[GMEV] オクトパストラベラー オーケストラコンサート -To travel is to live-

3月23日(土)に、RPG「オクトパストラベラー」(以下、オクトラ)シリーズのオーケストラコンサートが昼夜の2公演開催されました。そのうち昼公演に行ってきたので、その感想を記します。
会場は、昭和女子大学人見記念講堂。
指揮は、佐々木新平氏、演奏は、今回の演奏会のために結成されたニューデルスタフィルハーモニックオーケストラ。
14:30に開演して、16:45頃に終演しました。

ちなみに、MCはオクトラシリーズの作曲を一手に引き受けている西木康智さん。
オクトラBBBでも思ったけれど、西木さん自身がMCするんですね。前例があるだけに、今回はなんとなく予想していたけれど。

これより下に続く感想では、ゲーム本編の致命的なネタバレには触れないようにしますが、ついうっかり掠めることがあるかもしれません。ご注意ください。

■昼公演チケットが奇跡的に取れたよ!
ついにオクトラ単独の公式オーケストラコンサートが開催されました。
どれだけこの日を待ち望んでいたことか。制作陣は「オケコンやりましょう!」と何年も言い続けていたそうですが、それはプレイヤーも同じ気持ちです。オクトラほどオケに向いているタイトルもそうありません。何故これまでなかったのか、まったくもって疑問でした。

もっとも、オクトラの公式オーケストラ演奏自体は、実は初めてではなかったりします。
2019年に開催されたスクエニ4タイトルによるオムニバス形式のオケコン「Symphonic Memories Concert」の1タイトルとして取り上げられています。
また、オーケストラではないけれど、2019年に小規模のバンド編成によるコンサート「「OCTOPATH TRAVELER Break, Boost and Beyond」が開催されました。
ついでに、アマチュア楽団ではオクトラの楽曲がちょこちょこ演奏されています。
が、オクトラ単独+オケのフル編成+公式となると、今回が初です。

そんなわけで、今回のオケコン開催を知った直後、光の速さでチケット先行抽選に参戦。スクウェア・エニックスの公式ECサイト「e-STORE」枠で、昼公演のパンフレット+音楽手記II付き一択で勝負しました。体調の問題で夜公演は厳しいな、という判断です。
そうしたら、見事当選。最も競争率の高かった枠だと思うのですが、当たりました。やったー。
これで、今年の運を使い果たした気がします。それ以降の先行抽選で落選しまくっています。
だが、待ちに待ったオクトラオケコンのチケット、悔いはありません。

■いきなり辛辣な感想ですみません
無印発売から今年の7月で6年という時期になって、ようやく念願叶った公式オケコン。
まず先に、今回の演奏会の演奏部分に関する感想を先に言ってしまうと、「迷走」でした。良い塩梅でオーケストレーションされているものもあれば、音楽性特化に尖り過ぎて原曲行方不明になっているアレンジもありました。よく言えば多彩、悪く言えば両極端です。

初めてのオケコンなのでどこまで原曲から先に踏み込んでいいのか勝手が掴めず、その一方で「せっかくのオケコンだからオケでしかやれないことをやり尽くそう」という意気込みをあれもこれもと欲張って盛り込んだ結果、曲によってはセーブが効かずにやり過ぎてしまっている曲がありました。オクトラをより音楽性の高いものに昇華させよう、みたいな、そんな気合です。

もちろん全部が全部そうというわけではなく、ゲーム音楽のオケコン分かってる感のある聴きやすい曲もありました。他方、「この曲だったらこうした方がきっと映える!」とゲームと観客ガン無視で技巧や理論に突っ走った曲もありました。好きな曲ほど、この傾向が強かったです。

個人的には、「1ループ目は原曲重視、2ループ目でゲームを踏まえた軽いアレンジのストレートなオーケストレーション」という王道を聴きたかったです。初めての単独オケコンだったので、なおのことそう思いました。
観客(というか自分)はゲーム玄人であっても音楽玄人ではないので、高尚な音楽的なことや超絶技巧を披露されても「なんかすげー」というアホ面しかできません。なんかすごい、なんかすごいのは分かるけど、原曲どこ? と、原曲が行方不明になっていたものも数曲あったり。
それよりも、プロの音楽家が原曲とゲーム体験を大切にしつつオーケストレーションしたらどうなるのかを、しっかり聴きたかったです。

確かにオクトラの公式音系イベントは何故だか5年ほど企画されなかったけれど、曲の評価は今でもずっととても高いし、原曲の素晴らしさをもう少し信じてもいいのではないでしょうか。

■大満足の選曲と構成
いきなり辛口評価から入ってしまったけれど、決して酷評したいわけではなく、終演後にはちゃんと十分に心が満たされました。念願のオクトラオケコンという補正効果があるかもしれないし、方向性が期待と違いはしたけれど、編曲者や奏者などの企画側の熱量はしっかり感じられたので最終的にはほっこりしました。本当に、熱量がすごかった。

