[GMEV] JAGMO キャサリン・フルボディ Symphonic Concert

11月24日(日)に、ゲーム音楽プロオーケストラ「JAGMO」による「キャサリン・フルボディ」(以下、キャサリンFB)のコンサートが開催されたので、行ってきました。
会場は、すみだトリフォニーホール 大ホール。
14:05に開演し、16:45頃に終演しました。

フルプライスの有料チケット制なので、全体的に辛口な感想になります。
この時点でイヤな予感がした方は、おそらく回れ右した方が無難かと思います。

■まさかのキャサリン単独オーケストラコンサート
というわけで。
まさかのキャサリン単独オケコンです。
本当に、まさかです。
まさか過ぎて、初めて開催の一報を耳にした時は、何かの誤報かと一瞬思ったくらいです。

アラカルト形式のコンサートの1パートを担当するのならば分かるのですが、いきなり単独コンサート。
意外性が天元突破しました。

JAGMOの公演ターゲットが、時々突拍子もない方向へ飛んでいくことは知っていました。
ファンの母数が多いわりにあまり演奏される機会のない穴場を突いてくることは、過去の演奏会情報からも明らかです。
が、今回は少々明後日の方向に行き過ぎた気がします。

JAGMOの近年の演奏会を見てみると:

・東方Project ⇒ わかる。
・UNDERTALE ⇒ わかる(反響が想定以上だったけれど)
・幻想水滸伝 ⇒ わかる。
・キャサリンFB ⇒ どうしてそこへ行った!?

感が拭えません。
いくらアトラス作品とはいえ、キャサリンのファン数、大ホールで単独コンサートできるほど多くないぞ?
実際、1階席のみの開放でしたが、それでも席の埋まり具合は5割に達していたかどうか、という空きっぷりでした。

とはいえ、俺自身は、開催の一報を耳にした時に嬉しく思ったことを覚えています。
キャサリン好きだし。パズルアクションパートのBGMがものすごく好きで、無印もFBも初回限定版買ったくらいだし。
この機会を逃したら、この先きっと生演奏で聴けるチャンスはないに違いない…という強迫観念に駆られてチケット取りました。

チケット購入の際の一抹の懸念点は、自分とJAGMOの相性の悪さ。
個人的に、JAGMOの演奏と運営姿勢が、なんとなく肌に合わないのです。
前身の頃はともかく、JAGMOになって以降は型に嵌ったような面白みに欠ける演奏と、ビジネス寄りの押し付けを強く感じるようになり。
法人としてやっていく以上は営利が必須要素なのも理解できるのですが、なんかこう、「応援したい」とは思えなくて。
また、チケットがフルプライスと決して安くないこともあって、自然と足が遠のいていました。
今回は「キャサリン」単独の演奏会を開催すると聞きつけて、「それならば、仕方ないな(喜)」とチケット代を拠出した次第です。

あと、こうして感想を書くのも、実は当初予定していませんでした。
想定以上に演奏と編曲が良かったことから「感想書きたい!」という欲求が急激に湧いてきて、今こうして書いています。

■ジャズ色満載のムーディーな演奏と編曲
「キャサリン」のゲームをプレイした方なら既知だと思いますが、シナリオがとてもアダルトテイストな作品です。
コンシューマー機のタイトルなので直接的な表現こそありませんが、かなり際どいシーンのある大人向け。
そして、作中のアドベンチャーパートにおける重要な舞台が、バーです。
そのバーの雰囲気に合わせるように、今回演奏された曲は、全体的にジャズが強めでした。

アトラス作品でジャズというと「ペルソナ5」(P5)を思い出しますが、それよりもジャズ色が強かった印象です。
ジャズといえばサックスだろ!というくらい、ジャズとは切っても切れない縁で結ばれているサックスはもちろんのこと。
エレキギター、エレキベースにドラムというバンドサウンドも大活躍していました。

それと、ピアノも大活躍。
連弾のピアノデュオがとても格好良くて、印象に強く残りました。

管楽器(金管、木管ともに)も、しばしば前面に出てきていたように思います。
その一方で、意外と目立たなかったのが弦楽器。
常であれば主旋律を担当することの多い1stヴァイオリンでさえ、比較的、伴奏を担当することが多かったような気がします。

