[GMEV] BRA★BRA FINAL FANTASY みんな de えらぼー!

FINAL FANTASYの楽曲を吹奏楽で演奏するコンサート「BRA★BRA FINAL FANTASY」(以下、BBFF)の2019年ツアー東京公演が4月29日に開催されたので、昼公演に行ってきました。
会場は、Bunkamuraオーチャードホール。
14:00に開演し、16:40頃に終演しました。

これより下は、今回のBBFFツアーのネタバレ(?)を含みます。
これから参加される方で、当日までネタバレを知りたくない方は、ブラウザバックを推奨します。

■今年で5年連続開催となるBBFF
BBFFも、今年で5年連続の開催となりました。
5回目となるツアーは、昨日28日の大阪公演を皮切りに、7月まで全国各地を巡ります。
東京公演(4月)は、昨日の大阪に続く2つめの公演でした。

ちなみに、自分は2016年ツアー以降、毎回1公園には足を運んでいます。
一番最初の2015年ツアーだけチケットが取れなかったため不参加でしたが、それ以降は行っています。
なので、今回で4回目の参加になります。

■文句のつけようのない演奏と、軽妙なMCトーク
演奏は、シエナ・ウインド・オーケストラ。
指揮は、栗田博文氏。
MCは、植松伸夫氏と山下まみさん。
過去のツアーと同じメンバーで、もはや鉄板の構えです。

実際、演奏は文句の付け所がありませんでした。
安定感が半端ないし、迫力が半端ないし、音の強弱やメリハリ、バランス、響き、どこを取っても素晴らしいの一言に尽きます。
さすがシエナ、さすがプロの犯行です。

演奏された曲の譜面は、発表済みのアルバム「BRA★BRA FINAL FANTASY」シリーズと同じだと思います。
今回演奏された楽曲は全て、アルバムに収録されている曲から採用されています。
確かに演奏を聴くだけなら、譜面もほぼ同じなので、アルバムを聴いてもあまり変わりません。
ただ、生演奏は音の臨場感が違います。桁違いです。
ホールの反響音による立体感のあるハーモニー、音に包み込まれるような感覚、時折音がぶつかってくるような迫力は、生演奏ならではのもの。
これは生演奏でしか体験できないもので、とても楽しいです。
生演奏、やっぱりいいなぁ。

曲と曲の合間に挟まれるMCも、相変わらず軽妙で笑いの絶えないトークでした。
時折シエナのメンバーさんと笑い合いながらのアドリブを混ぜるシーンもあり、終始穏やかなほんわかムード。
トークはゆるーく挟みつつも、演奏はキリッと完璧に締めるという、絶妙なバランスでした。

■観客参加型演奏企画は今回も健在
毎年恒例の観客参加型企画は今回もたくさんありました。

まず「FFメインテーマ」のリコーダー。
この曲の参加者さんのレベル、年々上がっている気がします。
リコーダーで参加されたみなさん、めちゃくちゃ上手じゃないですか?
自分も最近ソプラノリコーダーを買って、今年こそ参加できるといいなぁと淡い希望を抱きつつ「FFメインテーマ」を練習してみたのですが、全然指が回らなくて参加断念しました。
終盤のシャープとフラットの嵐で運指が追い付かず、こんなヘボ演奏では耳汚しになるだけだ、と諦めました。
本当に、みなさん上手でした。すごかったです。

とはいえ、今回の讃歌はあえなく断念しましたが、リコーダーを吹くこと自体は楽しかったので、これからも少し続けてみようかと。
「FFメインテーマ」をマスターしたら、「いつか帰るところ」とかも練習すれば吹けるようになれるかな。

第2部では、こちらも恒例のボディパーカッションのコーナー。
今年は「モーグリおじさん」改め「モグやん」が登場。
呼び名は変わっても、中身は変わらずシエナの東さんでしたが。

今回のボディパーカッションのパターンはA, B, Cの3パターン。
Aが一番簡単でしたが、他の2パターンも素人泣かせと言えるほど難しいものではなく。
両手両足をバタつかせるようなトンデモパターンは今回ありませんでした。

そして、オーラスの「マンボ de チョコボ」も忘れてはなりません。
ガチの楽器持参で参加される方が、今回は多かったように感じました。
ステージ一杯に人が溢れて、楽しそうに演奏されていました。

が、中には演奏中、ずっとカメラを構えていた(カメラ撮影されていた?)方がチラホラ。
これは、あれですか、インスタ映えとかいうヤツですか?
まぁ、好きに楽しめばいいんじゃないかと思いつつも、演奏に集中されていない、純粋に演奏することを楽しんでいない感じがして、正直モヤッとしました。
いや、どうなのあれは? アリなの? 俺の頭が固いだけなのか?

[2019.04.30 追記]
カメラを構えていた方の多くは、指揮者の栗田さんを正面から撮りたい方なのだそうです。なるほど、それは納得。
ステージに上がることでそういうメリットがあったこと自体、盲点でした。
確かに、時折飛んだり跳ねたりされる栗田さんの迫力ある指揮を正面から見たい気持ちはすごくわかります。
[追記ここまで]

■観客の「声」の大きさで演奏される曲が決まる、今日限りの特別メニュー
今回の目玉企画は、演奏曲目を観客の「声」の大きさでその場で決める、というものでした。
プログラムに3回ある「みんなdeえらぼー!」のコーナーでは、ピックアップされた曲の中から観客1人につき1回、「ブラボー!」の声で投票に参加できました。
「ブラボー」の声の大きさは、ステージ上に設置されたマイクと測定器で数値化。
手順としては、
 1. 植松さんが曲名を読み上げ
 2. 無音状態にして、機器のキャリブレーション実行
 3. 植松さんの腕の合図で、読み上げられた曲に投票したい観客が「ブラボー!」を叫ぶ
 4. 声の大きさを測定し数値表示
 5. 1~4を、ピックアップされた全曲に対して実施
 6. 数値の高かった順に、上位数曲を演奏
という感じ。
文字通り、観客の「声の大きさ」によって演奏曲目が決定されました。
曲ごとにキャリブる必要があったので手間取るかと思っていましたが、意外とスムーズにサクサク計測されていました。

