[本] 夜市

2008/07/07(月) 00:16:35 | カテゴリ:
恒川光太郎「夜市」(角川ホラー文庫)読了。

様々な品物が揃う「夜市」。そこでは、誰でも、どんなものでも買うことができる。それに見合った対価があれば――。

今宵、夜市が開かれる――。
それを知った裕司は、高校の同級生であるいずみを連れて夜市に出かける。
裕司は、かつて一度だけ、夜市に迷い込んでしまったことがあった。そのとき、「野球の才能」を見つけた裕司は、その対価として弟を売り渡してしまった。その弟を取り戻すため、自分の全財産と決意を抱えて、再び夜市を訪れる。


第12回日本ホラー小説大賞受賞作。
だけど、あんまりホラーっぽくなかったです。
ホラーというほど怖い要素があるわけじゃなし。むしろひたすらに不思議な物語。
日本むかし話の現代版と言えばわかりやすいんだろうか。
多分、純文学に近いと思う。行間読まなくてもいい純文学。

そういえば、最近のホラー小説大賞ってあんまりホラーって感じがしないような。
「ジュリエット」あたりから、ホラーというよりは不思議な小説が多い気もする。

ホラーっぽくはないけれど、これはこれでおもしろかったです。
表題作「夜市」も、同時収録の「風の古道」も、
幻想的でノスタルジックな雰囲気がなんだか心地よい。
この2作と同種の作品という「秋の牢獄」も、なんだか読みたくなってきた。
文庫出たら読もう。ハードカバーは電車内で読むにはかさばるから。

個人的には「風の古道」の方が好きかもしれない。
読み終わってみれば山もオチもなかったのに、
退屈を感じることはなく、ずっと引き込まれました。
こういう作品は久しぶりに読んだなぁ。たまにはいいかも。

「ホラー文庫」とはいえホラー的な要素はほとんどないので、
ホラー苦手な方でも十分読めるんじゃないかと。
ファンタジー好きならオススメです。

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