選曲は申し分ありませんでした。300曲ほどあるオクトラシリーズの楽曲から厳選した20数曲だけあって、面構えが違います。あの曲もこの曲もオーケストラで聴けて大満足です。
落ち着いて聴けるしっとり系と、とかく評価の高いバトル曲。それらが上手いバランスで並んでいました。ずっとハイテンションというわけではなく、ちゃんとまったりできる曲もプログラムにあって、上手く考えられているなと感じました。

また、今回のオケアレンジで、これまでスルーしていたモブ曲の良さに気付けたのも、自分としては良かった点でした。この曲、こんなに心に響く曲だったのか、と目から鱗が零れ落ちるのを感じたほどです。

オクトラにはコンシューマー向けの1, 2、スマホで展開中の大陸の覇者の計3タイトルがあります(2024年3月現在)が、それらから満遍なくピックアップされていたところも高評価。
1, 2の曲がやや多めですが、大陸の覇者の曲もしっかり存在感を放っていました。
大陸の覇者はまだ第3節の途中までしかプレイしていないけど、サントラで曲の良さは知っているので、これは嬉しかったです。ハブられなくて良かった。

■手堅い演奏と豪華なソリストの共演に歓喜
オーケストラは、今回のためだけに集結した奏者によって編成された楽団です。おそらく全員プロだと思うので、演奏は堅実でした。
まれにミスはあったけれど、素人の耳でも分かるミスは片手で数えられる程度。プロ奏者らしい安定感があり、安心して鑑賞できました。

そして、ゲストソリストがものすごく豪華。1つの演奏会でこんなに集うなんて珍しいのではないか?というくらい、一斉に集結されていました。
ヴォーカルソリストは、たぶん原曲と同じ方かもしれません。歌声が、原曲と同じように聴こえました。違和感は一切仕事をしませんでしたし、「原曲のあの歌声だああぁぁぁ!」とより一層強く感極まりました。

編曲者もすごく豪華でした。何人参加してるの!?というくらい勢揃いしています。
ゲーム音楽のオーケストレーションの達人である浜口史郎さんと宮野幸子さんの両者が参加されていたことには驚きました。オクトラ、すごいな。

一点だけ要望をあげるなら、打楽器の音をもう少し強く欲しかったです。
これに関しては、自分の座席位置がステージ向かって右側の比較的スピーカーに近い位置だったことが影響しているかもしれません。スピーカーから流れる他の楽器の音色に上書きされて、打楽器の音がイマイチしっかり聴こえなかったのです。
演奏会に先駆けて発表されたオーケストラアレンジアルバムではしっかり聴こえていたはずなのに、ドラムやシンバル、ティンパニの音が弱くて、そこは少々残念でした。

■演奏以外のあれこれについて
今回、e-STOREで特典付きチケットを確保したところ、チケットといっしょに特典(パンフレットと音楽手記II)が送られてきました。つまり、パンフレットが公演日の2週間前には手元にあった、ということです。
ゲーム音楽の公式演奏会、特にスクエニ作品の演奏会にはよく足を運ぶけれど、こんなケースは初めてでした。印刷・製本、よく間に合ったな。
おかげでパンフレットのためだけに物販に並ばずに済んだのは、本当に助かりました。
まあ、新譜(オクトラ2の16bit Arrangement)の先行販売があったので、結局物販には行ったのですが。物販の大行列を避けたいのか続けたいのか、思惑は結局どっちだったのだろう?

開場前の事前物販は、開始1時間後くらいに行ったら待ち時間なしでした。SOLD OUTも、まだその時点ではなかったような。
ただ、開場後物販の列はエグいことになっていました。もっとも、事前物販は用が済んでからの暇つぶしをどうするかっていう問題がどうしても出てきてしまうので、開場後に集中する気持ちはわからないでもないです。ちなみに自分は、事前物販後、会場近くのミ〇ドで大陸の覇者をプレイしていました。

サイン入り新譜は、混乱を避けるためか専用の販売待機列ができていました。
それに関するアナウンスはたぶんなかったので、やや混乱の原因になっていたように見えました。うん、まあ、予想していたことだけど、物販も迷走気味でした。物販列をスムーズに流したいのか大行列を継続させたいのか、どっちだったんだ?
なんかこう、つつがなくコンサート運営したい現場と、売り上げを少しでも伸ばしたい企画・営業の内部紛争を見ているようでした。

運営といえば、タイムスケジュールの見込みの甘さが少々気になりました。
昼公演の終演時間は、予定では16:15と会場入口に掲示されていました。
それを見て、内心で「あの曲数が1時間45分に収まるはずないだろ、確実に2時間超えるって」と思っていましたが、案の定その通りで。
予定より30分以上の超過で昼公演客の退場と夜公演客の入場がモロかぶりして、エントランスが大混乱していました。

あと、これは演奏会というより会場の問題ですが、会場から駅までの導線があまりにも細くて、退場後の客がなかなか刷けない(道が細くて詰まる)のもストレスでした。なんであそこにキャパ2000人のホール作ったし、と思ったほど。
あれは、早急に歩道を拡張するか、別の導線を作るかした方が良いと思います。終演後のほっこり気分が、駅までの大渋滞でスンと一気に冷めました。

