[GMEV] GAME SYMPHONY JAPAN PREMIUM CONCERT vol.7 ~ワイルドアームズ~

3月4日(日)に、GAME SYMPHONY JAPAN(以下、GSJ)主催の「GAME SYMPHONY JAPAN PREMIUM CONCERT」と題した3つのコンサートが開催されました。
そのうち、ワイルドアームズ(以下、WA)メインのコンサート(vol.7)に行ってきたので、そのコンサートの感想をさらりと書き記します。
会場は、日本橋三越の中にある三越劇場。
12:00に開演し、13:30頃に終演しました。
ちなみにお土産は、シリーズ作品の主人公が描かれた特性ミニ色紙でした。アシュレーが超格好良い。

■SIE作品の3つのゲームに焦点をあてた3つのコンサート
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のJAPAN Studio(Jスタ)が制作したゲーム3作品それぞれに焦点を当てた3つのコンサートが、1日で開催されました。

ワイルドアームズ
アークザラッド I&II
勇者のくせになまいきだ。

3つのコンサートを立て続けに開催するからといって、一つ一つのミニコンサートというわけではなく。
各公演、全て休憩なしの約90分という、結構がっつりとしたコンサートだった模様。

正直、最初にこの話を知ったときは、正気の沙汰とは思えませんでした。
「え、同じ譜面で3公演するんじゃなくて3公演それぞれ別の譜面なの?なにそれ奏者に死ねって言ってるの?」と思ったほどです。
同じ譜面で1日2公演というのは、まぁよくある話。
異なる譜面だけど1日2公演というのも、時々見かけます。
ただ、全公演異なる譜面で1日3公演というのは、自分は聞いたことがありません。
体力の限界にチャレンジ的な超過密スケジュールで、奏者が反乱を起こしてもおかしくない、むしろ起こしても良いレベル、と心配にすらなりました。

とはいえ、蓋を開けてみたら、演奏を担当する東京室内管弦楽団のフルメンバーがステージに乗っていたわけではなさそうで。
三越劇場のステージがそれほど大きくないので、各公演ごとにメンバーを振り分けて、負荷分散していたのではないかと。
確かに、それなら可能かもしれない、頭良いな、と感心しました。
3公演をまとめて開催することで運営コストを削減できそうだし、日本橋三越とのコラボもやりやすくなりそうだし。
最も負担が大きいのは、GSJのプロデューサーにして指揮者(つまり、3公演出ずっぱり)の志村健一氏でしょうが、どちらかと言えば企画側(言い出しっぺ)の一人と思われるので、まぁ、そこは責任取ってもらいましょう、ということで。

■最初から最後までがっつりWA三昧
そんな3公演連続コンサートのトップバッターを飾ったのは、昨年20周年だったWAでした。
今回の演奏会ではWA(無印)の曲のみが演奏されました。
他のナンバリングタイトル、リメイク作品の曲はありません。
オール・初代WAでした。

自分は、WAシリーズはAltercode:F(AF)から入って、AF→3→2とプレイした身で、実は無印は未プレイだったりします。
AFは無印のリメイクと聞いていたので、じゃーAFやったしいいか、と思って。
ただ、OST(WILD ARMS Complete Tracksの方)は一通り聴いています。

無印リメイクのAFをプレイしたのはもう随分前のことで、シナリオとかかなりの部分を忘れてしまっています。
ただ、曲がすごく好きで、今でも時々AFだけでなく無印を含む他のWAシリーズ作のOSTを引っ張り出して聴くことがあります。
「荒野の果てへ」は、解説不要の名曲だと思っています。

そんなわけで、ほぼ「荒野の果てへ」聴きたさに、今回のコンサートのチケットをゲットしました。
WA無印に関してはニワカだし、コンサートについていけるかかなり不安もありつつ、1週間ほど前にチケットが完売したと知ってビビりながらの参加でしたが、行って正解でした。
すごく感動的な、とても良い演奏会でした。

■作曲者なるけみちこ氏完全監修のこだわりの曲
演奏された曲は、全部で53曲。
「WILD ARMS Complete Tracks」に収録されている曲数が79曲なので、今回の演奏会では約3分の2が演奏されたことになります。
90分の演奏会の中に53曲(+ミニトークショー)詰め込まれたので、1曲あたりの演奏時間は1分30秒ほど。
そのため、すごい勢いで曲が移り変わっていきました。
特に第一章は1ループだけで終わる曲も多く、あっという間に次の曲へと移っていきました。