ジャズテイストが強めということもあってか、とにかくサックスとベースが格好良かったです。
「今のアドリブ、格好良いな!」とか「この低音、痺れるな!」とか、心にグサグサ刺さった音色は大抵その2つの楽器のものでした。

演奏が格好良ければ、編曲も良く出来ていました。
特に、組曲形式の「Symphonic Catherine: Full Body」と「管弦楽とジャズバンドのための組曲」が、構成といいアレンジといい素晴らしかったです。
前者の第3楽章では各ヒロインの性格を、後者では各ヒロインルートの流れを、短い尺の中に綺麗に落とし込まれていて。
スクリーンに投影されていた映像との相乗効果もあって、とても上手いと思いました。
よくこんなに綺麗にまとめたなぁ。これはすごい。

実は、無印もFBも1周しかプレイしていなくて、全EDどころか各キャラのルートも見ていなかったりします。
無印は独身ルート、FBはKルートしかプレイしていません。
そのため、他のキャラのルートがどんな展開になるのか、演奏会前まで全く知りませんでした。

そんな片手落ちな自分でも、十分容易に理解できる構成になっていて、すごかったです。
各ルートが、音と映像で非常に分かりやすくコンパクトに、かつドラマティックにまとめられていました。
全ルートを知らない自分でも強いカタルシスを覚えて、ものすごく楽しめました。
よくあんなに綺麗にまとめきったなぁ。編曲された方と映像を作られた方を、手放しで褒め称えたいです。

演奏については、ちょいちょい派手なミスがあった点は、少々気になりました。
あと、スピーカーの使用も、音の奥行きがなくなり平たくなってしまうので、可能な限り避けてほしかったです。特に前半。
後半はジャズ色がより強くなって「そういうものだ」と割り切れたからか、単に耳が慣れたからか、スピーカーの音量が下げられたからか、あまり気にならなくなりましたが。

と、気になるところはちょこちょこあったのですが、最終的に演奏から得られた高揚感がそれらを帳消しにするほど強かったので、全体的には満足しました。
演奏と編曲に関しては、ですが。

■綺麗に、かつ的確にまとめられた映像(ただしネタバレ満載)
話は変わって、スクリーンに投影された映像について。

ゲームのイベントシーンやプレイ動画が、ほぼずっと曲に合わせてスクリーンに投影されていました。
演奏許諾だけでなく、映像使用の許諾まで取っているとは、さすが法人格。やることが違います。
アマチュアの有志オケでは、映像使用許諾の取得までは難しいだろうし。いくらファンによるコンサートであっても、許諾を取らずにゲーム画面の映像を流すのは、無料・有料を問わず、さすがに一発アウトと思われ。
こういう凝ったことを技術的な面だけでなく法的にも可能なのが法人格の強みですし、それをいかんなく発揮されていたように思います。さすがです。

演奏と映像は綺麗に補完関係を成立させていて、良い感じに曲への解釈を深めるサポートになっていました。
今演奏されているメドレーが、ゲームのどういうイメージに基づいたものなのかを、映像で補足。
構成の妙なのか、短いながらもポイントが押さえられていて、非常に分かりやすいものでした。
全ヒロインのルートをプレイしていない自分にとっては、とてもありがたかったです。

情報量もそれほど多くなく、演奏の邪魔という感じはしませんでした。
まぁ、うっかり演奏そっちのけで映像に集中してしまうことも、無きにしも非ずでしたが。

映像による各ヒロインルートの補足が丁寧な分だけ、ネタバレも満載でした。
「このヒロインって、こういうストーリー展開になるのか……EDすげーな」と、ネタバレを2回ほど食らいました。
まぁ、これに関しては単独コンサートの時点で織り込み済みだったので、ネタバレされても不満とかは感じませんでしたが。
むしろ、この機会に知らなかったヒロインのルートを生演奏付きで楽しめた点で、得をした気分です。

