[GMEV] コスモスカイオーケストラ 第7回定期演奏会

ゲーム音楽を中心とした劇伴音楽を専門に演奏するオーケストラ楽団「コスモスカイオーケストラ」の第7回定期演奏会が7月9日(日)に開催されたので、行ってきました。
会場は、さいたま市文化センター 大ホール。
開演は17:00で、終演は19:40頃でした。

■今回のテーマは「こころ」
コスモスカイの単独演奏会に足を運ぶのは、2015年10月のリバイバルコンサート以来になります。
定期演奏会に限れば、2014年12月の第6回以来。
前回の定演から、もう2年半以上経つのですか。つい最近のような気がしていたけれど。時間の流れは速いなぁ。

今回のテーマは「こころ」ということで、心にちなんだセットリスト・・・という感じは、正直なところあまりしませんでした。
コスモスカイの演奏会に足を運ぶのは今回で5回目になるのですが、メジャーどころからマイナーどころまで選曲の幅が広いところはいつも通りというか。
今回のテーマを掲げた上での特別感は、それほど感じませんでした。
パンフレットに掲載された解説を読んで「なるほど」と思うところもあったのですが、演奏を聴いたら解説が吹っ飛んでしまいました。
なんというか、テーマと演奏についてあれこれ推察するのがどうでもよくなるほどの圧倒的な演奏、というか。
むしろ、自分たちの好きな曲を演奏する歓びに満ちた心の叫びが、演奏のあちこちから聞こえてくるようでした。
演奏者の方々やスタッフの方々の心を、曲を媒介にして表現することが、実は真のテーマだったのではないかと思ったくらいです。

■迫力と躍動感のある演奏の数々
演奏は、いつも通りのハイクオリティ。
音が外れたり揺らいだりすることが時々あったけれど、最終的にそれらが霞んで気にならなくなるほどの素晴らしい演奏でした。
その演奏の様を一言で表すなら、「熱い」。
ゲーム音楽(を含む劇伴音楽)に対する情熱、それらを演奏できることの楽しさや歓び、そしてそれらを共有しつつ高見を目指そうという心意気が渾然一体となった熱さを感じました。
どこを切り取っても熱い演奏でした。
この熱さはゲーム音楽好きが揃っているアマチュアの楽団ならではのもので、演奏だけでなく、そのひたむきな熱さにも魅了されたような気がします。

今回の演奏会では、弦楽器が非常に上手いと思いました。
ゲーム音楽は演奏することを前提としていないものも多いため、原曲を忠実に再現しようとすると指の動きが人の限界を突破してしまうことも多いと思います。
そんな中、今回はどの曲でもきちんと運指が追い付けていたところは、心底感心しました。
あまりに速い動きに、なんだかすごい現場に遭遇したような気にもなったほどです。
どれくらい練習したら、あんなに早いパッセージを弾けるようになるのだろうか。

さらに、打楽器隊が揃いも揃ってリズム感良過ぎでした。
「任天堂 春夏秋冬メドレー」の2人のカウベルの連打が、とてもノリ良く音ぴったりだったり。
どの曲か忘れてしまいましたが、2人のドラムが似たようなリズムを刻むところで、音に寸分のズレもなくかっちり一致していたり。
スキルレベルの高いパーカッションが勢揃いで、なんだか凄かったです。
凄過ぎて、凄かったとしか言いようがないくらい、凄かったです。

木管楽器や金管楽器も各々のやるべき演奏を丁寧に果たしていて、演奏に花を添えていたました。
ガッと前面に出てくることは弦楽器に比べると少なかったけれど、主旋律だけが花形ではない、それを支える屋台骨があってこそのオーケストラの調和だ、と言わんばかりの存在感を密かに感じました。
結果、トータルとしては、とても迫力と躍動感のある演奏だったと思います。

■突出して凝っていた第2部
演奏会は全3部構成。
その中でも、第2部はとても手の込んだものになっていました。

まず、第2部限定でコーラスが付いていました。
コーラスは、コール・クリスタル・マナピコピコ―ラスからの賛助参加に有志を加えた今回限りのもの。
即席の団体とは思えないほどハーモニーの豊かなコーラス隊で、コスモスカイオケの演奏に更なる彩りを加えていました。

