プロの演奏家で構成された吹奏楽団「ブラス・エクシード・トウキョウ」の演奏会「ブラス・エクシード・トウキョウと楽しむゲーム音楽会 昼の部 ~みんなでたのしむ げーむおんがく こんさーと~」に行ってきました。
会場は、ギャラクシティ西新井文化ホール。
13:30に開演し、14:45頃に終演しました。
今回の演奏会は、ハーフコンサート(1時間程度の短いもの)である「昼の部」と、フルコンサートの「夜の部」の2回公演だったのですが、自分は昼の部のみに足を運びました。
理由は4つ。
・夜公演は、翌朝が地味にキツイ。翌日が平日だと如実にキツイ。
・ロマサガ3メドレーは昼と夜で曲数が異なるけれど、どちらの公演でも一番好きな「ラストバトル」は聴ける。
・同じく昼と夜で曲数が大きく異なるポケモンは、一作もプレイしたことがないし曲もよく知らない。
・だったら、チケット代の安い昼公演でいいんじゃね?
というわけで、昼公演に行ってきた次第です。
ハーフコンサートというのは、なかなか新鮮な試みでした。
毎年GWに開催されているクラシック音楽の祭典「ラ・フォル・ジュルネ」が、1公演約45分と短い分チケットも安くして敷居を下げ、気軽に鑑賞してもらうという試みを行っていますが、それ以外ではあまり見ない試みかと。
ゲーム音楽の演奏会では、自分の知る限りでは他に知りません。
また、未就学児の鑑賞もOKという点も、面白い試みでした。
小さな子供のいるゲーム音楽好きの方も親子揃って楽しめるように、と配慮した結果なのでしょう。
あらかじめそれが告知されていたので、演奏中に小さな子供がぐずってる声が聴こえても、個人的にはさほど気になりませんでした。
まぁ、単に近くにそういう子供がいなかったから、許容できたのかもしれませんが。
隣にいたら、たぶん相当イラッとしていたと思います。
子供が自分の近くでウロチョロするだけでイライラするぐらい、筋金入りの子供嫌いなので。
# イライラするから、なるべく眼中に入れないように無視して自制してます。
面白い試みでしたが、それが必ずしも良かったかというと、ちょっと別問題かもしれません。
なにより選曲が、子供に優しくない気がしました。
ゲーム音楽好きの間では有名な曲だけど、社会的には無名の曲ばかり。
マリオもDQもFFもないというのは、子供にとっては結構ハードルが高かったのではないかと。
子供連れの親子のうち親の方しかターゲットにしていないと割り切った上での企画であれば納得なのですが、親も子も楽しめるコンサートだったかと言えば少々疑問です。
ハーフコンサートという短いプログラムも、やり方次第かなという気がしました。
今回の演奏会は最初から1時間程度のコンサートと告知されていて、それを承知の上で鑑賞したのですが、思っていた以上に消化不良感が残りました。
ちょうど気分が乗ってきたところで終わってしまった感じです。
それならいっそ、中途半端に複数のゲームの曲を1公演に収めるより、一つのゲームの曲を30~45分ぐらいのメドレーにして複数用意して、「この中から好きなの選べ!」っていう方が良かったかも。
聴く方は好きな曲(ゲーム)だけピンポイントで聴けるので、結構メリットは高いと思います。
とはいえ、演奏する側はちょっとたいへんでしょうか。
いずれにせよ、試みとしては斬新で面白かったのですが、その一方で課題がたくさんありそうなので、今後もいろいろチャレンジしてほしいです。
コンサートの形式については自分の中に賛否両論あるのですが、それはともかくとしても、演奏そのものはとても満足しました。
とにかく演奏のレベルが高くて、熱かったです。
演奏に向かないピロピロした速いパッセージも一音一音狂うことなく弾きこなしていて。
さすがプロフェッショナル集団、見事としか言いようがありません。
安定のブラス・エクシード品質でした。
アレンジはそれほど強くなくて、原曲の面影がかなりしっかり残っています。
吹奏楽に落とすために必要なアレンジや曲と曲の繋ぎのアレンジはあるけれど、それ以外はストレート。
ただ、メドレーの曲構成は、ゲームの流れをあまり考慮していないと思います。
ゲームの内容に則った構成ではありません。
曲が良くてメドレーにしやすそうな曲を選んで、全体の流れやバランスで曲順を決めたかのような感じ。
