[GMEV] ピコピコ―ラス 第2回演奏会

11月30日(土)に、ゲーム音楽専門のアマチュア合唱団「ピコピコ―ラス」の第2回演奏会「GAME MUSIC TRAVELER」が開催されたので、行ってきました。
会場は、すみだトリフォニーホール 小ホール。
13:30に開演し、15:10頃に終演しました。

■行こうかどうしようか悩みに悩んだ末の参加決意
2017年に開催された第1回演奏会から2年半の年月を経て、ついに第2回演奏会が開催されました。
第1回は別件と被ったために行けなかったので、自分にとっては初のピコピコ―ラス単独演奏会参加となりました。

実は今回も、開催日ギリギリまで行こうかどうしようか迷っていました。
理由はいたって単純。多忙のため、です。
10月下旬から11月いっぱいまで何かとイベントが満載で、数ヶ月前からGoogleカレンダーを眺めては「これは、死ねるレベル……」と戦々恐々としていたくらいです。
ゲーム音楽のコンサートは言うに及ばず、平日にどうしても行きたいイベントがあったり、うっかり新潟まで日帰り遠征したり、プライベートでいろいろあったりで、ここ1ヶ月ほどロクに休息を取れていません。自覚症状があるくらい、かなりヘロヘロです。
そうなることは数ヶ月前から分かっていたので、ピコピコ―ラスの第2回演奏会に行こうかどうしようか、直前まですごく悩みました。
しかし、逃すには惜しい楽曲が1つプログラムにあったので、結局「そいやー!」と一念発起して予約を入れて、今に至ります。

ちなみに、「逃すには惜しい楽曲」とは、アルトネリコの「EXEC_RIG=VEDA/.」のことです。
アルトネリコのヒュムノスはどれも良曲・神曲揃いなのに、あまり演奏される機会がないので、今を逃すと次いつ聴けるか分かりません。
アルトネリコの曲が披露されると知ってからずっと、自分の心の中では、

いつ行くの、今でしょ!
→ でも、HPヤバいのは明らかだし…
→ あの!念願の!アルトネリコだよ!
→ そうは言っても、疲労で倒れたら本末転倒だろ…
→ やってみれば、いくらでもどうにでもなるよ!
→ やってみて、どうにもならなかったらどうするんだよ…
→ だったら逃すのか!? 勿体ないぞ!!
→ だから悩んでるんじゃないか…
→ 悩むくらいなら、行ってから悩め! 行くなら今だろ!!
(以下、エンドレスループ)

という葛藤が、あったとかなかったとか。

結果的には、行って良かったです。正解でした。満足しました。すっきりしました。
後回しにした疲労は、次の週末でどうにかします。
まずは、今回の演奏会の感想を書きたいから、一気に書いてしまいます。

■ごちゃ混ぜ感満載のプログラム
今回の演奏会、プログラムのごちゃ混ぜ感が半端ないです。
FC時代の作品からごく最近の作品まで、古今東西、和洋折衷、実に様々な作品の楽曲が披露されました。
本編後の団長挨拶によると、メンバーから歌いたい楽曲を募ったら、今回のようなごちゃ混ぜ感満載なプログラムになったそうです。
その挨拶を聞いて、さもありなん、と納得しました。まぁ、よほどのことがない限り、そうなりますよね。

でも、1点だけ、どうしてもツッコミを入れたい曲があります。
誰ですか、BGMのない「FC ゴルフ」を挙げたのは?w

そんなわけで、様々な作品の曲が揃った分、原曲の知らない曲もたくさんありました。
知っている曲と知らない曲の割合は、大体50:50くらいでしょうか。
我ながら、いろいろなゲーム音楽を聞いている方だとは思うのですが、世の中には自分の知らないゲーム音楽がまだまだたくさんあるのだなぁと、身の引き締まる思いがしました。

知らない楽曲については、どれもとても格好良くて、一発で歌いたくなるのが分かったくらいでした。
今回のプログラムに採用されたのも、心底納得です。

そんな自分の知らなかった格好良い曲に出会えた場であったことも、今回の演奏会の満足感に繋がる一助となりました。
世の中にはまだまだ知らない良い作品がたくさんあることを知り、こういう演奏会を通じてその「知らない作品」を知っていくのも、自分としてはとても楽しいです。ひゃほーい。

■統一感のない楽曲を線で結んだ1本のストーリー
プログラムだけを見ると、とんでもなくごちゃ混ぜ感満載な今回の演奏会。
それ故に、プログラムに並ぶ楽曲たちも、単独では”そこにある”だけの宙ぶらりん状態でした。
そこに颯爽と登場した、1本のストーリー。
それがまるで魔法のように、曲と曲を綺麗に繋ぎ合わせていき、良い感じの流れを作り出していました。
あの流れ、本当に見事でした。

