12月24日(日)に、
「ファイナルストライクオーケストラ」(以下、FSオケ)の演奏会が開催されたので行ってきました。
会場は、ルネこだいら 大ホール。
16:00に開演し、18:15頃に終演しました。
■まさかのロマサガ2全曲演奏会、ここに爆誕FSオケは、「ロマンシング・サガ2」(以下、ロマサガ2)の楽曲を演奏するために結成された楽団、だそうです。
ロマサガ2の曲を演奏したくて演奏時間を調べたところ、OSTの再生時間が約75分(CD1枚分)と判明し、「よし、では全部やるぞ!」となって開催されたのが、今回の演奏会だそうです。
その辺の流れは、
FSオケのTwitterアカウントに詳細(?)が書かれているので、正確なところはそちらを参照してください。
というか、全部で75分だから全部やろう、で本当に全部やってしまった行動力、すごいですね。
主宰された方のフットワークの軽さ、見習いたいです。
そんなわけで、今回演奏された曲目は、右を向いても左を向いても、ほぼロマサガ2一色。
例外として開演前のプレコンサートやアンコールにロマサガ2以外の楽曲もありましたが、演奏された曲目の9割はロマサガ2です。
ロマサガ2好き、もしくはロマサガ2の楽曲好きにとっては、垂涎ものの演奏会だったのではないかと。
■思い入れのある作品の演奏で、活力もらいました。ロマサガ2のOSTは、リマスターではない方の初期盤を持っています。
ゲームも、遥か昔にSFC版を一度クリアしたことがあります。
SFCのロマサガ3作品のうち、2は唯一クリアした作品です。
1と3は、終盤になって二進も三進もいかなくなって挫折することを数回繰り返した挙句に放り投げて現在に至っています。
2も終盤にどうしようもなくなったのですが、「ラピッドストリーム」+「クイックタイム」という救済措置があったおかげで、なんとか勝利をもぎ取った覚えがあります。
ラピッドストリーム+クイックタイム無しでクリアとか、俺には無理です。
そんな苦労したラスボス戦の末に流れたエピローグは、今でもとても強く印象に残っているシーンです。
オープニングで吟遊詩人が歌い始めた酒場の片隅に、実は最終皇帝居たことが判明した瞬間、感極まって泣きかけた思い出があります。
その影響もあってか、ロマサガ2はサガシリーズの中でも思い入れの強いゲームの1つです。
自分にとってのロマサガ2はそんな思い入れの強い作品だったので、今回の演奏会も行かない手はありませんでした。
が、ここ最近少しメンタル不調で、漠然と行きたい気分はあるものの、正直動くのがダルい、でも少しでも身体を動かさないと・・・という感じで、どうにも後ろ向きな気分から抜けられず。
Twitterで「FSオケ行きます」宣言をしなかったのはそんな理由からで、当初はこっそり行ってこっそり帰ってこっそり満足するつもりでいました。
演奏会の終わった今となっては、半ば無理矢理だったにせよ、身体を引きずってでも演奏会に行って良かったと思っています。
こうして感想を書ける程度にまで回復したのは、今回の演奏会で予想以上の活力をもらったおかげです。
生演奏で元気をもらったためか、幾分気分がすっきりしました。
自分の好きな曲の生演奏って、やっぱり良いものですね。
鬱屈していた気分が、全部とは言わないけれど、かなり昇華されたような気がします。
■魂のこもった渾身の演奏演奏会全体の感想を端的に言えば、「とても楽しかった」に尽きます。
本当に、すごく楽しかったです。
めちゃくちゃ楽しかったです。
(大事なことなのでry)
演奏は、どれもとても素晴らしかったです。
一発企画モノのアマオケ無料演奏会ということもあり、過度の期待をせずに臨んだのですが、今はそんなことを考えていて申し訳なかったと、心の中でエクストリーム土下座をしています。
予想を、良い意味で大きく裏切られました。
完成度がめちゃくちゃ高かったです。
ここまで質の良いアマオケ無料演奏会は、そうそうないのではないかと思ったくらいです。
多少の音外し等は、今回の演奏会でもちらほらありました。
とはいえ、プロオケですら音を外しやすいロマサガの曲なのですから、アマオケに完璧を求めるのは土台無茶な話で。
(最近発売された「サガオケ!」の演奏会音源を聴いてみると、結構派手に音を外してますし)
演奏ミスは予想の範囲内でした。
というか、むしろ予想以上にミスが少なかったです。
開演前のプレコンサートは若干グダグダなところもあって、「本編は大丈夫かな?」と少し不安に駆られたりもしたのですが、本編はそんな不安を蹴散らす勢いで素晴らしい演奏を連発していました。
アマオケの演奏会では冒頭一発目がグダグダになることが多いけれど、FSオケは1曲目から綺麗に揃っていました。
また、バトル曲に多く見られることですが、「そこ、そのテンポで演奏するの!?」というような難しそうなフレーズも鮮やかに演奏しきっていて。
そんな高レベルな状態が最後まで維持されたまま、ラストまで駆け抜けていました。
演奏技術のレベルは、全体的に高かったように思います。
その上で、ちゃんと音色に表情が付けられていて、どの曲も魅力的なものにまとめ上げられていました。
