[GMEV] 逆転裁判オーケストラコンサート2019

3月30日(土)に、逆転裁判オーケストラコンサート2019が開催されました。
公演が昼と夜の2回あったので、両方のチケットを取得して行ってきました。
会場は、Bunkamuraオーチャードホール。
昼公演は、13:30に開演、15:50頃終演。
夜公演は、18:00に開演、20:15頃終演、でした。

■恒例化しつつある「逆転」シリーズのオーケストラコンサート
2017年の15周年コンサート以来、毎年恒例になりつつある「逆転裁判」シリーズのオーケストラコンサートが、今年も開催されました。
今年も昼夜ともに特別傍聴席(いわゆるスペシャルシート)で鑑賞しました。

今回のコンサート、実は直前まで特別傍聴席にしようかS席・A席にしようか、結構ギリギリまで悩みました。
去年のコンサートで、ややマンネリを感じていたからです。
それでも特別傍聴席を申し込んだ理由は2点。
 ・聴けるときに聴かないと、次いつ聴けるかわからない
 ・特別傍聴席の記念品目当て
いい感じでカモられているような気もしつつ、とりあえず特別傍聴席で申し込んでみたら当選したので、それなら行こうと決心が付きました。

ちなみに、今年の特別傍聴席用お土産はフォトフレーム。
昼公演が「逆転裁判」仕様で、夜公演が「大逆転裁判」仕様でした。
こういう昼と夜でデザインが異なるところ、とても商人の町・大阪の会社らしいです。

■プロならではの大迫力な演奏と、マンネリ打破の工夫見られる演出
指揮は、栗田博文さん。
演奏は、東京フィルハーモニー交響楽団。
「逆転裁判」だけでなく、数多のゲーム音楽の公式オケコンで実績のある組み合わせです。
その時点で、安定感があります。

その上、今回の演奏は熱のこもった大迫力の演奏でした。
躍動感があって、ドラマ性があって、力強くて、そして熱量が半端なかったです。
ゲームプレイ中に感じたあのドキドキやワクワクまでもが、音として表現されているような力強さを感じました。
本当に、とても面白かったです。
隅から隅まで、素晴らしい演奏でした。

演奏された曲は、過去に発表済みのものだけでなく、今回のために新たにオーケストラ用にアレンジされた新作もありました。
また、過去に発表済みの同名曲でも、大きくアレンジの異なるものもあったり。
過去数回でマンネリ化しつつあった状況を打破しようとするチャレンジ精神を、アレンジから感じました。

今年は演出面も強化されていました。
ゲームのシーンを使った映像はこれまでにもありましたが、演奏と完全同期させる演出は、「逆転」シリーズオケコンでは初ではないかと。
しかも、生アフレコという大技まで披露。
これまでにない試みが、あちこちに見られました。

演奏中の映像演出に関しては、自分はどちらかと言えば「映像不要派」です。
映像に気を取られてしまって、肝心の演奏への集中力が削がれるからです。
また、演奏と映像を同期させる演出も、演奏される方々が窮屈そうに見えて、「もっと自由にやらせてあげてよ!」とか「彼らの方が音楽の専門家なんだから、素人は黙っとれ!」などと思うこともあったり。
なので、今回の演奏と同期させる映像演出も、良かったかどうかで言えばやや疑問です。
ただ、そのチャレンジ精神は良かったと思います。

演出と言えば、ゲーム画面がリファインされていたのが、なんだか新鮮でした。
「逆転」シリーズは、基本的に移植策をプレイしたことがないので、ドットの荒い絵のイメージがあったのですが。
今回の映像では、主線や文字のジャギーが無くなった綺麗なものが、一部で使用されていました。
最新機種に移植されたものから持ってきたのでしょうか。
「逆転検事」も絵が綺麗になっていたけれど、あれは新たに作り直したのでしょうか?

■開演5分前のカゲアナについて
開演5分前にはカゲアナがありました。

昼公演は、成歩堂と御剣のコンビ。
御剣が注意事項を読み上げるたびに、いちいち成歩堂が裁判風のツッコミボケを入れるというもの。
成歩堂がボケ、御剣がツッコミという、珍しい関係でした。
昨年のオケコンのオマージュらしいです。

夜公演は、成歩堂家コンビ。
「2019」が「M152」になったり、全財産=132円50銭(数字間違ってるかも)だったり、明治と平成のジェネレーションギャップの感じる会話を、今年も繰り広げていました。
全体的にご先祖様が可愛かったです。そして、ツッコミを入れるのが段々適当になっていく成歩堂(子孫)が、とてもらしい感じでした。
ナルホドくん(子孫)は、そういうところあるよなー。

