[GMEV] リトルジャックオーケストラ 第15回定期演奏会

8月26日(日)に、ゲーム音楽をオーケストラで演奏する楽団「リトルジャックオーケストラ」(以下、LJO)の第15回定期演奏会が開催されたので、行ってきました。
会場は、みなとみらいホール(大ホール)。
13:00に開演し、16:00頃に終演しました。

■オールFF7プログラム
LJOの定演に足を運ぶのは、今回で確か7回目?くらいになります。
2010年の第7回定演から可能な限り通い続けて、気が付けばもう第15回。
以前はオムニバス形式に1回の演奏会で複数のゲームタイトルの曲を演奏していましたが、ここ数回は1つのゲームタイトルに絞って演奏するスタイルで演奏会が開催されています。
今回も、そのスタイルが踏襲されました。

今回演奏されたゲームタイトルは「FINAL FANTASY VII」。
オールFF7プログラムです(開演前のロビーコンサートを除く)。
ここまでガッツリFF7の曲を聴いたのは今年のBRA★BRA FF以来、その前は2014年のGAME SYMPHONY JAPAN(GSJ)の2nd Concert以来になります。
「片翼の天使」や「ルーファウス歓迎式典」などの有名曲を単品で聴く機会は度々ありましたが、今回のようにFF7をメインに据えたプログラムは久しぶりでした。
シリーズ屈指の人気を誇るわりには、ここまがっつりどっぷりFF7な演奏会というのは珍しいような。
そんなFF7に目を付けてくるあたりに、LJOの気概を感じました。

なお、今回演奏されたものは、GSJと同じく「交響組曲『FINAL FANTASY VII』」と銘打たれたプログラムでしたが、中身は全然違います。
LJOが独自に”交響組曲”としてアレンジした譜面でした。

■オープニングからエンディングまで、ゲームに沿った構成
オールFF7プログラムということで、曲はゲームの内容に沿うように構成されていました。
「オープニング~爆破ミッション」から「スタッフロール」までを、およそ2時間30分に凝縮。
FF7をプレイしたことのある人ならば、演奏からそのシナリオを追体験できる形になっていました。

とはいえ、2時間30分という尺の制限があるため、流石にFF7の全てをまるっと網羅とはいかなかったようです。
全曲演奏ではないですし、主にニブルヘイムあたりが抜けている気がしました。
それでも、主要なイベントのかなりの部分がカバーされていたため、個人的には大満足です。
おかげで、演奏を聴きながら「あんなイベントあったなぁ」とか「あの展開には驚いたなぁ」などとプレイ当時のことを思い出して、すごく懐かしい気分に浸れました。
自分がプレイしてからもう20年近く経つのか、早いなぁ。

FF7をプレイしたことがない人でも、パンフレットに原曲が流れるシーンの解説が記載されていたので、想像しやすかったのではないかと思います。
パンフレットの解説は丁寧かつ読みやすく書かれていて、とても好感が持てました。
OPからEDまで演奏する関係上、ネタバレ満載でしたが、もう発売から20年ほど経過する作品なので問題ないと思います。

■全3部構成で描かれたFF7の物語
第1部は、OPからミッドガルの外に出るまで。
序盤のミッドガル内でかかる曲が多かったためか、チャカポコした電子音っぽい軽快な音が印象に強く残りました。

第2部は、コスモキャニオンからラストダンジョン手前まで。
様々なイベントを辿るだけに、勇ましい曲、不穏な曲、明るい曲、切ない曲など、様々な曲が演奏されました。
世界各地を巡るからか、信念と世界の存亡をかけた争いが描かれるからか、ドラムなどのずっしりした低音が印象的でした。

第3部は、ラストダンジョンからラストバトル、EDまで。
第1部と第2部の集大成、といった趣きでした。神がかっていました。
ジェノバ戦やラスボス戦が描かれるだけに激しい曲の連続でしたが、それを見事に音で描き切っていたと思います。