また、第2部では映像による演出もありました。
ステージ上部の天井付近に投影された映像は、演奏をより効果的に魅せるためのサポート的なものでしたが、どの映像もとても凝ったものでした。
プロの犯行としか思えないほどに美しく、それでいて何か心に訴えかけてくるようなものもあり。
何かを心に刻み込まれたような気がします。

■コスモスカイらしさ全開の編曲
編曲はやや強めな方だったと思います。
原曲重視ではあるけれど、原曲そのままというわけではありません。
今回演奏された全ての曲の原曲を知っているわけではないので、全部が全部そうだとは断定できませんが、知っている曲の多くはかなりアレンジされていました。
時々「あれ、こんな曲だったっけ?」と思うこともありました。

ただ、編曲の意図は納得できるものばかりだったので、特に違和感や不満はありませんでした。
パンフレットに事細かな解説が掲載されていて、そこから意図を汲み取ることができたので、「なるほど、そういう方針でああいうアレンジになったのか」と納得できるものばかり。
また、解説が無くても興味深いという意味で面白い編曲が多くて、聴いていて単純に楽しかったです。
曲に煽られるようにワクワクする気持ちが湧き上がってきました。

メドレー形式の曲が多かったですが、どの曲も基本的に1ループ。
そして、その1ループの中で、ノリの良い曲は徹底的にノリノリに、迫力のある曲は景気よく情熱的に、曲の魅力をギュッと凝縮されたようなアレンジでした。
そのあたりは、コスモスカイらしさ満載だったように思います。

■個人的には非常にありがたかったちょっとした気遣いと、演奏そのものではない部分で気になったこと
演奏から少し離れますが、個人的に非常に有難かった些細なことと、少しだけ気になったことを1点ずつ。

まず有難かった点について。
場内アナウンスで度々「演出の都合上、照明が点滅することがあります」という告知が流れていましたが、これがすごく助かりました。
自分の体質的に光には非常に弱くて、強い光の点滅を目に入れると頭痛と吐き気がするという持病(?)の持ち主なのです。
そのせいもあって、自転車の点滅する前照灯とカメラのフラッシュは滅びればいい、と半ば本気で思っているくらいの光属性ダメージ2倍な闇属性持ちです。
そんな自分にとってあのアナウンスはとても助かりました。
おかげで心構えができて、不意打ちを喰らうことを回避できたように思います。

まぁ、実際にはそれほど強い光ではなかったし、また事前に頭痛薬を服用していたので、大事には至らずに済みましたが。

その一方で、若干気になった点について。
ゲーム音楽の演奏会の認知度が上がって間口が広がったことによる負の影響でしょうか、演奏中に盛大に物音を立てる方が周囲に何人もいたのが少々気になりました。
自分の周囲だけだったのかもしれませんが、演奏中にも関わらずカバンを開閉する金属音が何度も聞こえたり、盛大な鼻息が何度も聞こえたりと、他の演奏会に比べて雑音が妙に多かったような。
多少の身じろぎや、くしゃみなどの生理現象は仕方ないですが、そうでない音は極力控えてほしいと思います。
演奏会の主役は音であり、それを楽しみに来ているので。
最低でも、演奏中の私語は本気でやめてほしいです。意外と聞こえるんですよ、雑音として。

■感想まとめ
とまぁ、演奏以外の点で若干のケチが付いてしまいましたが、演奏自体はとても素晴らしいものでした。
丁寧で確かな演奏技術力に加えて、壮大で迫力がある表現力と編曲、さらにステージ上から迸る情熱に圧倒されて、最初から最後まで魅了されっぱなし、引き込まれっぱなしでした。
無料のコンサートとは思えないほど、満足した演奏会でした。
次回の演奏会がいつになるかわかりませんが、ぜひ都合が付けば積極的に行きたいです。