■次回公演に超期待、そして音源化はよこい
公式初のオクトラ単独オーケストラコンサートだった今回の演奏会。常に「良き」と「イマイチ」に揺り動かされるという複雑な感想を抱きながらの鑑賞でしたが、最後はなんだか満足感に包まれたので全体的には良かったと思います。「良い演奏会にしてやるぞ!」というオクトラの音楽に対する熱量をとても強く感じたので、それが全ての欠点を帳消しにしたような気がします。

今回の演奏会、ものすごい数のマイクが立っていたので、いずれ音源化されるのではないかと思います。というか、もう一度聴き直したい、何回も聴き倒したい曲がいくつもあったので、音源化希望です。音源化、超希望(大事なことなので

また、オクトラには今回惜しくも選曲から漏れてしまった楽曲にも素晴らしいものがまだまだたくさんあるので、今回の演奏会をベースに、ぜひ次に繋げていってほしいです。
オクトラの音楽、めちゃくちゃいいぞ。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと曲ごとの感想になります。

[ゲームRev] Tales of ARISE – Beyond the Dawn

2021年9月に発売されたRPG「テイルズ オブ アライズ」(以下、本編)。その大型ダウンロードコンテンツ「Tales of ARISE – Beyond the Dawn」(以下、DLC)が2023年11月にリリースされました。
それを先日ようやくクリアできたので、ここに感想を記します。
クリア時点でのプレイ時間は、難易度を一番簡単な「ストーリー」にしてサブクエストを全制覇して、約28時間。パーティメンバーのLvは全員92でした。

本記事は、DLCのネタバレはもちろんのこと、本編の核心に触れるネタバレも極力排除した形にしようと思います。

■本編リリースから2年ぶりの大型DLC
本編をプレイしたのはリリース直後だったと思います。
その頃の我が家にはPS5がなかったため、PS4版の円盤でプレイしてました。
それから2年。まさかのDLCリリース決定。その2年の間にPS5が安定供給されるようになったため、他ゲームとの兼ね合いもあってPS5を購入しました。
そして現在。PS5はPS4ソフトと互換性があるので、空白スペースをを少しでも増やすためにPS4は早々に処分。今我が家にあるPSシリーズはPS5のみです。PS5が思いの外大きくて場所を取り過ぎた。。。

そんなわけで、PS5にPS4版の本編ディスクをロードして、PS5からDLCを購入して本作をプレイしました。セーブデータはPS Plusの「セーブデータお預かりサービス」からPS5本体にDLしました。

とまあ、本編プレイ時から2年以上経過しており、複数プラットフォームが入り組んだ状態になってしまいましたが、それでも特に問題なくプレイできました。本編セーブデータの特典も難なくゲット。面倒くさい操作は不要でした。

そういえば、PS4版本編は〇ボタン決定だった覚えがあるのだけど、DLCは×ボタン決定になっていました。あれ? PS5版DLCがインストールされたのかな? それともPS4/PS5関係なく、DLCは×ボタン決定なのかな?

■追加DLCとはいえ、これ一本でしっかり楽しめた
個人的には、面白かったです。お値段並みには楽しめたと思います。
もちろん不満点がないわけではありません。ただ、総合するとプラス評価になります。不満より満足の方を強く感じました。

蛇足ですが、本編をプレイした上でのDLCプレイ推奨です。
DLCがインストールされていれば、本編クリア前でもDLCのプレイは可能だと思います。が、操作のチュートリアル的な説明は、DLC追加要素以外にありません。基本操作くらい知っているはずだろ、という状態をプレイヤーに求められます。
なにより、初っ端から本編ネタバレがあります。どのくらい初っ端からかというと、DLCのタイトル画面を長時間放置していると自動で流れるOPムービーのド頭からです。
アライズ本編は段階を踏んで世界の真相を知っていく過程も面白い作品なので、本編がまだの人は本編からプレイした方が無難です。まずは本編のプレイを。

とはいえ、さすがに本編プレイから2年のブランクがあったので、一度は最後までクリアしたはずの自分も、大半のことは忘れていました。
バトルどうやるんだっけ、CPってなんだっけ、マップやイベントリストを表示させるのどのボタンだったっけ、釣りの操作方法どうだったっけ、秘奥義の発動条件さっぱりわからん、という状態でした。
あと、台詞の中に固有名詞がぽっと出てくるのですが、結構な確率で「……誰?」になりました。すごくアクの強い人物は覚えているのですが、モブに近い名前持ちキャラまではさすがに覚えていなかったです。
なので、DLCプレイ開始当初はいろいろ思い出すところから始めなければなりませんでした。

これはアライズに限った話ではないのですが、最近よく目にする大型ダウンロードコンテンツは、本編リリース日からあまり間を置かずにリリースしてほしいなと思いました。開発期間の問題があると思うのだけど、本編リリース時点でDLC出すなら出す、出さないなら出さないって、潔くスパッと決めてほしいです。思い出す作業に時間を取られるのが、なんかこう、モヤモヤしました。