■アマチュアのレベルを凌駕している演奏
演奏は、めちゃくちゃ上手かったです。
こんなにハイレベルなのに無料のコンサートで良いんですか?と確認を取りたくなったほどに、めちゃくちゃ上手かったです。
大人の事情で演奏会が無料なのは重々承知しているつもりですが、それでもカンパしたくなるくらいに上手いです。
アマチュアの楽団としては、もはや別格です。
どれだけ練習したら、アマチュア楽団でこんな高レベルの演奏ができるのか、不思議に思います。
いやもう、なんというか、すごいとしか言いようがないくらい、すごいです。

確かに、音を外すなどの明確な演奏ミスが、多少はありました。
が、それが些末なことに思えるくらい、他がほぼ完璧でした。

その上、ゲームとゲーム音楽好きが集まったアマチュア楽団として、原作ゲームへの情熱も十分に感じられました。
ただ演奏するだけではない、原作リスペクトが常に演奏の中にあって。
本当にもう、どんだけ完璧なのかと、脱帽するしかないレベルです。
演奏技術力が高くて、ゲームとその音楽への情熱も十二分なんて、どれだけ鉄壁なんですか。
そんなん、惚れるしかないじゃないですか。

■原曲を忠実に再現した編曲
編曲は、かなり原曲に忠実。
むしろ、よくここまで原曲を忠実に再現したものだ、と心底感心したくらい忠実でした。

原曲はSC-88proで作曲した、というインタビュー記事をどこかで読んだことがありますが、SC-88proの音質はまだまだ生音には程遠かった覚えがあります。
原曲を聴いても、FF6以前よりは音色が豊かですが、それでも電子音っぽさがかなり残っています。
それを、オーケストラという生音で、なるべく忠実に違和感なく再現できていたのが、本当にすごかったです。
よくそこまで原曲に寄せたと、感心しきりです。

その寄せっぷりからは、FF7の曲を単純にオーケストラで壮大に演奏するのではなくて、FF7の良さや原曲の良さを、なるべくそのまま、ありのままを伝えたい、というような意気込みを感じました。
そのあたりからも原作リスペクトが感じられて、本当にFF7が好きなんだなぁ、と一層強い好感を抱きました。
みんな、FF7好き過ぎでしょう。自分も好きです。

■増援、現る。
今回の演奏会では、コーラス隊としてChor Crystal Mana(CCM)とChor Gnosina(CG)の方々も参加。
LJOの音色に、華を添えていました。
LJOの音色から浮くこともなく沈むこともなく、上手い塩梅で融合。
出番はそれほど多くはありませんでしたが、ここぞとばかりに入るコーラスで厳かさと華やかさが増したように感じました。
コーラスめっちゃ良かったコーラス。

特にFF7は「片翼の天使」があるので、コーラスが入ると凄みが増します。
楽器演奏だけの「片翼の天使」も好きですが、コーラスがあることで臨場感が増大するというか、より原曲らしさが強くなるというか。
今回の演奏会は、これまでよりも原曲に対するこだわりを強く感じたので、「片翼の天使」のコーラスは外せないポイントだったのでしょうか。

■最近気になる鑑賞マナーについて
ここ最近のゲーム音楽の演奏会における個人的な悩みの一つに、鑑賞マナーの悪さがありました。
ゲーム音楽の演奏会が広く認知されつつあることはゲーム音楽好きとして嬉しいことなのですが、鑑賞マナーについては少々思うところがあったのです。
ホール内での飲物や開演前の写真撮影は百歩譲って良しとしても(良くはないけど)、指揮者が手を下ろす前に拍手したり、演奏中にビニール袋やパンフレットで何回も大きな音を立てたり会話したり、そういったことがここ最近特に多くなっていて、密かにストレスを感じていました。
マナーについてあまりうるさく言うとクラシカルスタイルの演奏会への壁が高くなるかもしれないから、なるべく控えるようにしていましたが、「鑑賞マナーが悪いな」と思う機会が増えていたのは確かです。

それが、今回の演奏会では、マナーの悪さを感じることがほぼありませんでした。
少なくとも自分の周りでは、そういう目に余る行為はなかったです。

特に、フライング拍手が一切なかったことには、軽く感動を覚えました。
ちゃんと最後の余韻までしっかり堪能できて、本当に良かったです。
演奏も素晴らしかったけれど、鑑賞する側も素晴らしかったです。
久しぶりに、演奏をストレスなく心から楽しめたような気がします。

