物語なのだろうと気になり出し。
それが、いつの間にか毎週の楽しみになっていました。
そして、最終回、あの衝撃のラストなわけです。
ラストの衝撃の大きさは、感情が天元突破して、OA明けの翌日になっても身体の震えが止まらず、1週間ほど思考が別次元にトリップしていたほどに、凄まじいものでした。

もちろん、Blu-ray BOXは、最終回OA終了直後に予約して購入しました。
OSTも、発売決定と同時予約して購入。
Blu-rayはかれこれ20~30回ぐらい、OSTは数えきれないくらい、リピート再生しています。

と、連ドラ版「BORDER」について語りだしたらキリがないので、とりあえず未試聴の方はぜひ見てほしいです。
刑事ドラマ、サスペンス好きには超オススメです。本当に、超オススメです(大事なことなので

そんなわけで、続編となる今回の「BORDER 贖罪」も、制作決定の一報を見たときから楽しみで仕方ありませんでした。
「BORDER 贖罪」OA日の1ヶ月前から予習を始めて、OAまでに第1話~最終話をぐるんぐるんと5回ぐらい周回したような気がします。
さすがに自分でも見過ぎだろ、と思いますが、面白いのだから仕方ありません。
だから、もっとみんな見て! 面白いから!!

■あの衝撃のラストから見事に繋げた手腕が見事
「BORDER 贖罪」の物語は、連ドラ最終話ラストシーンからスタート。
あの、物議を醸した、衝撃のラストからのスタートなわけです。
OAされるまでは、あのシーンからどう繋げるのだろう? とか、ちゃんと繋がるのだろうか? とか、期待7割不安3割な気分でした。

先に感想を言ってしまうと、期待以上でした。
あのラストから上手く話を繋いで、良いオチに展開していたと思います。
人によっては蛇足だと言う方もいると思いますが、個人的には大満足です。

というか、あのラスト直後から物語をスタートさせたところが、なによりの好ポイント。
思わせぶりなあの連ドラのラストから直結したストーリーでないと、こんなに重くて緊迫した、かつ納得のいく物語にならなかったかもしれません。
リアルな時間と同じく、劇中の時間も連ドラ最終回から3年経過した2017年の話だったら、こうはならなかったかも。

まぁ、もし舞台が2017年であっても、それはそれで、金城一紀さんだったら良い感じにどうにかしてくれていそうですが。

■「正義」と「悪」、「光」と「闇」、「生」と「死」
テーマは連ドラのときと変わらず、人としての様々な「境界」を描いたものでした。
「正義」と「悪」だったり、「光」と「闇」だったり、「生」と「死」だったり。
その境界について、今回は一応の決着がついていたので、連ドラの最終回に比べるとすっきりした終わり方に感じられました。
連ドラのラストのような後味の悪い余韻も好きですが、「贖罪」のようにぼかしたところを残しつつも決着をつける終わり方も好きです。

どちらにせよ、考察厨(と言えるほどの考察厨ではないけれど)にとっては、とても美味しいシナリオでした。
あれはどういう意味なんだろう、ここは何の暗喩なんだろう、と、あれこれ考えるのが楽しくてたまりません。
俗な表現をするなら、「公式からの燃料投下ktkr! 俺の考察熱が火を吹くぜっ!」な気分です。

「贖罪」のケリの付け方は、正直予想していませんでした。
光の側に引き戻すとか、闇堕ちさせたままとか、最悪石川さん死亡エンドも考えていました。
が、蓋を開けてみたら、「闇の世界の人間として正義を実践していく」という境界上に石川さんを着地させるという、見事な期待の裏切り方(もちろん、良い意味で)。
しかも、そこに経緯の描き方も秀逸でした。
説得力のある話の展開に、見終わった後は「うっわ、そう来たか・・・」と脱帽するしかありませんでした。
こんなシナリオを書いちゃうなんて、金城さん、本当にすごいです。

そして、サブタイトルの「贖罪」に沿った話の内容になっているところもすごかったです。
イメージが漠然としていて上手く言葉にならないけれど、確かに贖罪の物語でした。

テーマがテーマなだけに、一回鑑賞するだけでものすごく体力を消耗するけれど、見終わった後に感じた疲労感は心地良いものがありました。
それは2回見ても3回見ても変わらなくて、複数回視聴にも耐えられるシナリオなところもすごいです。
ちなみに、今のところ5回は見ました。
何回見ても飽きません。むしろ、諸事情により数日出先にいて録画したものを見られない今、禁断症状に見舞われています。
・・・あ、でも、インターネットに繋げられるから、TVerとかで見ることができるのか(今気付いた

■よく練られた緻密なカメラワーク
連ドラのときから脚本だけでなく構成や演出もものすごく凝っていましたが、今回はさらに強化されていたように感じました。
その中でも特に、カメラワークの妙がすごく気に入っています。
1カットで登場人物を入れ替えたり、撮影の角度が絶妙だったり。
カメラワークがより一層緻密になっていて、そこに注目しながら視聴するのも楽しかったです。

それにしても、このドラマものすごくカット数多いし、これ撮影すごくたいへんだったのではないでしょうか。
今回の「贖罪」も含めて、「BORDER」はもっと評価されて良い作品だと思います。

■シーンを盛り上げる秀逸な音楽
今回も音楽がすごく良かったです。
クライマックスで流れる「BORDER」の象徴的な曲「越境」はもちろんのこと、新規追加曲(と思われるもの)もどれも素晴らしかったです。
おそらく新規だと思うのですが、特に耳に残ったのは、立花が巡査時代のことや警察官についての持論を語るシーンのBGM。
新規かどうかあまり自信はなくて、ひょっとしたら「衝動」の追加曲かもしれませんが、ここでかかったBGMがすごく好きです。
ぜひBlu-ray/DVDの特典として、追加曲の音源を付けてくださいお願いします。
もう本当に、何度も聴きたいです。

■少々気になった欠点も、あえて書いてみる
十分に満足した「BORDER 贖罪」でしたが、それでも少し引っかかったところがないわけでもありません。

まず最初に気になったのは、展開の遅さ。
物語が転がり始めるまでが、結構長かったように感じました。
起承転結で言えば”承”の部分が、序破急で言えば”破”に至るまでが、なんだかすごく長かったです。
2回目以降の視聴ではあまり気にならなくなったし、むしろ必要な描写だったと今は思っていますが、初回視聴時は少し引っかかりました。

あとは、ラストの衝撃の大きさでしょうか。
連ドラ最終回の衝撃があまりに大き過ぎたので、それに比べると「贖罪」は幾分すっきりと解決した分、衝撃の大きさは連ドラほどではなく。
それでも、しばらく身体の震えが止まらないくらいの衝撃は受けましたし、そもそもこれを書いてる時点で、衝撃の大きさを物語っている気がします。

何にせよ、「贖罪」のようなクオリティを維持できるなら、続編希望です。
むしろ続編やってください、お願いします。
とりあえず、「贖罪」+「衝動」の円盤は、OA後に即予約しました。


これより下の追記は、シーンごと、および登場人物ごとの感想になります。