というか、あれだけ公式がネタバレ厳禁をうたっていたのに、今回の単独コンサートでOK出たことが意外でした。
単独だからこそOKが出たのかもしれませんが。

■演奏以外で気になったアレコレ
ここからは、少し苦言みたいな話が2点ほど並びます。

まず1点目。
特に前半でよくあったのですが、マイクが細かい音まで拾ってスピーカーで流すのは、正直どうかと思いました。
特に譜面を捲る音。
耳障りなほど大きく音を拾って流していたのは、首を捻らざるを得ません。
音響さん、もうちょっとちゃんと仕事してほしかったです。
前半の途中で「これはヒドい」と気付いたのか、それ以降なくなりましたが。

2点目。
本編終了後やアンコール後、演奏と編曲の素晴らしさに気分が高揚して「わぁ! すっげーっ!!」と懸命に拍手していたときのこと。
指揮者がさらに拍手のボルテージを上げようと煽るサインを何度もされているのを見て、逆に「わー、すごーい(棒」と気分が急激に萎えるのを感じました。
管楽器を演奏しているメンバーへの拍手を盛り上げたいという意図は理解できたのですが、その時点での拍手は何も指揮者だけに向けたつもりのものではなく。
自分の中では、指揮者も含めた管弦楽団全員、そしてスタッフさんにも向けたもののつもりでした。
それに、拍手は演奏会に対する客からの評価のはず。
それを煽るとか……そういうとこだぞJAGMO。
# JAGMOの性格ではなく、指揮者個人の個性なのかもしれませんが。

■感想まとめ
そんなこんなで、多少の引っ掛かりはありつつも、全体的にはすこぶる満足した演奏会でした。
こうして感想を書きたいと思わせられたほどの素晴らしさと情熱を、演奏の中から感じました。
ステージ上で素敵な演奏を披露して下さった方々だけでなく、編曲の方やスタッフさんも含めて、貴重な機会をありがとうございました。
今後、キャサリンFBの単独コンサートはなかなか開催されないと思うので、この感動を思い出として大切に保管したいです。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと印象に残った曲ごとの感想になります。



プログラムは次の通りです。公式ページに掲載されている情報の転記になります。
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[第1部]
01. Opening
沈黙の羊たち/It's a Golden Show/YO
02. Symphonic Catherine: Full Body
02-1. Symphonic Catherine: Full Body (Mov. 1)
ゴールデン遊戯劇場/ルウ/ホルスト「組曲 惑星<火星>、<木星>」
02-2. Symphonic Catherine: Full Body (Mov. 2)
情事ワシントン/ブルックスはかく語りき/迷える子羊/羊ヶ峰/R30の憂うつ
02-3. Symphonic Catherine: Full Body (Mov. 3)
Have a good day/回想/Tomorrow/恐怖/蟻/修羅場
03. Nightmare
ベートーヴェン 「交響曲 第5番 ハ短調 <運命> 第3楽章」
ドヴォルザーク 「交響曲 第9番 ホ短調 <新世界より> 第1楽章、第3楽章」
ムソルグスキー 「組曲 展覧会の絵 鶏の足の上に建つ小屋 バーバ・ヤーガ(バーバ・ヤーガの小屋)」』
ボロディン 「ダッタン人の踊り」


[第2部]
04. ♂と♀のラムゲーム
05. ジュークボックスメドレー
Wake Up, Get Up, Get Out There/Large Map - Real Universe/Memories of the City/Burn My Dread
06. 管弦楽とジャズバンドのための組曲
06-1. 女は海
Good Morning, New Day/迷える子羊/めざめ/可能性への扉
06-2. 時をかける花嫁
ブルックスはかく語りき (Smooth Jazz ver) /ウフフ♡/迷える子羊/喪失/回想/Good Morning, New Day
06-3. 世界は二人のために
ブルックスはかく語りき (Smooth Jazz ver) /賛美歌 (申請中) /ベートーヴェン 「ピアノ・ソナタ 第14番 月光 Op.27-2 嬰ハ短調 第3楽章」/ヘンデル 「<メサイア>ハレルヤ・コーラス」/その正体は?!/めざめ/Tomorrow/歓喜のオルゴール
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アンコールも1曲あったのですが、何の曲か分かりませんでした。