ストーリーの概要は、ざっくり次のような感じでした:
--
ある1本のゲームだけをやり込み、そのゲームしか知らなかった少年の耳に、どこからともなく届いた天の声。
その声に導かれるように物置を探ったところ、出てきたのはレトロなゲーム機。
一思いに電源ボタンを押した次の瞬間、少年はゲームの世界に足を踏み入れていた。
様々なゲームの世界を渡り歩くうちに、少年は、世の中にはたくさんのゲームが存在し、ゲームの数だけ自由と感動があることを知る。
--
共通項のまるでない楽曲を、このストーリーで綺麗にまとめられていたのは、本当にすごいです。
パンフレットによると「正気を300発殴ってから考えたシナリオ」らしいですが、300発でこれが出てきたのがすごいです。
普通なら、そもそも最初からまとめようと思わないのではないかと。
それくらい、まとめる気力をごっそり削がれそうなプログラムなのに、それをまとめあげた手腕に、全力の拍手を送りたいです。

ちなみに、「ある1本のゲーム」は「アルトネリコ」、「レトロなゲーム機」は「ディスクシステム」でした。

ストーリーはとても素敵だったのですが、ストーリーと構成上明かされたそれらを掛け合わせたところ、わずかに意識に引っかかったことが1点だけあります。
1曲目で登場したアルトネリコが、見かたによっては軽くディスられていること。
ストーリーの結末が見える頃になって「ん? これって、アルトネが噛ませ犬的立ち位置になっていないか??」と、アルトネリコシリーズの世界観が大好きな身としては、若干アルトネリコを否定されているような気もしました。
まぁ、ストーリーが真に言わんとしていることも理解できたので、それほど強い不満ではありませんが。
でも、責任取ってアルトネ/サジュコンオンリーの演奏会を開催していただけると、自分的にはとても嬉しいです(ニッコリ
もし開催されると知ったならば、這ってでも行きます。

■小編成ながらも、心地良い歌声
今回の演奏会でステージに上られたメンバーは、総勢15人前後。
小ホールのステージに1列で並んで、ギリギリ収まるくらいの人数でした。
決して多くはありません。合唱団としては、むしろ少ない方かもしれません。

けれど、一人一人の歌声がしっかり出ていたので、声が小さいということは感じませんでした。
自分は中央よりやや後方の席で鑑賞していたのですが、そこまで歌声がちゃんと届いていました。
慎重に和音を合わせて調和を取ろうとされていたし、少しでも良いものにしようという意欲も、後方席まで伝わってきました。

そして、ゲーム音楽に対する情熱を、やはり強く感じました。
一生懸命かつ楽しそうに歌われている姿を見て、鑑賞しているだけのこちらも思わず笑みがこぼれました。
ホール内が、とても心地良い響きと空気感に満たされていたように思います。

時々、ソプラノさんのハイトーンが不安定かつ尖りがちだったり、歌声に若干のバラつきが見えたり、お世辞にも完璧とは言い切れないところもありましたが。
とはいえ、そこはアマチュアの無料演奏会であることを加味すると、許容範囲内ではないかと。

縁の下の力持ちになりがちな男声パートも、女声パートに比べてメンバー数が少ないながらも、歌声がしっかりはっきり聴こえました。
しかも、男声パートが重要な役割を担うシーンが多々ありつつも、それらを丁寧にこなされていて、とても格好良かったです。

欲を言えば、もうちょっと声量が欲しかったです。
歌声ははっきり聴こえてきたのですが、迫力がもうちょっと欲しい気がしました。
構成人数に対して、ホールがやや広かったのかもしれませんが。
もっとも、響きはとても綺麗だったので、全体の満足感からすれば些末なことです。

■歌声による表現の可能性
以前、Chor Crystal Mana(CCM)の演奏会でも似たようなことを感じましたが、歌声から表現の可能性の大きさをひしひしと感じました。
コーラスって、主役になれる機会がなかなかありませんが、歌声による表現の幅ってすごく広いと思うのです。
日常会話と同じような匙加減で、柔らかさや硬さ、優しさや切なさ、そういった人から表出される喜怒哀楽を、ストレートに表現できるのが「歌声」ではないかと。
そういうコーラスならではの表現力が、とても興味深いし面白いと感じました。
今回は特に、あまり伴奏に頼らず、なるべく歌声だけで再現・表現するスタイルだったから、より一層それを強く感じられたのかもしれません。

