[GMEV] Game Addict's Music Ensemble RPG Concert

8月18日(土)に、ゲーム音楽を専門に演奏するアマチュア吹奏楽団「Game Addict's Music Ensemble」(以下、GAMEバンド)の演奏会「RPG Concert トレジャーアドベンチャー」が開催されたので、行ってきました。
会場は、ルネこだいら 大ホール。
13:30に開演し、15:30頃に終演しました。

■コンサートとスマホの融合という新しい試み
GAMEバンドの演奏会には、回数なんてもはや覚えていないレベルで足を運んでいます。
自分が初めてアマチュアのゲーム音楽専門楽団の存在を知ったキッカケの楽団であり、いろんな意味でカルチャーショックを受けた楽団でもあるので、その分思い入れが強いです。
えぇ、いろんな意味で(大事なことなのでry

そんなGAMEバンドの演奏会は、他の楽団にはないような新しい挑戦を積極的に取り入れる傾向があります。
演奏者が全員コスプレして登場するのは当たり前(今回は第2部のみ)。
演劇(結構しっかりした推理モノ)が展開されたり、アイドル(女装)のライブが始まったりと、過去に数々のユニークな試みがありました。
うん、本当にいろいろありました。今思い返すと懐かしいものから、思い出してはいけないものまで、本当にいろいろと。

そして、今回の試みは「スマホの活用」。
スマホでWebアプリ(ゲーム)を進めつつ、その進行に合わせて演奏を楽しむ、という試みです。
そのため、今回の演奏会は、スマホ片手に鑑賞するという前代未聞のスタイルになりました。

これまで、GAMEバンドに限らずいくつものゲーム音楽の演奏会へ行ってきましたが、演奏開始時に「冒険に参加される方は、スマホでゲーム画面を開いてください」みたいなことを言われたのは初めてです。
スマホの電源をお切りください、ではなく、スマホでゲーム画面を開いてください、です。
撮影・録音や音による周りへの迷惑を防止するためにスマホの利用を固く禁ずる演奏会は星の数ほどあれど、その真逆を行くスマホ使用推奨は、とても斬新でした。
営利が目的ではないアマチュア楽団ならではの試みというか、だからこそできた挑戦というか。
その挑戦的な姿勢、とても好感が持てます。いいぞもっとやれ。

■演奏と寸劇とスマホ操作のサンドイッチ
今回の演奏会は、全体を通してストーリー仕立てです。
話の展開はすこぶる王道。
サブタイトルの「トレジャーアドベンチャー」の言葉通り、冒険への旅立ちがあり、仲間と出会い、宝を求めて海を越えて、強敵と戦う。
そんな、ゲーム好きなら誰もが一度は通ったであろうと思われるストーリーです。
目新しさはないものの、王道ゆえに誰もが抵抗感なくすんなり入り込める内容でした。
そもそも、ストーリー仕立ての演奏会が珍しいので、話の内容に斬新さがなくても十分斬新です。

そのようなストーリーが、寸劇と演奏によって繰り広げられました。
観客がスマホでゲームでキャラメイクすると、寸劇でオープニングと旅立ちのシナリオが展開され、その寸劇を表現した演奏が続きます。
そして、その後もスマホ操作、寸劇、演奏を繰り返して、物語が進行していきました。

全体がストーリー仕立ての構成になっていたことにより、原曲の知らない曲があっても、演奏会で繰り広げられたシナリオのBGMとして楽しむことができたのは面白かったです。
複数のゲームの曲で構成したオムニバス形式だと、どうしても原曲の知らない曲がいくつか出てきてしまいます。
曲や演奏によっては原曲を知らなくても十分楽しめるものもありますが、やはり原曲を知っていた方が楽しめるのもまた真実なわけで。
しかし、オムニバス形式の場合、演奏される全ての曲を知っているなんてことは、そうそうありません。
今回の演奏会の手法は、その不利な点をカバーする1つの解決策ではないかと。

ただ、寸劇にやや大きく時間が割り当てられていて、逆にそれ分だけ実質演奏時間が短くなっていたのは、欠点かもしれません。
状況説明が必要になるから、それなりに尺を取ってしまうのは仕方ないとはいえ、そのへんのバランスが今後の課題かと。