また、意外な曲で高い数値が叩き出されたりして、非常に興味深かったです。
1回目の投票で「エアリスのテーマ」が大阪公演に引き続き敗れたり、3回目の投票で「神の誕生」が敗退して神誕生しなかったり。
これまで人気の高い曲が思われていた曲が軒並み落選していて、大番狂わせが多発していました。
もっとも、キャリブレーション中に雑音が入ると結果に狂いが生じるだろうし、マイクに近いところに同じ意見の人が集まっていたら結果が大きく異なるから、数値についてはあくまで参考程度かと。

個人的には、1回目の投票で「反乱軍のテーマ」が採用されたのが嬉しかったです。
しかも、そのコーナーで一番大きな「声」を獲得していました。
「反乱軍のテーマ」はすごく好きな曲だけど、いかんせん古い曲だし、「エアリスのテーマ」や「守るべきもの」などの強豪に勝てるわけがないよなぁ・・・と半ば諦めていただけに、嬉しいサプライズでした。

それと、ピックアップされた曲がどれも聴きたいものばかりで、「え、選べない・・・」と頭を抱えることも。
ただでさえ名曲ばかりなのに、リストの中から1曲だけ選べとか、言葉は悪いですが拷問じゃないですか。
これは、1曲に絞れない。選べませんよ。

というわけで、今後の公演では駆け引きが重要になってくるかもしれません。
「この曲はきっと人気あるハズだから、こっちに投票しよう」とか「前回これ聴けなかったから、今回はこれに選ぼう」とか、思惑が絡んできそうです。

投票といえば、1点だけ不満の残った箇所がありました。
第2部の「小編成 セットをえらぼー!」のコーナー。
ここでは測定機器を使わずにボディパーカッションの音でジャッジするという仕組みだったのですが、明らかに一番音の大きかったAセットではなく、Cセットが選択されました。
さすがに、これはちょっと納得できませんでした。
確かに「独断で決める」と仰られていたような気もしますが、ここまで音の大きさで決めていたのに、ここでそれを覆すのはナシではないでしょうか。
ぶっちゃけ、「いつか帰るところ」と「ザナルカンドにて」の生演奏が聴きたかったです。
Cセットも、まぁ、嫌いじゃないですが・・・うーん。
投票結果に関わらずCセットになるのであれば、最初から選択肢を設けないで欲しかったです。期待させないでほしかったです。

■気楽に参加できるのは悪いことではないけれど
BBFFは、他のオーケストラや吹奏楽の演奏会とは異なり、気軽に・思い思いに・自由に演奏を楽しむ、をモットーとしていたと思います。
その方針自体に文句を言うつもりはないのですが、前回ツアーあたりから、それが自分と相性悪いような気がしてきました。

自分は、演奏は演奏として、しっかり音を楽しみたいタイプです。
奏でられる音に集中して、その曲の旋律とか和音とか雰囲気とかにどっぷり浸りたいです。
なので、それを阻害する音が入ると、結構イラッとします。

BBFFは気楽さが売りのためか、演奏中も結構周りから雑音が入ります。
ビニールをガサガサさせる音とか、パンフレットをヒラヒラ捲る音とか。
気楽さが売りのコンサートだから、そういう演奏中の雑音も企画側の許容範囲内だと思いますが、自分のストレスはかなり上昇。
シエナさんの演奏が素晴らしかっただけに、余計にストレスを強く感じました。
うん、この気楽さ、ここ数回を経て度が過ぎてきてて、自分には合わなくなってきたかも。

■感想まとめ
5年連続5回目のツアー開催となったBBFFの演奏会。
今回は観客の投票によって演奏される曲が決まるという演奏者泣かせな企画もありましたが、観客としてはとても面白い試みだと思いました。
演奏者さんの大きな負担にならない程度であれば、こういうコーナーが毎回1ヶ所あっても良いかもしれません。

観客投票による曲目選択という、ある意味ベスト盤的なプログラムだった本公演。
BBFFのツアー自体が規模縮小傾向にあるから、今回で一度ケリを付けるのでしょうか。
それはそれで寂しい気もしますが、別の形でまた復活されることを期待しています。
そのときは、11以降のFFの曲もラインナップに加えてほしいです。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムになります。
曲自体はほぼCDと同じなので、個別の感想は省略します。

[GMEV] モント・トレーネン・フィルハルモニカー演奏会2019 -永久の響き 生命の歌-

4月28日に、Mond Tränen PhilharmoNikeR(モント・トレーネン・フィルハルモニカー、以下「月オケ」)の2019年版演奏会「-永久の響き 生命の歌-」が開催されたので、行ってきました。
会場は、杉並公会堂 大ホール。
13:00に開演し、16:00頃に終演しました。

■ニーア好きによるニーア好きのための演奏会、再び
2017年4月、有志により企画・設立された月オケが、「NieR Gestalt & Replicant」の演奏会「-古の記憶 魂の調べ-」を開催。
それが大好評のうちに幕を閉じてから、早2年。
ついに、月オケ再始動しました。
今回のプログラムは、待望の「NieR:Automata」。
2017年の演奏会がとても素晴らしかったし、ニーアシリーズの楽曲好きとしては逃すわけにはいきません。
というわけで、チケット事前予約開始早々に申し込んで、喜び勇んで行ってきました。

ちなみに、自分は「NieR:Automata」のゲーム自体をEエンドまでクリア済み、セーブデータはサーバに献上済みです。
セーブデータを消されるところまでが、ニーアです。

■前回同様、完成度の高い演奏
まず、演奏についてですが、前回同様に完成度がめちゃくちゃ高かったです。
これ本当に有志の企画オケですか? というくらいに、ものすごくレベルが高かったです。
ゲーム音楽はそもそも演奏を想定して作曲されているわけではありませんし、また企画オケの場合は演奏者の大半がプロではないので、音がヘロったりズレたりすることはよくあるのですが。
そんな不利な条件にも関わらず、今回の月オケも前回同様に、そういった目立った演奏ミスがありませんでした。

バトル曲のような熱い曲は言わずもがなですが、しっとりした曲の弱音も安定した音の伸び。
調和が乱れることはほぼなく、響きがとても美しくて、鑑賞していて気持ち良かったです。
あまりに気持ち良くて、中盤、軽くウトウトしてしまったくらいです。
# ここ数日の体調不良に、同日開催の同人誌即売会に早朝から並んでいたツケが回ったのだと思います。不覚。