これより下は、印象に残った曲ごとの感想になります。

01. Opening
てっきりインストだと思い込んでいた「YO」で、L-VOKALさんのラップを聴けた時点で、今回の演奏会は元を取れた気分になりました。
単独コンサートの時点で「まさか」だったのに、「YO」の本家本元による生ラップなんて、「まさか」過ぎました。
L-VOKALさんが登場されてラップが始まった瞬間に心の中でガッツボーズを決めたのは、言うまでもないかと。
1曲目の初っ端から映像とともに流れた旋律がまさに「キャサリンFB」のアダルティな雰囲気満載なのに、その上ラップまで付いて、本当にもう、豪華過ぎて殺されるかと思いました。すごいよ。

そんなに豪華で素晴らしかっただけに、空席が目立つのが本当に勿体なかったです。
「キャサリンFB」面白いよ、曲も良いよ、みんなやろうよ。

02-3. Symphonic Catherine: Full Body (Mov. 3)
前半3曲が、各ヒロインの性格を表現するようなアレンジになっていました。
「Have a good day」は、Qリンのようにとにかく可愛らしく。
「回想」は、Kキャサリンのように落ち着きのある大人らしい雰囲気。
「Tomorrow」は、Cキャサリンのように気紛れに元気よく飛び跳ねていました。
そんな三者三様三つ巴状態が長く続くはずもなく。
暗雲を招き寄せるような、不穏な「恐怖」と「蟻」。
不穏の決定打となる「修羅場」は、まさに修羅場のような重量感でした。
この引きが、とても素晴らしかったです。

03. Nightmare
プログラム的には単独で切り出されていますが、ゲームシーン的には前の組曲から繋がっています。実質「Symphonic Catherine: Full Body」の第4楽章(Mov. 4)にあたります。

パズルアクションパートで流れるクラシックの名曲を、原曲のオーケストラ譜面のまま再構成して演奏したような感じになっていました。
「キャサリンFB」のアレンジ版ではなく、原曲の譜面。一般的によく知られている方です。
自分がそこまでクラシック音楽に詳しいわけではないので確かではないのですが。
おそらく、元の譜面からキャサリンで使用されているフレーズの部分とその前後を抜粋して繋ぎ合わせ、あまりアレンジせずにそのまま演奏したのではないかと。
そのため、フレーズとフレーズの繋ぎがかなり乱暴でしたし、そもそも曲と曲がぶつ切り状態でメドレーになっていませんでした。

元の譜面を使用していると理解した時点で、ショパンの「革命」がプログラムに入らなかった理由も察しました。
原曲通りに演奏すると、ピアノソロですから。
もっとも、尺的には原曲フル演奏できてちょうど良さそうですが(ショパンのエチュードOp.10-12は、フルで演奏しても3分未満)。

ただ、ほぼ元の譜面を使っているのであれば、一般的なクラシック音楽のコンサートのように生音で勝負してほしかったです。
有体に言えば、「この曲は、スピーカーいらんだろ」と思いました。
原曲譜面ならスピーカー前提で作曲されたものではないはずなので、スピーカーを通さなくとも十分響きが伝わるのではないかと。
というか、他の曲よりも伝えられなければおかしいだろ、とも思うわけで。

欲を言えば、「キャサリンFB」アレンジ版も聴いてみたかったです。
いっそ、原曲とアレンジ版と交互に演奏したら、違いが明確になって面白いかも。

05. ジュークボックスメドレー
ゲーム中のジュークボックスはほぼ使わなかったので、原曲との比較しかできないのですが、かなりジャズ寄りにアレンジされていました。

まず「Wake Up, Get Up, Get Out There」と「Large Map - Real Universe」は、ビッグバンドテイストの派手なジャズサウンド。
ノリの良さと熱さに拍車がかかり、原曲よりもより強いジャズっぽさを感じました。賑やかなバーで普通にかかっていそうな曲でした。
それが「Memories of the City」で一転。ピアノと弦楽器によるしっとりアレンジ。
メロウ、と表現するのでしょうか。こう、静かに耳を傾けたくなる雰囲気でした。
後半、急にドラマティックに盛り上がるのは、曲としてはすごく自分好みの展開でしたが、「ジュークボックス」としては「ん?」と疑問。あれは、メロウなままの方が良かったのではないかと。
そして、最後の「Burn My Dread」では、1, 2曲目と同様のビッグバンドに。
原曲はテクノ&ロックテイストですが、今回は原曲を上手く生かしたまま、ジャズ&ロックテイストにアレンジされていました。
こういうアレンジも熱くて良いな。P3の雰囲気とは合わないし、「ジュークボックス」としても派手過ぎる気がするけれど、曲としてはこれはこれで好きです。