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。


セットリストは次の通りです。

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※プレコンは、曲目がわかりませんでした。
※[2017.07.16追記] セットリスト(プレコン、アンコール、お見送り曲を含む)が特設サイトにて公開されました。詳細はそちらをご覧ください。

Ex01. FINAL FANTASY Vより「ピアノのおけいこ1」「ピアノのおけいこ2」

[第1部]
1-01. MONSTER HUNTERより「英雄の証」
1-02. FINAL FANTASY VIIより「FFVIIキャラクターテーマメドレー」
F.F.VIIメインテーマ/ティファのテーマ/バレットのテーマ/シドのテーマ/ケット・シーのテーマ/忍びの末裔/タークスのテーマ/レッドXIIIのテーマ/悪夢の始まり/エアリスのテーマ
1-03. 任天堂 春夏秋冬メドレー
新・光神話 パルテナの鏡より「パルテナの再臨」
ヨッシーアイランドより「アスレチック」「おはなばたけ w/ 中ボス」「ゴール&スコア」
星のカービィより「夢の泉」「デデデ大王のテーマ」「vs.マルク」「グリーングリーンズ」
ゼルダの伝説 時のオカリナより「タイトル」「デクの樹のテーマ」「ガノンドロフのテーマ」「ゲルドの谷」「ゼルダの子守歌」「ハイラル平原」「ゼルダの伝説メインテーマ」


Ex02. FINAL FANTASY Vより「ピアノのおけいこ3」「ピアノのおけいこ4」

[第2部]
2-01. The Elder Scrolls V:Skyrimより「Dragonborn」
2-02. beatmania IIDX 12 HAPPY SKYより「Xepher」
2-03. TIME TRAVELERS : Cosmosky
beatmania IIDX 14 GOLDより「GOLD RUSH」
ドラマ「流星の絆」より「獅子座流星群」
映画「FINAL FANTASY XV KINGSGLAIVE」より「Somnus」
映画「レッドクリフ」より「The Battle of Red Cliff」
映画「ウォーターボーイズ」より「シンクロBOM-MA-YE」
ドラマ「真田丸」より「真田丸メインテーマ」
映画「ALWAYS三丁目の夕日」より「ALWAYS三丁目の夕日 Opening Title」
映画「Blade of Glory」より「Don't Wanna Miss a Thing」
舞台「リバーダンス」より「Riverdance」


Ex03. FINAL FANTASY Vより「ピアノのおけいこ5」「ピアノのおけいこ6」
(祝電披露)
Ex04. FINAL FANTASY Vより「ピアノのおけいこ7」「ピアノのおけいこ8」

[第3部]
3-01. FINAL FANTASY VよりSymphonic Poem -Four Hearts-(交響詩「4つの心」)
【風の楽章(探求)】
ファイナルファンタジーVメインテーマ/大いなる翼を広げ/新しき世界/未知なる大地/バトル1
【水の楽章(いたわり)】
レナのテーマ/街のテーマ/いつの日かきっと/はるかなる故郷/古代図書館
【火の楽章(勇気)】
バトル2/ビッグブリッヂの死闘
【土の楽章(希望)】
決戦/最後の戦い


[アンコール]
E-01. FINAL FANTASY Vより「静寂の彼方」「ファイナルファンタジー」
E-02. マリオメドレー
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これより下は、印象に残ったゲームタイトルごとの感想になります。

1-01. MONSTER HUNTERより「英雄の証」
演奏された譜面は公式のものだと思います。
あちこちの演奏会で何度も聴いたことのある、耳馴染みのものです。
ただし、良曲は何度聴いても良曲なので、飽きることはあまりありません。
今回も、その勇ましく力強い原曲の空気感はそのままで、さらに生演奏ならではの躍動感をもって演奏されていました。
この躍動感こそ、CD音源ではなかなか得られなくて、生演奏ならではの醍醐味だと思います。