最初の数曲こそ、手探り感というか肩慣らしのようなものを感じましたが、それもほんの一時だけ。
3曲目あたりからでしょうか、吹っ切れたような全力全開の圧倒的なパワーを、ひしひしと感じました。
なんというか、「NieR:Automata」に対する情熱をこれでもかと言わんばかりに一音一音に詰め込んで、観客席にぶん投げてくるような感じです。
それが最後まで息切れすることなく、全力のまま突っ走ったのも、本当にすごかったです。

特にバトル曲の熱さたるや、凄まじい勢いでした。
破壊的なドラムの爆音、高らかに鳴り響く管楽器と狂乱の如く踊る弦楽器、そしてニーア好きならではの熱意。
それらが三位一体になって観客席に襲い掛かってくるような、圧倒的強さがありました。
とはいえ、そんな強さの中にも、ひっそりと隠し玉のような切なさも込められていて。
バトル曲で熱い演奏なのに、どこか切なくなることも多々ありました。
そういった諸々を込めた演奏は、ファンだからこそ為し得たことだと思います。

■ニーア曲には欠かせないコーラス隊の活躍
楽器演奏だけでなく、コーラス隊もすごく良かったです。
コーラス隊がいなかったら、今回の演奏会は成立し得なかったのではないかというくらい、とても重要なポジションでした。
暖かさや寂しさ、狂気と気高さなど、コーラス隊によって色味の増した楽曲は数知れず。
もはや、ニーアの楽曲には欠かせない存在です。
前回以上に、とてもGJでした。コーラス良いよコーラス。

それと、月オケのコーラス隊は、ハーモニーがとても綺麗だと思います。
全員の声が上手い具合に溶け合って混ざり合って、安定感のある美しいハーモニーを生み出されていました。
とても耳に心地よいコーラスでした。

ニーアの楽曲と言うと女声のイメージが強かったのですが、今回の演奏会で男声コーラス格好良いなと思いました。
なんかこう、がっしりと支えてくれる安心感というか、目立たないけど縁の下の力持ち的存在というか。
ふっと男声コーラスが耳に入ってくると、「あ、いいな」と思ったことが多々ありました。

■研究され尽くされた曲構成
今回の演奏会は、全3部構成。
概ねゲームの内容に沿った構成で、第1部と第2部でA, Bエンドルートを、第3部でC, Dエンドルートが描かれました。
ちなみに、本編後の小ネタでKエンド、アンコールでEエンドまで到達しています。アジてw

ゲームに極力沿った構成になっていて、一つの楽曲が複数のシーンで流れる場合もそれを忠実に再現。
そのため、同じ楽曲が本編中に何回も出てくることがありました。
この「同じ楽曲が何回も出てくる」点は、2017年の演奏会でも見られたものです。
2017年のときは、同じ曲が何度も出てきて「この曲、何度目だ」と若干食傷気味になった覚えがあります。
が、今回はあまり気にならなかったです。
アレンジが都度大きく変わっていたという感じもしなかったのですが、一回あたりの尺が短かったからか、音の間引き演出を再現していたからか、それとも好みの問題か?

曲の構成も、前回同様にすごく凝られていました。
「NieR:Automata」自体は、プレイするとすごく時間のかかる作品です。
様々な登場人物たちや組織の来し方行く末が綴られているため、普通にプレイしても数十時間かかります。
それを、今回の演奏会では、上手い具合に3時間にぎゅぎゅっと凝縮。
過不足なく、見事なまでに綺麗に収まっていました。

中でも、砂漠地帯とパスカルの村の曲構成は、神がかっていると思います。
他にも、演奏を鑑賞しながらゲームシーンがふっと思い浮かんで、思わず涙が出てきたことが度々ありました。
前回以上に、今回は泣かされまくったような気がします。
良い意味で卑怯な構成です。こんなん、泣くわ。

■原曲重視でオーケストラのために必要程度のアレンジ
アレンジの強さは、ほどほど。
原曲重視だけど、原曲をそのまま忠実に再現するのではなく、オーケストラで演奏しやすい形に工夫されていたように感じました。
原曲に忠実にすると演奏が困難になってしまうから、有志オケでも演奏できる形に落とし込んだ、というか。
でも、原曲の名残と雰囲気はほぼそのまま残っていたので、原曲を知っていても違和感なく十分楽しめました。

今回、全体的に曲の繋ぎが上手いなぁと感じました。
フィールド曲では余韻を残しつつ次の曲へ綺麗に繋げたり、穏やかなシーンからの敵の襲撃では爆音ドラムで一瞬で雰囲気をガラリと変えてきたり。
特に後者は印象が強く残りました。
この手法って使い過ぎるとあざとい感じがするけれど、今回はどのケースでもとても良い効果になっていました。
実際、ゲームでも突然の襲撃シーンが多かったですし。

■凝ったパンフレット+αと、豪華なサプライズ
演奏から少し離れた点についても少々。

まず、パンフレット。
装丁が激好みでした。
表紙こそ焦げ茶色を基調としたしっとりしたカラーだけど、それを捲るとモノクロームの世界。
「NieR:Automata」のメニュー画面にそっくりです。
あの無駄を最大限排除したメニュー画面のデザインがすこぶる好きだったので、それに近い形に持ってきたパンフ制作者さんのセンスに最大限の称賛を贈りたいです。

素敵な点はそれだけでなく、パンフレットとともに手渡された入場券も素敵でした。
入場券と言いつつ、紙ではなくアクリル製。
透明なアクリル板に黒のデザインが印字された、栞サイズのチケットでした。
今回も栞として再利用できるこのセンス、たまりません。大好きです。

この一部透けている入場券とパンフレットを合わせることで、パンフレットの暗号化されたメッセージが解読できるという演出も、素敵過ぎました。
なにこの極限まで楽しませる気満々なセンス。最高ですか最高ですね。

さらにこの後、最大のサプライズが訪れました。
場内アナウンスが、なんとまさかの9S(花江夏樹さん)ご本人。
開演前アナウンスで「おや? ご本人では?」と思いはしたけれど、自分の耳にイマイチ自信が持てず。
休憩前(2回)を経て終演時アナウンスでご本人と明かされて「やっぱりかーっ!!」と驚きつつ、すごく嬉しく思いつつも、やはり驚きました。
なんという特大サプライズ。有志の企画オケに、公式が参入してくるとは。月オケすごい。