■感想まとめ
あまりに素晴らしい演奏会だったので褒めることしかしていませんが、それくらい素晴らしい演奏会でした。
素晴らしい演奏を堪能できて、FF7の曲の良さを再認識して、さらにFF7というゲームの良さも再認識できて、良いことづくめしかありません。
今回の演奏会に行けて、本当に良かったです。
演奏会を開催してくださったLJOの方々や、賛助で参加してくださったCCM・CGの方々に、心の底から感謝の意を伝えたいです。

次回のLJOの演奏会は2019年8月18日(日)で、場所は今回と同じく横浜みなとみらいホールだそうです。
演奏曲目は現時点ではまだ決まっていないようですが、来年は第1回定演開催から15周年という節目の年のようなので、ぜひ聴きに行きたいです。
よーし、まずは、チケット争奪戦からだ!


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと、印象に残った曲ごとの感想になります。

[ゲームRev] ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて

PS4/3DSで発売されたRPG「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」(以下、DQ11)をクリアしました。
クリア時点のプレイ時間は、約80時間。Lvは53~58ぐらいです。

ちなみに、本編クリア後の「to be continued」の先はプレイしていません。
本編クリアした時点で、力尽きて魂抜けました。
本編で明らかにされなかった伏線(ぽいもの)が結構あるので、そのあたりがクリア後のシナリオで回収されていくのだろうなぁ、と思っています。

DQシリーズをプレイしたのは、2016年に3DSでDQ7をクリアして以来、2年ぶりになります。
これまでクリアしたナンバリングタイトルは1~4と7だけで、実はプレイしたことのある作品が少なかったりします。

DQとFFのどちらか好きな方を選べ、と問われれば、迷うことなくFFを選ぶ程度にはFF派で、正直なところDQはそれほど興味がなく。
5と6はやっておきたいと常々思っているのですが、それ以降の作品はイマイチ食指が沸かないのです。
(7は友人からソフトを押し付けられて、せっかくだから…とプレイした次第)
ただ、11は発売直後から評判がとても良くて、特に古参ファンからの評価が高かったので、久しぶりにプレイしてみたくなったDQでした。
ついでに、3DS版よりもPS4版の方が良いという話も聞いていたので、それに従ってPS4版をプレイしました。

プラットフォームがPS4になったことで、グラフィックがものすごく美麗になりました。
木々の緑や青い海、煌く川面など、風景がすごく綺麗です。
冒険が進めば新しい土地と風景が広がって、それを眺めるだけでワクワクが止まりませんでした。
また、戦いに疲れたら立ち止まってボケーっと風景を眺めているだけで、なんとなくプレイヤーの体力が回復するような気がしました。

それと、時間の概念があって、朝・昼・夕・夜で風景や人の営みが変わるのも面白かったです。
特に、影の演出がすごいと思いました。
とあるクエストをこなすために、プレイヤーをしばらく放置させていたことがあるのですが、時間経過とともに影が少しずつ伸びていったのには驚きました。
影の長さまで細かく演算処理させているのか。すごい。

また、3Dグラフィックになって、モンスターたちがヌルヌル動くのも面白かったです。
お馴染みのスライムが、本当にぽよんぽよんと動いてるのには、感動すら覚えました。
また、モーションが実に細かくて、しかも多彩で、まさにそこで生きているかのよう。
中には「ちょ、おま、実はそんな可愛い系モンスターだったのかよっ」と思ったキャラもいて、昔から知っているモンスターにも新しい発見が満載でした。
まぁ、どんなに可愛くても、最終的には容赦なく倒して経験値とおかねをゲットしますが。

バトルシステムは、基本的には過去のDQシリーズと同じ。
過去作品を1作でもプレイしていれば、それほど困らないと思います。
戦闘中もカメラを自由にぐるんぐるん回せるようになっていますし、演出もかなり強化されていますが、コマンド入力とかテキストによるダメージ表示とかは懐かしい感じがしました。