本編最初の曲ということもあり、イントロこそ盛大に音を外していて若干ハラハラさせられたりもしましたが、それ以降は音が安定。
特にサビで、ここぞとばかりに高らかに鳴り響く金管楽器(主にトランペットとトロンボーン)が格好良かったです。
あの全身にぶつかってくるような音の圧力は、生演奏だからこそのものたまりません。
また、弦楽器も負けていなくて、中盤の夜を思わせる落ち着いた箇所の伸びやかな音色が気持ち良かったです。

1-02. FINAL FANTASY VIIより「FFVIIキャラクターテーマメドレー」
FF7の楽曲の演奏はあちこちで聴く機会が多数あったけれど、キャラクターに主眼を置いたメドレーは初めてかもしれません。
それだけに、面白い試みだと思いました。
「エアリスのテーマ」はもはや両手の指だけでは数えきれないくらいに数多の演奏会で何度も聴いたメジャーな楽曲だし、「ティファのテーマ」や「レッドXIIIのテーマ」も時々演奏されることがあったように思います。
その一方で、「バレットのテーマ」「ケット・シーのテーマ」は滅多に演奏されないので、かなりレアなものを聴いた気分です。
というか、この2曲は本当に久しぶりに耳にしました。
そういえば、こんな曲もあったなぁ、としみじみしながら鑑賞しました。

FF7における2大おっさんキャラである「バレットのテーマ」と「シドのテーマ」が、今回のメドレーでは続けて演奏されたのですが、その対比が面白かったです。
「バレットのテーマ」は低音の響く重量級のどっしりとした感じ、その一方で「シドのテーマ」は年相応の重さに加えて渋みと若干の清々しさの感じられるものになっていました。
同じ30代キャラだけど、キャラによって生き様の違いが演奏にも表れていました。

「ケット・シーのテーマ」の前か後かちょっとド忘れしてますが、確か「タークスのテーマ」がしれっと入っていたと思います。
ゲームを知っている人ならばわかるネタで、なるほどと思って内心ニヤリとしました。
これは上手い仕込みでした。

「ケット・シーのテーマ」では、手の空いている演奏者総出で指パッチンを入れるというシーンがありましたが、大勢で一斉にやると意外と大きく音が響いて驚きました。
しかも、音が一糸乱れることがなくて、ほぼ完璧。
一人ではとても小さい音でも、大勢でやるとこんなにも見事な音のアクセントになるのだな、と感心しました。

2-01. The Elder Scrolls V:Skyrimより「Dragonborn」
今回の演奏会で、一番印象に残った曲でした。
印象に残ったというか、心に爪痕を残されたというか。
それくらい衝撃的に格好良い演奏でした。なにこれめっちゃ格好良い。

ゲームは全くと言っていいほど知りません。
確か洋ゲーで、なんかアクションぽくなかったっけ?という程度の知識しかありません。
そのため、今回の演奏会で初めて曲を聴いたのですが、ものすごく自分の好みド直球でした。
本当に演奏が素晴らしくて、曲が終わってから次の曲が始まるまでの間、放心状態になりました。

重く勇壮で、かつ畏敬の念すら感じるほどの演奏。
半端ない重厚感が重く静かに牙をむき出しにして襲い掛かってくるような、そんな圧倒的な威圧感がありました
腹の底に響くような重低音が、とにかく格好良かったです。
楽器の低音部隊はもちろんのこと、男声コーラスも素晴らしかったです。
演奏を聴きながら、「高く切り立った山の頂から下界を見下ろす孤高の竜」が容易に想像できました。
色で言うなら、黒とか灰色とか、そんなシックな感じです。

これは本当に良い演奏でした。
あまりに格好良かったので、ゲームをプレイするかどうかよりも、原曲が気になりました。
この「Dragonborn」目当てに、OSTを衝動買いしてしまいそうです。

2-02. beatmania IIDX 12 HAPPY SKYより「Xepher」
コスモスカイ恒例のBEMANI枠。
いつもBEMANIからの選曲、ありがとうございます。

それにしても、よりにもよって「Xepher」を選ぶとか、無茶ぶりにも程ってものがあるでしょうに。
選曲された方の正気を疑いたくなるようなレベルじゃないですか。本気ですか?
・・・と、演奏が始まるまでは思っていました。