そういえば、「NieR:Automata」の開発スタッフさんたちもいらしていたそうです。
なお、前回は岡部啓一氏とヨコオタロウ氏のゲストトークがありましたが、今回はなかったです。
まぁ、花江さんの場内アナウンスだけでも、ものすごいサプライズでしたが。マジ、月オケすごい。

■素晴らしい演奏の反面・・・
演奏の話ではなく、観客側のことで少し気になっていること。

最近、ゲーム音楽の演奏会がたくさん開催されるようになって足を運びやすくなり、演奏の質も上昇傾向にある一方で、観客の質が低下傾向にある気がしてなりません。
今回も、ホール内の飲食禁止(ペットボトル含む)とパンフレットに書かれているのに平気で飲んでたり(隣の人がそうだった)、演奏中に度々会話したり(隣の人がそうだった)、しょっちゅうヘドバンしたり(隣の人がry)。
はたまた、演奏中にカバンをガサゴソしたり(後ろの人がそうだった)、ビニール袋やパンフレットをカサカサ音をたてたり(周囲に何人か)。
あと、派手に物を落としたり。
些細な音でも、ホール内は意外と響くのですよ。

他にも、途中入場は仕方ないところもあるけれど、いくら何でも今回多過ぎないかっていうか足音うるさい、とか。
咳やくしゃみは生理現象だから仕方ないけれど、せめてハンカチで口元を覆って音を抑える努力をしてくれ、とか。

演奏がめちゃくちゃ素晴らしかっただけに、鑑賞マナーの悪さにイライラが募りました。
音を楽しみに来てるのに、それを阻害する行為は本当に極力止めて欲しいです。
まぁ、自分も気を付けないとな。

■感想まとめ
最後、少々愚痴っぽくなってしまいましたが、月オケの演奏会そのものはめちゃくちゃ素晴らしかったです。
「NieR:Automata」の楽曲の良さやゲームの良さを凝縮して引き出すような、確かな技術による情熱とこだわりを細部までたっぷりと感じました。
前回の良かったところはそのまま引き継ぎつつ、今回でグレードアップしたところもあり、非常に楽しめた演奏会でした。
いつか、再演を期待しております。
何なら「シノアリス」という手も(ぉ


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと印象に残った曲の感想になります。

[GMCD] EXP SOUND BOX 2017

エクスペリエンス社が開発したゲームのサウンドを詰め込んだアルバム「EXP SOUND BOX 2017」を一通り聴いてみました。
CD4枚組で、全47曲収録。
再生時間は、トータルで2時間30分ほどになります。

本作に収録されているゲームタイトルは、2013~2017年に発売されたものが中心。
内訳を列記すると、

・迷宮クロスブラッド インフィニティ(1曲)
・東京新生録オペレーションアビス(2曲)
・東京新生録オペレーションバベル(10曲)
・新釈・剣の街の異邦人(3曲)
・デモンゲイズ2(テーマ曲「STARLLICA」とカラオケ版の2曲)
・死印(13曲)
・黄泉ヲ裂ク華(16曲)

という具合です。

自分の目当ては、言わずもがなの「死印」です。
先日「死印」にうっかり足を踏み入れたら実は底なし沼で、どうせ逃げられないのなら潔く頭まで漬かってやろうという勢いのまま、気が付いたら本作をポチッてました。
もっとも、ゲームプレイ中もテーマ曲「死るし」が流れると思わず手を止めて聴き入っていたくらいだし、遅かれ早かれゲーム音楽好きの血が騒いでいたでしょうから、なるべくしてなったというか。
これも全部シルシのせいに違いない。

で、その「死るし」ですが、めっちゃツボっています。エンドレス再生余裕です。
チェンバロ+オルガン(パイプオルガン?)+弦+グロッケンが交互に主旋律(ほぼ同じフレーズ)を奏でるのですが、それがバロック音楽のように荘厳で妖艶で脆弱で、とても美しいです。
その主旋律の下で蠢く低音も、身悶えするほど格好良いです。ゾクゾクします。
これ1曲で、元を取った気分になりました。売り切れる前に買えて良かった。

他の「死印」の曲も、ゲームプレイ中は気付かなかったけれど、結構好みかもしれません。
ゲームプレイにおいて半分以上の時間を費やす探索パートはほぼ環境音のみだったので、あまりBGMのイメージがなかったのですが、ちゃんと腰を据えて聴くと「そういえばこんな曲もあったなぁ」と気付かされることが多々ありました。
特に「印人の調べ」のピアノや「曰く」のピアノ+弦、「噂」のグロッケンに、高音域の旋律の美しさを感じました。
心に染み入るような切なくて儚くて美しい旋律が印象的です。

なお、収録曲の中にはアンビエントというか環境音楽っぽい、音楽だけで恐怖心を煽られるような曲も入っています。
聴いていて「BAROQUE」(SS・PS版)や「流行り神」のOSTを思い出しました。
ちなみに、第5章でひたすら聞かされる例の軍歌は収録されていません。

「死印」以外のゲームタイトルはどれも未プレイなのですが、全体的に良曲が多い気がしました。
どの曲も、シャープというかスマートというか、キラキラしているというか。
端的に言えば、格好良いです。シュッとした格好良さを感じました。
収録曲数からすると、各タイトルの格好良い部分だけを切り出しているのでしょうか、最初から最後まで格好良い曲ばかりです。

また、どれも初めて聴いた曲ばかりでしたが、とても聴きやすいです。
全体的にさっぱりとしていて、スッと耳に入ってくる感じです。
ディスク1枚目に収録されている曲は典型的なゲーム音楽っぽいノリの良いデジタルサウンドなので、ゲーム音楽に耳が馴染んでいれば作品を知らなくても抵抗感はないかと。

ディスク1枚目に収録されている曲の中では、「KIERU」と「Catastrophe」がイチオシです。一発で惚れました。
どちらもピアノ協奏曲のようなピアノ+オーケストラ風の曲です。
オケっぽいゲーム音楽が好きな自分が惚れないわけがありませんでした。
「Catastrophe」ではさらにコーラスも加わって、とても熱い曲でたまりません。
なにこれめっちゃツボじゃないですか、なんで今までノーマークだったんだろう。