ただ、短いながらも1曲1曲の練り込まれ方がすごかったです。
原曲を綺麗にオーケストラに落とし込みつつ、それでいて曲として成立するような感じというか。
原曲を知っていても違和感なく鑑賞できて、ゲームの内容があまり記憶に残っていなくても引き込まれる、そんな感じです。
OP曲の「荒野の果てへ」だけでなく他の曲も、しっくりとハマる感じの曲ばかりでした。

それと、どの曲もとても熱い演奏でした。
特に、クライマックス~エンディングを描いている第三章が、すごく熱かったです。
なるけさんがギリギリまでこだわり抜いた、というのが音から見えてくるくらいに魂のこもった熱い演奏には、激しく心を揺さぶられました。
本当に良い演奏でした。ぜひ再演を希望します。

■どうでもいいかもしれない会場の話
ものすごく熱い演奏だったのですが、気になった点が一つ。
スピーカーを通していたのが、なんだか残念でした。
第三章はとてつもない熱気であまり気にならなかったのですが、第一章と第二章はなんとなくCDで聴いているような感じが否めなかったです。
なんというか、音の深みが足りないというか、なんか物足りないというか。
せっかくの生音なのに、スピーカー通したら勿体ないじゃん、と思うことがしばしばありました。

とはいえ、ステージの大きさと編成、ホールの音響による事情もあったのだと推察します。
三越劇場は音楽ホールというよりは多目的ホールという感じで、構造的にあまり音の響きが良くなさそうで。
重要文化財になるほど古いということは、音響設備に最新技術が取り入れられていない時代遅れということだと思うし。
さらに、ステージが狭いから弦楽器の台数が限られて圧倒的に力不足というのも透けて見えるし。
スピーカーを使わざるを得ないのも、まぁ仕方ないかな、という思いもします。

あと、座席が堅くて、90分座りっぱなしがちょっと辛かったです。

なので、再演の際にはもう少し大きなコンサートホールで開催してほしいです。
WAならいけると思います。

■印象に残ったかなり細かいこと
演奏を鑑賞している間、すごく印象に残ったのが、コントラバスのお二人。
手前の若い男性がめっちゃノリノリの熱い演奏をされている隣で、年長者らしい男性がクールに決めていたのが、対照的で面白かったです。
同じコントラバス奏者でもこんなに違うのかと、興味深くありました。
ひょっとして、手前の男性はWA好きかゲーム音楽好きなのでしょうか。
軽快な曲をすごくノリノリで弾かれていて、見ているこちらも楽しくなりました。

それと、WAでは欠かせない口笛。
「口笛すげぇぇぇぇ!!」しか出てこないくらいすごかったです。
口笛であんなに情感豊かな音色出せるの、すごくない? すごいよね!?
口笛の響きにロマンが感じられて、本当に素晴らしかったです。

あと、コンマスさんのヴァイオリンも良かったです。
どの曲だったか忘れてしまったのですが、耳に突き刺さるようなインパクトのあるヴァイオリンソロが、すごく格好良くて印象的で。
格好良くて気持ち良くて、とても良い響きでした。

■トークについて
第二章と第三章の間に開催されたミニトークショーでは、作曲者のなるけみちこ氏、WAシリーズプロデューサーの木村健太郎氏、WA開発会社メディア・ビジョンの福島氏が登壇。
トークの中で最も印象的だったのは、なるけさんの原作ゲームへの敬意でした。
無印発売から20年以上が経過し、当時の開発キーマンが様々な事情によりいなくなってしまい、今ではなるけさんだけ。
また、WA無印をやり込んでいる原作ゲームファンの方々の期待が大きかったことも重責になり。
そのため、今回のコンサートではオリジナルに極力沿うように、オリジナルを損なわないように、かなり気を使われていたようでした。
その気遣いは、今回のコンサートで十分に報われていたと思います。
少なくとも、自分はすごく楽しかったです。
コンサートに行くかどうしようか迷っていたけれど、行くと決めてチケットゲットして良かったと思ったほどに。

それと、木村さんのデバッグ話は、IT技術者の端くれとして面白い思い出話でした。
というか、途中からデバッグに参加して、残り5分というタイムリミットで致命的なバグを検出したって、謝るどころか褒められて良いところだと思うのですが。
そのまま流出していたらもっと大事になっていたでしょうから。
PS時代のゲームは、最近のゲームみたいにネット経由でパッチをあてることもできないから、致命的なバグ=クソゲー呼ばわりされていたかもしれないし。
木村さんは「すみません」って仰っていましたが、謝るところではないと思いました。もっと胸張っていいのでは。