いざ演奏が始まってみたら、これが想像を遥かに超えたレベルで形になっていて、心底驚きました。
良い意味で、裏切られた気持ちです。
まさか、ここまでちゃんと演奏しきるとは。
これ、人の手で演奏できる曲だったのか。
さすがコスモスカイ、恐るべし。

原曲とほぼ同じテンポで演奏していたので、指の動きがなんだかとんでもないことになっていました。
特に弦楽器。あり得ないことになっていて、すごいものを目の当たりにしました。
その動きから「空中分解なんてさせない! 絶対に形にしてみせるっ!」という気合と情熱のようなものを感じました。

ひたすら音の連打が続く曲のため、その分音量が他の曲に比べて弱くなっていたけれど、そこは仕方ありません。
「Xepher」を生で演奏しきった点だけで、もう手放しで褒め称えたいです。

2-03. TIME TRAVELERS : Cosmosky
コスモスカイ恒例の映画・ドラマ枠。
MCの「『こころ』と言って真っ先に思い浮かぶもの・・・そう、金だぁっ!!」からの「GOLD RUSH」で欲望をまき散らした挙句、心のクリスタルが破壊。
それにより飛び散ったクリスタルの欠片を探すために、古今東西あらゆる物語の舞台を駆け巡る、というストーリー仕立てでした。

「GOLD RUSH」は、素晴らしいほどに欲望ダダ漏れな演奏でした(褒めてます)。
煌びやかで華やかで力強い勢いは原曲以上。
この押しの強さは、クリスタルが壊れても仕方ないですね。うん。

なお「GOLD RUSH」中盤の、原曲ではIIDXのサブタイトルを読み上げる部分は、コスモスカイの過去の演奏会名が読み上げられていました。
これが上手い具合にハマっていて、見事な演出だったと思います。

普段、映画もTVもあまり見ないので、今回この枠で演奏された曲はほぼ知らないものでした。
が、中には「この曲良いな」と感じたものもありました。
特に印象に残ったのは、最後の「Riverdance」。
冒頭のコーラスのハーモニーも、中盤からの怒涛のオリエンタルな演奏も、すごく自分の好みでした。
こういう雰囲気の曲、大好物です。
変拍子の多い難しそうな曲でしたが、見事な演奏でした。

このメドレーでは、非常にクオリティの高い映像も時々差し込まれていました。
クリスタルの滑らかな煌きとか、東京タワーと流れる雲の映像とか、あまりに素晴らしい映像で、正直プロの犯行としか思えませんでした。
ちなみに、東京タワーの映像を見ながらずっと頭の中を駆け回っていたのは、DoDの新宿エンドでした。なんでだ俺。

Ex. FINAL FANTASY Vより「ピアノのおけいこ」1~8
第1部の直前から第3部の直前にかけて、全4回に分けて演奏されていた「ピアノのおけいこ」。
全8本、全部やってくれたことが、何気に嬉しかったです。
しかも、再現度が激高。
1~4のメトロノームの演出から、5の最後の和音の乱れまで、完全に再現されていました。
ちなみに、4のメトロノームの演出が個人的には大好きで、それが生で聴けて満足でした。
それと、5で演奏者と一緒に登壇したメトロノーム隊が演奏者に手で追い払われていたところも結構ツボで、大笑いしてしまいました。

それにしても、7(トルコ行進曲)と8(アラベスク)がかなりガチな演奏だったのも印象的でした。
特に8は、すごく情緒豊かな演奏で、その先まで聴いてみたかったくらい。
たったの2時間で、すさまじい進化を目の当たりにしました。

FF5のOSTを収録曲順に聴くと、一番最後に再生されるのは「ピアノのおけいこ8」です。
FF5のOSTを最もよく聴いていた時の媒体がカセットテープという世代で「シャッフル再生、なにそれおいしいの?」状態だったため、自然とOST収録順に連続再生で聴くことが多かったことから、今回の演奏会でも「ピアノのおけいこ8」が演奏された時点で「あ、OST最後までいった」みたいな印象を持ちました。
が、OST最初の曲であり、第3部の1曲目でもある「FF5メインテーマ」が間もなく始まって、まるでOSTを連続再生しているような気分にもなりました。
そこまで狙って、この曲順にしたのでしょうか。