仲間の行動は「さくせん」次第でAIに任せることができるのですが、あんまり賢くないです。
4のAIよりは賢いですが、しかしそれを彷彿とさせられるくらいの賢さです。ある意味、懐かしい感じがしました。
「さくせん」を魔法や特技を使わせる設定すると、MP消費の大きなものをMPが無くなるまでガンガン使いまくって、途中でMP切れになることもしばしば。
終盤は魔法や特技を行使しないとなかなか敵を倒せなかったりするのですが、ザコ相手にそこまで強力な魔法や技を使わなくてもいいのに、と思ったりもしました。
「MPが最大値の〇%を下回ったら魔法/特技を使用しない」みたいな作戦が欲しかったです。
もっとも、自分で命令することもできるので、AIにイラッとしたら自分でコマンド入力すれば良いのですが。

バトルのテンポは悪くないけれど、かといって全くストレスを感じないわけでもなく。
バトル開始時と終了時の演出がやや間延びした感じで、少し待たされるのが気になりました。
データの読み込み時間の関係でしょうか。そのへんがもう少しスピーディだったら良かったなぁ、とも感じました。
それ以外は、結構サクサク進みます。連携技の演出をスキップできる機能もありがたかったです。

ストーリー(本編)は、一言で言えば王道。
仲間とオーブを集めて、世界に平和を取り戻す、という流れです。
その中でも、起承転結で言うところの「転」の展開が、特に面白かったです。
そこでそういう展開になるのか! という意外性に驚きつつ、先の気になるシナリオになっていました。

仲間との結束力も、後半ですごく映えました。
勇者である主人公にしかできないことがとても多いのですが、それ以外のところでは仲間たちが主人公をちゃんと支えてくれるところが良かったです。
個人的には、一番最後に仲間が一番お気に入りです。
それまでの印象とのギャップからか、仲間になった途端に自分の中の株が爆上がりしました。

ただ、本編だけではいくつかの謎が放置されたまま終わります。
そこは、ややモヤッとしているところです。
クリア後もあるみたいなので、気になるなら続きをやれば良いのでしょうが、できれば本編で回収してほしかったと思いました。

BGMは、なんだか懐かしいフレーズがちらほら聴こえるのが、懐かしくもあり楽しくもありました。
DQで曲までしっかり聴き込んでいるのは1~4だけなのですが、それでも「このフレーズ・・・あの曲のアレンジか?」と気付いたことがしばしば。
そういうところ、宝探しみたいで楽しかったです。

他にも過去作のオマージュっぽい演出や表現があって、DQ好きにはたまらないであろう見所がたくさん盛り込まれています。
古参ファンの評価が高かったのも、なるほど納得です。

そんなわけで、久方ぶりのDQでしたが、懐かしさと進化が同時に感じられるRPGでした。
基本的に過去作の操作を踏襲しているので小難しい操作は必要なく、昨今のゲームによくある「覚えなきゃいけないことが多い」ということはほぼありません。
それでいて、グラフィックや演出など操作性以外のところが改良・強化されているためか、新しさも感じられました。
急かされることなく自分のペースでまったり楽しめるので、DQ好きはもちろんのこと、ゲーム初心者の方にもオススメです。

[GMEV] Game Addict's Music Ensemble RPG Concert

8月18日(土)に、ゲーム音楽を専門に演奏するアマチュア吹奏楽団「Game Addict's Music Ensemble」(以下、GAMEバンド)の演奏会「RPG Concert トレジャーアドベンチャー」が開催されたので、行ってきました。
会場は、ルネこだいら 大ホール。
13:30に開演し、15:30頃に終演しました。

■コンサートとスマホの融合という新しい試み
GAMEバンドの演奏会には、回数なんてもはや覚えていないレベルで足を運んでいます。
自分が初めてアマチュアのゲーム音楽専門楽団の存在を知ったキッカケの楽団であり、いろんな意味でカルチャーショックを受けた楽団でもあるので、その分思い入れが強いです。
えぇ、いろんな意味で(大事なことなのでry

そんなGAMEバンドの演奏会は、他の楽団にはないような新しい挑戦を積極的に取り入れる傾向があります。
演奏者が全員コスプレして登場するのは当たり前(今回は第2部のみ)。
演劇(結構しっかりした推理モノ)が展開されたり、アイドル(女装)のライブが始まったりと、過去に数々のユニークな試みがありました。
うん、本当にいろいろありました。今思い返すと懐かしいものから、思い出してはいけないものまで、本当にいろいろと。