もっとも、そこはゲーム音楽専門の楽団ではないので、あまり突っ込んではいけない気がします。
そんなわけで、これまでのゲーム音楽の演奏会にはなかった新しい試みも取り入れられた今回の演奏会。
試みについてはおそらく自分だけではなく他の方からも賛否両論上がりそうですが、色々な形があっていいと思うので、今後も色々試してほしいです。
これより下の追記は、今回の演奏会のセットリストと、印象に残った曲ごとの感想になります。
セットリストは以下の通りです。
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01. ロマンシング・サガ3 メドレー
プロローグ~死食の脅威/アビスゲート/ラストバトル/エンドタイトル02. クロノ・クロス メドレー
CHRONO CROSS~時の傷痕~/神の庭/テルミナ アナザー/次元の狭間/MAGICAL DREAMERS~風と星と波と~/時のみる夢03. クロノ・トリガー メドレー
予感/クロノ・トリガー/風の憧憬/時の回廊/ラヴォスのテーマ/朝の日ざし/エピローグ~親しき仲間へ~/遥かなる時の彼方へ04. ポケットモンスター 赤・緑 メドレー
~オープニング~
マサラタウンのテーマ/オーキド博士/オーキド研究所/トキワへの道 - マサラより/戦い(VS野生ポケモン)/勝利(VS野生ポケモン)
ニビシティのテーマ/ポケモンセンター/ポケモン回復
ハナダへの道 - おつきみ山より/ハナダシティのテーマ/ポケモンジム/戦い(VSジムリーダー)/勝利(VSジムリーダー)
ロケット団アジト/シルフカンパニー/戦い(VSトレーナー)/勝利(VSトレーナー)
最後の道/ラストバトル(VSライバル)/殿堂入り/~エンディング~アンコール. ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーンより「戦い(VSデオキシス)」
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これより下は、印象に残った曲(メドレー)ごとの感想になります。
01. ロマンシング・サガ3 メドレーアビスをイメージした選曲でしょうか。
どの曲もとても熱い演奏で、初っ端から感極まって軽く泣きそうになりました。
特に「ラストバトル」と、「エンドタイトル」に含まれる「オープニングタイトル」の曲の部分。
全体的に短いメドレーながらも、原曲を存分に生かした編曲で、かなり聴き応えのある演奏でした。
これ、夜の部はどんな編曲になったんだろう。
02. クロノ・クロス メドレーブラス・エクシードの「クロノ・クロス」のメドレーを聴くのは、たぶん今回で4回目。
過去に演奏されたメドレーと、多少の改訂はあれど、おそらくほぼ同じでしょうか。
過去の演奏会に負けず劣らずの、熱い演奏でした。
特に「MAGICAL DREAMERS」→「時のみる夢」→「時の傷痕」(終曲部)の流れは、やっぱり鳥肌もの。
名曲ぞろいの上に曲の繋ぎがめちゃくちゃ上手いし、演奏も完璧だし。
ここは本当に何度聴いてもワクワクするし、ゾクゾクします。
03. クロノ・トリガー メドレー過去に演奏された「クロノ・トリガー」のメドレーとは、どれともちょっと違ったような。
新しく刷新したのでしょうか。
戦闘曲はなく、テンションの高まる曲もそれほどなく、全体的になんとなく地味な印象。
ロマサガ3とクロノ・クロスで感じたグワッとたぎる感じは、あまりありませんでした。
ただ、「ラヴォスのテーマ」は他の演奏会でもあまり聴かない曲だったので、そこは逆に新鮮でした。
04. ポケットモンスター 赤・緑 メドレーゲーム未プレイでも、過去に行ったことのある演奏会で何度か聴いたことがあるためか、聴き覚えのある曲もちらほら。
原曲がGB音源のためか、演奏された曲もそれに近い感じがしました。
なんというか、同時発音数が少なめで懐かしいというか。
言葉は悪いですが、率直に言ってしまうと、拡がりのないこじんまりとした印象を受けました。
ただ、バトル曲は格好良かったです。
他の曲はちまっとした感じだったのに、バトル曲は音に厚みがあって、ものすごく熱があって、聴き応えのある演奏でした。
原曲知らないながらも、かなり引き込まれました。