■エンディングを迎えてめでたしめでたし、とはいかないその後の世界
DLCの舞台は、本編エンディングから1年後のダナ。
本編最後に最悪最大の脅威から世界は救われたけれど、その影響で環境も一気に大きく変わり、全人類が変化の受け入れを半ば強制的に課されて大混乱の真っ最中、という世界です。

この描き方が、なるほど上手いなと思いました。

ゲームのエンディングと言えば、世界の脅威が消滅してめでたしめでたしのハッピーエンド、という展開が多いけれど、本作はさらに先の世界情勢が描かれています。特に、突然の変化に理解が追い付かず右往左往する一般市民のモブが絶妙な描かれ方をしていて、「まあ、そりゃそうだよな」と思いました。自分もモブ側の身になれる自信があるので、どのモブの言い分も理解はできました。
主人公一行やその協力者の一存で世界は救われたけれど、モブの全員がそれを望んでいたかというとそういうわけでもなく。まして、主人公たちが何のために何をしたのかすら知らされていたわけでもない。それでいきなり、「お前ら明日からいろいろ変わるから、あとはいい感じによろ」とか押し付けられても不満しか出ないよな、と思います。うんまあ、そりゃそうよな。
そこが如実に表現されていて、絵空事ではなくちゃんと地に足のついた”その後の世界”が描かれたのはとても良かったです。

それにしても、本編のヒドい状況を作り出した諸悪の根源は、本当に性質が悪い。改めてしみじみ実感しました。

[ゲームRev] モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~

2021年7月に発売されたSwitch/Steam用RPG「モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~」を本編までクリアしたので、その感想を記します。
プレイしたのはSwtich版。クリアまでにかかったプレイ時間は約62時間。クリア時の主人公のレベルは46で、他の戦闘メンバーも概ね同じレベルでした。
なお、クリア後要素は未プレイです。

全体的に辛口な感想になってしまったので、この先を読まれる方はご注意ください。

■モンハンをRPGにした作品ならば、まあ納得
アクションゲーム「モンスターハンター」シリーズのRPG版として位置付けられた「ストーリーズ」。その第二弾が本作になります。
なんて知ったかぶったところで、自分がプレイ前情報として知っていたのはそれくらいです。それ以外はガチのミリしら状態。前作も未プレイで、前作と本作に繋がりがあるのかどうかすら把握していませんでした。今もしていないかも。

そもそもモンハン自体、「ライズ/サンブレイク」しかプレイしたことがありません。鍛錬してもどうにもならないレベルでアクションスキルが壊滅的なため、いつもPVを見る度に「なんかすげーな(俺にはできそうにないな)」と尻込みしてしまうのです。
唯一プレイしたことのある「ライズ/サンブレイク」は、MRクエストの3つ目か4つ目あたりからモンスターがやたら強く感じられて苦行になってきてしまい、リタイアしました。やっぱり俺には無理だったよ……。
ただ、曲はとても好きなので、本家モンハンのサントラは何枚か持っています。

そんな自分が改めて挑戦してみようと思ったモンハン。それが本作。
感想を率直に述べるなら、「純粋なRPGとしてはイマイチ。RPG化したモンハンとしてならば、なるほど納得」です。

■物語について
「モンハンに物語性を期待したらアカン」とライズを一緒にプレイしていた友人(モンハン暦がそこそこ長い)に言われたことがありますが、本作でもそれは当てはまりました。
物語がとても薄い。特に捻りも何もなくドストレートで、とても薄いです。
「ストーリーズ」というから重厚な物語が展開されるのかと想像していましたが、そんなことはなかったです。モンハンに物語性を期待したらアカン。

メインクエストは、おつかいクエストが多いです。おつかいついでに、世界観や現在の状況、NPCのバックボーンなどが説明されます。
一部のNPCの話は、深くは語られませんが、おそらく前作に絡む話なのだろうな、という話っぷりでした。メインに直接絡む話ではなかったので、前作を知らなくても「へー、そうなんだー」で済ませられる内容でしたが、前作を知っているとより理解度が深まるかもしれません。
で、おつかいクエストを2, 3回こなしてNPCとの親睦が深まると、ようやくメインの話が転がるクエストに繋がります。
メインの話が進むと、ようやく仲良くなったNPCがあっさりメンバーから脱退します。そして、新たな地で新しいNPCと出会うことになります。
そんなNPCの入れ替わりを繰り返しながら、物語を進めていくことになります。

この物語ですが、やたら「絆」を連呼されて、話の半ばあたりから食傷気味になってしまいました。「とりあえず『絆の力』って言っとけば説得できんだろ」くらいのノリでぽんぽん出てきます。そして、それで最後までゴリ押しされます。
あまりに扱いが軽いので、なんだか子供向けのヒーローものを見ているような気分になりました。対象年齢を下げたモンハン、といった様相です。
なんか、思ってたのとちょっと違いました。

ただ、おつかいクエストを数回繰り返してからの重要クエスト発生という展開は、そういえば「ライズ/サンブレイク」もそんな感じだったなぁ、とふと思い直して、ほんのり納得もしました。薄味展開なのもモンハンであれば、まあうん、納得できないこともない。