■内容の濃いトークコーナー
曲間で、ちょいちょいトークコーナーが展開されました。
「逆転」シリーズは第1作が発売してもう18年ほど経ちますし、過去のコンサートやTGSの特別法廷など語る機会が多かったので、そろそろネタ切れだろうと思われましたが、ところがどっこい出てくる出てくる裏話が。
曲の誕生秘話だったり、制作者の本音トークだったり、かなり濃厚なトークでした。

登壇された方は、昼と夜で共通でした。
が、トークの内容は昼と夜で異なりました。

まず、1曲目の後に近藤孝行さんと竹本英史さんが登壇。
竹本さんは、昼も夜も御剣をイメージしたワインレッドのスーツを身に纏っていました。
それを近藤さんが指摘すると、「ついさっきまで地裁で審理があって、5分で有罪を勝ち取ってきた」(昼)、「昼と夜の間に2件ほど審理が急遽あり、片付けてきた」(夜)と、逆転裁判を絡めたボケ・ツッコミを展開。
笑うしかない掛け合い漫才で、面白かったです。

3曲目と4曲目の間には、近藤さんと竹本さんに加え、巧舟さんと岩垂徳行さんが登場。
昼は、巧さんから岩垂さんへの質問コーナーでした。
巧さんはスマホに質問をメモしてきていて、それを見ながら5, 6個の質者を岩垂さんにぶつけていました。
質問の数がとても多かったです。
「これまでで一番作曲に悩んだ曲は?」という質問には、「どの作品も尋問が一番苦労した。無機質な曲という注文だったので、感情を込めないようにした」というような答えを、岩垂さんが返されていました。
夜は逆に、巧さんへの質問コーナーということで、他3人からの質問に巧さんが回答していました。

休憩明けは、竹本さん、下野紘さん、「大逆転裁判」の企画・児玉真佑さん、「大逆転裁判」のコンポーザ・北川保昌さんが登場。
昼も夜も、児玉さんと北川さんが、まるで示し合わせたコントのようにテンポ良く話を進めていました。
そういえば、カプコンって大阪の会社だったか、と否が応でも思わされるようなコントっぷり。
あまりの息ぴったりな展開に、声優陣が置いてけぼり状態になっていました。

昼夜ともに、「大逆転裁判」のアレンジ違いの未公開音源が披露されました。
昼公演は「共同推理」。「大逆転裁判」で一番最初にできた曲だそうです。
こちらは採用版と随分趣の異なるもので、メロディラインは概ね実装版と同じだけど、音色的にあっさりしていて機械的な感じでした。
実際、シンセ音を多用した音だったらしく、試行錯誤を重ねてアコースティックで重厚な音に統一されていったとのこと。
一方夜公演では「追求予兆曲」(OSTの曲名で言うなら、大逆転裁判2の「追及への前奏曲」かな?)のアレンジ違いが披露されました。
ただ、こちらは昼公演と異なり、採用版との違いがあまりわからず。
客席の反応も、昼公演(共同推理)では「・・・あぁー」という感じでしたが、夜公演(追求予兆曲)では「・・・・・・ん?」という空気感でした。
北川さんが後で「あまり違いがわからない」と釈明されていました。

昼夜ともに、休憩明けトークでは下野さんイジりが多かった気がしました。
特に夜公演はヒドい無茶ぶり満載でした。
「現在の心臓の鼓動を声で再現」とか、「追求予兆曲に即興で歌詞を付けて歌う」とか。
しかし、そんなヒドい無茶ぶりに見事に応えて見せた下野さんが、本当にすごかったです。声優すごい。
特に即興曲は、歌詞もリズムも即興とは思えないほどの出来でした。本当にすごかったです。

最後、8曲目と9曲目の間に、竹本さん、下野さん、岩垂さん、江城Pが登壇。
江城Pからは、逆転裁判のライブ情報が告知されました。
新作の発表があるかと少し楽しみにしていたところもあったのですが、それっぽい情報はありませんでした。

アンコール後は、定番の全員「異議あり!」で終幕。
昼公演ではゲスト全員が再登場されたけれど、夜公演では開発スタッフ側が江城Pだけだったのが、少々寂しかったです。
大阪への帰りの都合で、早めに引き上げたのでしょうか。

■一考の余地のある運営
運営に関しては、やや不手際が目立ったように感じました。
特に昼の部は、見通しの甘さがちらほら見られました。

最も「これはどうよ?」と思ったのは、昼公演のロビー開場。
ロビー開場はほぼ予定通りの時間だったのですが、リハの遅れによりホール開場はその15分後にずれ込みました。
そのため、ロビーがキャパオーバー。
どこの満員電車かと思うくらいに、人が溢れました。
昼公演が始まって「あ、これの影響か・・・」と察したところがあったのですが、ともあれ、あれはちょっといただけなかったです。