他に、楽器アンサンブルとは異なる点がいくつか見られたのも、興味深かったです。
まず、こまめに休憩が入った点。
ほぼずっと休みなく歌い続けているので、こまめな休憩は必須ですよね。
それと、全体的な尺が他のアンサンブル演奏会に比べて短めだったのも、コーラスだからこそかと。
2時間も歌い続けていたら酸欠で倒れそうですし、そんなハラハラを抱えながら鑑賞するのは避けたいので、今回くらいの尺が適度だったと思います。

余談ですが、登壇されたメンバーが、ファミコンカセット柄のTシャツで揃えていたのも、個人的にはツボでした。
なにあれ欲しい。部屋着にしたい。

■感想まとめ
足を運ぶ決意に至るまで散々悩んだ演奏会でしたが、結果的には行って良かったです。
知らなかったゲームの良楽曲をたくさん知ることができたし、綺麗に描かれたストーリー仕立てが面白かったし、美しい歌声に存分に浸ることができて、満足しました。
これからも、第三回、そしてその先へと、長く続いていくことを期待しています。

できれば、アルトネ/サジュコンのオンリー演奏会を開催していただけると、なお嬉しいです(まだ言うか


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと印象に残った曲の感想になります。



プログラムは次の通りです。
-----
[第1部]
1-01. アルトネリコ 世界の終りで詩い続ける少女より「EXEC_RIG=VEDA/.」
1-02. 洞窟物語より「大農園」
1-03. I.Q Intelligent Qubeより「第一の潮流」
1-04. グランブルーファンタジーより「ティアマト・マグナ」

[第2部]
2-01. FC ゴルフより「ゴルフ」
2-02. NieR:Automataより「遊園施設」
2-03. 勇者ヤマダくんより「逆行人生」
2-04. がんばれゴエモン~ネオ桃山幕府のおどり~より「おれはインパクト」
2-05. ARMORED CORE 4より「Thinker」

[第3部]
3-01. ペルソナ5より「Life Will Change」
3-02. UNDERTALEより「UNDERTALE climax:N mix」
3-03. 大神より「太陽は昇る」
3-04. 勇者のくせになまいきだ:3Dより「勇者のくせになまいきだ:3D オープニングメドレー」

[アンコール]
E-01. ファイアーエムブレムシリーズより「ファイアーエムブレム メインテーマ」
E-02. スーパーマリオ オデッセイより「Jump Up, Super Star!」
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アンコールの2曲目がこれだったかどうか、あまり自信ないです。。。
マリオデは未プレイな上に、BGMも聴いたことがないので。。。
(OST公式サイトの試聴で「たぶん、これかな?」と思った次第)

これより下は、印象に残った曲ごとの感想になります。

1-01. アルトネリコ 世界の終りで詩い続ける少女より「EXEC_RIG=VEDA/.」
いきなり本命でした。1曲目で早々に念願成就しました。心の中でガッツポーズしました。もはや悔いはないっ!
とても神秘的なコーラスで、「これだよ、これ!」と、演奏中ずっと感動の嵐に包まれました。
同じフレーズをひたすら繰り返すところも、原曲好きにはたまりません。
しかも、時折鳴らされるスレイベルがまるで神楽鈴みたいで、それも良い演出でした。

そんなわけで、アルトネ/サジュコンオンリーの演奏会を(しつこい

1-02. 洞窟物語より「大農園」
ディスクシステムの起動音から始まった曲。
起動音の再現率、めちゃくちゃ高くてびっくりしました。
人の声でそこまで再現できるのか。歌声ってすごい。

今回の演奏会用に付けられた歌詞が、いい感じにゲーム好きの冒険心をくすぐってきました。
王道ファンタジーっぽくて分かりやすく、だからこそ共感しやすかったです。
なんかこう「わーかーるー♪」という感じの歌詞です。

シンセサイザーのFM音源(かな?)による伴奏も、ディスクシステムっぽい趣きがあって良かったです。
あと、曲の旋律が普通に格好良かった印象が残っています。
「洞窟物語」か……どこかで原曲聴けないか、探してみるか。

1-04. グランブルーファンタジーより「ティアマト・マグナ」
足を床に叩きつける演出とその音が、とても格好良かったです。
少しのズレもない見事な合わせっぷりは、聴覚的にも視覚的にもインパクトがありました。
曲も格好良くて、原曲がすこぶる気になりました。
グラブルの曲も良いと耳にしていたけれど、やっぱりちゃんと聴いてみようかな。

2-01. FC ゴルフより「ゴルフ」
なんというか、完全にネタですねこれ。
本当に、誰が推薦したんですかこれ……。
だが、面白かったから許す!

プレイヤー操作時のSEは声で、COM操作時のSEはシンセサイザーで再現。
そういう使い分けの工夫が面白かったです。
「あ、そう来たか」と感心しました。

まぁ、次のNieR:Automata「遊園施設」を、この「ゴルフ」でサンドイッチにしたのは、さすがに度肝を抜かれましたが。
わりと最近の曲を、めっちゃ古い曲(というか、音?)で挟んでくるとか、思い出補正の揺り戻しが激しいんですけれど。
だが、そこが良い!