■登場人物について
主人公はハンターではありません。
初っ端に明かされたその設定の時点で、「え、違うの!?」と肩透かしを食らった気分になりました。
が、それはまあ、システム面の都合からそうなったと、少し話を進めて理解しました。

主人公は、モンスターを討伐するハンターではなく、モンスターと共存する若き(やや幼い)ライダーです。「オトモン」と呼ばれるモンスターを使役し、乗りこなして、ともに戦うことになります。
ああ、だから”ハンター”ではなく”ライダー”なのね。でもそれなら「モンスターハンター」じゃなくて「モンスターライダー」じゃん、とも思いましたけれど、そこはまあいいや。

主人公はキャラメイクできます。そこは本家モンハンと同じです。
そして、主人公はほぼ喋りません。そこも本家モンハンと同じです。
主人公が喋らない代わりに、お供としてずっとついてくるナビルーというキャラが喋りまくります。
このナビルー、上から目線の知ったかでベラベラ喋りまくるので、会話を聞いていてわりとイラッとしました。「いや違う、そうじゃない」というところも強引に推し進めたり、主人公の功績をまるっと自分のもののように誇ったり。お前、あんま何もしてないよね。
これでアイルーのようなもっと猫っぽい愛らしさがあったらまだ許せたけれど、ナビルーはあんまり可愛くないです。。。
モブのアイルーはあんなに可愛いのに、どうしてこうなった。

ナビルーはひたすらうるさいし、主人公はナビルーのイエスマンと化しているので、最後までプレイしても2人ともあまり愛着は湧きませんでした。

ただ、途中参加するNPCには概ね好感を抱きました。
なんかこう、常識人というか器が広いというか。とても良い人ばかりです。
お気に入りはリヴェルト。ヘラヘラとテキトーなフリしてやることはちゃんとやる実は優秀な人物というところに好感を抱きました。たぶん俺は、そういうキャラに弱い。

[GMCD] SINoALICE ーシノアリスー Original Soundtrack Vol.3

2017年6月にサービスを開始し、先日2024年1月15日にサービス終了したスマートフォン向けアプリゲーム「SINoALICE -シノアリス-」。そのサウンドトラック第3弾が先日発売されたので、DL販売版を購入して一通り聴いてみました。
収録曲数は全17曲。再生時間はトータルで約61分になります。
Vol.1やVol.2に比べると曲数は半分くらいだけど、再生時間はほぼ同じくらいです。1曲あたりの尺が長いのかな。

「シノアリス」というゲーム自体は、サービス開始直後1, 2年ほどプレイしたことがあります。確か、アラジンに続いてラプンツェルが追加されたあたりまでかな。
その頃からGvG戦優遇の色が濃くなってきて、人見知りソロプレイヤーには厳しい環境になってきたことから次第にプレイから遠ざかり、そのまま引退しました。

途中で引退した身なので外から見ていた印象の話になりますが、シノアリスはきれいに完結して潔くサ終した珍しいスマホゲームだと思います。
スマホゲームというと、サービス開始から数年経過すると復刻イベントや復刻ガチャ(要するに使い回し)が年々増えて新規イベントが減り、最後グッダグダの消化不良のまま打ち切りのようにサ終することが多い印象(だから、スマホゲームはあまり好きではない)ですが、その通例を覆したシノアリスは素晴らしかったです。見事でした。サービス開始時にグッダグダの前借りをしていたのかな、というくらい。
可能であれば、ソロプレイ可能な形にしてオフライン版を制作してほしいとすら思っています。GvG要素さえなければちゃんとプレイしてみたいと思うし、思うだけならタダなので。
まあでも、きっとGvGがあのゲームの肝なんだろうなぁ、という気もしているので、望み薄かな。

ゲームはしばらくプレイした後に引退してしまいましたが、BGMは好きなのでサントラは購入し続けていました。Vol.1, Vol.2も持っています。
で、満を持してのVol.3発売。おそらく完結編です。
最終トラックの名前が名前なので、まさかの続編でも出ない限りはこれ以上ないのではないかなと思います。

第3弾にして完結編の本作は、なんというか、個性の強い楽曲揃いだと感じました。
純粋にドラマティックなゲーム音楽から、非常にシンプルで神秘的な曲、そして一風変わった曲まで、ある意味何でもアリです。バラエティ豊かです。
頭から聴いていると「今ノ コレハ ナニ?」と思わず片言になってしまうほどの困惑を覚えることも多数。
それでいて「でも、シノアリスだし」と妙に納得できてしまう自分もいました。
良く言えばバリエーション豊か、雑に言えばごった煮的な何かです。

ただ、一曲一曲はすこぶる良い曲です。自分は好きです。
方向性はバラバラなのでまとまりはあまりないけれど、各曲はとても良い曲です。
初めて聴いた時は盛大に面食らって思考停止した曲もありましたが、何回か聴いていくうちに「これも味わいがあるなぁ」と思えるようになりました。