そして、今回の試みは「スマホの活用」。
スマホでWebアプリ(ゲーム)を進めつつ、その進行に合わせて演奏を楽しむ、という試みです。
そのため、今回の演奏会は、スマホ片手に鑑賞するという前代未聞のスタイルになりました。

これまで、GAMEバンドに限らずいくつものゲーム音楽の演奏会へ行ってきましたが、演奏開始時に「冒険に参加される方は、スマホでゲーム画面を開いてください」みたいなことを言われたのは初めてです。
スマホの電源をお切りください、ではなく、スマホでゲーム画面を開いてください、です。
撮影・録音や音による周りへの迷惑を防止するためにスマホの利用を固く禁ずる演奏会は星の数ほどあれど、その真逆を行くスマホ使用推奨は、とても斬新でした。
営利が目的ではないアマチュア楽団ならではの試みというか、だからこそできた挑戦というか。
その挑戦的な姿勢、とても好感が持てます。いいぞもっとやれ。

■演奏と寸劇とスマホ操作のサンドイッチ
今回の演奏会は、全体を通してストーリー仕立てです。
話の展開はすこぶる王道。
サブタイトルの「トレジャーアドベンチャー」の言葉通り、冒険への旅立ちがあり、仲間と出会い、宝を求めて海を越えて、強敵と戦う。
そんな、ゲーム好きなら誰もが一度は通ったであろうと思われるストーリーです。
目新しさはないものの、王道ゆえに誰もが抵抗感なくすんなり入り込める内容でした。
そもそも、ストーリー仕立ての演奏会が珍しいので、話の内容に斬新さがなくても十分斬新です。

そのようなストーリーが、寸劇と演奏によって繰り広げられました。
観客がスマホでゲームでキャラメイクすると、寸劇でオープニングと旅立ちのシナリオが展開され、その寸劇を表現した演奏が続きます。
そして、その後もスマホ操作、寸劇、演奏を繰り返して、物語が進行していきました。

全体がストーリー仕立ての構成になっていたことにより、原曲の知らない曲があっても、演奏会で繰り広げられたシナリオのBGMとして楽しむことができたのは面白かったです。
複数のゲームの曲で構成したオムニバス形式だと、どうしても原曲の知らない曲がいくつか出てきてしまいます。
曲や演奏によっては原曲を知らなくても十分楽しめるものもありますが、やはり原曲を知っていた方が楽しめるのもまた真実なわけで。
しかし、オムニバス形式の場合、演奏される全ての曲を知っているなんてことは、そうそうありません。
今回の演奏会の手法は、その不利な点をカバーする1つの解決策ではないかと。

ただ、寸劇にやや大きく時間が割り当てられていて、逆にそれ分だけ実質演奏時間が短くなっていたのは、欠点かもしれません。
状況説明が必要になるから、それなりに尺を取ってしまうのは仕方ないとはいえ、そのへんのバランスが今後の課題かと。

ちなみに、シナリオは王道だし、寸劇は楽団員さんが演じているので棒読み(でも、素人にしては結構演技派)でしたが、ちょいちょい入るギャグや台詞回しの妙が素晴らしくて面白かったです。
言葉の操り方がとても上手くて、鑑賞しながら台本作成された方すごいなと思いました。
「棚上げのソフィ」が妙にツボに入りました。
それと、第1部で司会兼主人公(?)の腰にぶら下がっているもの話が進むに連れて増えていったのも、良い演出でした。
旅立ち(ポケモンメドレー)が終わったらピカチュウがいて、砂漠を抜けたらサボテンダーがいて、ほんと芸が細かいな!
そういうところ、大好きです。

■肝心の演奏について
で、肝心要の演奏についてですが、「うん、まぁ安定していたかな」というのが率直なところ。
音の調和が乱れることが多々あったのは、アマチュア楽団の無料演奏会という点を考慮すれば「こんなもんかな」とも思います。
めっちゃ上手いわけではありませんし、完璧な演奏からは程遠いです。
ただ、大きくコケることもなく、曲としてちゃんと成立していました。