ちなみに、シナリオは王道だし、寸劇は楽団員さんが演じているので棒読み(でも、素人にしては結構演技派)でしたが、ちょいちょい入るギャグや台詞回しの妙が素晴らしくて面白かったです。
言葉の操り方がとても上手くて、鑑賞しながら台本作成された方すごいなと思いました。
「棚上げのソフィ」が妙にツボに入りました。
それと、第1部で司会兼主人公(?)の腰にぶら下がっているもの話が進むに連れて増えていったのも、良い演出でした。
旅立ち(ポケモンメドレー)が終わったらピカチュウがいて、砂漠を抜けたらサボテンダーがいて、ほんと芸が細かいな!
そういうところ、大好きです。

■肝心の演奏について
で、肝心要の演奏についてですが、「うん、まぁ安定していたかな」というのが率直なところ。
音の調和が乱れることが多々あったのは、アマチュア楽団の無料演奏会という点を考慮すれば「こんなもんかな」とも思います。
めっちゃ上手いわけではありませんし、完璧な演奏からは程遠いです。
ただ、大きくコケることもなく、曲としてちゃんと成立していました。

音が外れたり出だしが揃わなかったりはよくありましたが、音のバランスはとても良かったです。
金管やドラムが出しゃばることはなく、木管とちょうど良いバランスが保たれていました。
鑑賞していて演奏に不安を感じることがなかったのは、この上手く保たれたバランスのおかげかもしれません。

その一方で、音がこじんまりとしている感じがしました。
木管のボリュームに合わせたためか、ホールの大きさに対して音があまり出ていなかったためか、後方の座席にいたからか、なんかこう、手のひらサイズな感じというか。
曲にもよるので全部が全部そうとは言えないのですが、もっとガッと来て欲しいところで音があまり飛んでこなくて、少々もどかしさを感じました。

■ムリ・ムダの少ない、分かりやすく聴きやすいアレンジ
次に編曲についてですが、今回の演奏会は編曲がとても良かったです。
ムリとムダを削って、限られた尺の中にコンパクトかつ丁寧にまとめられていました。
原曲を可能な限り残しつつ、吹奏楽で表現できる形に、良い感じに落とし込まれていたように思います。
そのためか、知っている曲でも抵抗感なくすんなり聴けました。
むしろ、「そうそう、これ! これだよ!」と思うことも多かったです。

特に、メドレーの編曲が素晴らしかったです。
メドレーになると、曲が無理矢理ぶつ切りにされて詰め込まれるケースが少なくないのですが、今回のメドレーはそういう切り替えがあまりありませんでした。
確かに曲の切り替えはサッと行われているのですが、その繋ぎに違和感がなくて、とてもスムーズ。
それでいて選曲も構成も絶妙でした。
そんなところも、聴きやすさを実現する要素の1つになっていました。

■最近、ゲーム音楽の演奏会でちょいちょい話題になる例の件について
演奏そのものの話から少し外れて、それ以外のことについて。

最近、ゲーム音楽の演奏会でしばしば話題になる現象があります。
それは、「内輪受け」。
楽団関係者および常連のみに通じるネタや空気感が強くて、ご新規さんがそこに壁を感じてしまい気軽に足を運べなくなってしまうものです。
今回の演奏会でも、そんな空気感を感じることがしばしばありました。
ステージから、ではなく、観客席側から、ですが。

演奏会そのものは、誰でも気軽に楽しめるような作りになっていたと思います。
それほど強い内輪受け要素を感じることはありませんでした。
むしろ、観客席側から内輪な空気感を強く感じました。
輪の中にいればアットホームで居心地が良いかもしれませんが、その外にいると居心地の悪さを感じたかもしれません。

特に強く感じたのは休憩時間。
周りのあちこちから「〇〇さんが・・・」や「△△さんのソロが・・・」と、会話の中で楽器名ではなく個人名がポロポロ出てくるのが耳に入ってきて、楽団とそれほど強い接点のない自分はここに居てはいけないのではないかという気分になりました。