そして、バリエーションが豊富です。
ディスク2枚目以外は全て神保直明氏がお一人で作曲されたようですが、お一人で作曲されたとは思えないほど、様々な空気感を纏っています。
DRPG路線から大きく方向転換した意欲作「死印」がズバ抜けて異色ですが、他のタイトルもそれぞれ色があって面白いです。
ディスク1枚目の前半はなんとなくファルコム作品の曲っぽく、後半は前述の通りオケっぽい。
そして、ディスク4枚目の「黄泉ヲ裂ク華」は和風ロック。
和風、良いですよね、和風。
「大神」や「朧村正」ほどの強い和風ではありませんが、ほんのり和風な雰囲気で聴きやすいです。

そういえば、「死印」も含めて全体的になんとなく、高音域の余韻が強く耳に残る感じがしました。
「KIERU」のピアノとか、高音域の旋律がとにかく美しくて印象的です。
とても好きな感じの余韻なので、もう全然OKなのですが。むしろ、もっと来いと思ったくらい。

というわけで。
本作は、エクスペリエンス社開発のゲームタイトルの格好良いBGMがこれでもかというくらいに詰め込まれたアルバムで、とても良かったです。
大好きな「死印」の音源をエンドレス再生できる幸せもあるのですが、その他のタイトルの曲もとても良くて、耳が幸せでした。
沼にハマった勢いとはいえ、流された先でこんなに格好良い曲に出会えた幸運に感謝したいです。
なお、エクスペリエンス社のオンラインショップのみの販売っぽいので、その点だけ要注意です。


以下、余談。
自分にとっての初エクスペリエンス作品は「死印」かと思っていましたが、実は「デモンゲイズ」だったことを、このアルバムで初めて気が付きました。
数年前に「デモンゲイズ」を途中までプレイしたけれど、最終ダンジョン(かな?)で急に敵が強くなり二進も三進も行かなくなって、詰みました。
そういえば、あの時も「BGM格好良いなー、OSTあったら欲しいなー」と漠然と思っていましたが、同じコンポーザさんの曲を巡り巡ってこのタイミングで耳にしてヒャッハーすることになるとは思いませんでした。
人生、どんな巡り合わせがあるのか、分からないものだな。

[GMCD] ペルソナQ2 ニュー シネマ ラビリンス オリジナル・サウンドトラック

3DSで発売されたダンジョンRPG「ペルソナQ2」(以下、PQ2)のOSTを一通り聴きました。
CD3枚組で、計94曲収録。
再生時間は、トータルで3時間40分ほどです。

ちなみに、ゲームは先日クリアしました。
OSTは予約して発売日に購入していたのですが、せっかくだからゲームクリアしてから聴こうと考えた結果、今に至っています。

ゲームプレイ中にも感じましたが、曲は大体どれも、いつものペルソナシリーズのクオリティです。
耳当たりの良さ、ノリやテンポの良さは、「あ、これこれ、ペルソナシリーズだよこれ」と思わせるのに十分な威力を発揮しています。
P3以降のペルソナシリーズの曲が好きな方なら、すんなりハマれると思います。

ペルソナシリーズではもはやお馴染みですが、ボーカル曲が多めなところも違和感なく受け入れられます。
ボーカルが良い感じに曲と融合していて、ボーカルだけが目立つことも、逆に埋もれることもないあたりは、さすがのアトラス。

また、本作ではP3・P4・P5のメインボーカリストが揃い踏みところも、注目すべき点かもしれません。
特に面白かったのは、ロビーの曲(「Cinematic Tale」)。
ゲームの進行に合わせて参加ボーカリストが増えている点に、OSTを聴いて初めて気付きました。
あまりに自然に加わっていて、ゲームプレイ中は全然わかりませんでした。気付いたときは軽く感動しました。

ただ、PQ2のゲーム自体がP5を主軸にしていたからか、音楽も全体的にP5に寄せたような雰囲気になっています。
なんとなーくですが、ムーディーなジャズっぽいというか。
P3のようなテクノさでもなく、P4のようなポップさでもない、そこはかとなく大人な雰囲気を感じました。
とはいっても、本当になんとなく薄くそう感じる程度です。

P3, P4, P5の曲のアレンジも、3作品合わせて十数曲ほど収録されています。
若干P5が多めなのは、ゲームの性質上致し方なしでしょうか。
アレンジ収録と言えば、女神異聞録ペルソナの「ペルソナ」のアレンジも、ほんの短い尺ですが入っています。
まさかそこから持ってくるとは思わなかったので、ゲームで聴いたときもOSTで聴いたときも「なん・・・だと・・・」と驚愕しました。
また、1と2も忘れられてなかったことが感じられて、嬉しくもありました。
いいぞ、もっとやってくれ頼む(必死

OSTには、作中のイベントで流れるミュージカル曲もしっかり収録されています。
ゲーム未プレイだと若干ネタバレになるかもしれない曲です。
まぁ、正直、歌詞が胸糞悪いので、1回しか聴いていないのですが。

そういえば、ミュージカルの歌曲って、概ねああいう台詞にメロディが付いたような感じなのでしょうか?
ミュージカルにはとんと疎く、原作好きが高じて観劇した某2.5ミュ作品しか知らなくて、その時「ミュージカルの歌曲って台詞調なのか」とカルチャーショックを受けた覚えがあります。
他のミュージカルを知らなかったので2.5ミュの歌曲だけが特殊なのかと思っていたところ、PQ2のミュージカル歌曲も似たような感じだったので、「あ、ミュージカルの歌曲ってこういうものなのか」という認識に変わりつつあります。
ゲーム音楽ばかり聴いて育ったから、チップチューンからロックにテクノ、オケや民族音楽などなど様々なものを聴いてきたと思っていたのですが、こういう表現手法もあるのかと目からウロコ、とても新鮮な気分になりました。はー、世界は広いな。

本作の楽曲の中で個人的なイチオシ曲は「Nothing is Promised」。
熱くて格好良くて、とにかくとても滾る曲です。
ロータス兄貴のラップが超絶格好良いです。めちゃくちゃ格好良いです。
これ、生で聴いてみたいなぁ。スタンディングのライブが苦手で避けてるうちは難しいだろうけれど。