ただ綺麗に演奏するだけではなく、魂を込めた演奏になっていたのが、とても印象的でした。
演奏者一人一人の強い想いと、それを丁寧に理性的にまとめていた指揮者の手腕により、一層素晴らしい演奏になっていたように感じました。
第1部と第2部は全体的に手堅い演奏。
中には面白い演奏もありましたが、奇をてらわずに無難に冷静に仕留めている感じがしました。
それが一変し本領発揮したのが、第3部。
編曲の妙も相まって、演奏に込められた熱量の爆発力が凄まじかったです。
音に圧倒される感じや、音に触れているような感じを、久々に体験した気がしました。
あの音の翻弄される感じが、なんというか、鑑賞していてとても気持ちが良かったです。
■アレンジや構成に込められた想い演奏も素晴らしければ、編曲や細かい演出、曲の構成も素晴らしかったです。
編曲は、人の手で演奏可能な形+αな味付けがされていました。
その「+α」の加減が絶妙で、良い感じにロマサガ2の旨味を醸し出していたように感じました。
ロマサガ2の曲をただ忠実に演奏するのではなく、さりとてやり過ぎもせず。
FSオケならではのロマサガ2を、曲で表現するために必要なアレンジを盛り込んであったようでした。
そのため、アレンジの程度はそこそこ。
原曲重視だけど、原曲忠実ではありません。
そこをどう感じるかは、人の好みによるかなと思います。
個人的には、めちゃくちゃ良い感じにグッサリと刺さりました。
曲に込められた想いが深くて、聴き応え満点でした。
演奏の盛り上げっぷりもあって、たぎるし泣けるしで、感情を揺さぶられまくって忙しかったけれど、楽しかったです。
全体的には、1ループ目は原曲を忠実に再現し、2ループ目以降は編曲者お任せなアレンジ、というパターンが多かったような。
その2ループ目のような編曲者任せのアレンジが、本当にどの曲も良い感じなアレンジで、心底たまりませんでした。
原曲の良さを損なうことなく、ゲームのシーンを曲で引き出す力が付加されていて。
どの曲でもテンプテーションかけられまくりました。
そのゲームのシーンを引き出す編曲のためか、演奏を鑑賞していて昔のプレイしていた頃の記憶がズリズリと引き出されていくのを感じました。
ロマサガ2を最後にプレイしたのは、もう20年ほど前のこと。
開演前はロマサガ2のストーリーを結構忘れていて、「皇帝が能力継承しつつ領土拡大して七英雄をボコる」というざっくりとした流れと、エピローグの最終皇帝のシーンしか覚えていませんでした。
それが演奏とともに「あんなシーンあったなぁ」とか「そういえば、そんな演出あったな」とか、芋づる式にいろいろと思い出して。
意外と結構覚えているものだなぁ、と思い出した記憶を懐かしみながら、しみじみ実感しました。
その編曲の良さを下支えしていたのが、全体の曲構成だったと思います。
今回の演奏会は全3部構成。
第1部はジェラール即位までの導入部、第2部は各地に赴き勢力拡大、そして第3部は七英雄戦とエンディングという、ゲームに沿った流れでした。
それに加えて、アンコールの「歴代皇帝」や、お見送り曲の「エピローグ」まで、最後まで手抜かりのない構成。
構成自体も演出なのではないか、というほどのこだわりを感じました。
よく練られたプログラムだったと思います。
■丁寧に作り込まれたパンフレットから溢れ出すロマサガ2愛パンフレットも手抜き無しの、ロマサガ2愛に溢れたものになっていました。
装丁・デザインも文章も、とても凝った作りです。
特に曲解説が細かく丁寧に書かれていて、演奏を鑑賞する一助となりました。
何せ20年も前にプレイしたゲームなので、演奏に組み込まれた細かい演出も「これ、なんだっけ?」と忘れていることがしばしば。
それについてパンフレットで軽く触れられていると、「そういえば、そんなシーンもあったな」と記憶を掘り返す助けになりました。
それにしても、今回の演奏会のパンフレット、本当に細かいネタが書かれていて、これを書いた人のやり込み具合が伺えるほどの力作になっています。
「竜の穴」の表記違いなんて、今回パンフレットを読むまで全く知りませんでした。
帰宅してから気付いたけれど、裏表紙の電球マークにはクスリとさせられました。
ロマサガといえば、やはり電球ですよね。
■感想まとめなんだかまだまだ書き足りない気がするけれど、今回の演奏会は想定外にとにかく非常に楽しかったです。
演奏も編曲も構成も、全てが高いレベルで綺麗な調和となって怒涛の如く駆け抜けたような、そんなとても良い演奏会でした。
その見事な演奏に、低空飛行気味だった気分が一気に押し上げられたくらいに、元気と活力をもらいました。
FSオケの今回の演奏会は、来年以降も忘れられないクリスマス+誕生日プレゼントになると思います。
# クリスマス・イヴ=誕生日なので、とても嬉しいプレゼントでした。ありがとうございました。
機会があれば、再演を期待したいです。
ロマサガ2でなくても、このクオリティの高さだったら、ぜひ積極的に足を運びたいです。
これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。