そのまとまりのなさも、ラスト4曲が良い感じに盛り上げて良い感じにカタルシスをもたらしてくれるので、これはこれでOK!という気分にさせられます。
冷静に考えると「あれ? なんで??」と思ったりもします。わりと強引に捻じ伏せられた気もします。が、そう思えるのだから仕方ありません。だって、シノアリスだし。

とにかく尖っていて印象に強く残った曲は2つ。

1つ目は、本作2曲目の「逝去=咆歌」。
1曲目も同じ路線なのですが、こちらは10分を超える長尺版で、それ故にインパクトが大きいです。
そして、ガチのオーケストラ曲です。音楽の授業とかで聴いたことがありそうでなさそうな、ガチのクラシック音楽です。オーケストラ調のゲーム音楽ではなくて、ゲーム音楽要素のあまりないオーケストラです。
初めて聴いた時は、しばしの思考停止に陥った後に「え、買うアルバム間違えたか?」と焦ったほど驚きました。ゲーム音楽のアルバムを買ったはずなのに、再生してみたらいきなりバリバリのクラシック音楽(ぽいもの)が始まったのだから、戸惑わないわけがありませんでした。
でも、わりとすぐに受け入れられました。むしろ好きな類の曲でした。クラシック音楽(特に交響曲)も好きだし。
それにシノアリスの世界観設定なら、ガチのクラシック音楽もアリかなと思いました。

2つ目は、本作中盤あたりにある「抑鬱/彼我」と「魅惑/迷路」。
たぶんこれ、2曲ともボイスパフォーマンスですよね。後者のずっと低空飛行している低音も人の声っぽい気がする。
シノアリスって人数的には女性キャラが多かったので、男声のボイパの曲が入ってくるのは意外に感じました。でも、耳に馴染んでくると面白いと思えました。
この曲の周辺は全部声な曲が数曲集まっているので、どれも聴き続けているとそれぞれクセになります。中毒性があります。

曲として印象に残ったというよりは、曲名も含めてやたら印象に残ったのは「歓喜/末路」。
シノアリスの楽曲にしては珍しく前向きで明るい曲です。曲名通り歓喜に満ちた曲です。
が、悲しいかな、いかんせんシノアリスの楽曲なので、正直不安しか感じませんでした。きっとこの天国のような曲が流れた直後に、登場人物は地獄の底へ叩き落されるに違いない。
シノアリスをプレイしたことがなかったらこんなに不安に襲われることなく、普通に「珍しくポジティブな曲だな~」と思えたのかもしれないけれど、少なからずゲームをプレイしたことがある身ではとてもそんな風に思えませんでした。なんかあるよ、これ絶対になんかあるよ!

そして、順当に格好良い曲枠担当の「断絶≠滅望」と「決戦≠救望」。
最後の最後に満を持して登場した、問答無用に格好良い曲です。ここまで一風変わったクセ強で小粒な曲が続いていたけれど、待たされた甲斐がありました。Vol.1, Vol.2にあった格好良さが、ここに凝縮されて爆発したような雰囲気です。たまりません。
曲自体は、Vol.1やVol.2にあった戦闘曲のアレンジだと思うのですが、どの曲だったかまではわかりませんでした。Vol.1の最初のバトル曲「鏖殺ノ饗宴」のフレーズが入っているのは分かったけれど、他にも混ざっている曲がありそうな気がします。この曲を聴いていると、途中で引退した身なのになんかちらちらと記憶を横切るものがあるので。
よし、Vol.1から聴き直すか。

というわけで。
今年の年明け早々にきれいにサ終したシノアリスのおそらく最後となるサントラでしたが、小ぶりながらもユニークな曲揃いで、耳に慣れたらクセになって離れ難くなった曲揃いでした。
サントラだけでこんなに想像力を掻き立てられて気持ちを翻弄されたのは久しぶりかもしれません。
岡部啓一さんの作風(NieRのようなもの)は本作では薄いのですが、シノアリスを最後まで見届けたい方は聴いてみてほしいです。そして「まあ、シノアリスだし」という気分を一緒に味わってほしいです。

今にして思うと、「シノアリスだし」で何もかも納得できてしまうのがシノアリスの一番の強みだった気がする。

[GMEV] 十三機兵防衛圏オーケストラコンサート2024 -ReSTART-

2月17日(土)にドラマチックアドベンチャー「十三機兵防衛圏」のオーケストラコンサート(再演)が開催されたので、今回も行ってきました。
会場は、神奈川県相模原市にある相模女子大学グリーンホール(相模原市文化会館)。
15:00開場、16:00開演で、18:20頃に終演しました。

今回の公演、演奏は東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、指揮は佐々木新平氏でした。

■ま、まさかの再演っ!?
今回の公演は、公演名に「ReSTART」とあるように、2023年1月に開催された初演の再演になります。
初演、すごく評判が良かったのでしょうか。確かに個人的にもすごく思い出深い演奏会で、「あの電子楽器をバリバリ使用したテクノ風味の楽曲が、オーケストラになっても違和感が仕事しないのどうなってるの!?」と大きな衝撃を受けたものです。前回公演まで十三機兵防衛圏の音楽に対する印象はふんわりしたものでしかなかったのだけど、あの公演を機に輪郭がはっきり見えるようになりました。
まあ、とにかくめちゃくちゃ良かったのです。
だから再演も納得だし、再演の発表があった際にはよっしゃ来たーッ!!とばかりにチケット争奪戦に参加しました。