ただ、それを教訓にしたためか、はたまたクレームが入ったからか、夜の部はスムーズでした。
スムーズというか、予定より10分前倒しでホールまで開場しました。
それはそれで、早くね?とも思いましたが。
まぁ、早い分にはあまり問題にはならないのかな。

■感想まとめ
今年の「逆転」シリーズのオーケストラコンサート、総じて言えば、ものすごく楽しかったです。
例年以上に楽しかったです。
これまでの良いところと新しい試みとのバランスがちょうど良い匙加減で、「これが聴きたかったんだ!」というのと「これは新しくて面白い!」というのを一度に満たせました。
某モンスターを狩猟するゲームの音楽祭のように、毎年の恒例行事にしてほしいです。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと印象に残った曲の感想になります。



プログラムは次の通りです。
-----
◆昼公演
[第1部]
01. 逆転裁判1~3 法廷組曲
02. 逆転検事 推理と追及の組曲
03. 王泥喜 法介 ~新章開廷
04. 逆転裁判1~6 麗しの組曲
05. 悪漢組曲 2019

[第2部]
06. 続・大逆転裁判組曲 2019
07. 復活の相棒
08. 逆転裁判 革命と継承の組曲
09. 逆転裁判3・終幕

[アンコール]
10. 御剣 伶侍 ~大いなる復活
11. 大江戸戦士トノサマン

◆夜公演
[第1部]
01. 逆転裁判4 法廷組曲
02. 逆転検事 推理と追及の組曲
03. ゴドー ~珈琲は闇色の薫り
04. 逆転裁判1~6 麗しの組曲
05. 悪漢組曲 2019

[第2部]
06. 大逆転裁判組曲
07. 復活の相棒
08. 逆転裁判 革命と継承の組曲
09. 逆転裁判3・終幕

[アンコール]
10. 成歩堂龍一 ~異議あり!
11. 大江戸戦士トノサマン
-----

これより下は、印象に残った曲ごとの感想になります。

逆転検事 推理と追及の組曲
今回、新たにオーケストレーションされたうちの1曲。
逆転検事のロウ捜査官、美雲ちゃん、御剣に加え、悪役3人のテーマ曲+αという構成でした。
今回のメドレーの選曲は、どちらかと言えば1に寄っています。
この曲は岩垂さん推薦の一曲だそうですが、オーケストレーションされて発表済みの逆転検事の曲はどちらかと言えば2に寄っていたので、なるほど納得。
1の曲もオーケストラで演奏したかったのかな、と思いました。

個人的な好みで言えば、過去の逆転検事のメドレーの方が好きです。
今回のアレンジは、一曲一曲の曲調が異なるからか、まとまりがなくてバラバラな感じがしました。
とはいえ、悪役3人に協調性を求めるのは間違っている気もするので、深読みすると一周回ってアリな気もしてきました。

後の岩垂さんのトークによると、元々は17分ほどのメドレーだったそうです。
企画側から「長い」と言われ、12分に短縮。
それでも「長い」と言われ、削って削って削りまくったものが、今回披露されたバージョンだったとのこと。
バラバラ感が出ていたのは、その削りまくった副作用だったのかもしれません。
最初期の17分バージョンも、いつか聴いてみたいです。

王泥喜 法介 ~新章開廷
オドロキくんのテーマ、キタコレ!
逆裁の曲の中で一番好きなのがオドロキくんのテーマな自分は、心の中で拍手喝采超歓喜でした。
やっぱり格好良いなぁ。このコンサート音源欲しいです。

今回の演奏、シロフォンがめちゃくちゃ頑張ってました。
今どこを演奏しているのか分からなくなりそうなほど似たようなフレーズの連続を、たぶんミスなく叩きこなされていました。
シロフォン、格好良かったです。

悪漢組曲 2019
発表済みの「悪漢組曲」に曲を足して再構築したメドレー、でしょうか。
曲の構成は、
・芝九蔵虎ノ助 ~スウィング・ゼニトラ
・厳徒海慈 ~みんな、泳いでる?
・虎狼死家左々右エ門 ~殺人的紳士の愉しみ
・怪人☆仮面マスク ~聞いてくださーーーい!
・星威岳哀牙 ~愛がほしいだけさ
だったかと。たぶん。

この曲の前が女性キャラメドレーだっただけに、その対比が面白かったです。
片や可愛らしく和やかで、片や力強く派手な曲調。
これ、前曲「麗しの組曲」とセットにすると、とても映えます。
インパクト絶大でした。