そんなわけで。
PQ2のOSTも良曲揃いで、安定のペルソナクオリティでした。
一部ミュージカル調の変化球もありますが、P3以降の曲が好きな方なら、ゲームプレイ済みでも未プレイでもオススメです。

[ゲームRev] NG

心霊ホラーADV「NG」のVita版をグッドエンドまでクリアしました。
プレイ時間は、どれくらいだろう・・・15~20時間くらいでしょうか?
極力自力でプレイし、どうしても詰まったら攻略サイトに頼る、ぐらいのペースでプレイしました。

エクスペリエンスの放つ心霊ホラーADVの第2弾である本作。
先日、第1弾の「死印」に軽い気持ちで手を出したら、あっという間に頭から沼へダイブインしてしまった流れで、気が付いたら第2弾の「NG」もゲットしていました。
「NG」で八敷さん(「死印」主人公のデフォルトネーム)のその後について触れられている、なんて情報を目にしたら、居てもたってもいられませんでした。

ちなみに、八敷さん他の死印組は、姿こそ見せませんでしたが、会話などに活躍を匂わせる内容がちらほら。
「死印」をプレイしているとニヤリとできる感じです。

物語は、「死印」とは別物です。
ほぼ独立した話なので「NG」から始めても問題ないですが、ほんのり「死印」のネタバレがあるような気もするので、気になるなら「死印」から始めた方が無難かも。

心霊ホラーということで、ストーリーは全体的におどろおどろしいです。
前作は純粋に噂話や都市伝説絡みでしたが、今回はそこにおとぎ話的な要素が付与されています。
誰もが知るおとぎ話のダークサイドを都市伝説に仕立て上げたような、そんな話がベースになっています。

怖さのレベルで言えば、「NG」はそれほど怖くなかったです。「死印」の方が怖いのではないかと思います。
「NG」の物語の舞台が主に公園や住宅街、高層ビルなど、近代的で人の多い場所だったからでしょうか。
廃墟や樹海が主な舞台だった「死印」ほど陰鬱なジメッとした雰囲気はなく、あっさりさっぱりしていた印象が残りました。
とはいえ、身近な場所の方が恐怖感が増すという方もいるので、この辺は個々の感覚や経験によるかも。

本作では恐怖演出の程度を3段階で設定できる機能があり、ずっと最高段階の恐怖モードでプレイしていましたが、それでも怖くなかったです。
ビビらせる演出で驚くことが1, 2回ありましたが、それくらい。
もっとも、ホラー鳴れしまくっている自分の言うことなので、あまりアテになりませんが。

緊張感も、「死印」の方が強かった気がします。
「死印」は理不尽な死に対する主人公の恐怖感と焦燥感が強かったけれど、「NG」はそのへんが薄味。
連れ去られた妹を救うという目的があったからか、「なんとかしないと・・・」という後ろ向きさよりも「なんとかしてやるっ!」という前向きさを強く感じました。
こう書くと、なんだかホラーゲームの主人公というより、RPGの主人公みたいだな。

登場人物は、今回も個性が強いです。
どの登場人物もアウトロ―で、どちらかと言わずとも闇側の住人。
また、前作よりも登場人物が絞られている分、キャラの深掘りが強化されています。

とはいえ、ややアウトロー過ぎて逆に現実味が失われていたような気もします。
ファンタジーに寄り過ぎて、「いやいや、現実にはないわー」と感じることが多かったです。
もうちょっと地に足の着いたキャラ造形の方が良かったなぁ、と思わなくもないです。
あと、アウトロー故に命が惜しくないという空気感があって、それも怖さが弱かった要因かもしれません。

謎解きについては、前作よりもヒントが多くて助かりました。
そのためか、概ね自力で解決できました。
前作よりは理不尽な謎解きが少なかったです。
まぁ、ほぼノーヒントで危機的状況になって、何度もゲームオーバーを繰り返しながら試行錯誤しても解決手順が見つからず、諦めて攻略サイト見て「あー、そういうことか・・・わからねーよ!(バシッ」という箇所が多少ありましたが。そこはそれ。

心霊ホラーADVの第2弾ということもあり、システム面は前作を概ね踏襲。
探索パートがあるところも、そのままです。
「デッドリーチョイス」が「クライシスチョイス」に名前が変わっていても、機能は同じだったり。
前作をプレイしていると、操作面で困ることはあまりないと思います。
ちょっと手こずったのは、探索パートの移動に向きの要素がなくなったあたりでしょうか。

そういえば、「NG」のUIは、全体的にポップな感じに変わっています。
見やすくなりましたが、それも恐怖感が薄れた要因かも。
ただ、発言者の名前が表示されるようになって、今の台詞が誰のものか分かりやすくなっていたのはGJです。

というわけで。
システム面はプレイしやすく改善されていたものの、シナリオ面では個人的にやや不満の残った本作。
もうちょっとこう、ジメッとした恐怖感のある物語が欲しかったなぁと思いました。
「死印」の追加エピにも出てきた「百鬼夜行」が「NG」にも出てきたところからすると、次回作の構想があるのでしょうか。
ぜひいつか、死印組とNG組の共闘を見てみたいです。前衛の鬼島と後衛の八敷さんって、バランス良いと思うのですよ。

もっとぶっちゃけて言えば、八敷さんの活躍が見たいです(超真剣
シリアスが理想だけど、いっそボケ倒しコメディでもほのぼのドタバタ劇でも良いので、俺に八敷さん成分をくださいマジお願いします。八敷さんのクールな天然ボケに癒されたい。

[GMEV] フィガロ王立吹奏楽団 ~吹奏楽 de ブラボーフィガロ~

4月13日(土)に、FF6の楽曲を吹奏楽で演奏する楽団「フィガロ王立吹奏楽団」(以下、フィガロ吹)の演奏会が開催されたので、行ってきました。
会場は、ドマ城たましんRISURUホール。
14:30に開演し、17:45頃に終演しました。