他にも、今回のコンサートの選曲と曲順リストをGSJで作成してなるけさんに確認したら全面書き換えになったとか、スマホ版WAの続報(らしき続報はなく、鋭意制作中という話ぐらい)とか、様々なトークが披露されました。
ただ、なるけさんの今回のコンサートへの思い入れの強さが、とにもかくにも印象的でした。

■同時開催のコラボカフェ+物販について
会場の1階上のフロアにある「はじまりのカフェ」では、今回の3つのコンサートにちなんだコラボカフェが開催されていました。
自分は10時40分頃に着いたときには、既に長蛇の列ができていました。
あまりに長くて開演時間までに間に合う気がしなかったので、そのまま退散。
近くでパネル展示もあったので、そっちを見学していました。

ちなみに、パネルを見学していたところ、スタッフさんが近くの空いているスペースにテーブルと椅子を持ってきて、カフェスペースを拡充させていました。
その後、開場待機列も長く伸びて、近くのテナントの店員さんと会場スタッフさん(らしき方)が「すごいことになってるねぇ・・・」「ええ・・・」みたいな会話を交わされていたので、どうやらこの混雑は予想外だった模様。
待機列の整理が慣れていない感じもしたし、ひょっとしたら日本橋三越史上前代未聞の事態だったのかも。

ただし、コラボカフェの方は「ときめきレストラン」と併催だったので、そちらを目当てに訪れていた方もいたと思います。
そのため、一層混雑していたのかも。

カフェと同じく物販の方もかなり混雑していました。
レジ待ちの列が長くなり、特にコンサート後は階段の方まで伸びていました。
色々と、良い意味で予想外の盛況だったようです。

■感想まとめ
ファン待望のWA(無印)オンリーのオーケストラコンサートが遂に開催されましたが、とても熱くて素晴らしい演奏会でした。
「荒野の果てへ」が目当てでしたが、それ以外の曲もとても良い演奏で、たいへん満足しました。
WAニワカな自分ですら胸が熱くなるような演奏だったので、コアなファンにはもっとグッと心にくるものがあったのではないかと思います。

なるけさんの言葉にもあったように、今回はあくまで初演です。
とても良い演奏会だったので、ぜひ再演してください。お願いします。
また、2ndや3rdの曲もオーケストラで聴きたいので、そちらもぜひ開催してほしいです。


これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。


セットリストは次の通りです。
-----
交響組曲「ワイルドアームズ」

[第一章]
・荒野の果てへ
・WILD ARMS
・希望
・荒野の渡り鳥
・冷たい闇(ダンジョン)
・クリティカル・ヒット!
・Win!
・Battle M-BOSS
・世界にひとりぼっち
・勇気(ダンジョン)
・一攫千金!
・驚愕
・修道院
・迷いの路
・街
・アーデルハイド城
・宿屋
・古代文明博覧会
・悲鳴を上げる世界
・破壊と喧騒のあとに
・Power fighter
・哀しみ断ち切って
・葬列

[第二章]
・渡り鳥の集う水辺
・世界を支える力
・エルゥの村
・キシュムの炎
・緊張の一瞬(レディハーケンのテーマ)
・海上の偽装結婚式
・あれれ?(ゼットのテーマ)
・探し物は長閑な海辺に
・荒波を越えて(バーソロミューのテーマ)
・子供だなんて思ったらお嬢様?!(ジェーンのテーマ)
・ナイトクォーターズ
・暗黒の聖母
・滅びの讃歌
・孤高の世界
・あいのきせき
・ロディの仲間たち
・空を駆る鳥(エマのテーマ)
・走れ亜精霊

(スペシャルトーク)

[第三章]
・天を突く魔塔
・Battle MOTHER
・星の海へ
・Battle ZEIK
・灰燼に帰す
・アースガルズは頑張ったもんね
・ここからはじまるプロローグ
・旅立ちの唄
・姫巫女の想い
・荒野の果てへ~新たなる旅路へ~
・戦鬼
・青空に誓って
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これより下は、印象に残った曲ごとの感想になります。