音が外れたり出だしが揃わなかったりはよくありましたが、音のバランスはとても良かったです。
金管やドラムが出しゃばることはなく、木管とちょうど良いバランスが保たれていました。
鑑賞していて演奏に不安を感じることがなかったのは、この上手く保たれたバランスのおかげかもしれません。

その一方で、音がこじんまりとしている感じがしました。
木管のボリュームに合わせたためか、ホールの大きさに対して音があまり出ていなかったためか、後方の座席にいたからか、なんかこう、手のひらサイズな感じというか。
曲にもよるので全部が全部そうとは言えないのですが、もっとガッと来て欲しいところで音があまり飛んでこなくて、少々もどかしさを感じました。

■ムリ・ムダの少ない、分かりやすく聴きやすいアレンジ
次に編曲についてですが、今回の演奏会は編曲がとても良かったです。
ムリとムダを削って、限られた尺の中にコンパクトかつ丁寧にまとめられていました。
原曲を可能な限り残しつつ、吹奏楽で表現できる形に、良い感じに落とし込まれていたように思います。
そのためか、知っている曲でも抵抗感なくすんなり聴けました。
むしろ、「そうそう、これ! これだよ!」と思うことも多かったです。

特に、メドレーの編曲が素晴らしかったです。
メドレーになると、曲が無理矢理ぶつ切りにされて詰め込まれるケースが少なくないのですが、今回のメドレーはそういう切り替えがあまりありませんでした。
確かに曲の切り替えはサッと行われているのですが、その繋ぎに違和感がなくて、とてもスムーズ。
それでいて選曲も構成も絶妙でした。
そんなところも、聴きやすさを実現する要素の1つになっていました。

■最近、ゲーム音楽の演奏会でちょいちょい話題になる例の件について
演奏そのものの話から少し外れて、それ以外のことについて。

最近、ゲーム音楽の演奏会でしばしば話題になる現象があります。
それは、「内輪受け」。
楽団関係者および常連のみに通じるネタや空気感が強くて、ご新規さんがそこに壁を感じてしまい気軽に足を運べなくなってしまうものです。
今回の演奏会でも、そんな空気感を感じることがしばしばありました。
ステージから、ではなく、観客席側から、ですが。

演奏会そのものは、誰でも気軽に楽しめるような作りになっていたと思います。
それほど強い内輪受け要素を感じることはありませんでした。
むしろ、観客席側から内輪な空気感を強く感じました。
輪の中にいればアットホームで居心地が良いかもしれませんが、その外にいると居心地の悪さを感じたかもしれません。

特に強く感じたのは休憩時間。
周りのあちこちから「〇〇さんが・・・」や「△△さんのソロが・・・」と、会話の中で楽器名ではなく個人名がポロポロ出てくるのが耳に入ってきて、楽団とそれほど強い接点のない自分はここに居てはいけないのではないかという気分になりました。

自分は、楽団員に友人がいる点では輪の境界で、コンサートに毎回足を運んでいる常連という点では中かもしれませんが、楽団に所属したことがない点では外とも言えます。
そんな自分ですらやや疎外感があったので、楽団と何も繋がりのない人にとってはもっと強く壁を感じたかもしれません。
今回のホールで空席がやや目立ったのは、そのあたりも影響しているような気がしました。

内輪受けに関してはメリットもデメリットも考えられるので、楽団のポリシー次第だと思います。
そのあたりも含めて、今後どうしていくかを考える時期なのかもとも感じました。

ちなみに、今回の演奏会ではGAMEバンドの世代交代をそこはかとなく感じました。
メンバーの入れ替わりはこれまでもあったと思いますが、それをより強く感じたというか。
設立から10年以上経過して演奏者の方々の状況も変わってきていると思うので、世代交代していかないといけないですよね。

■感想まとめ
最後に思わずちょっとキツいことも書き連ねてしまいましたが、演奏会自体はとても楽しかったです。
演奏にはまだ改善の余地があるものの、アレンジはこれまで以上に洗練されていて素晴らしかったです。
スマホの活用や、全体を通してストーリー仕立てにした点など、他の演奏会にはないユニークな試みも興味深かったです。
その試みを、ぜひ次回へと繋げていってほしいです。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと、印象に残った曲ごとの感想になります。