そんな再演だったので、期待度は最初から高かったです。
前回はそれほど乗り気ではなくて、ただ「-{EDGE OF THE FUTURE}」と「Brat Overflow」の2曲が聴きたくて行ったようなものでした。
が、今回は演奏される全ての曲を全集中でもう一度聴きたいという一心で、相模原まで片道1時間強かけてがんばりました。相模原、遠かったわ……。

で、結論を率直に言えば、「十三機兵防衛圏」の演奏自体は全体的には前回の方が好みでした。
曲単位で言えば今回の方が好みのものもあったし、演奏以外で目覚ましい改善点もあったのですが、総合的に言えば前回の方が自分は好きです。

その辺に関して、これからつらつらと書き連ねていきます。

■プログラムは前回を踏襲+新規アレンジ2曲
今回のプログラムは「十三機兵防衛圏」ほぼオンリーでした。
前回の演奏会にはあった「オーディンスフィア レイヴスラシル」と「ドラゴンズクラウン・プロ」は、今回ありません。
その代わりに、近日リリース予定の「ユニコーンオーバーロード」の楽曲が披露されました。
とはいえ、「十三機兵防衛圏」の楽曲がアンコールも含めて全て演奏された後だったので、立ち位置的には完全におまけ扱いでした。まあ、仕方ない。

前回演奏された「十三機兵防衛圏」の楽曲は、今回全てありました。
前回やったけれど今回やらない曲があったらどうしよう、とプログラムを見るまで一抹の不安を抱えていたりもしましたが、杞憂で済みました。
プログラムを見て一番ほっとしたのは、「-(TRYPTOPHAN)-」が入っていたこと。あの曲、前回ノーマークで演奏を聴いたらツボを思いっきり射抜かれて、今回もまた生音で聴きたいと切に願っていた曲でした。良かった、また聴けた。

曲順も前回とほぼ同じ。
後半はともかく、前半は曲順の見直しが発生するかなぁと予想していたのですが、それはありませんでした。”再演”へのこだわりを、思っていた以上に感じました。

唯一異なる点は、新規アレンジ曲が2曲追加されたこと。
「-(LEUCINE)-」と「-(ISOLEUCINE)-」が「(VALINE)-」の前に追加されました。
ただでさえ難解な曲ばかりなのに、輪をかけて難解な崩壊編の曲が増えて演奏者の苦労がさぞ増大したのではないかと心苦しさがないわけでもないのですが……ごめんなさい崩壊編の曲が好きな身としては歓喜が圧倒的に大勝利しました。大歓迎です。

■編曲は、前回から一部改編してるっぽい雰囲気
演奏曲目こそ前回公演をまるっと踏襲(+新規2曲)でしたが、アレンジは多少変わっているような気がしないでもないと思います。
そんな曖昧な表現になってしまうのは、前回公演から1年以上経過しており、さすがに隅々まで覚えているかと言われると自信がないためです。なんかこう、強烈なインパクトを残した数ヶ所は明確に記憶に残っているけれど、それ以外はふわっとした印象の残滓しかなくて、比較できないのです。
まあ、パンフレットにもそれっぽい記述があったので、おそらく編曲には多少なりとも見直しが入っていると思います。
実際に演奏を鑑賞中も、「なんか、前回と違うかも?」とフッと感じた箇所がいくつかありました。意外と記憶に残っているものなのかな?

編曲の方針は、昨年とほぼ同様です。
原曲をなるべく重視しつつも、オーケストラ一本で勝負。原曲ではテクノ寄りだった音色も、違和感なくオケに上手く置換されていました。
ここで違和感がほぼ仕事しないレベルにまで綺麗にオーケストレーションされていたのが、本当にすごいです。崩壊編なんてバリバリのテクノ調なのに。これはすごい。

ただ、ゲストトークで工藤氏いわく「一度オケ風に作曲したものを、テクノ系の音色に変換する形で作曲した」と仰っていたので、実は根底の部分でオケと相性は良かったのかもしれません。
そういえば、すっかり忘れていたけれど、前回の公演だかどこかでそんな裏話を耳にした覚えがあるな。

■奏者のみなさん、本当にお疲れさまでした
前回もそうでしたが、演奏は大体どの曲も鬼畜曲でした。ピロピロした音の乱舞がとんでもないです。指を休める暇がありません。
あまりの超絶技巧の数々に、演奏を聴いているだけのこちら側ですらハラハラを通り越して、胃がキリキリしそうでした。いやもちろん東京シティ・フィルならやってくれるに違いないという安心感はあったけれど、奏者の苦労を考えると少しだけごめんなさいの気持ちも湧いてきました。
でも、格好良かったです。すごいプロの技と根性を見た気分です。プロ奏者かっこいい。