■FF6オンリープログラムの吹奏楽版
今回の演奏会は、今年1月26日に開催された「フィガロ王立管弦楽団」(以下、フィガロオケ)の吹奏楽版になります。
組織母体が同じでも、片やオーケストラ、片や吹奏楽。
同じ楽曲でもオケと吹奏楽では雰囲気が少し異なり、その対比が面白かったです。
オケは弦楽器の音が管楽器の音を柔らかく包んだような音色だったけれど、吹奏楽は個々の楽器の音が直接自分にぶつかってくるような、そんな感じ。
オケと吹奏楽という似て非なる形で演奏するという楽しみ方は、これまで経験がなかったので、とても新鮮でした。

他にも、フィガロオケとフィガロ吹とでは、プログラムの流れや演出が被っていたり異なっていたり。
そういうところを比べることで、演奏者サイドの想いのようなものも見えてくるようでした。
こういう手法で作品に対する想いを表現する試み、企画側はすごくたいへんだったと思いますが、面白かったです。

ちなみに、FF6の楽曲の全曲演奏ではありませんでした。
自分が気付いた限りでは、「魔列車」と「ジョニー・C・バッド」はなかったような。
フィガロオケは全曲だった覚えがあるので、今回は上手く嵌らなかったのでしょうか。

■演奏そのものを補って余りあるほどの情熱溢れる演奏
演奏自体は、まぁ、率直に言ってしまうと、不安に感じた箇所も結構ありました。
時々音がヒョロったり、テンポがほんのりズレていたり、調和が上手く噛み合わなかったり。
特に序盤は、そういうミスが目立ちました。
まぁ、ミスると目立ったのは、吹奏楽だったからかもしれませんが。

でも、アマチュア楽団であることを考慮すると、かなり上手いと思いました。
序盤はヘロヘロでも、徐々にミスが減って音が揃うようになっていました。

また、揃った時の迫力はすごかったです。
なんかこう、上手く言えないのですが、音が固まってドカンとぶつかってくる圧力というか、「俺のFF6愛を聴け!」と問答無用で捻じ伏せてくる感じというか。
何の抵抗もなく「吹奏楽すげー!」と感動していました。

それよりなにより、音に込められた「FF6超好き」という熱意が半端なかったです。
大好きなFF6の曲だから、少しでも良いものにしたい、という情熱が、奏でられた音からも演奏者さんの姿勢からも、ひしひしと感じられました。
鑑賞者だけでなく演奏者からもひたむきな情熱が感じられる演奏会、本当に良いものです。

■アレンジは、概ね原曲そのまま、時々独自解釈アリ
アレンジの強さは、8割は原曲忠実、2割は独自解釈に基づく編曲、といったバランス。
原曲に忠実だった部分は、あまり違和感なく吹奏楽として楽しめました。
「吹奏楽で演奏するとそうなるのか」と興味深かったところも多かったです。
また、曲からゲームシーンが想起されて、その思い出に浸るのも楽しかったです。

その一方で、今回はある曲に別の曲を織り交ぜるアレンジも、しばしば見られました。
編曲者の意図を考察するのも個人的には好きなので面白いと思うのですが、その反面、今回は違和感を感じることもありました。
織り交ぜられた別の曲に唐突感が否めなくて、スムーズに繋がっていないと感じることが結構ありました。
そこは、ストレートに演奏した方が良かったのでは、と思わないでもなかったです。
まぁ、そこから編曲者の意図やイメージされたものを推察するのも楽しいのですが。

■クリティカルヒット連発の渾身の演出
FF6に対する情熱は、演出面でも多々見られました。
というか、フィガロオケ同様に、今回も演出もりだくさんでした。

まず、演奏者の中にメインキャラのコスプレをされた方が何人かおりました。
クラリネットを吹くカイエンとか、ファゴットを携えたモグとか。
エドガーはトロンボーンで、マッシュはコントラバスだったり。
その時点で、頭の中は「!!?」です。

そのコスプレですが、演奏中にとても良い演出効果となっていました。
演奏中のキャラと所縁の深い楽曲の演奏中に、ゲーム中のシーンを再現するような演出が、あちこちでありました。
中には、ゲームを知らないと意味不明なものや、あまりに細かすぎて伝わり難いものもありました。
自分も全部把握できたかと問われると、正直あんまり自信がありません。
そんな細かいところまで拾い上げてくるくらい、FF6が好きなんだという想いは、とても強く伝わってきました。

特に力を入れていた演出は、やはりオペラ。
フィガロオケでもものすごく力を入れてきた演出でしたが、今回はそこに更に磨きがかかっていました。
まさか、フィガロオケの上を行くとは思っていなかったです。驚きました。

あと、第2部冒頭で、セーブデータのロードの演出は、フィガロオケに引き続きフィガロ吹でもありました。
あ、これ、重要なのね。

ちなみに、フィガロオケであったルート選択は、今回は残念ながらありませんでした。

■演奏以外のアレコレについて
演奏以外で注目した点は、まずパンフレット。
作り込みがすごいです。
フィガロオケのパンフレットもなかなかの力作でしたが、今回も負けず劣らずすごいです。
特に曲紹介。
あっさりでもなくこってりでもない、程良い匙加減でゲームの概要が書かれていて、読み応えがありつつも分かりやすかったです。
開演前にさっと目を通して、うっかり軽く泣きかけました。
始まってもないのに、なんてことだ。。。

あと、場内アナウンスですが、ホール内のざわめきに掻き消されてしまい、ほとんど聞こえなかったのが残念でした。
ちらちら聞こえてきたフレーズからすると、今回もネタ盛り沢山だったと思われるだけに、勿体ないことをしました。
もっとちゃんと聞いて、その場で笑いを共有したかったです。

■感想まとめ
フィガロオケに続いて今回のフィガロ吹と、FF6の楽曲をがっちりしっかり楽しめた演奏会でした。
オケと吹奏楽というアプローチの違いはあれど、どちらもFF6愛に溢れていて、同じFF6好きとしては幸せなひと時でした。
今回の演奏会はFF6発売25周年という節目の記念に企画されたオケと吹奏楽だと思いますが、ぜひ30周年にはまた開催してほしいです。
フィガロオケもフィガロ吹も楽しくて素晴らしい演奏会だったので、心待ちにしております。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと印象に残った曲の感想になります。