[GMCD] ゼノブレイド2 オリジナル・サウンドトラック

Switch用のRPGで発売された「ゼノブレイド2」のOST(通常盤)を一通り聴きました。
収録曲数は、CD5枚組で全105曲。

ちなみに、ゼノブレイド2自体はまだ未プレイです。
ゲーム自体の評判が良いし、Switchは持っているので、いつかプレイしたいゲームの一つなのですが。
小耳に挟んだ噂によると、やり始めたらものすごい時間ドロボウっぽいため、積みゲーがいくつもある今手を出すのは危険かなと、自分を抑えています。
そうこうしてると、新たにプレイしたいゲームが増えてどんどん後回しになっていくのも、目に見えているのですが。
いや、いつかプレイする、絶対に。

ゲームは未プレイなのですが、ゲームと同様に曲の評判も良いので、先にOSTを予約購入してしまいました。
ゲームのOSTは気が付くと廃盤になっているケースが多いので、買えるうちに買っておかないと後悔が大きいので。

そんなわけで、OSTを先行して聴いてみました。

聴いてみた印象としては、「最近の正統派ゲーム音楽っぽい」でした。
「最近の」というのは、オーケストラだったりバンドサウンドだったりと、豊かな音色で奏でられる曲ばかりだから。
「正統派」というのは、自己主張が強くなく、あくまでゲームを盛り立てる裏方に徹してるから。
ゲーム未プレイの自分にとっては、めっちゃ聴き応えがあるわけではないけれど、耳当たりはとても良い、という感じです。
きっと、これ、ゲームプレイしたら印象が化けるパターンと思われます。
なんて書いてたら、ゲームやりたくなってきた。プレイしてから、改めて聴き直したい。

曲調は、とにかく様々です。
ロックテイストもあれば、チップチューン(ピコピコ音)もあるし、オーケストラもあれば、ケルト音楽のような民族音楽っぽいのもあります。
勇ましい曲だったり鬱屈した曲だったり、シリアスだったりコミカルだったりと、そういう点でも「正統派ゲーム音楽」という感じがしました。

個人的には「トリゴの街」がとてもケルト風で、民族音楽好きとしてはかなりツボでした。
ぜひ、4, 5人ぐらいのアンサンブルの生演奏で聴きたいです。グラスを片手に聴き惚れたいです。
ちなみに、グラスの中身はソフトドリンクで(アルコールが1滴も飲めないので)。

オーケストラな曲は、曲によっては打ち込みではなく演奏収録でしょうか。
音の振動というか揺らぎというか、そういうところがすごくリアルな感じがしました。

それと、おそらくフィールドや街の曲だと思うのですが、昼と夜のアレンジ違いがあることも魅力の一つです。
活発な昼バージョンと、穏やかな夜バージョンが、並んで収録されているところがちらほらあります。
主旋律は同じで、テンポと伴奏の違いで昼と夜を表現しています。
はっきりと違う曲とわかるけれど、でもはっきりとアレンジ違いとわかる、その匙加減が絶妙でした。

収録曲のうち、後半へ行けば行くほど、ツボな楽曲が多かったです。
特に中盤の「Counterattack」から、急加速した感じがします。
というか、「Counterattack」のテーマ曲感が半端ないので、この曲はゲーム未プレイでもこれ単体で十分聴けます。
めっちゃ格好良い曲です。たぎります。
その次の「さらに名を冠する者たち」も、似た感じの熱い曲で、とても好きです。

他にも「Battle in the Skies Above」も好きです。
全体的に作業を邪魔しない良曲が多くて、OSTを流しながら作業をしていて、ふと集中力が切れたときに耳に入ってきて「あ、この曲良いな」ということが多かったです。
そういう意味でも、BGMとして正しいというか、正統派な感じです。

というわけで、ゼノブレイド2のOSTを一通り聴いてみたのですが、ゲームの方が気になったOSTでした。
ゲームプレイしたら、きっとかなり印象が変わりそうな気がしますし、もっとツボにハマりそうな気がします。
いつか時間を見つけてゲームをプレイした後、OSTを改めてじっくり聴きたいです。