前回もそうでしたが、今回も弦楽器とリズム隊が傍目からでもたいへんそうに見えました。
弦楽器は、上下に激しく動く短音の連なりをテンポ通りに弾きこなすところで鬼気迫るものを感じました。時々、指の動きがとんでもないことになっていたり、まるで限界に挑戦しているかのようでした。
リズム隊は、一人一人にかかる責任が半端なく大きかったです。どの演奏会でも打楽器はどれもそうなのですが、今回の公演はリズムの取り難い曲が多かったから、リズム隊が狂ったらみんな狂いそうな曲が目白押しだったのではないかと。よく狂わずにまとめたと感心しました。

見るからにプロではないと手を出してはいけない曲揃いでしたが、さすがにプロでも難しいらしく、ちょいちょい大きな演奏ミスがありました。特に後半。金管楽器で目立っていました。
まあ、ただでさえ鬼畜な曲だし、金管は音を外すと目立つから仕方ないところもありますが。うん、仕方ないかも。

とはいえ、拍子の取り難い曲やとにかく速いパッセージばかりの曲、タイミングを合わせるのが難しい曲盛り沢山のプログラムなのに、空中分解させずに見事に着陸させた点は純粋にすごいと思います。さすがプロ。

■それでも前回の方が好みだと思った理由
今回の公演も満足度は高く、終演後はホコホコした気分で帰路に着いたのですが、それでも前回の公演の方が自分の好みに合っていました。
何よりも強く感じたのが、音色が縦割りで無機的なところ。
座席の問題なのか、編曲の意図なのか、指揮者の意向なのかはわかりませんが、なんだかやたら冷静でスマートな反面、ここぞというときのダイナミックさや情熱が物足りないと感じました。
前回は「ここが聴かせどころ!」という箇所で音が有機的かつ多層的に絡み合って融合して爆発していたので、今回もそんな演奏を期待していました。が、今回はそういう箇所でもサラッと流されてしまい、あれ?と肩透かしに似た気分をしばしば味わいました。そこは少々残念でした。

でも、十三機兵防衛圏では有機的な演奏と無機的な演奏、どっちが正解なのだろう?(素朴な疑問)
ま、正解なんてないのかもしれないけど。

■ベイシスケイプの曲はそれ単体で聴くと難解だと再認識
ユニコーンオーバーロードの曲についても少々。

演奏を聴いてまず感じたのは「1曲が思ったより長い」、次に思ったのは「ゲーム体験なしで聴くと難解」でした。

前者については、思っていた以上に尺が長かったです。「十三機兵防衛圏」がわりとサクサク次の曲へと流れていったので、その感覚で身構えていたらなかなかアウトロが来ない。すごくたっぷり曲を聴いた気分になりました。

後者については、「十三機兵防衛圏」を含むベイシスケイプのこれまでの楽曲が大体そうなのですが、ゲーム体験を伴わないと頭になかなか入ってこないなと感じました。
今回披露された曲も、1日経過した現在、もう断片的にしか記憶に残っていません。曲単体で耳にすると掴みどころがなくて、ふわっとしか残らないのです。

ただ、雰囲気は正統派の中に時折個性が光り輝く感じで、ゲーム体験が伴ったら自分の好みに刺さりそうだという予感を抱きました。おそらく自分にとってのスルメ曲になるのではないかと。

■運営がかなり改善されててストレスフリーだった件
今回の公演で一際改善されていたのは、運営。
前回カオス過ぎた物販がすごくスムーズになっていたのが、何よりも嬉しい配慮でした。

会場前物販にかなり長い時間が割かれていて、スタッフさんはたいへんだったと思いますが、大きな混雑も長い待ち時間もなく買い物ができました。いい感じに人がばらけていたのではないかと。これは良い。
また、物販と同時間帯に公開された展示も人が集中することがあまりなかったので、それほど急かされることなく見ることができました。

今回の物販・展示でユニークだったのは、なんといっても焼きそばパンの販売(事前予約制)。
30分単位の予約制になっていて、これが上手い具合に人混み分散の一役を買っていたと思います。十三機兵防衛圏ならではのユニークな試みでした。

■なんだかんだ言っても、再々演があればやっぱり行くと思う
演奏に関しては前回の方が好みでしたが、前回が突き抜けて良過ぎた感じもするので、今回の公演も悪くはありませんでした。難曲ばかりのプログラムを大きなトラブルなく演奏しきったプロの技が見事でした。
また、運営が一気に改善されていたところは、たいへん褒め称えたいところです。開演前にヘトヘトになることは全くなくて、とてもスムーズで快適でした。

今年の5月に十三機兵防衛圏のオーケストラアルバムが発売されると告知がありましたが、演奏があまりに良かったので、これを書き終えたら予約しようと思います。
それはそれとして、円盤だけでは味わえない生音ならではの良さがあるので、また演奏会を開催してくれるととても嬉しいです。また足を運ぶと思います。


これより下の追記は、今回の演奏会のプログラムと曲ごとの感想になります。