[ゲームRev] 死印

ホラーアドベンチャーゲーム「死印」のVita版を、DLCも含めてクリアしました。
プレイ時間は、DLCを除いた本編のみで10時間強、DLC込みで13時間弱。なお、トロコン未達成。
ちなみに、途中から攻略サイトにお世話になりっぱなしの邪道プレイでした。理由は後述します。

「死印」というゲーム自体は、TwitterのフォローさんがよくRTされているので、以前から気になっていた作品でした。
現代日本(正確に言うと、現在より20年程前の日本)が舞台で、怪異を扱った心霊ホラーということで、「流行り神」シリーズ(真ではない方)が大好きな自分のアンテナに引っかかったのでした。
そんなときに、PS Storeの何かのセールでVita版の「死印」が安くなっていたので、ここぞとばかりに購入。
10日ほど前から、並行プレイ中のゲームの合間にちまちまプレイし始めてみたところ、だんだんこちらの方の先が気になるようになってしまい。
気が付いたら、一気にガッとプレイしていました。

ストーリーは、とても自分好みでした。
心霊ホラーなので空気感がすごくジメッとしているし、事件が解決してもシコリのようなものが残って後味すっきりしないのですが、だけどそこが良いです。
「この後、どうなるんだろう・・・」と先の気になる展開も、とても面白かったです。

物語は、身体に刻まれた謎の痣「シルシ」から始まる、章立て編成です。
その「シルシ」を付けた怪異について探り、原因を解決していく物語になります。
怪異を探る過程は非現実的なところが満載だけど、原因となった出来事には現実的なところもあり、胸糞の悪さと物悲しさが混ぜこぜになった背景があります。
たぶん、「流行り神」シリーズが好きな方なら好きになれるのではないかと思います。物語の雰囲気がめちゃくちゃ似てます。

怖さについてですが、自分基準ではほとんど怖さは感じませんでした。
深夜に電気消してプレイしても余裕だったくらいの怖さです。
ただ、ホラー耐性付きまくっている身なので、あんまりアテにしない方が良いです。
グロいシーンが度々あるので、苦手な方は注意が必要です。

ついでに言うと、ややエロいイベントスチルも時々あります。
場合によっては、背後に注意が必要かもしれません。

登場人物は、いずれも一癖以上にクセのある人物ばかり。
そんな登場人物たちですが、出会ったばかりの頃は「うわ、なんだこいつ、ムリ」と感じても、最終的には「良いところもあったな」と憎めなくなりました。
死線を共にするからでしょうか、欠点も多いけれど、それ以上に愛着が湧いてきます。

個人的に一番の推しは、主人公。
淡白で冷静だけど、自分に害を為す怪異に対しても非情になりきれない面に好感。
ホラーゲームの主人公によくある、大体において不憫なところ、苦労してるのにあまり報われないところも高ポイント。
プレイヤーにとって一番長く付き合うことになるし、常に主人公の一人称で語られるから感情移入しやすいこともあって、とにかく主人公推しです。

そういえば、この主人公、探索中にとんでもないところに手を突っ込んだり、とんでもないものをひょいひょいバッグに放り込んだり、意外な豪胆さを見せたりします。
慎重かと思えば大胆だったりして、慣れの問題とか感覚が麻痺してるとか、そういうレベルを天元突破しているような。
いや、そういうことをしないと話が進まないし、そうしないと自分や仲間が死ぬっていう状況だから、わからないでもないですが・・・行動力がすごいです。

主人公以外では、真下が好きです。
どこが良いのかよくわかっていないのですが、なんか好きです。
人を顎で使うような自己中心的なところが目立つけれど、稀に見せる気遣いと熱さと頼もしさとの意外性、でしょうか。
真下もしくは主人公好きは、DLCまでプレイした方が良いです。大門先生好きもDLC楽しめるかも。

システムは、テキストアドベンチャー特有のテキストを読み進めるパートの他に、現場を歩き回って怪異について調査する探索パートがあります。
この探索パート、一見難しそうに見えますが、そうでもなかったです。
探索ポイントが限られているので、総当たりでもほとんどなんとかなります。
あっちで調べて道具をゲットしたら、次はこっちでその道具を使って扉破って・・・と手順を踏まないと先に進めないところもありますが。

一番難しかったのは、「デッドリーチョイス」と言うシステムです。
制限時間内に正しい選択肢を選ばないと、次の選択肢の制限時間が大幅に減らされるか即死、というもの。
どちらかといえば、間違えると即死のパターンの方が多いです。
これが、結構面倒くさい。総当たりすればいずれ突破できるので難しくないのですが、面倒くさい。
話の先が気になって仕方ない時に限って割り込んでくるので、それも面倒くささに拍車をかけています。、
制限時間が設けられていることで緊張感が増しているのですが、ヒントが少なく、あっても分かり難いので、一発で突破するのは至難の技。
序盤のデッドリーチョイスで一撃死食らいまくって心が折れたことが、攻略サイトに頼りっきりになった理由でした。
もうちょっと、ヒントが欲しかったです。

ヒントが少ないと言えば、各章の最後に怪異との対決イベントがあるのですが、それに関するヒントも少ない気がしました。
こっちはデッドリーチョイス以上に難しく、探索パートナーと道具の選択をミスると、いくらやってもクリアできません。
特に探索パートナー選択。もうちょっとヒントが欲しかったです。

とまぁ、システム的な面(特に操作性)に細かい引っ掛かりを感じたものの、ストーリーの面白さで全部水に流せるくらい自分のツボを直撃したゲームでした。
主人公とメリイ(と真下)が怪異の絡む事件を解決する「九条館シリーズ」として正統続編を制作してほしいと願うくらい、好きな作品になりました。
攻略サイトがないとやや難しいけれど、心霊ホラー系のアドベンチャーゲームが好きな方にはオススメです。

今ちらっと調べたら、開発元のエクスペリエンスの新作「NG」に「死印」の主人公が出てくると知って、少しやりたくなってきてます。買ってこようかな。
TwitterのTLに流れてきたRTによると、開発元が「流行り神」とのコラボも望んでいるっぽいので、そちらの実現もお待ちしております。編纂室組の「流行り神」でぜひ。


[2019.05.06 以下加筆]
これより下は、ネタバレを含む章ごとの感想(とほんのり考察)になります。
まだクリアしていない方はご注意ください。