ちなみに、演奏された各曲の出典元は次の通りです。

Wake Up, Get Up, Get Out There:ペルソナ5
Large Map - Real Universe:真・女神転生III NOCTURNE(原題:大マップ~現実世界~)
Memories of the City:ペルソナ3(原題:街の記憶)
Burn My Dread:ペルソナ3

06. 管弦楽とジャズバンドのための組曲
この組曲は、各ヒロインルートのトゥルーEDまでの流れを、簡潔かつ丁寧に描いた3部作となっていました。
そのため、映像がネタバレ満載でした。
全EDを見てないどころか各ヒロインルートの半分も見ていない身としては、結果的にネタバレを食らった形になったのですが、そこに不満とかは感じませんでした。
逆に「このキャラのトゥルーEDって、こういう展開だったのか…」と、普通に映像を見入っていました。
流れた映像は抜粋されたものだと思うので、後で自分の手で各ヒロインのトゥルーEDをちゃんと見てみようかな、という意欲が、今少し湧いています。

この組曲、タイトルに「管弦楽とジャズバンドのための」とあるだけに、確かにジャズっぽさはありましたが、基本的には管弦楽でした。
あと、同じ曲を結構何回も聴いた気がします。特に「めざめ」と「Tomorrow」は。

そういえば、帰宅後に各ヒロインのEDリストを調べて気付いたのですが、この組曲の各曲の名前、トロフィー名なのですね。初めて知りました。

06-1. 女は海
KルートのトゥルーEDを描いたメドレー。
曲名がトロフィー名だと知らずに聴いていたのでアレですが、「めざめ」のゆったり感がとても海っぽいと感じました。
曲名にある「海」を意識されたアレンジだったのか演奏だったのかは、不明ですが。

06-3. 世界は二人のために
QルートのトゥルーEDを描いたメドレー。
このメドレーのカタルシス感が半端なかったです。
「管弦楽とジャズバンドのための組曲」の3曲はどれも、曲の展開も音の厚みも聴き応えのあるもので迫力がすごかったのですが、取り分けこのメドレーはズバ抜けていたように感じます。
なんというか、こう、あまりの熱量に気分を否応なく押し上げられて、そのまま興奮の坩堝に突き落とされたような感じ、というか。
とにかく、すごいメドレーでした。すごいメドレーに出会ってしまった気分です。

事前に公開されたプログラムには入っていませんでしたが、ワーグナーの「ワルキューレの騎行」も演奏されたような気がします。
気分があまりに高揚し過ぎて、正直、はっきりと覚えていないのですが。

ベートーヴェンの「月光」は、「キャサリンFB」のアレンジ版に近い形で演奏。
コーラスやチェンバロはさすがにありませんでしたが、エレギは結構そのままだったような。
これがまた格好良くて、すごくたぎりました。
映像との相乗効果もあって、手に汗握る熱い展開。
これは、ゲームを再プレイしたくなります。というか、なりました。

そういえば、今回演奏されたクラシックの名曲たちを聴いて、100年単位で愛され続けてる理由の一端を垣間見たような気がしました。
普通に、旋律や響きが格好良いんです。それでいて、どんなアレンジでも耐えられる懐の深さもあって。
原曲も格好良ければ、アレンジしても格好良くて、クラシックの名曲ってやっぱりすごいなと、改めて実感しました。

最後、美しい「歓喜のオルゴール」(=ベートーヴェンの第九「歓喜の歌」)の調べで閉まったのが、とても気持ちの良い余韻を残してくれて、最高でした。これは良い余韻。このままアンコール無しで終わっても良かったくらいです。

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