自分は、楽団員に友人がいる点では輪の境界で、コンサートに毎回足を運んでいる常連という点では中かもしれませんが、楽団に所属したことがない点では外とも言えます。
そんな自分ですらやや疎外感があったので、楽団と何も繋がりのない人にとってはもっと強く壁を感じたかもしれません。
今回のホールで空席がやや目立ったのは、そのあたりも影響しているような気がしました。

内輪受けに関してはメリットもデメリットも考えられるので、楽団のポリシー次第だと思います。
そのあたりも含めて、今後どうしていくかを考える時期なのかもとも感じました。

ちなみに、今回の演奏会ではGAMEバンドの世代交代をそこはかとなく感じました。
メンバーの入れ替わりはこれまでもあったと思いますが、それをより強く感じたというか。
設立から10年以上経過して演奏者の方々の状況も変わってきていると思うので、世代交代していかないといけないですよね。

■感想まとめ
最後に思わずちょっとキツいことも書き連ねてしまいましたが、演奏会自体はとても楽しかったです。
演奏にはまだ改善の余地があるものの、アレンジはこれまで以上に洗練されていて素晴らしかったです。
スマホの活用や、全体を通してストーリー仕立てにした点など、他の演奏会にはないユニークな試みも興味深かったです。
その試みを、ぜひ次回へと繋げていってほしいです。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと、印象に残った曲ごとの感想になります。



プログラムは次の通りです。
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[第1部]
01. バハムートラグーンより「オープニング」
02. ポケットモンスター赤・緑 メドレー
ポケモンセンター/ポケモン回復/ハナダへの道―おつきみ山より/トレーナーあらわる(女の子編)/戦い(VSトレーナー)/勝利(VSトレーナー)
03. ファイナルファンタジーXIIより「東ダルマスカ砂漠」
04. ワイルドアームズ メドレー
荒野の果てへ/WILD ARMS/世界にひとりぼっち/荒野の渡り鳥(ロディのテーマ)/勇気(ダンジョン)/あれれ?(ゼットのテーマ)/旅立ちの朝/姫巫女の想い

[第2部]
05. シムシティ メドレー
OPENING/Menu/Village/Town/City/Dr.Wright/Capital/Metroporis/Megaloporis/Congratulations
06. ドラゴンクエストIII そして伝説へ…より「おおぞらをとぶ」
07. ロックマン2 Dr.ワイリーの謎より「エアーマンが倒せない」
08. 聖剣伝説2より「危機」
09. すれちがい伝説IIより「やみの王」
10. ドラゴンクエストVI 幻の大地より「敢然と立ち向かう」
11. グランブルーファンタジーより「グランブルーファンタジー・メインテーマ」

[アンコール]
12. Super Mario Medley for GAMEBAND
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これより下は、印象に残ったユニットごとの感想になります。

01. バハムートラグーンより「オープニング」
1曲目だったからか、他の曲よりも音が安定していませんでした。
が、それ以上に感じたのが、懐かしさ。
原曲をかなりそのまま吹奏楽に落とし込んだ感じで、懐かしさが込み上げてきました。
ヒロインがヒドインなシナリオや、ドラゴン育成の楽しさなどが、一気に甦りました。

03. ファイナルファンタジーXIIより「東ダルマスカ砂漠」
FFの中でも演奏機会の少ないレアな12から、その中でも比較的メジャーな「東ダルマスカ砂漠」。
吹奏楽でも、崎元さんっぽさを強く感じました。
勇壮さがちゃんと出ていて、音の煌きもあって。
中盤の、トランペットが小刻みにペモペモ頑張っているのが、とても印象的でした。

というか、FF12ってシステムと映像と音楽は良かったと思うのです。

04. ワイルドアームズ メドレー
今回の演奏会で、一番心に刺さった曲。
「荒野の果てへ」だけでなく「世界でひとりぼっち」から「姫巫女の想い」まで、ものすごくいいとこ取りされていて。
感極まって何度も泣きそうになって、それを耐えるのに必死になっていました。
特に「姫巫女の想い」でゲームのエンディングを思い出して、ガチでヤバかったです。
ホントに、これは泣くので、勘弁してください。でも、もっとやってください。