メドレーの中で妙にツボったのは、仮面マスクでのコンミスさんのヴァイオリンとカスタネットの掛け合い。
フラメンコみたいで、聴き応えがありました。
カスタネットが終始格好良かったです。

続・大逆転裁判組曲 2019
「大逆転裁判」の曲とオケとの相性を再認識しました。
やっぱりものすごく相性良いです。

曲名に「2019」が付いているので、たぶん大幅に改訂されていると思うのですが、どこが変わったのかわかりませんでした。
ただ、「大逆転裁判」の主要登場人物の曲をメドレーにしたものであるところは、これまでと変わりなかったです。
亜双義とホームズさんの曲は格好良いし、寿沙都さんの和風な穏やかさやアイリスのやんちゃな賑やかさは可愛らしかったです。
ちなみに、ホームズさんの曲のAメロ(?)の4ループ目冒頭で一拍抜けるところが、すこぶる好きです。なんか大好きです。

ホームズさんと言えば、コンミスさんのヴァイオリンとアコーディオンの呼応が、まるでホームズさんとご先祖様の共同推理のようでした。
生演奏で聴くと、さらに臨場感が増しました。
これ、本当に耳が幸せです。

復活の相棒
「大逆転裁判2」の某イベントシーンを、オーケストラの生演奏+下野さんの生アフレコで再現。
某イベントシーンがめっちゃネタバレなんですけど、いいんですかねこれ。
幸いにして自分はプレイ済みだったので地雷にはなりませんでしたが、「大逆転裁判2」未プレイの方はこれをどう感じられたんだろう。
もうちょっと配慮があっても良かったのではないかと思います。

あと、どうしても映像に気を取られてしまい、演奏があまり耳に入ってこなかったのが、なんだか勿体ないことをした気分になりました。
夜公演はなるべく音に集中するようにしたおかげで、後半の格好良さに感動できたのですが、すごく勿体なくないですかこれ。
演奏会なのだから、演奏をちゃんと聴きたいです。

それはともかく。
映像に完全にシンクロさせてきたオーケストラの演奏と下野さんの生アフレコは、見事でした。
会場で実際に生で見て、感嘆しかできなかったです。
これはすごかった。その場に居合わせることができて、本当に良かったです。

逆転裁判 革命と継承の組曲
5と6の曲から、オドロキくんをテーマにメドレーにしたもの。
この曲、ものすごく格好良かったです。
5と6の特に格好良いところだけを切り出したような、濃縮された格好良さでした。
なにこれ、格好良さしかない。

メドレーを構成する曲が、どれも熱かったです。
弦と金管の重厚な音色の迫力といったらもう。
演奏も熱かったですが、曲自身も熱くて、とにかく熱量が半端なかったです。
この曲が収録されるなら、今回のコンサートアルバム欲しいです。

このメドレーを聴いて、オドロキくんの格好良さを実感しました。
4のヘナチョコ時代のイメージが強いためか、あまり認識していなかったのですが、5と6のオドロキくんはなんて格好良かったのかと、認識を改めました。
そして、オドロキくんのテーマ曲がめっちゃ格好良かったです。何度でも言います。格好良いです。

ゴドー ~珈琲は闇色の薫り
大人な雰囲気満載のジャズ。サックス大活躍でした。
アレンジは、これまでのものとほぼ変わらず。
ただ、原曲よりもスローテンポで、コクのある味わいに仕上がっていました。
トリルを多用していたあたりは、生演奏ならでは、でしょうか。
夜公演だけに、とても夜に合っている演奏でした。

そういえば、前後のトークで登場される方が歌いまくっていたのが、妙に印象に残りました。

御剣 伶侍 ~大いなる復活
ドラム、ティンパニの腹の底に響くような重低音が、とても心地良い演奏でした。
この圧力は、生演奏でないと味わえないものかと。
オケコンでこの曲が演奏される度に感じるのですが、この曲、オケの生演奏ですごく映える曲だと思います。
これは、今後も引き続き演奏していってほしいなぁ。

大江戸戦士トノサマン
指揮の栗田さんのお茶目さが爆発。
昼公演では、内ポケットから日の丸の扇子を取り出し、それを指揮棒代わりにしていました。
夜公演では、物販のバッグを肩からかけて登場し、その中から扇子だけでなく、チョンマゲのカツラまで取り出す始末。
それを被って指揮をされていました。

観客も、自然に発生した手拍子で参加。
最後の最後で、演奏者だけでなく観客も含めてみんなで盛り上がりました。
トノサマンすごいなトノサマン。

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