・荒野の果てへ
1曲目で早々に本日のノルマを達成しましたありがとうございました!
とにかく口笛の響きがたまりませんでした。
深く遠くに響く口笛が、原曲通りに渡り鳥たちの物語の始まりを予感させてくれて、素晴らしかったです。
これまで自分が生演奏で聴いたことのある「荒野の果てへ」の中では、一気にトップに並んだ気がしました。
それくらい、とても良い「荒野の果てへ」でした。

・冷たい闇(ダンジョン)
・クリティカル・ヒット!
・Win!
・Battle M-BOSS

他の曲は1曲1曲区切るように演奏されることが多かったのですが、この4曲は1ループずつ一気に演奏。
ダンジョン→戦闘→勝利という流れがとても綺麗に繋がっていたのが印象的でした。
しかも、「Battle M-BOSS」も浮くことなく、上手く繋がっていて。
鮮やかなメドレーになっていて、「編曲GJ!」と心の中で称賛していました。

・街
密かに楽しみにしていた曲でした。
原曲と同じように軽快でノリノリな演奏で、とても良かったです。
あまりにノリノリだったので、思わず身体が揺れてしまうのを懸命に抑え込んでいたくらい。
軽快なパーカッションのリズムが、すこぶる気持ち良かったです。
欲を言えば、1ループではなく2ループ演奏してほしかったです。
こんなに良曲なのに、1ループだけじゃもったいないです。

・渡り鳥の集う水辺
軽快なコントラバスとパーカッションの刻みの上で、伸び伸びと揺蕩うフルートの調べが、とても心地良かったです。
原曲でも「この曲好きかも」と感じていましたが、今ならきっぱりと「この曲好きだ」と言えます。
それくらい、お気に入りの1曲になりました。

・あれれ?(ゼットのテーマ)
必〇仕事人のテーマようなイントロから始まる和風な原曲が、そのままオーケストラで再現されました。
正直、ここまで原曲に寄せてくるとは思いませんでしたが、原曲に近付けたことでより一層インパクトのある曲になっていたと思います。
インパクトなら、今回演奏された曲の中でも随一です。
ミニトークショーでメディア・ビジョンの福島氏が触れられていたのも肯けるくらい、強烈にインパクトのある曲でした。

・天を突く魔塔
今回の演奏では、パーカッションとコーラスのみで再現。
「ゼットのテーマ」と同様に、今回のコンサートでは異彩を放っていた演奏でした。
しかし、これはこれですごく迫力があって、聴き応え満点。
この曲、こんなにインパクトのある曲だったっけ? と思いながらも、その格好良さにシビれました。
本当にコーラスの方々がとても良い仕事をされていて、すごく良かったです。

・灰燼に帰す
・アースガルズは頑張ったもんね

妖しさ満載なコーラスによる「灰燼に帰す」から、間を置かずにしっとりした「アースガルズは頑張ったもんね」に移行。
この「アースガルズは頑張ったもんね」が始まった途端、ブワッと涙が溢れてきました。
ゲームのシナリオは薄っすらと覚えている程度だったけれど、わずかな記憶にこの2曲がガツンと刺激を与えたのか、自然と泣けてきました。
この展開は、本当にヤバい。涙腺直撃でした。

その衝撃が強かったためか、帰宅後に原曲を聴き直したら、演奏を鑑賞していたときと同じように涙が出てきました。
この2曲を聴いたら、条件反射的に泣きそうです。

・姫巫女の想い
すごいドラマティックな演奏で、凄まじい感動に包まれた曲でした。
半端ない達成感とハッピーエンド感に、これからの冒険を予感させるような力強さ、どこを切り取っても感動の坩堝。
もはや感動しかありませんでした。
短い曲なのに、実際の演奏時間よりももっとずっと長く感じたくらいに、一音一音の力がすごかったです。
奏者が一丸となったときの音の圧力がすごかったし、そのときの感動もすごく強かったです。
なにこれすごい。本当にすごかった。

・青空に誓って
何と言っても、渡辺真知子さんのパワフルなボーカルが格好良かったの一言に尽きます。
OSTで曲は何度も聴いていたけれど、やはり生ボーカルは一味違いました。
ただ上手なだけでなく、力強くてグイグイ引っ張っていく力がすごくて。
聴き終わったときのすっきり感が凄まじかったです。
あの会場に居合わせられたことがとても幸せでした。

もう一度感動を味わいたいので、再演をぜひともよろしくお願いします。

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