しかも、演奏も勇壮で格好良かったり情緒の伴った切なさ満載だったり。
編曲も、原曲を踏まえて丁寧に吹奏楽に落とし込みつつ繋ぎの違和感を無くすという良い匙加減。
どの曲も、本当に素晴らしかったです。

さすがに「荒野の果てへ」は口笛ではなかったですが、ティンホイッスル(かな?)の澄んだ音色がとても心地良かったので満足です。
「荒野の果てへ」は、本当に名曲だとしみじみ実感しました。

「あれれ?(ゼットのテーマ)」が、原曲はすこぶる和風なのに、意外とすんなり吹奏楽のメドレーに取り込まれていたのには驚愕しました。
確かに今回演奏されたものも和風でしたが、メドレーに紛れても違和感ないって、すごくないですか?

05. シムシティ メドレー
確かこのメドレーの「Megaroporis」だったと思うのですが、ドラムのリズム感が半端なかったです。
寸分の狂いもなく続く裏打ちの刻みが、もうそれだけで迫力満点でした。
それを演奏されていた方がP3のシャドウだったという絵面的なインパクトもありましたが、気が付いたらずっとドラムを凝視していたような気がします。
それくらい、すごいドラムでした。

06. ドラゴンクエストIII そして伝説へ…より「おおぞらをとぶ」
今回の演奏会で、一番引っかかった曲。
ソロパートは普通に上手いなぁと思っていたのですが、全員で合奏する部分で音の乱れを強く感じました。
この曲、意外と演奏するのが難しいのかな?
それとも、DQシリーズはプロ楽団でもよく演奏されるようになって聴く機会が増えたから、無意識のうちにそっちと比べてしまっていたのだろうか。

07. ロックマン2 Dr.ワイリーの謎より「エアーマンが倒せない」
吹奏楽との相性がものすごく良くてびっくりしました。
吹奏楽映えが良くて、とても格好良かったです。
あと、サビの演奏中にちょこちょこ差し込まれた寸劇のダンス(?)が、個人的に妙にツボでした。
「エアーマンが倒せない」は動画公開直後以降あまり追っていないのですが、「踊ってみた」のネタでしょうか?

ところで、この曲ってゲーム音楽に含まれるのでしょうか?
狭義の「ゲーム音楽」からは外れそうだけど、ゲームに関係する楽曲+公式も半ば認定状態という点では「ゲーム音楽」に含まれるのかな。
まぁ、めっちゃ格好良かったから、細かいことはどうでもいいですね。

08. 聖剣伝説2より「危機」
聖剣伝説2の曲の中で、高い人気を誇る一方で、上から2番目くらいに演奏困難な曲としても有名なこの曲。
プログラムで曲名を目にしたとき、瞬間的に「え、これ、マジでやるの?」という不安が過ぎりました。
が、そんな不安もなんのその、見事な演奏で吹っ飛ばしてくれました。
原曲とほぼ同じテンポのまま、あのピロピロした部分をミスの少ない演奏でこなし、そして迫力もきちんとあって。
どれほど練習されたんだろう、本当にすごかったです。

ちなみに、聖剣伝説2で1番演奏の難しい曲は「呪術師」だと思っています。
好きな曲なので生で聴きたいのですが、どこかの楽団で挑戦してくれないかなぁ・・・(ちら

11. グランブルーファンタジーより「グランブルーファンタジー・メインテーマ」
グラブルは未プレイで原曲も知らないのですが、驚くほどのエンディング感にすごくたぎりました。
メインテーマというからオープニングムービーのBGMのような曲を想像していたのですが、ものすごい壮大でまさにエンディング。
曲の終わり方も、交響曲でいうなら第四番の終わり方のよう。
これ、選曲した方とアレンジした方、すごいと思います。

以前から「グラブルの曲良いよ」という噂は、小耳に挟んでいました。
とはいえ、ソシャゲ・スマホゲーにやや抵抗感があり、なかなか手を出せずにいました。
今回グラブルの曲を聴いて、原曲がすごく気になりました。
原曲そのまま演奏したのであればもう一回おさらいしたいし、原曲にエンディング風味で味付けしたのであれば原曲がどんな感じなのか気になるし。
確かOSTが何枚も出てるから、とりあえず今回演奏された曲が収録されているものだけでも買おうかな。

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