2-02. NieR:Automataより「遊園施設」
声による再現の難しい素早いパッセージはピアノで、それ以外は極力歌声でカバー。
そのため、ほぼ歌声だけで再現するような譜面になっていました。
歌声だけだけど、原曲に漂う妖しさや不安定さはそのまま。
雰囲気までしっかり再現されていたことに驚きました。
歌声の表現力って、本当にすごいな。

2-03. 勇者ヤマダくんより「逆行人生」
「勇者ヤマダくん」は、数年前に某演奏会で初めて曲を聴いて、Android版を軽くプレイしてみたことがあります。
ゲーム性が自分の好みと合わなくて、長続きはしなかったのですが。
でも、その小さな思い出でしかない記憶が、歌声に耳を傾けながら甦ってくるのを感じました。
歌謡曲っぽいところも、「確か、原曲もこんなだったなぁ……」と、思い出にしみじみ浸るキッカケになりました。

伴奏をピアノではなくシンセサイザーが、ボーカルを男声パートが担当されていた点は、とてもGJでした。
ゲームの内容を考慮すると、そうなるのが自明の理というか必然というか。

それにしても、まさかまた「勇者ヤマダくん」の楽曲を生で聴ける機会が来るとは、想像もしていませんでした。
結構マイナーなゲームだと思っていたのですが、実は知る人ぞ知るゲームなのでしょうか。

2-04. がんばれゴエモン~ネオ桃山幕府のおどり~より「おれはインパクト」
冒頭の法螺貝の再現率が激高でした。

ゴエモンシリーズのBGMはあまりよく知らないのですが、知らないなりに「あ、熱い、格好良い」と感じました。
なんとなく、ゴエモンシリーズの曲が密かに人気の理由が、一端だけど分かったような気がします。
これは確かに、熱い曲が好きなら否応なしにたぎります。格好良い。

3-01. ペルソナ5より「Life Will Change」
伴奏は伴奏に任せて、合唱メンバーは全員ボーカルを担当していた曲でした。
歌声で伴奏を再現することは、数えるほど。
今回の演奏会では伴奏もなるべく歌声で再現していた点を踏まえると、この曲は例外的な存在かと。
それくらい、みんなボーカル歌いたかったのかな。
その気持ちは、わからないでもないです。俺だって、歌えるなら主旋律歌いたいですもん、この曲は。

3-03. 大神より「太陽は昇る」
歌声の熱さも素晴らしかったのですが、何よりも伴奏が凄かったです。
ふとした拍子にピロピロしている伴奏の音色が耳に入ってきたら、そっちに集中力が移ってしまったほどです。
「伴奏からすごいピロピロした音がする」と伴奏者の手元に視線を移したら、手と指の動きがすごいことになっていて、視覚的にも釘付けになりました。
個人的には、伴奏を担当された方に敢闘賞を贈りたいです。それくらい、凄かったです。なんなんだあの動き。

E-01. ファイアーエムブレムシリーズより「ファイアーエムブレム メインテーマ」
アンコールの定番曲として定着しつつあるこの曲。
まさか、11月の1ヶ月間で、2回もアンコールでこの曲を耳にすることになるとは思いませんでした。
# シンフォニック・ゲーマーズ4の公録で聴いたばかり。

歌詞がアレなので本編では歌い難いという事情があるし、でもメロディライン自体は格好良いので、アンコールでこれを選曲した気持ちはとても良くわかります。
というか、公式ですらネタするあの歌詞は、歌声があってようやく真価を発揮するものだと思っています。
「音に言葉を乗せられる」という合唱ならではの強みを、ここで生かさない手はありません。

譜面自体は、公式譜面がベースっぽかったです。
それを、歌声とシンセサイザーに素直に置き換えたものが、今回披露されました。
イントロにすごく聴き覚えがあって、始まった瞬間に「あ」と気付き、そして「うん」と納得しました。
まぁ、そりゃ歌うよね。せっかくの機会ですし。

公式ネタなあの歌詞で、とても楽しそうに歌い上げる姿が、強く印象に残りました。
勇ましいメロディと、美しくて楽しそうな歌声、そしてぶっ飛んでる歌詞という、3軸極振りのギャップのためか、鑑賞しながら思わず顔が綻びました。
なんだろう、なんかすごく幸せな気分になった気がします。


様々な創意工夫を凝らされた、面白い演奏会をありがとうございました。
登壇された合唱団の方々、そしてスタッフの方々に、精一杯の拍手を送りたいです。

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