3-01. FINAL FANTASY VよりSymphonic Poem -Four Hearts-
今回の演奏会のメインディッシュであるFF5。
全4章仕立て、とパンフレットには書いてありましたが、章と章の間に区切りはなくて、全曲ほぼぶっ通しで演奏されました。

【風の楽章(探求)】
フィールド曲メドレー。
第1世界だけでなく、第2世界の「未知なる大地」や第3世界の「新しき世界」まで演奏してくれて、感謝しかありません。
「メインテーマ」もしくは「4つの心」は問答無用の名曲なので演奏される機会が多いのですが、同じフィールド曲でも「未知なる大地」と「新しき世界」はなかなか演奏を耳にする機会がなかったので、それだけで嬉しかったです。

「メインテーマ」はとても伸びやかで広がりのある演奏で、たまりませんでした。
演奏を聴いているだけで、自分の五感がホールよりも大きく拡張されていく感じがしました。
なんでしょうか、あの広がりは。すごく気持ち良かったです。

【水の楽章(いたわり)】
「いたわり」というだけあって、穏やかな大人しい曲のメドレー。
今にして思えば、嵐の前の静けさとも言える楽章だったかと。

ノスタルジックな空気感たっぷりの「はるかなる故郷」と、どことなく黴臭くミステリアスな「古代図書館」の演奏が印象的な楽章でした。
どちらも好きな曲なだけに、生演奏を聴けたのがうれしかったです。

【火の楽章(勇気)】
激しく熱いバトル曲2連続。

「バトル2」はずしんとした重量級の迫力と熱意を感じました。
「火の楽章」に相応しく、まさに燃え盛る炎のようなたぎる演奏。
聴いているだけで、身体の奥が熱くなるようでした。

それに続いて演奏されたのは、言わずと知れた有名曲「ビッグブリッヂの死闘」。
疾走感の感じられる、熱さもありつつ清々しさも感じられるバトル曲でした。
「火」を表現するためか、照明は赤色だったけれど、この「ビッグブリッヂの死闘」の音色は青っぽかったです。
でも、すこぶる格好良い演奏でした。

【土の楽章(希望)】
「火の楽章」に続いて、またもやバトル曲2連続。
それも、ラストバトル曲です。
演奏中「やめて、演奏者のHPはもう0よっ!」と何度思ったことか。
そんな難曲に挫けることなく果敢に挑んだ演奏者の方々には、本当に敬意を表したいです。
よく演奏しきったなぁ、すごかったです。

欲を言えば、本編の中でエンディングまで演奏しきって欲しかったなぁ、とも思いました。
一応アンコールでエンディング曲が演奏されたけれど、「親愛なる友へ」や「エンドタイトル」も含むような5つ目の楽章を設けて欲しかったです。
さしずめ「光の楽章」とか「心の楽章」とか「命の楽章」とか、そんな感じのエンディング曲メドレー。
ラストバトルで大いに盛り上がって本編終了も悪くはなかったですが、なんとなく消化不良な印象が残りました。
演奏自体はとても熱く素晴らしいものだっただけに、そこだけが心残り。

「決戦」と「最後の戦い」の間に差し込まれた「無」の演出は、面白い試みでした。
まるで弾いているように見えるけれど、音が出ていない「無音」で表現するとは。
これはアイディア勝ちというか、とても上手い演出でした。

ただ、タイミング的にはやっぱりエンディング曲の前にその演出が欲しかったと思いました。
巻き込まれた「無」の状態から、少しずつ静かに「静寂の彼方」が聴こえてきて帰還するような、そんな演出。
そういう意味でも、5番目の楽章が欲しかったです。
尺の都合とか体力的な問題とか裏事情もありそうですが、次もし演奏する機会があったら、そんな展開いかがでしょうか。

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